所在不明の子ども、実態把握へ 厚労省が調査要請

朝日新聞デジタル 2014年4月16日

乳幼児健診を受けないなどの理由で、所在や安否を行政が確認できていない子どもについて、国が人数などの全国調査に乗り出す。厚生労働省が15日、市町村に調査を要請したことを明らかにした。児童虐待の恐れもあるため、実態を把握したうえで対策を検討する考え。夏ごろに結果を公表する予定だ。
調べるのは、住民基本台帳に登録されているのに乳幼児健診を受けていなかったり、幼稚園や保育所、学校などに途中から来なくなったりして、5月1日時点で保護者と連絡が取れない18歳未満の子どもの数。厚労省は対応方法についても、各市町村に報告を求めている。
子どもや親と連絡が取れない場合、自治体は、児童手当の受給状況などを調べる、児童相談所や学校と連携して自宅を訪問する、といった対応をとるのが一般的。だが横浜市で小学校に通っていなかった女児が母親の元同居相手の男から暴行を受けて亡くなった一昨年の事件では、転居を繰り返していた母子の状況を自治体がつかめず、虐待を防げなかった。

「児相だけでやり過ぎた」 検証委が県に報告書 和歌山市の児童虐待死事件

紀伊民報 2014年4月16日

和歌山市で昨年、父親が当時2歳の長男を虐待死させたとして逮捕起訴された事件を受け、県が設置した検証委員会(委員長=福井以恵子和歌山家庭裁判所調停委員)は15日、県子ども・女性・障害者相談センター(中央児童相談所)の対応の問題点や再発防止策を報告書にまとめた。児相の調査や他機関との連携不足を指摘。福井委員長は「児相だけでやり過ぎた。他機関と情報共有すべきだった」と強調した。
事件は、児相が乳児院で保護していた長男を家庭復帰させて2週間で起こったことから、その決定の手続きが問題視された。検証委員会は大学教授や弁護士、医師ら5人で構成。同日まで8回開き、児相や和歌山市、乳児院、医療機関などの関係機関から聞き取りをしてまとめた。詳細な調査や十分な協議、市への対策協議会開催要請、第三者による専門部会に諮ることなどが足りなかったと結論付けた。
事件前に男児は虐待によるけがで入院、児相が男児を一時保護し、父親を警察に告発した。しかし、起訴猶予となったことが、その後の家庭復帰の判断に影響を及ぼしたとした。そのため、児相が適切な判断ができるよう、起訴猶予の理由など捜査情報の共有について国に法整備を求めている。
県には児相独自の対応指針、親子関係を再構築する基本方針を設定することを要望。初任者への研修や、ベテラン職員が経験の浅い職員を支援する体制の整備も求めている。
一方で児童相談所は他機関に役割を分担せずに抱え込み、市町村や乳児院は児相に任せきりになっていた。市町村が虐待相談を受け、措置が必要なものについては県が対応することになっているが、実際は市町村で解決できる案件についても、多く県に上げられているという。
特に和歌山市からの受け付けが、児相の虐待相談件数の過半数を占めているとし、同市の対応を「虐待リスクへの認識不足や第一義的相談窓口としての自覚に欠けていた」「具体的な対策を設定し主体的に対応するという姿勢がなかった」と指摘。市立児童相談所の設置を検討するよう求めた。乳児院や医療機関に対しても児相との連携が必要だったとした。
報告書は福井委員長が、県福祉保健部の中川伸児部長に手渡した。中川部長は「提言に沿って、二度と同じようなことが起こらないよう、対策を講じていきたい」と話した。

これに関連し、県は15日、当時の子ども・女性・障害者相談センター所長、センター次長、センター子ども相談課長を厳重注意とした。
家庭復帰について、経験則に基づいて判断するなど慎重さが欠けており、組織としての対応に問題があったと判断したという。

児童虐待防止の標語を募集 厚労省

MSN産経ニュース2014年4月17日

児童虐待の発生予防、早期対応に理解を深め、子供の自立に社会的関心を喚起する標語を厚生労働省が募集している。簡潔で覚えやすいもの。最優秀作品1点をポスターなどに活用し、作成者を11月開催の「子どもの虐待防止推進全国フォーラムinわかやま」で表彰する。
応募は1人1作品。締め切りは6月10日(消印有効)。作品と郵便番号・住所・氏名・年齢・職業・電話番号を記入し、同フォーラム共催事務局まで、はがき(〒640-8043 和歌山県和歌山市福町40 和歌山市こども総合支援センター 標語募集担当宛)かメール(jidou-hyougo@city.wakayama.lg.jp)で。メールの題名は「標語の応募」。