<虐待相談>児相の子供安全確認 48時間以内にカベ

毎日新聞 2014年11月15日

全国207カ所の児童相談所(児相)が昨年4~5月に受理した虐待相談(通告)を巡り、結果的に虐待が認められたり疑われたりした7434人のうち約8%の子供の安全確認が努力義務とされる48時間以内に実施できていなかったことが全国児童相談所長会(東京)の調べでわかった。「48時間ルール」の運用状況の詳細が明らかになるのは初めて。児相の調査権に明確な規定がないことなどが背景にあるとみられ、厚生労働省は初動対応の迅速化に向け、児童虐待防止法や児童福祉法を見直す検討に入った。
厚労省の指針は、児相や市町村が通告を受けてから48時間以内に安全確認するのを努力義務としている。
調査は各児相が昨年4~5月に受けた虐待通報1万1257人について回答。このうち2972人は虐待がなかったが、7418人は虐待があると判断された。また、通報後の状況が不明で虐待が疑われるケースも16人いた。
また、両者を合わせた7434人中、6799人は48時間以内に安全確認できたが、576人についてはできなかった。この中には頭部外傷や栄養不良など「生命の危機」がある子が5人おり、性的虐待や打撲傷を含む「重度」の虐待を受けた子も19人含まれていたことも判明した。
48時間内に安全確認ができなかった理由(複数回答)は、「(子供の居場所の特定など)調査に時間がかかった」が最多で全体の20.7%。「子が特定できなかったり、所在が分からなかった」14.9%▽「訪問したが不在」11.3%▽「訪問を拒否された」3.8%--などが続いた。
また、48時間以内に安全が確認できなかった576人については、昨年9月末までに8割(445人)は確認できたが、92人はできなかったという。
初動となる安全確認を巡っては、個人情報保護を理由に学校や病院から断られる場合もあり、現場からは「法律に調査権と回答義務を明記すべきだ」(都内の児相所長)との指摘に加え、児童福祉司1人が100ケース以上を持つ児相もあることから「人員不足で限界」との声も根強い。
全国児童相談所長会会長の桜山豊夫東京都児童相談センター所長は「初動で安全が確認できない中に生命の危機がある子がいるのは深刻だが、場所のあいまいな『泣き声だけの通報』も多く、難しさもある」と指摘している。【野倉恵】

出刃包丁で高校生の娘刺す 殺人未遂容疑で母親を逮捕 大阪・守口

産経新聞 2014年11月16日

15日午後6時半ごろ、大阪府守口市大久保町の民家で、この家に住む高校1年の女子生徒(16)が右肩から血を流しているのを通報で駆けつけた府警守口署員が発見。保育士の母親(41)が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。女子生徒は病院に搬送されたが、命に別条はないという。
同署によると、母親は「娘を刺して自分も死のうと思った」と供述。「精神疾患がある」とも話しているという。同署は無理心中を図ったとみて詳しい動機を調べている。
母親は夫、長女の女子生徒、次女との4人暮らし。事件直後に次女が「お母さんがお姉ちゃんを刺した」と110番した。
逮捕容疑は同日午後6時25分ごろ、自宅の居間で長女の右肩を出刃包丁で刺して殺害しようとしたとしている。

子どもの脳を“かしこく”発育させるために効果的な2つのこと

@DIME 2014年11月16日

味の素株式会社は、5月GWが明けた2014年6月初旬に全国の3歳保育園児から小学校3年生までの子どもをもつ母親200名及び全国の3歳保育園児から小学校3年生までを担当する教員200名を対象に、『最近の子どもの生活態度』に関する調査を実施した。調査の結果、5割を超える教員が、以前の園児・児童よりもここ数年の園児・児童に対して、本能に関わると考えられる心身の“発育バランス”(代表的な事象は「キレやすい・グズりやすい」、「噛みつく・叩く」、「顔から転ぶ」など)に関して、十分ではないと感じていることがわかった。
心身の“発育バランス”は脳の発育と相関関係にあり、“適度な刺激”と“十分な栄養摂取”が必要とされる。しかし、母親向けの調査から「食生活を含めた子どもの生活習慣が乱れている」ことに加えて、「子どもに手を掛けすぎている母親像」が明らかになり、子どもの心身“発育バランス”が悪い原因を示唆されることになった。

◎教員向け調査の結果

5割を超える教員は、ここ数年の園児・児童の心身の発育バランスに不安を感じている
以前の児童との比較において、ここ数年の園児・児童の『心理・精神状態の安定』について約5割の教員が、「安定していると思わない」(52.5%)と回答。『運動能力』については約8割が「十分に発達していない」(79.5%)と回答した。

