結束バンドで女児縛る「自分たちの菓子食べた」

読売新聞 2014年6月2日

同居する女児(5)の手足を縛ってけがを負わせたとして、大阪府警布施署は2日、同府東大阪市高井田西、無職千々松賢(22)と、女児の母後藤夢実(22)両容疑者を傷害容疑で逮捕したと発表した。
同署によると、千々松容疑者らは昨年7月上旬~同月27日、自宅で、女児の手首や足首を結束バンドで縛り、全治3週間の皮下出血を負わせた疑い。千々松、後藤両容疑者は内縁関係。2人は「自分たちの菓子を食べた。注意してもやめないのでやった」と供述、容疑を認めているという。
昨年7月27日、体調を崩した女児が同府八尾市内の病院を受診したところ、医師が体のあざに気づき、府東大阪子ども家庭センターに「虐待の恐れがある」と連絡。現在、女児は児童福祉施設で生活している。

児童養護施設から巣立つ若者の夢を応援するスピーチコンテスト、6月29日、7月6日に3会場(東京・横浜・福岡)で開催!

産経ニュース 2014年6月2日

特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
チケット代は、夢をもち、進学を目指す若者の奨学金にあてられます。顔の見える支援を実現する、全国初の試み。

ドラマ『明日、ママがいない。』で話題を呼んだ児童養護施設。
その児童養護施設から、進学を目指す子どもたちが、
夢を語るスピーチコンテスト『カナエール』。
東京・横浜・福岡の3拠点で開催決定!チケット発売中!
逆境を乗り越え、挑戦する彼らに会いに、
彼らのスピーチを聴きに、会場へ来て下さい。
http://www.canayell.jp/contest/

児童養護施設で育つ子どもの数は全国で約3万人。頼れる親も大人もいない中、夢をもち、進学を目指す子どもはほんの一握りです。大学や専門学校への進学率は、一般の全国平均75%に対し、わずか20%。中退率は全国平均の3倍、30%にもなります。(認定NPO法人ブリッジフォースマイル調べ)
親を頼れない子どもたちは、学費と生活費を全て用意しなければならず、 働きながら学び続ける生活に、心身ともに疲れ切ってしまうのです。カナエールは、彼らの進学から卒業までをサポートする奨学金支援プログラムです。スピーチコンテストへの出場が、奨学金(一時金30万円、卒業まで月々3万円)の給付条件となります。児童養護施設の子どもたちの自立支援を行うNPO法人ブリッジフォースマイル/カナエール実行委員会が主催するカナエールは、2011年にスタートし、今年で4回目の開催を迎えます。昨年までは、東京のみの開催でしたが、今年は東京に加え、横浜、福岡と3拠点での開催を実現することができました。

カナエール夢スピーチコンテスト2014
http://www.canayell.jp/contest

カナエールは、奨学金を提供するだけのプログラムではありません。奨学金の支給だけでは、本当のサポートにならないと、私たちブリッジフォースマイルは考えます。出場者である25人(東京10名、横浜10名、福岡5名)の児童養護施設出身の若者には、スピーチコンテストまでの120日間、1人に3人の社会人ボランティアがつきます。エンパワーチームと呼ばれる3人の大人が彼らに伴走しながら、チームビルディングのための合宿、スピーチ原稿作成、映像制作、本番までのスピーチトレーニングを行います。 スピーチを一緒に創り上げる仲間の存在を感じること、数百人の観客の前で、夢を語るという大きなチャレンジを乗り越えることで、自己肯定感、進学と夢への意欲を高めます。

