社会に「恩送り」 産まなかった人の新たな選択肢

dot.2015年 4月24日

次世代や社会のためにできることは何なのか。自分の子どもを育てなくとも、それを実践している人たちがいる。
客室乗務員(CA)時代に学んだおもてなしやマナーを生かし、英語研修を行う「オフィスグレース」を立ち上げた、荒井弥栄(やえ)さん(48)は、こんなふうに感じている。
「子育てをしなくても、それを社会的使命として生かす生き方があってもいいのではないか」
仕事は忙しくやりがいもあり、子どもは産まないと20歳で決意した。航空会社で初任給をもらってからずっと、給料の4分の1をさまざまな寄付などに充ててきた。孤児院や恵まれない子どもたちを支援したり、災害の復興支援をしたり。
心からボランティアを「させてくれてありがとう」という気持ちになったのは、30歳でCAを辞め、独り立ちしてからだ。
「海外留学をしてセルフコントロールを身につけ、起業してからビジネススクールで学び、人との出会いの大切さを知った。自分の軸が太くなったことでこの恩を返したいという気持ちが生まれました」
現在は毎月、福島の被災地に行き、居住禁止区域に残されたペットたちの世話をする。児童養護施設で子どもたちの英語の宿題もみる。
親や友達、仕事で出会った人から受けた恩をすべて返すことはできない。自分にできるのは「恩送り」だ。
「人は一人で生まれて一人で旅立つ。だからこそ『あなたがいてくれてありがとう』と感謝できる。そういう出会いを増やしていきたい」

児童虐待、一緒に防止を 滋賀・草津で保育士ら訴え

京都新聞 2015年4月26日

児童虐待防止を呼びかける「オレンジリボンキャンペーン」が25日、滋賀県草津市のJR草津駅前で行われた。
5月は県の児童福祉月間で、県内の保育士や児童養護施設の職員らでつくる「チルドレンファーストランびわこ」が毎年行っている。
メンバーと八幡高の生徒計約30人が、「子どもの笑顔が一番」と駅利用客らに呼びかけながら、虐待の相談窓口となる電話番号が書かれたカード約2千枚をティッシュとともに配った。
チルドレンファーストランびわこの郷間彰事務局長(49)は「虐待は特別な家庭だけで起きることではない。子育てに悩んでいる親を地域で支えることが大切と呼びかけていきたい」と話していた。虐待相談はホットラインTEL077(562)8996。

<児童生徒追跡調査>「安全分からない83人」

毎日新聞 2015年4月24日

文部科学省は24日、全国の小中高校で「7日以上連絡が取れない」など生命・身体に被害が生じる恐れがあるとされる児童生徒の追跡調査結果を発表した。2月末時点の調査で判明した400人のうち310人の「安全」が確認され、残る90人のうち、対応が十分進んでいなかったり、家出などで所在がつかめず「安全かどうか分からない」児童生徒が計83人いた。同省は「関係機関との連携で短期間で多くの子供の安全が確認できたが、引き続き努力してほしい」と話している。
調査は、川崎市の中学1年、上村遼太さん(13)の殺害事件を受けて、全国の国公私立小中高校・特別支援学校などを対象に実施。2月27日時点で(1)学校が7日以上連続で連絡が取れない(2)非行グループなど学校外の集団と関わっている--ケースで身体に被害が生じる恐れがあると見込まれるのは、(1)が232人、(2)が168人の計400人だった。
追跡調査は4月13日時点の状況を調べた。(1)のうち、被害の恐れが解消したとみられるのは189人▽解消に向けて警察や児童相談所などの関係機関と連携して対策が進行中9人▽家出や家族ごと居所不明などのため解消できたか判断できないのが27人。(2)は「解消」が121人、「対策が進行中」が47人。
「解消」の事例は、上級生が卒業し非行グループから抜けられた▽教員らの家庭訪問で安全が確認できた--など。「対策が進行中」は保護者の協力が得られず本人と会えなかったり、非行グループとの関係が続き警察と連携して対応していたりする事例があるという。これ以外に、6人が海外に転出、1人は自殺したとみられる。【三木陽介】

