<高1同級生殺害>6月、医師が「人を殺しかねない」

毎日新聞 2014年8月1日

長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人容疑で逮捕された少女(16)を知る精神科医が、事件前の6月、長崎県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に「このままでは人を殺しかねない」という趣旨の相談をしていたことが、県関係者への取材で分かった。
同センターはその際「助言した」としているが、精神科医が少女の実名を明かさなかったことから、関係機関に連絡するなどそれ以上の対応はしなかったという。
県関係者によると、精神科医は少女が過去に給食への洗剤混入や猫の解剖、父親をバットで殴ったことを知っており「このままでは人を殺しかねない」という内容を告げたという。
同センターは相談内容について「個人情報の保護と守秘義務がある」として明らかにしていない。
一方、少女が住んでいたマンションの部屋から医学に関係する書籍が見つかっていたことが、捜査関係者への取材で分かった。少女は「猫を解剖して満足できなくなった。人を殺して解体してみたかった」という趣旨の供述をしており、被害者の女子生徒(15)の遺体の一部は切断されていた。
捜査関係者によると、書籍は人体の仕組みなどを解説した本だった。少女の自室からはのこぎりや包丁、ハンマーなど複数の刃物と工具が見つかっており、少女は「自分で買った」と供述しているという。
長崎県警は31日、佐世保市の少女の実家を家宅捜索した。
逮捕容疑は、26日午後8時ごろ、少女のマンション自室で、クラスメートの女子生徒の後頭部を工具で多数回殴り、ひものようなもので首を絞めるなどして殺害したとしている。【大場伸也、小畑英介】

少女の弁護人によると、少女は定期的にカウンセリングを受けていた。少女は被害者の女子生徒について「仲のよい友だちだった。恨みやトラブルはなかった」と話しているという。また、少女の父親が遺族側に謝罪する意向を伝えたことを明らかにした。

18歳で里親や施設離れても大丈夫 都内に下宿 「先輩」男性動く

東京新聞 2014年7月31日

両親を亡くし、施設や里親の元で育った男性が、同じ境遇の後輩を支える「下宿」を東京都内に開設する準備を進めている。虐待などの理由で親元で暮らすことができない子の多くは、十八歳で里親の家庭や施設から離れており「社会に出た後も見守る場所が必要」と訴える。 (奥野斐)
男性は江東区の建設会社社員、中山健太さん(26)。幼いころに火事などで両親を相次いで亡くし、小学校入学前に児童養護施設に入った。しかしすぐに飛び出し、中学生になるまで里親の家庭や施設に入ったり出たりを繰り返した。「どこに行ってもなじめず、大人が信用できなかった」
中三のころ、生活指導が必要な子を対象とする施設に入った。マラソンや英検など課題を与えられ、頑張ると成果が出ることを知った。それまで、けんかや万引などで行き場のない不満をぶつけていたが「エネルギーの使い方が間違っていた」と気づいた。
小学校高学年の時に里親となり、いったん家を去った後も手紙をくれるなど見守り続けた同区の青葉紘宇(こうう)さん(69)夫妻の存在も大きかった。素直になれず、悪さばかりしていた中山さんは「『親』と呼べる人ができたから、自分は変わることができた」と感謝する。
施設を出て再び青葉さんの元に戻り、高校卒業後は働き始めた。里親としての委託関係は終わったが、親子同様の付き合いは現在まで続く。
児童福祉法などは、児童養護施設や里親の元で暮らす期限を原則十八歳未満と定める一方、十九歳までの延長を認めている。実際には、高校を卒業する十八歳を機に施設などを離れる例が多いという。
社会人となった中山さんは、自分と同様の境遇で育った後輩が、社会に出て居場所を失いつまずく姿を見てきた。「いつでも戻ることができるところが必要」と痛感し、下宿開設へ動きだした。
三階建ての家を借り、自身は三階に住んで二階を三人分の部屋に、一階を共有スペースにする。将来は食事も提供したいという。
「育ってきた環境などから、物事を悲観的に考える子が少なくないと思う。『まず、やってみなよ』と背中を押せる場所にしたい」と語る中山さん。今月結婚したばかりで「将来は青葉さんのような里親になりたい」とはにかむ。
NPO法人「東京養育家庭の会」理事長でもある青葉さんは、実の息子のような中山さんの奮闘を「元当事者が自立支援のために下宿までつくるのは珍しい」と評価している。

給与勧告、7日を軸に調整=関係閣僚会議は8日-人事院

時事ドットコム 2014年7月31日

人事院が2014年の国家公務員給与改定勧告を8月7日に行う方向で調整していることが31日、分かった。これを受けて、政府は8月8日に給与関係閣僚会議を開く方針。政府関係者が明らかにした。
今年はアベノミクスの影響で、民間の賃金水準は改善している。人事院が引き上げ勧告を行う場合、公務員の給与は7年ぶりに改善する。ボーナスの支給月数は5年ぶりに年間4カ月台を回復する見通しだ。
国家公務員の給与は、民間企業の賃金水準と均衡させるため、人事院が年に1回、国会と内閣に対して水準の改定などを勧告している。(