児童養護施設で育ち、親を頼れない若者たちの「進学」という挑戦。なぜ、彼らは進学を決心したのか、その先に彼らがみている夢は何なのか。

出場者が、120日間をかけて創り上げるスピーチを、聴きに来てください。彼らに会いに来て下さい。観客席に座るあなたの存在が、彼らの力になります。

ーカナエール夢スピーチコンテスト2014開催情報 ー

東京会場:2014年6月29日(日)13:30~17:00 日経ホール(千代田区大手町1-3-7)
横浜会場:2014年7月 6日(日)13:30~17:00 横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1-6)
福岡会場:2014年7月 6日(日)13:00~16:00 レソラNTT夢天神ホール(福岡市中央区天神2-5-55)
■チケットお申し込み方法
東京・横浜・福岡会場とも、下記インターネットサイトより、お申し込み下さい。
http://www.canayell.jp/contest/

愛情注ぎ自立促す 生活正し心理治療

佐賀新聞 2014年06月01日

虐待を受けた体験などが原因で、心理的に社会生活が困難になった子どもたちを専門的に受け入れる施設がある。情緒障害児短期治療施設(情短施設)で、佐賀県は2017年度の開設を目指し、設置する法人を公募している。子どもたちにどういう環境を提供し、寄り添うのか。先行する熊本県の民間施設を訪ねた。
九州自動車道の益城熊本空港インターチェンジから車で5分。郊外の住宅街に施設はあった。温かみのあるオレンジ色の屋根と白壁が印象的で、広い敷地の庭には芝生が広がっていた。
社会福祉法人キリスト教児童福祉会が01年4月、熊本県益城町に開設した「こどもL・E・C(レック)センター」。2階建ての建物には入所定員37人分の部屋や食堂、浴室に加え、医師室や心理検査室などがある。別棟には、地元の小中学校の分教室もある。

7割が虐待体験
子どもたちは原則、個室で生活する。部屋で女の子に声を掛けた。「魔法使いの女の子の物語が好き。でも最近はまっているのは星のお話」。小学4年の少女(9)は笑みを浮かべ、数冊の本を広げてくれた。
彼女は中学1年の姉(12)と入所している。数年前、姉が店でだだをこねた時のこと。泣きやまないため、母親と祖母が姉の口や手にガムテープを巻いた。養育能力などに問題があると判断した児童相談所は姉妹をここに入所させた。落ち着いているように見えても、極度に職員から離れたがらなかったり、時折ふさぎこんだり、心の傷は深い。
現在、施設で暮らしているのは小学1年から高校3年までの32人。平均入所期間は2、3年だが、7年近く過ごしている子もいる。親や祖父母から身体的虐待を受けた子が7割に上る。中には発達障害などの特性がある子もいて、ひとくくりにはできない複雑な様相が横たわる。
入所する年齢は中学2~3年が多い。「このころは進路選択を迫られる時期。心身のバランスを崩したわが子をどうすべきか、親が困り果て、児童相談所に駆け込んでいるようだ」と宮本裕美施設長(50)。思春期を迎え、自我が固まりつつある子どもたちへの対応は難しい。「10歳前なら、改善の可能性は高いのに」

職員が親代わり
子どもたち一人一人に、心理と生活の担当職員2人がつく。看護師や保育士、臨床心理士らが常駐し、大学病院などから派遣される小児科医が月1回、健康状態や精神面を診察する。
施設では、規則正しい生活を送ることから始める。これまで、親から愛情を注いでもらえなかった子が多く、職員が親代わりになり、対話の中で信頼関係を築くことに心を配る。遊びを通して心理状況を分析するセラピーなど専門的なプログラムも実践し、生活や行動の改善を目指す。
「親から褒められた体験が乏しく、自己肯定感が低い。職員に暴言を浴びせるときもあるけれど、子どもたちを責められない」と宮本施設長。親と面会し、生活改善などを促すが、家庭訪問を拒まれるケースもあり、「家庭環境を含めて改善するためには相当な時間がかかる」と漏らす。
退所後は、親元に戻らず児童養護施設に入所するケースがほとんど。「まずはここの施設で、親とは異なる愛情を持った大人と接し、自立のきっかけをつかんでほしい」。次につなげる取り組みが続いている。

