横浜市は待機児童「増加」 保育士不足の現状を取材しました。
FNNニュース 2013年12月12日
神奈川・横浜市は、保育所の待機児童ゼロを2013年4月に達成しました。
しかし、10月の時点では、ゼロだった待機児童が231人にのぼることがわかり、横浜市は、さらに保育所を増やすなどして、待機児童ゼロを再度目指すことにしています。
全国的に見ると、保育所の数は年々増えていますが、保育士が足りないというのが現状です。
その現場を取材しました。
11月、東京都内で行われていた就職説明会。
採用担当者が必死でアピールするその職種は、保育士。
今、待機児童解消に向け、各自治体で保育所の増設が急ピッチで進められ、その陰で働き手の保育士不足が深刻化しているという。
採用担当者は「各園数名ずつ、保育士が現状として足りないというところもあるので」と話した。
しかし、保育士不足の原因は、施設が増えたことだけにとどまらない。
東京・日野市に住む専業主婦・佐竹綾乃さんは2年前、娘を出産した。
子育てが落ち着いてきたことから、昔からの夢だった保育士として働きたいと考えている。
その一方で、不安に感じているのが待遇面。
佐竹さんは「正直、すごく大変だったりすると…、もし給料が見合ってなかったりすると、迷っちゃうかもしれないです」と話した。
保育士の平均給与は、月21万4,200円。
全職種と比べても、およそ11万円以上少ない。
そのために就職に二の足を踏む人も少なくない。
厚生労働省は、保育士の賃金アップのため、補助金340億円を投入。
2014年度から、月収30万円の保育士で、月8,000円程度、賃金がアップすることになる。
しかし他業種との格差は、依然、大きなままとなっている。
佐竹さんは「いくら待遇がよくても、ただただ大変な仕事もありますので、そこはてんびんにかけていきます」と話した。
2013年4月に開園した横浜市の北寺尾むつみ保育園。
ここも保育士不足に頭を悩ませていた。
横浜・北寺尾むつみ保育園の長深田 悟園長は「これがそのときの印です。結局、ここも、ここも、(採用は)無理であったと」と話した。
開園の1年近く前から、保育士を14人募集したが、7カ月間で応募数はゼロだったという。
長深田園長は「このときはショックでしたね。(保育士が)全くいなかったということです」と話した。
その後、遊具の一部を中古品で購入したり、延長保育などの実施を決定することで、国からの補助を確保。
その差額分を1カ月2万円の給与アップなど、保育士の待遇改善に充てることにした。
その結果、開園直前となった2月末、ようやく定数ぎりぎりの人数を確保することができたという。
長深田園長は「必死で、どうなるかと思いましたね、寿命が縮まりました。職員(保育士)が集まらない限りはスタートできませんので、もう本当にほっとしましたね」と話した。
11日、待機児童ゼロ達成宣言から再び231人に増えたことを発表した横浜市。
現在、保育士獲得に向けて説明会を行うなど、取り組みをスタートさせている。
横浜市保育対策課・佐藤英一課長は「保育所の整備をしていくということでいうと、やっぱりどうしても、それに必要な保育士さんの確保っていうのは喫緊の課題になっています。やはり保育士さん、本当に大変な仕事です。給料も安いっていうようなことも言われています。その意味では、処遇改善ということでは、国の方に対して、やはりぜひ改善をしてくれっていうことで、要望をあげているところです」と話した。
養子あっせん 事業者に行政指導
NHKニュース 2013年12月11日
特別養子縁組のあっせん事業を巡って、東京都は、縁組みを希望する人から一律で120万円受け取っていた民間事業者など都内の2つの事業者に対して、「法律が禁じている営利目的の活動になるおそれがある」として業務を改善するよう行政指導を行いました。
特別養子縁組は、血縁関係のない子どもと大人が裁判所の許可を得て戸籍上の親子関係を結ぶ制度です。
厚生労働省は100万円を超える多額の寄付金を縁組みを希望する人から受け取っているケースがあるとして、ことし7月児童福祉法で禁じている営利目的のあっせんをしている事業者がいないか実態を調査するよう東京都などに指示しました。
都が都内にある5つの民間事業者の立ち入り調査を行った結果、3つの事業者が、「寄付金」などとして、縁組みを希望する人から1件当たり100万円以上を受け取っていたということです。
しかし人件費や交通費など実費として処理すべきものを「寄付金」と誤って計上するなどして、いずれも明確に営利目的と認められるケースはなかったということです。
そのうえで、都は必要な経費が異なるにもかかわらず一律で120万円を受け取っていた事業者など2つの事業者については、「営利目的の活動になるおそれがある」などとして、業務を改善するよう行政指導を行いました。
実費や経費の明確な基準を
この問題を巡っては、縁組みを希望する人から徴収できる実費の範囲や、経費の透明性を求める明確な基準がないのが課題だという指摘が出ています。 東京都は、民間事業者に対して、経費の内訳を縁組みを希望する人に公表し透明性を高めるよう文書で指導するとともに、国に対して、事業者が徴収できる実費の範囲などについて明確な基準を定めるよう要望しました。
東京都家庭支援課の西尾寿一課長は、「実費の上限額や基準額がないので、調査や指導が難しかった。国には明確なガイドラインを示してもらいたい」と話しています。
世界の乳幼児35%が出生未登録 教育、福祉の障害に 国連が警告
MSN産経ニュース 2013年12月11日
世界で5歳未満の乳幼児のうち約35%が政府や自治体に住民として登録されておらず、出生段階で届けが出ていない割合は4割に上るとの報告を国連児童基金(ユニセフ)が10日発表した。教育や福祉の障害になると警告し、背景には手続きが不便な地域の存在や手数料が高すぎるなどの事情があると指摘している。
世界161カ国の統計をまとめた。アフリカ東部ソマリアでは5歳未満児が3%しか登録されず、アフリカ西部リベリアが4%。最貧国全体では37%。アジアではパキスタンが27%、インドが41%の登録にとどまり、中国は有効な統計がない。日本は100%。
ユニセフによると、子供たちには身分証明書類が発行できないため、教育や保健ケア、社会保障の対象外になることが少なくない。災害や紛争で家族と生き別れると元に戻れなくなる危険も高まる。(共同)