安否への懸念強まる=過激派の敵に同行-反体制派幹部「生存確信」・シリア邦人拘束

時事ドットコム 2014年8月19日

【アンマン、カイロ時事】内戦が続くシリアの北部アレッポでイスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」に拘束された湯川遥菜さんとみられる男性の安否や所在をめぐり、在シリア日本大使館(内戦激化のため隣国ヨルダンで業務中)に設けられた現地対策本部は18日、引き続き情報収集を進めた。インターネット上では、男性が「神の判断で処刑された」との書き込みも出ており、身の安全が懸念されている。
男性をめぐっては、イスラム国の構成員らしき人物が拘束した際、組織への忠誠を強要する動画がネット上に投稿されている。
イスラム国と敵対する反体制武装組織「自由シリア軍」幹部は18日、時事通信の電話取材に対し、シリア北部アレッポでイスラム国に拘束された湯川遥菜さんとみられる男性が部隊に同行していたことを明らかにした上で、安否について「生存をほぼ確信している」と語った。現在、自由シリア軍が拘束しているイスラム国の捕虜との交換に向け、接触を試みているという。
湯川さんは、これまで繰り返しシリアや隣国イラクを訪問。5月上旬、フェイスブックに自由シリア軍に厚遇されたと記載する一方、7月下旬にはツイッターで「イスラム国は一応僕から見ると敵ですね。仲間たちが戦っている」と書き込んでいた。
在シリア日本大使館の馬越正之・臨時代理大使は18日、「戦闘が激しい地域の一つなので情報収集に苦労している」と明かした。本人の安否や所在に関する有力な手掛かりは得られておらず、拘束に関する犯行声明や身代金要求も届いていないという。現地対策本部は、馬越氏以下大使館職員5人に加え、在ヨルダン日本大使館職員も合わせて約20人態勢で事実確認を急いでいる。

<特養>相部屋も「家賃」…厚労省が検討、来年度から

毎日新聞 2014年8月19日

厚生労働省は、特別養護老人ホーム(特養)の相部屋に入居する人に対し、低所得の人を除き、新たに家賃に相当する「室料」を徴収する検討を始めた。大部屋に間仕切りをするなどし、一定のプライバシーを確保した相部屋を想定している。2015年度の介護報酬改定に向け、今後具体的な負担額などを詰める。
厚労省は特養の個室化を進めている。介護施設の住環境改善が目的だが、個室への入居者からは、部屋のタイプに応じて月額3万5000円~5万円程度の室料を徴収している。一方、相部屋は室料を払う必要がない。
同省は、個室入居者や在宅介護サービスを利用している人との公平性を考慮し、相部屋への入居者にも室料を求めることを前提に与党などと調整に入る。
ただし、相部屋を利用する人の大半は低所得の人だ。室料の徴収を始めることについて、特養の運営者からは「低価格でしか介護を利用できない高齢者の選択肢を狭める」と批判が出ている。与党内には「多くの人が経済的理由で相部屋を選択している。簡単に手は付けられない」との慎重論も根強くある。
このため、厚労省は、収入が国民年金しかないような住民税非課税世帯の人は、引き続き室料を負担しなくともいいようにする考えだ。
また、特養の相部屋には入居者の居住スペースをカーテンで仕切っただけのものから、天井まで届く壁で囲った「準個室」まで、さまざまな形態がある。同省は、室料負担を求めることができる一定水準以上の相部屋の具体例を示すことにしている。【佐藤丈一】

カジノ、日本人はNGに=依存症懸念で働き掛け―厚労省

時事通信 2014年8月19日

厚生労働省は、海外からの観光客誘致の一環として政府内で検討が進むカジノ解禁に関し、ギャンブル依存症患者が増加する懸念があるとして、日本人の利用を認めないよう求めていく方針だ。安倍政権は内閣官房に検討チームを設け、米国やシンガポールなどの先進事例の調査に乗り出しているが、同省は関係府省に対し、解禁の場合も利用者は外国人観光客に限るよう働き掛ける。
2013年に日本を訪れた外国人観光客は1000万人を超えた。東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に向けてさらに増える見通しで、政府は加速させようと、五輪に間に合うようカジノ整備ができないか検討中。6月に改定された成長戦略でも、カジノ解禁の検討が明記された。
厚労省は、観光立国推進のためのカジノ整備自体には反対していない。一方で、依存症などの精神疾患対策を所管する立場から、カジノ解禁によってギャンブル依存症患者が増える事態を懸念。それを避けるため、日本人の利用を認めないよう訴える考えだ。
同省によると、日本人はパチンコなど、ギャンブルに比較的のめり込みやすい傾向が統計上見て取れるという。

