厚労省 平成25年度労働災害動向調査の結果概況を公表

けあNews by けあとも 2014年5月10日

平成25年度労働災害動向調査
厚生労働省はこのたび、平成25年度の労働災害動向調査の結果概況を公表した。

この動向調査における事業所調査では、平成20年度調査より「医療・福祉」分野として、病院・一般診療所・保健所・健康相談施設・児童福祉事業・老人福祉・介護事業及び障がい者福祉事業に関わる事業所が調査対象となっている。

公表された調査結果
労働災害動向調査は、主要産業における労働災害の発生状況を明らかにすることを目的として実施しており、事業所調査としては総合工事業をのぞく、10人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象に年1回調査を実施。
総合工事業調査は総合工事業の工事現場を対象に、半期ごとに実施している。
今回公表された調査の結果は、調査のうち100人以上の常用労働者がいる9,617事業所及び総合工事業の延べ4,263工事現場について集計したものだ。

医療・福祉分野の調査結果
100万延べ実労働時間あたりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す「度数率」でみると、全分野の平均度数率が1.58であったのに対し、医療・福祉分野の度数率は1.38という結果だった。
1,000延べ実労働時間あたりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す「強度率」では、全体平均が0.10だったのに対し、医療・福祉分野の強度率は0.05という結果が出た。

厚生労働省/平成25年度労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)結果の概況

父子家庭も支援拡大

公明新聞 2014年5月10日

「母子福祉資金」など対象にひとり親の経済的自立へ全国父子家庭支援連絡会 村上吉宣理事に聞く
全国父子家庭支援連絡会 村上吉宣理事―4月16日に、ひとり親世帯を支援する関連法が改正され、父子家庭支援が拡大しました。
村上吉宣理事 今回、ひとり親世帯を支援する法律「母子及び寡婦福祉法」が「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に改称し、新たに父子家庭に関する章が創設されました。同法に基づく経済的な支援も父子家庭が対象となり、これまでの「子育て支援=母親支援」という社会通念から脱し、ようやく父と母、双方の視点で、ひとり親支援、子育て支援を議論できるようになったと考えています。

これまでの父子家庭への支援は?
村上 現在、母子家庭は約123万世帯、父子家庭は約22万世帯ですが、父子家庭への支援制度は、ほとんど存在しませんでした。困窮する父子家庭は生活保護を受けるか、子どもを児童養護施設に預けて仕事をするか、という苦渋の選択を迫られていたのです。

今回の改正で何が変わりますか?
児童扶養手当受給者数村上 親の就労や子どもの就学などで必要な資金を借りられる「母子福祉資金貸付制度」の対象が父子家庭にも拡大されることは大きいです。父親も子育てをしながら、働くためのスキルを身に付けることができます。2010年度から父子家庭も対象となった児童扶養手当【グラフ】と併せ、経済的な自立支援が前進しました。

ひとり親世帯に今後、必要な支援は?
村上 現在、低所得のひとり親世帯が対象の児童扶養手当の受給者は約108万人で、増え続けています。まずは、自立するための長期計画を立てることが大切ですが、親たちの多くは、長期的な視野に立てるほど余裕はありません。そのため、母子・父子自立支援やスクールソーシャルワーカーなどを機能させ、ひとり親世帯の自立計画を立てる仕組みをつくる必要があります。その上で、ケアマネジメントの支援技術を、ひとり親支援に導入していく必要があります。

児童扶養手当や遺族基礎年金の受給基準も変わりました。
村上 今まで、児童扶養手当は、年金受給者には支給されていませんでした。今回の改正で年金額が同手当より低い人は差額を受給できるようになり、孫などを養育している祖父母などの世帯が救われます。また、遺族基礎年金は受給対象に父子家庭が追加されました。今年4月以降に母親が亡くなった世帯が対象となり、一歩前進しました。ただ、遡及して支給されないのは非常に残念です。

ひとり親支援について公明党への評価は。
村上 公明党は児童扶養手当が父子家庭も対象になった時から協力いただきました。また、東日本大震災の被災者支援などでも、国会議員と地方議員のネットワークの力を生かし、動いてくれました。引き続き、ひとり親世帯の自立支援に期待しています。