佐賀、17年度開設目指す 支援学級急増「適切な環境を」
佐賀県内では、情緒障害などが原因で行動が不安定な子は「児童自立支援施設」に入所している。不良行為やその恐れのある子どもたちと同じ場所で支援を受けることになり、関係者からは「回復に向けた環境として、適切なのか」と疑問視する声が根強い。
心理的な治療が必要なケースは、精神科病院に入院。在宅のままでは支援が行き届かず、情緒障害児短期治療施設の開設を求める声が高まっている。
県内の公立小中学校では「自閉症・情緒障害」の支援学級が増加。本年度は215学級になり、10年前の2004年度に比べて187学級増えている。また、12年度に児童相談所が受けた虐待の相談数は148件で年々増加しており、こうした状況が情短施設を望む背景にもなっている。
佐賀県は2017年度の開設を目指し、設置や運営を担う社会福祉法人を6月16日まで募集している。民設民営で開設する方針で、定員は「入所30人、通所10人」としている。5月30日時点で、応募はない。

不明の小中学生、全国に705人 北海道内は11人

北海道新聞 2014年5月31日

子どもの居場所をつかめないケースは全国で相次ぎ、専門家は「子どもの安全のため行政機関の連携が必要だ」と指摘している。
文部科学省の2013年5月時点の学校基本調査によると、1年以上居場所の分からない小中学校の「居所不明児童」は道内11人を含む705人に上る。
文科省は13年3月、事件性が疑われる場合は警察に相談するよう、全国の教育委員会に通知。厚生労働省も今年2月、学校などで所在を確認できない18歳未満の子どもを対象に、面会を原則とする実態調査に乗り出した。近年は各自治体で児童相談所や病院、警察などが情報を共有する仕組みが整いつつある。花園大の津崎哲郎特任教授(児童福祉論)は「実態調査で異変を感じたら、行政や民間の機関が連携して子どもの安全を守ることが必要だ」と話している。

児童相談所と市、踏み込んだ調査せず

産経ニュース 2014年5月31日

斎藤理玖ちゃんとみられる男児は生存していれば中学校に通う年齢だったが、死亡後は約7年半も行方がつかめず、行政も踏み込んだ対応をしていなかった。専門家は「行政や警察、地域住民の連携が必要」と訴える。
学齢期の子供の居場所がつかめないケースは全国で相次いでおり、文部科学省によると、1年以上居場所が分からない小中学校の「居所不明児童」は、平成25年時点で全国で705人にも上っている。
今回のケースでは、行政機関が居場所をつかむチャンスはあった。厚木児童相談所によると、理玖ちゃんは3歳だった16年10月7日未明、アパート近くの路上ではだしでいるところを保護された。しかし、母親が翌日に引き取り、虐待ではなく迷子扱いとした。20年12月、同相談所は入学予定の小学校に入学していなかったことを把握したが、所在不明児童として扱わず、警察へも届けなかった。
昨年2月には厚木市内の所在不明児童をリストアップしたが、理玖ちゃんは漏れていた。虐待事案に切り替えたのは、厚生労働省の方針を受けて所在不明児童の調査を行った今年4月。同相談所の井上保男所長(56)は「最初に虐待でなく迷子として扱い、踏み込んだ調査ができなかった。対応に甘さがあった」と釈明した。
市側の対応も後手に回った。厚木市や市教委によると、理玖ちゃんは20年の小学校入学時に姿を現さず、担当者が家庭訪問。しかし、「空き家」と判断して就学児童の名簿から削除した。中学進学を控えた昨年12月に父親の斎藤幸裕容疑者と面会したところ「子供は生きている」と回答があり、何度も安否確認を試みたという。市教委は「小学校入学時に踏み込んだ対応をしていればと深く反省している」と陳謝した。
児童虐待に詳しい法政大の高橋利一名誉教授は「子供自身は訴える力を持たない。児童相談所だけでなく学校や民生委員、警察、地域住民が連携する必要がある。地域全体が親になったつもりで見守ってほしい」と話している。