日常的に暴行、逃げ出すも連れ戻される

TBS系(JNN) 2014年8月18日

愛媛県伊予市の住宅で17歳の少女が遺体で見つかった事件。密室での暴力の実態が少しずつ見えてきました。この17歳の少女は同居していた36歳の女などから日常的に殴られ、家事などをさせられていたとみられています。また、逃げ出しても執ように連れ戻されていたこともわかりました。
今月15日、愛媛県伊予市の市営住宅で遺体で見つかった大野裕香さん(17)。大野さんの遺体は、部屋の押し入れの中で毛布がかけられた状態で見つかりました。逮捕されたのは、この部屋に住む36歳の女と16歳の長男を含む少年3人。捜査関係者への取材で、遺体には新しいもの以外にも複数のあざが見つかっており、大野さんが日常的に暴行を受けていた可能性が高いことが新たにわかりました。
大野さんの遺体発見の2時間ほど前、女から生活についての相談を持ちかけられていたという近所に住む男性は、女の住まいを訪れていました。
「私が(部屋に)入ろうとすると必死に止めて、『自宅にたくさん人が来てるので』と断られた。(女は)ガリガリで顔も黒くて目もギョロッとしていた」(容疑者宅を訪ねた男性)
女の部屋に何度も出入りしたことがある男性は・・・
「(36歳の女は)酒を飲むとかなり凶暴。僕の場合はビール瓶を思い切り投げられた」(容疑者宅に出入りしていた男性)
男性によると、大野さんはこの部屋で、女と女の子どものほか、出入りしていた少年らと同居し、家事をやらされていたといいます。
「(大野さんが)食器洗いとか汚れとかついてたらパシーンて殴られる光景を見た」(容疑者宅に出入りしていた男性)
「私が見たのは長女(から大野さんが)数回ボコボコに思い切りやられていた。(大野さんは)無抵抗です」(近所の人)
執ような暴力に対し、大野さんは・・・
「(大野さんは)脱走したときもあった。(容疑者の)家から逃げ出したときも、押さえつけてひもでくくられたり、上半身真っ裸にされたり、地獄」(容疑者宅に出入りしていた男性)
また、大野さんの家族の知人によりますと、大野さんは携帯の番号を変えたりしましたが、女の家に連れ戻されていたといいます。
行政や警察が介入する機会はなかったのでしょうか。今年4月、大野さんの家族が「家出している娘を連れ戻したい」と児童相談所に相談。しかし・・・
「裕香さん自身の気持ち、意思で家に帰ったり家出をしている状況の中で、加害者宅に行って説得するのは困難だろうという判断。暴力の情報があれば、児童相談所も警察と連携して早急な対応ができ得たかもしれない」(愛媛県中央児童相談所 田坂泰範所長)
さらに、事件のおよそ1か月前の先月19日、近所の住民から・・・
「殴る蹴るだったらしいですけど、かなりぐったりしていたと聞いています」(団地の自治会長)
大野さんが暴行を受けていると通報を受け、警察は36歳の女に連絡を取りましたが、「大野さんはいない」と言われ、直接、大野さんが暴行を受けていたか確認しなかったといいます。
近所では周知の事実だった大野さんへの暴力。行政や警察の対応について、児童虐待の問題に詳しい弁護士は・・・
「今回のケースは未然に防げたと思う。命の危険を伴うような暴行が行われる可能性があるわけで、それを早めに処理するのが本来の警察であり、児童を保護する児童相談所の役割だと思う」(リンク総合法律事務所 紀藤正樹弁護士)
伊予警察署は今回の対応について「さらに踏み込んで対応すべきだった」とコメントしています。警察は、殺人や傷害致死容疑も視野に、慎重に捜査を進める方針です。

