子供の声うるさい…苦情で保育所整備滞る例も

読売新聞 2014年12月4日

待機児童解消に向けた保育所整備が期待される中、都心部の保育所には「子供の声がうるさい」という苦情が寄せられている。
東京都内では、これらの苦情で保育所の整備が滞ったり、「何人も騒音を発生させてはならない」という都条例の規定を理由に訴訟に発展したりしたケースも。都は条例改正の検討を始めたが、静かな環境を求める声にも配慮が必要で、対応は簡単ではない。
「忍者さんになってそっと出て行くよ」。外に出る子供たちにそう声をかけている「愛里武蔵関保育園」(東京都練馬区)。閑静な住宅街にあり、近隣に配慮して歓声を上げさせないように注意している。
2012年9月の開園後、すぐに「子供の声がうるさい」と近隣住民から電話があった。約300万円かけて園庭周囲と上部を防音材で覆い、週3日、各1時間しか使わないようにした。
現在、苦情はなくなったが、「庭は子供にとって絶好の遊び場。太陽の光を浴びさせて思いっきり遊ばせてあげたいのに」と保育士の表情は浮かない。
厚生労働省によると、全国の待機児童は今年4月現在2万1371人、うち都内では8672人に上る。一方、今年3~9月、都内62の全区市町村を対象に実施した都のアンケート調査では、保育所の子供の声を巡って苦情が寄せられた自治体は7割。保育所の建設が中止・延期された事例も2件確認された。

生後2カ月の長男かんだ容疑 北海道警、両親を逮捕

Sponichi Annex 2014年12月4日

札幌・厚別署は4日、生後2カ月の長男の肩をかんだとして、傷害の疑いで父親の札幌市厚別区、無職赤坂雄二容疑者(31)と母親の秋田県にかほ市、無職三浦真由美容疑者(31)を逮捕した。
逮捕容疑は2013年12月中旬、札幌市厚別区の自宅で、当時生後2カ月の長男の左肩などを2人でかみ、けがをさせた疑い。
厚別区保健センターによると、保健師が13年12月17日に訪問した際、長男の体に傷があったことから、厚別署と児童相談所に「虐待が疑われる」と通報した。

朝のやる気が違う!量より質が重要な「快眠」の新定義3つ

nikkanCare.ism 2014年12月4日

睡眠は心身の疲労を回復させる大切な時間。そのため、睡眠不足や質の悪さは、生活習慣病のリスクを高め、かつ症状を悪化させるといわれています。
特にストレス社会といわれる現代では、理想の睡眠がとれていない“かくれ不眠”者が増えているそうです。睡眠時間を確保し、「快眠できてる!」と考えている人も、実はかくれ不眠の可能性……。そこで今回は、『睡眠改善委員会』が発表した“快眠の新定義”をご紹介します。

自覚症状の軽いかくれ不眠とは?
『睡眠改善委員会』の調査によると、かくれ不眠は20~40代の8割に該当することが判明しました。かくれ不眠とは、睡眠の悩みを抱えているのにもかかわらず、症状が軽いことから、良い睡眠への積極的な対処を行っていない状態を指します。
具体的には「よく昼間に居眠りしてしまうことがある」、「寝つきが悪いことが多い」、「夜中に何度か起きてしまうことがある」、「起きた時に“よく寝た”と思えない」などの症状で、仕事や人間関係などのストレス、そして不規則な生活が原因とされています。
自覚症状があまりないからと放置するのではなく、日頃から快眠するための工夫を取り入れることが重要です。

よい眠り=快眠の定義とは?
それでは、快眠とはどのような状態を指すのでしょうか? 同委員会が新たに定義した快眠には、次の3つのポイントがあります。
(1)機能的な事実
睡眠前には心地いい眠気があり、すうっと入眠。そして熟睡でき、朝にはすっきりと目覚めることができる。
(2)情緒的な心象
就寝時には安心感がある。起床時には「よく寝た!」とリフレッシュ感、満足感があり、やる気も起こる。
(3)効果的な印象
睡眠によって身体の調子がよく、頭も働く。また、心が安定し、人間関係もうまくいっていると感じられる。
スムーズな入眠と、睡眠によってはつらつと過ごすことができているという実感が大切です。睡眠時間を確保しても、満足感が得られず、心身の不調を感じていれば快眠とは言えないようです。