「キレる」「暴力的に振る舞う」「顔から転ぶ」などの子どもが以前より増えたと感じる教員。子どもの発育バランスの悪さは本能の発達が不十分なことのあらわれ?
子どもの精神面での発育バランスの悪さを推測させる「落ち着きがない」(42.5%)、「必要な時に感情を抑えられない」(40.5%)、「噛みつく・叩くなど、暴力的な振る舞いが多い」(35.0%)のほか、運動面での発育バランスの悪さを推測させる「顔から転ぶことがある」(28.5%)、「予想外の部位に怪我・骨折をする」(30.5%)などについても「以前よりも当てはまる」と回答した教員は高い水準で一定数いた。

◎母親向け調査の結果

子どもの生活リズムは朝から崩れていた!「睡眠」「起床」「朝食」「通学・通園」に表われる子どもの生活習慣の乱れ。“食生活”ほか、生活習慣の乱れに伴なう“手を掛けすぎる母親”像が浮き彫りに
子どもの『睡眠』に関して、必要とされている睡眠時間は10時間程度であり、95%以上の母親が「平均睡眠時間は8~10時間」以上と回答。しかしながら『就寝時間』に関しては、約5割の母親が「まちまち/決まっていない」(47.0%)と回答し、「寝るように言わないと就寝しない/言っても就寝しない」(65.5%)との回答は約7割にのぼる。
子どもの「起床」に関しては「朝決まった時間に起こさないと起きない/起こしても起きない」(55.0%)、「声を掛けないと支度を始めない/声を掛けても支度を始めない」(42.5%)との回答が寄せられ、朝の始動には時間が掛かる子どもの様子がうかがえる。
「食べるように言わないと、朝食を食べない」に「当てはまる・どちらかといえば当てはまる」(28%)、「起こさないと、布団の中でグズグズして起きない」との設問に「当てはまる・どちらかといえば当てはまる」(28%)、「親と一緒でないと眠れない」には約4割の母親が「当てはまる・どちらかといえば当てはまる」(38.5%)などと回答していることから、最近の母親は就寝・起床、食事など子どものあらゆる生活面に対して手を掛けていることがうかがえる。

“母親の食べさせたい食材”第2位は“魚介類”(77%)。脳の発育に必要な栄養を含む“魚介類”の必要性は認識しているが、実際の栄養摂取が課題と考えられる

『子どもの食事』に関して、「母親が食べさせたい食材」について、子どもが慢性的に嫌いとされる緑黄色野菜が1位(84.0%)、第2位が魚介類(77.0%)となっており、脳の発育に必要なDHAを含む魚介類の必要性は高く認識されていることがわかる。しかし、国内の食用魚介類1人1日あたりの供給量は減少傾向にあり(※参考:厚生労働省「国民栄養調査表」)、実際はどうやってその栄養を取らせるのかが 今後の課題といえそうだ。

午後3時のおやつは定着している(「ほぼ毎日たべる」人は63.5%)。しかし、「不足している栄養素を補えるものを選ぶ」と回答した人は6.0%、おやつで栄養に気を使う人は少ないことが読み取れる
『子どものおやつ』に関して、「おやつを食べる頻度」は「ほぼ毎日」食べている(63.5%)との回答が全体の3分の2を占めながら、「おやつの与え方」に関しては「好きなものを食べさせる」(22.0%)が約2割、気を遣うとしても「塩分」(26.0%)、「糖分」(20.5%)、「カロリー」(20.5%)であり、栄養素への考慮は6.0%と低く、おやつにおける栄養摂取の可能性がうかがえる。
子どもの脳の発育に詳しい小児科専門医の成田奈緒子先生は、夏休み明けの子どもたちが“かしこく”脳を発育するために「朝風呂」と「DHA摂取」がおすすめだとしている。
『最近は発達のバランスが悪い子どもが増えており、子どもの「脳」(本能)の育ちの課題であると言われています。これを防ぐためには、こころや身体にも密接に関連する「脳の土台」を最初にしっかり育てることがなにより大切です。脳の土台は、「適度の刺激」、そして「必要な栄養素」、特に脳の発達を促すDHAの摂取が重要と考えられています。
夏休みが明けて新学期が始まるこの時期は心機一転、“かしこく”脳を発育するチャンス。日ごろの乱れた生活習慣を整えるため、朝のリズムを作る「朝風呂」で本能を刺激したり、おやつも含めた栄養摂取を考えて、子どもの脳の発達を促し、記憶力、集中力、読解力や睡眠を改善させる働きもあるとされる「DHA」摂取を心掛けましょう』

調査設計(教員向け調査)
・調査対象:日本国内に居住し、3歳以上の園児から小学校3年生までの児童の教員
・調査時期:2014年6月
・調査方法:インターネット調査
・調査内容:園児・児童の生活習慣と食 / 以前の園児・児童との心身発育 比較 など
・有効回答数:200サンプル

調査設計(母親向け調査)
・調査対象:日本国内に居住し、3歳以上の園児から小学校3年生までの子どもをもつ母親
・調査時期:2014年6月
・調査方法:インターネット調査
・調査内容 :子どもの生活習慣と食 / 最近の子どもの生活変化 / 子どもへの接し方 など
・有効回答数:200サンプル