被虐待児のその後、乳児院の「究極の待機児童」たち

TBSの動画ニュースサイト 2014年11月7日

今月は「児童虐待防止推進月間」です。赤ちゃんの頭を激しく揺さぶるといった行為は、たとえ一瞬であっても子どもに重い障害を残す可能性があります。虐待で傷ついた子どもたちを支える施設を取材しました。
東京都内にある乳児院。親元で育つことの出来ない子どもたち70人が暮らしています。
「つっぱりがなかなか取れないね」(小児科医 今田義夫 施設長)
20年近く施設長を務める今田さんは小児科の医師。数多くの虐待の後遺症を抱えた子と向き合ってきました。生後、数か月で、ここに来た女の子。目が見えていないといいます。
「今の反応から見ると、(目は)ほとんど見えていない。力も入らないので自分で動けない、座れない、寝返りできない。食事から全て介助が必要な段階」(小児科医 今田義夫 施設長)
赤ちゃんの頭は激しく揺さぶられると脳のまわりの血管や神経が引きちぎられ重い障害が残ったり、死に至ることもあります。女の子は寝たきりの状態が続いています。けいれんを頻繁に起こすため、職員は目を離すことができません。
「3歳、4歳になってますので、(揺さぶりは)小さいときの出来事ですね。数秒間、数十秒間が一生を決めてしまう。(Q.家庭復帰は?)希望はもちろん捨てているわけではないですけども、難しいかもしれません」(小児科医 今田義夫 施設長)
4割以上の子どもが虐待を理由に入所してきます。この乳児院は全国でも珍しく病院に併設されているため、病気や障害の程度が重い子が多く、職員は3交代・24時間体制で診つづけなければなりません。
「ご飯、もうごちそうさまだ」(看護師)
「1対1の対応がどうしても必要になってきますから、手がいくらあっても足りない感じですよね」(小児科医 今田義夫 施設長)
この女の子も「揺さぶられ」、一時、視力を失いかけましたが、視力や運動能力を取り戻しました。しかし、家庭復帰は簡単ではありません。かつては家庭に戻した子が再び虐待を受け亡くなったことも・・・。家庭に簡単に帰せない中で、「受け入れてほしい」という依頼は後を絶ちません。
「多いときには1日数件(依頼が)来ることもありますけど。(Q.虐待を受けた子?)そうです。全例をお引きうけするわけには残念ながらいかないんですけど」(小児科医 今田義夫 施設長)
さらに悩ましいのが次の受け入れ先がないことです。乳児院は、もともと2歳未満の子のための施設ですが、ここには10歳近くに達した子もいます。障害児専門の施設は満杯状態でなかなか移れず、障害のある子には、養父母や里親といった引き取り手もほとんど現れません。『ここには「究極の待機児童」がいる』と今田さんは話します。
「どうしても待たざるを得ない。“究極の待機児童”という言葉がそこから出てくる。ただ単に施設を増やせば済むわけでもないと思いますし、本当に難しい問題。家庭にいる子どもたちと同じような光を当ててほしいなと思いますね」(小児科医 今田義夫 施設長)
子どもたちにとって、ここは最善の場所ではない。そう思いながらも、今田さんは子どもたちを支え続けています。