児相や県警と協力、いじめ解決…和歌山県

読売新聞 2014年05月11日

和歌山県の「いじめ対策」が効果を上げている。保護者が電子メールや手紙で仁坂知事や教育長に寄せた相談のほとんどが解決されたほか、学校だけでの対応が難しい案件も、専門家を交えた「学校サポートチーム」が支援。県教委学校指導課の担当者は「専門家ら第三者の客観的な意見がいじめ対策に効果があるとわかった。一方、そうした取り組みを通じて子どもの気持ちを教諭らが現場で受け止めることの大切さにも、改めて気づかされた」と話している。
仁坂知事は2012年9月、県民からの意見を電子メールなどで受け付ける「県政ポスト」に、いじめの相談も送るよう呼びかけた。県教委も同様に「教育長ポスト」で、いじめ相談を受け付けるようになり、13年度(今年2月20日まで)は県政ポストに11件、教育長ポストに18件の相談があった。
相談の多くは、児童生徒の保護者からのもので「冷やかし」や「からかい」「無視」などのいじめを巡り、「学校側の対応が不十分」との内容だったという。
県教委は市町村教委のほか、ケースに応じて児童相談所や県警と協力して対応。県教委は、そうした相談を通じて把握したいじめについて、「ほとんどのケースで沈静化し、保護者の理解も得られた」としている。
一方、小中高校から報告された問題について、定期的に集まって対応策を協議する学校サポートチームは13年度に設置。県警職員や弁護士、臨床心理士、退職教員ら6人で構成され、おおむね3か月に1回、計4回開催した。
昨年度は県立高校から8件、公立中学校から1件の相談があり、そのうち、いじめについては3件あった。
いじめをうかがわせる内容が個人情報とともに、スマートフォンでネット上に書き込まれた事案に、法的な対応を検討するなどしたという。
県教委学校指導課の担当者は「学校現場で細やかな対応をすることが最も大切だが、セーフティーネットとしての役割は果たせたのでは。今後も関係機関が連携していじめの問題に対応したい」と話している。(畑本明義)

体罰は「即通報」…都教委、子ども向けにDVD

読売新聞 2014年05月10日

教育現場での体罰をなくそうと、東京都教育委員会が体罰根絶のポイントなどを収録した体罰防止DVDを作成した。
小学生用と中高生用、教員・保護者用の3種類で、このうち児童生徒向けは全国初という。多感かつ指導者の影響を受けやすい子供たちにはまず、体罰が何かということを理解してもらい、「即通報」を促すのが狙いだ。
都は、2012年に大阪市立桜宮高の生徒が体罰を受け自殺したことを受け、都内全公立校の教職員、児童・生徒にアンケートを実施。それまでは学校からの報告だけで体罰の件数をカウントし、07~11年度は年約30件前後だったのが、児童生徒に広げた調査の結果、12年度は体罰が182人と、暴言などの不適切な指導542人が明らかになった。
これを受け、都教委は今年1月、体罰防止の総合対策をまとめ、子供にも体罰が何かを理解させることが必要と具体的な施策を盛り込んでいくことを決めた。
3種類のDVDでは、俳優たちが実際に子供を殴るそぶりをみせたり、暴言を吐いたりするところを実演し、体罰や不適切な指導が何かを紹介。出席簿で頭をたたくのは「体罰」。問題が解けない生徒に対し、女性教諭が「犬の方がおりこうさん」と人格を否定するような暴言を吐くのは、不適切な指導だ。
その一方で、教室に立たせるのは短時間であれば、「指導の範囲内」とも解説している。
教師・保護者向けのDVDでは、「暴力には麻薬性がある。集団を容易にコントロールでき、一度味を占めるとどんどん使う」などと専門家のコメントを紹介しつつ、「怒りを感じたら一呼吸置いて」と助言。児童・生徒用では、「先生あのね……」と、体罰を目撃した生徒が、信頼できる教師に伝える場面もある。
柔道の世界選手権金メダリストで、都教育委員を務める山口香氏(49)の「体罰をされたり見たりしたら、話しやすい先生や親に必ず相談して」というメッセージもある。
都教委では、「体罰を根絶するために子供たちが通報しやすい環境を作りたい」と話し、DVDを都内の全公立校に配布する予定だ。