サイバー補導で少女守れ 援助交際持ち掛けるネットの闇

産経新聞 2014年5月31日

インターネットを介して援助交際などを持ちかける少年・少女たち。そんな子供たちに警察官が接触して補導する「サイバー補導」を端緒に、過去の児童買春・ポルノ禁止法違反事件などが発覚し、加害者が摘発されるケースが増えている。警視庁は昨年4月以降、この手法で20件21人を摘発しており、警視庁幹部は「少年・少女が被害者となるわいせつ犯罪はネット上で成立してしまうので把握しづらかったが、サイバー補導は大きな武器になっている」と強調する。(荒船清太)
隠語「え、ん2」
4月中旬の夕方、警視庁新宿署生活安全課の警察官が、業務用に支給されたスマートフォン(高機能携帯電話)を操り、少女らが集まる複数の出会い系アプリで不審な書き込みに目を光らせていた。
「今から池袋でえ、ん2」。あるアプリに、そんな書き込みがID付きであった。分かる人には、「え、ん」が「援助交際」の隠語だと分かる。「2」は2万円を指す。警察官は「掲示板見ました! さくっとどうですか?」とメッセージを送った。
数分後、「はーい。いまから」などと返信が来た。「今新宿にいるので時間かかります」と応じる警察官。さらに、「大学生ですか」「若い子希望なのですが」と警察官はたたみかける。返信は「16」。補導対象の18才未満だ。
やり取りから約1時間後、待ち合わせ場所の池袋周辺で、警察官は私服姿の16歳の少女を発見、補導した。関東地方から来た無職だった。警察官の取り調べには素直に応じ、「反省します。20回ぐらい援助交際をやった」と話した。

目に見える効果
警視庁では昨年4月、18歳未満の少年・少女のサイバー補導を開始。今年4月末までに158人を補導した。うち94人が下着の売買、60人が援助交際を持ちかけていた。サイバー補導の開始前に援助交際での補導は年数件程度だったが、今年は1~4月だけで50人と効果が表れている。
4月からは島嶼(とうしょ)部を除く97の警察署にスマホを支給し、態勢を強化した。
サイバー補導から派生し、警視庁が強化しているのが少年・少女を被害者とする「福祉犯」の摘発だ。
サイバー補導した158人の情報を端緒に摘発した福祉犯は21人。うち児童買春・ポルノ禁止法違反容疑が13人、児童福祉法違反容疑が4人。少女の下着を買ったなどとして、東京都青少年健全育成条例違反容疑でも4人を摘発した。
警視庁幹部は「サイバー補導を端緒に、少女らを派遣する売春組織が明らかになる可能性は高い。補導だけでなく、そこから得られる情報も重視して摘発につなげていきたい」と期待をかける。

“抜け道”も登場
「いかにこちらから誘わずに、非行を発見して補導するかが難しい」。警視庁少年育成課でサイバー補導の導入当初から関わる担当者はいう。
この手法は、非行をした18歳未満の少年・少女を補導し、これ以上非行をしないようにさせることが主目的だ。本来なら非行をしていなかったはずの少年・少女まで、補導のために警察官がそそのかして非行をさせてしまっては、本末転倒となる。
なるべく抽象的な表現にとどめつつ、補導できる対象かを見極め、接触する。少年育成課では会話のマニュアルを作成して各署に配布しており、「やり方も日々研究している」という。
ただ、少年・少女側も“抜け道”を探し始めている。今年初めごろから、スマホの出会い系アプリでは隠語すら使わずに「会う人いる?」「意味分かる人?」とだけ書き込み、相手が接触してきて初めて援助交際を持ちかける少女が増えているという。
少年育成課の担当者は「19歳といって17歳だったり、17歳といって30歳だったりする。偽装工作や隠語も見抜けるよう、警察が少年・少女の先をいかなければならない」と気を引き締めている。