<児童養護施設>今度は私が見守る…OBのNPO法人化1年

毎日新聞 2014年11月7日

児童養護施設で育った当事者らのグループ「なごやかサポートみらい」(名古屋市北区)がNPO法人化して8日で1年を迎える。施設や里親など、社会的養護の下で育つ子供たちを見守り、支援してきた理事長、蛯沢光(あきら)さん(28)は「彼らが社会に出ても前向きに明るく生きていけるよう、もっと理解を広めていきたい」と力を込める。
2008年9月に発足し、13年にNPO法人化。現在のメンバーは約10人。東海3県の児童養護施設の催しに参加するほか、生活相談や進学・就職支援も実施。当事者が経験を語ったり、施設職員や里親、学生らが課題などを話し合って交流したりする場も設けてきた。
「大人を信頼できないなど、社会への不安を抱えている子供は少なくない。でも人とのつながりを通して、いくらでも変われるはず」。そう話す蛯沢さんも、小学2年から高校3年まで静岡県内の児童養護施設で育った。「どんな時も話し合いを大事にし、年長者が楽しみながら年下の子の面倒をみていた。家族のように育ててもらった」と振り返る。
日本福祉大(愛知県美浜町)に進学後、生活費のためアルバイトを掛け持つ多忙な日々に自分を見失いかけ、大学をやめようかと考えたこともあった。思いとどまらせたのは周囲の支えだった。「まるで見透かしているかのように施設の職員がふと訪ねて来てくれたり、寮の仲間が食事や栄養ドリンクを差し入れてくれたり。頑張らなきゃなと奮い立たせてもらったし、支えてくれる人の大切さを実感した」と話す。
同グループが力を入れるのは高校生対象の進学支援。メンバーが奨学金の制度や種類、申請書類の書き方などを丁寧に説明し、1人暮らしやアルバイトの経験、お金のやりくりなどを赤裸々に語る。「夢への道が開けた」「諦めなくてもいいんだと励まされた」などの喜びの声が寄せられた。
蛯沢さんは「施設入所者の大学進学率はまだまだ低い。奨学金の知識が乏しい施設もあり、情報を広めていく必要もある」と強調する。最近では親からの虐待などが原因で、周囲と関わりをうまく持ちにくい子供も増えており、「社会で孤立しないサポートのあり方が大きな課題」と話す。
8日は午後1時から、名古屋市熱田区の県司法書士会館で1周年記念イベントを開く。ソーシャルワーカーの講演や児童養護施設で育った若者らによるシンポジウムなどがある。参加費1000円。問い合わせは、なごやかサポートみらい(052・911・8523)。【加藤沙波】

祖母と母親殺した女子生徒に1万人署名 「虐待受けた彼女も被害者」と同情の声広がる

J-CASTニュース 2014年11月6日

北海道南幌町の自宅で祖母と母親を殺した容疑で逮捕された高校2年生の女子生徒について、2014年11月4日、同級生やその保護者が非公開の家庭裁判所での審理を求める嘆願書を札幌地検に提出した。
提出された署名は1万人分を超えた。事件の経緯から、「被害者はこの子のほうだ」として、女子生徒に対する同情の声が広がっている。

南幌町の人口を上回る署名が集まった
彼女への嘆願書が提出されたのは、祖母と母親から虐待を受けていた可能性があるためだ。逮捕後、彼女自身「しつけが厳しく、今の状況から逃れたかった」と供述しているという。
新聞各紙や週刊誌など、これまでの報道をまとめると、彼女は1人で敷地内の離れで生活していた。庭の草むしりをさせられたり、冬場は早朝に雪かきをさせられたりするなど、家事のほとんどを押し付けられていたようだ。また、祖母から「役立たず」と罵倒されたり、杖で叩かれたりする様子を近所の人が目撃している。「奴隷のようだった」という証言もあり、幼稚園児だった2004年には児童相談所に通報されている。
嘆願書を提出したのは、同級生の保護者が代表を務める「将来ある少女に適切な裁判を望む地域住民の会」だ。提出後、代表は報道陣に「彼女はしつけの域を超えた虐待を受けた可能性がある。刑事裁判ではなく、家庭裁判所で審理してほしい」と話したという。
同会は10月10日から町内を中心に街頭で署名活動を開始。札幌地検にはネット署名800人分を含む、1万534人分の署名を提出した。同町の人口は8000人ほどであることを考えると、その数の多さが分かる。現在も署名活動を続け、札幌家裁に同様の嘆願書を提出する予定だ。

「彼女が社会復帰する時に支障のないように」
彼女は学校で優等生だった。成績優秀で、10月からは生徒会長になる予定だったリーダー的存在。ボランティア活動にも熱心だったという。ツイッターには「南幌町に住んでる人いわく、地元では殺害した17歳の子のこと悪くいう人一人もいないらしい」という書き込みもある。