生活リズムを整えて快眠生活を!
理想の快眠生活を手に入れるためには、生活リズムを一定に保ち、体内時計を整えることが大切です。昼間には日光を浴びて活動し、就寝前は強い光を避けて副交感神経を優位にするなど、昼と夜のメリハリを付けましょう。
運動と入浴も睡眠の質に影響してきます。厚生労働省の調査によると、運動をする人には不眠が少ないことがわかっています。特に、習慣的な運動が快眠につながるそうです。ただし、就寝直前の運動は身体を興奮させてしまうので禁物。
また、入浴は身体を温めて快眠を促してくれます。就寝直前の入浴は寝付きを悪くするので、就寝の2~3時間前の入浴が理想的です。
いかがでしたか? 睡眠不足がもたらす眠気は、仕事への影響も大きいと思います。「最近、ちょっと寝つきが悪いかも……」とかくれ不眠の疑いがある人も、そうでない人も、快眠の新定義に当てはまるか、是非チェックしてみてください。

「65歳定年」から一足飛び 「70歳定年」でみな不幸になる

日刊ゲンダイ 2014年12月4日

昨年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行され、この1年半ほどで“65歳定年時代”が一気に進んだ。厚生労働省発表の「高齢者の雇用状況集計結果」によると、“希望者全員が65歳まで働くことができる”措置を実施した企業は98.1%に上る(今年6月1日時点)。さらに、同調査では70歳までの雇用確保措置を実施した企業は「19%」としている。
70歳まで生きがいがある──といえば聞こえはいい。が、現実はいいことばかりではない。65歳定年制の実施が、年金の受給開始年齢の引き上げとリンクしているのは言わずもがな。今度は、あと数年後に受給開始年齢を70歳にしたいという国の思惑が透けて見える。
近い将来、70歳定年時代が声高に叫ばれ始めるのだろうが、そんなのまっぴら御免。なぜなら──。

30~40代へのシワ寄せが一段と進む
「60歳で辞める人たちが65歳まで働くようになり、その分、企業は人件費負担が増えた。それを30~40代社員の昇給スピードを遅らせたりしてしのいだわけです。昨年の法改正以降、この世代を対象に早期退職などを募り“会社に残ってもらっていい人”の選別を始めた企業もある。65歳定年のシワ寄せは現役世代がかぶっているわけで、70歳定年となったら、現役世代の待遇はさらに厳しくなるでしょう」
こう危惧するのは、人事コンサルタントの菅野宏三氏。すでに企業研修では、新人研修や管理職研修にコストをかけていた会社が、60代社員のキャリアアップや再就職支援を始めている。60代の雇用延長は、現役組が“身を削る”ことなのだ。

人間関係でのストレスが生涯続く
60代組だって雇用延長の見返りとして“負担”を強いられる。実は98.1%の企業が雇用確保措置実施といっても定年延長は少数派。多くはいったん退職し、給料を大幅にダウンさせられての再雇用だ。専門外の職場に回されることもあるし、会社が求める資質がなければ再雇用がストップなんて事態も。会社に居続けることのストレスは計り知れない。
人材採用のエン・ジャパン㈱が実施した「仕事のストレス」に関する調査によると、仕事上のストレスを「かなり強く感じる」が18%、「強く感じる」が48%で、合計66%。うち「ストレスを感じるのはどのような点ですか」の質問には、第1位が「上司との人間関係」(45%=複数回答)、第2位は「同僚との人間関係」(40%)だった。
再雇用後の上司は間違いなく年下だ。年下上司にコキ使われて、ガマンと辛抱の日々が待っている。

定年と同時に病気!?
健康問題はまだある。今年7月発表の「厚生労働白書」(2014年版)は、「健康寿命」を延ばすことが重要と指摘している。男性の健康寿命は70.42歳、女性は73.62歳だった。
健康寿命とは、入院したり介護を受けたりせずに日常生活を送ることができる期間のこと。男性の場合、これを超えて平均寿命の79.55歳到達までが“不健康な期間”とされ、健康上の問題で日常生活を制限される危険性がグンと高まるという。
70歳定年では、定年到達とほぼ同時に健康寿命が“切れて”しまう。残るは、あれもダメこれもダメの不健康な余生だけ。大病で入院したり、要介護状態になることも覚悟しなければならない。お先真っ暗ではないか。