愛媛「17歳少女暴行死」近所の通報にも動かなかった市・児相・警察

J-CASTテレビウォッチ 2014年8月18日

愛媛・伊予市で17歳の少女が暴行死した事件で4人が逮捕されたが、少女は還らない。付近住民や当事者からも市、児童相談所、警察に再三懸念や訴えが出されていたのに深く突っ込まなかった。児童相談所は何のためにあるかがまたもや問われている。
家族が「行方不明届」出してもまだ動かず…
17歳の少女は母子5人が住むマンションの一室に半年前から同居していた。遺体が見つかったのは15日(2014年8月)。ひどい暴行を受けていたのはあきらかで、全身に皮下出血があり、古いものもあった。母親(36)、長男の少年(16)、16歳と18歳の少年の計4人が逮捕された。

面倒臭かった?
少女は中学までは普通の女の子だった。高校に入ってから何かが変わったらしい。登校をやめてしまい、中学の同級生には「家庭内のトラブル」といっていたという。少女は事件のあったマンションの一室を居場所にしたらしい。少女の松山市内の自宅からは車で30分ほどの距離だ。
しかし、この部屋は長男、長女の友人のたまり場のようになっていて、夜中に大声を出したりベランダで花火をしたり、バイクを乗り入れたりして、住民から伊予市に苦情がよせられていた。
少女の暴行も目撃され、悲鳴もたびたび聞こえていたため、7月には住民が市の職員に「このままでは殺される」と訴えたが、市は警察に通報もしなかった。暴行を目撃した団地住民から警察へ通報もあり、警察官が駆けつけたが、少女はいなかった。この家の長女が6月に伊予署に「少女とケンカした」と訴え、少女からも事情を聞いたが、警察は事件にしなかった。
これより前に、少女の家族は児童相談所に家出について相談をしていたが、「警察へいった方がいい」といわれたという。そして、7月末から少女の姿が見えなくなり、家族は松山東署に行方不明届けを出したが、その連絡が伊予署に行っていたかどうかはわからない。どこも自分の仕事だとは思っていないかのようだ。児童相談所の会見がそうした空気を如実に伝えていた。
「亡くなった方には申しわけないが、自分の意志でお友だちのところに行っていると理解していたから」
「でも、未成年じゃないですか」「保護者が連れ戻しにいったときに同行しなかったのか」「事情はまた聞きか」などの質問が飛んだが、まともな答えは返ってこない。

児童相談所には「緊急一時保護」の施設や権限
司会の羽鳥慎一「近所の人が『最近見ないから殺されてるんじゃないか』というのは相当なことですよ」
石原良純(タレント)「児童相談所、市、警察の関係がどうなっていたのか。異常な空気感がありますよね」
教育評論家の水谷修氏は「児童相談所は緊急に一時保護をすべきだったと思います。相談所には保護する場所も、権限もあります。緊急一時保護も警察通報もあったはず」
赤江珠緒キャスター「10代だから意志があるということなんですが…」
水谷「意志も何も、17歳までは家にいるのが当たり前。『殺されるかもしれない』と聞いたら110番でしょう。命を何だと思ってるのか」
羽鳥「なんでやらないんですか。めんどくさいとか?」
水谷「お役所ですから管轄がある。縦割りです」
青木理(ジャーナリスト)「児童福祉法は虐待を知ったら通報を義務づけています」
水谷「危機意識のなさですね。この子に対する先入観があったのかどうかわからないが、一時保護さえしていれば、この子は生きていました」
石原「見つけたら何をすればいいんでしょうか」
水谷「110番です。警察から児童相談所へ連絡がいくとか、連携が進んでいるところもあります」
羽鳥「今回事件では相当なサインが出ていた。なのに動かなかった」
水谷「ひどいです。犯罪ものです」
青木「厚木の幼児死亡でもあったように、児童相談所とはなにかを考える必要があるんでしょうね」
システムはあっても、人間がその気になっていないとこうなるという見本か。