報道を受け、ツイッターなどネットでは、
「虐待から逃れるためにやむなしだったのかもしれない。正当防衛としてやれないか」
「この事件の被害者はこの子だと思うのね。罰するよりも、社会復帰の手助けを」
「この17歳の子のトラウマのケアもしっかりされることを願うよ」

といった同情的な意見が広がっている。
また、署名サイト「change.org」でも署名の呼びかけが行われている。「同級生S」という人物による説明文には、
「彼女は殺人という重い罪を犯した加害者でもありますが、被害者の祖母・母から虐待を受けていた被害者でもあります。彼女がしたことは決して許されることではありません。ですが、少しでも彼女が社会復帰する時に支障のないように配慮してもらえるようにご協力をお願いします」
と書かれている。すでに1000人近い署名が行われ、「友達のため協力します」「お願いします」など、彼女を知ると思われる人たちからコメントが寄せられている。

中国人は慎みゼロ?!名物「赤ちゃんの股割れズボン」使用で警察に通報される―米国

Record China 2014年11月6日

2014年11月、米華字紙・僑報は記事「子どもに股割れズボンをはかせていた中国系米国人、警察に通報される=慎みにかけると考える米国人」を掲載した。
中国名物の一つが股割れズボン。赤ちゃんや幼児にはかせる、後ろに穴があいたズボンで、しゃがんだだけでお尻の部分が開いてすぐにトイレができるというすぐれもの(?)だ。道端や公園など人目につく場所で子どもにトイレをさせているケースも多く、外国人がぎょっとする中国の光景だ。
その股割れズボンが米国で思わぬ騒ぎを読んだ。米カリフォルニア州モンテレー・パーク市の公園で、ある中国系米国人の母親が股割れズボンをはかした子どもを連れて散歩。園内で排泄させていたところ、警察に通報されてしまった。トイレでもないところで排泄させていたと聞いた警察はびっくり仰天したのだとか。
ちなみに公共の場所での排泄は軽犯罪法違反となるほか、「慎みのない下半身露出」として罰金を課される可能性もあるという。さらに股割れズボン以外のズボンを購入する経済力がないと判断された場合には、児童福祉局が子どもを引き取るケースまで考えられる。(翻訳・編集/KT)

「小さい頃から勉強ばかりしなくても…」の祖母に母取り合わず

NEWSポストセブン 2014年11月7日

祖母世代と現代ママ世代とで、子育てに対する考え方が違うというケースは少なくない。そこで女性セブン読者から寄せられた子育てに関する悩みに対し、川崎医療福祉大学医療福祉学部特任教授で、子供への接し方を優しく説いた著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)がロングセラーとなっている児童精神科医の佐々木正美さんがアドバイスをする、
静岡県在住の女性Tさん(68才)は、最近の子育てへ戸惑いを感じているという。
「うちの孫は4才ですが、ピアノに水泳、英語と、たくさんの習い事に通わせています。小さいうちから勉強ばかりさせなくてもいいんじゃないかと言うんですが、嫁は『あとで子供が苦労する』と取り合ってくれません」(Tさん)
ベネッセ教育総合研究所による子育て生活基本調査(幼児版2008年)によると、首都圏の幼稚園児の67.7%が園外教育機関を利用しているという。佐々木さんは言う。
「講演会で、『自分の子供がどう育ってほしいですか?』と聞くと、勉強ができる子になってほしいという意見が多数を占めます。早期教育も、子供にさまざまな機会を与えるという意味では、悪いことではないと思います。ただし、親の満足感のためなら、やらせる必要はありません。
早くから教育を始めたからといって、知能が高くなるかどうかは偶然だと思います。それよりも、幼児期の子供に必要なものは、望みを充分に満たしてあげることと、子供同士を遊ばせ、社会性を身につけさせることなんです」
さらにこうも付け加える。
「世代間ギャップを否定する必要はありません。子供はさまざまな価値観の中で生かしていくのがいいんです。どの価値観にも長所短所があり、人は違って当たり前。それを受け入れることが大切です」(佐々木さん)