児童扶養手当支給「事実婚か実態確認し判断を」 厚労省

朝日新聞デジタル 2015年4月26日

ひとり親に支給される児童扶養手当について、「事実婚」の状態かどうか生活実態を確認して判断し、適切に支給するよう求める通知を厚生労働省が各都道府県に出した。シェアハウスに住んでいる場合など、自治体が判断に迷うケースが増えているためで、判断の具体例も示した。
児童扶養手当は一定の所得以下のひとり親や養育者に対し、子ども1人の場合は最大で月4万2千円が支給される制度。2014年3月末時点の受給者数は約107万3千人いる。ただひとり親が事実婚の状態にある場合は支給されない。
通知を出したきっかけの一つは、東京都国立市の判断だ。昨年12月、シェアハウスに長女と入居するひとり親の女性に対し、別の部屋に親族以外の異性が同居していることを理由に事実婚と見なし、児童扶養手当と都の児童育成手当の支給を停止した。

禁煙しててもすぐ復活! タバコとお酒はどうしてこんなに相性がいいの?

Mocosuku Woman 2015年4月26日

忙しい日常を送る私たちにとって、酒類、タバコ、コーヒー、お茶といった「嗜好品(しこうひん)」は、ストレス解消に重宝されています。愛煙家でかつお酒飲みの人にとっては、タバコとお酒の組み合わせは外せないものでしょう。この両者、なぜこんなに相性がいいのでしょうか?

タバコでリラックスと興奮を!
最初にタバコを口にすると、口や肺が焼けるような感じで、めまいや吐き気さえ起こります。しかし、習慣化するとそうした拒否反応は消え、手放せなくなることもしばしば。これがニコチンの効果です。
ニコチンには副腎に働きかけ、アドレナリンを放出し、血糖値を上げ、鼓動を速め、血圧を上げる作用があります。また少量摂取の場合ですが、脳の快感サーキットを刺激して、ドーパミンを放出し元気にしてくれる作用が一方であります。しかし、多量に摂取するとこれらは抑制的に働き、血圧は下がり、鼓動は遅くなります。

アルコールでリラックス&快感!
長時間労働と職場での人間関係でクタクタになって、イライラや不安、疲れを紛らわそうと、帰り道に居酒屋で1杯、というのはよくある光景でしょう。飲み始めて数分もたてば、アルコールは抑制性の伝達物質ギャバ(注1)の働きを強化し、大脳辺縁系の快感サーキットを興奮させ、ドーパミンやエンドルフィンを放出させます。ですから、脳をリラックスさせると同時に、ドーパミンによる快感やエンドルフィンによる陶酔感をもたらせてくれます。
加えて、お酒はすばやくブドウ糖に分解され、血糖値を上げるので、エネルギーがみなぎって元気になります。
注1)ギャバ(GABA)は、植物や動物の体内に含まれる天然アミノ酸の一種。脳や脊髄で「抑制系の神経伝達物質」として働き、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きをします。

お酒とタバコの相性がいい理由
以上のように、お酒とタバコには、リラックス効果と興奮・快感効果とが両方備わっています。うまくかみ合えば相乗効果を生じるところに、相性のよさがある、といえます。
たとえば、お酒を飲んでいるとタバコの本数が増えるというのは、アルコールのリラックス効果と、大量のニコチンによる抑制効果が合わさって、短時間に効果が進んでいくからです。
相性の悪い部分とあしては、タバコがアルコール代謝に必要なビタミンCを破壊して、アルコール代謝が滞り、二日酔いがひどくなることがあります。

健康リスク
お酒やタバコによるリラックス効果は、一時的な応急措置のようなものです。お酒は適量を超えると、イライラ、気分の落ち込み、怒り、考えの不明瞭、記憶障害やブラックアウト(記憶障害の深刻なもの)、脱水症状や急性アルコール中毒のリスク、酩酊(めいてい)による事故や二日酔いなど、結局不快感を味わう羽目になってしまいます。
長期的には、胃炎、肝臓障害、膵臓の炎症、脳の神経細胞の死滅などを招きます。ビタミンやミネラルも失われます。
タバコも、吸いすぎによって、肺がん、心臓病、慢性の肺病リスクが高まりますし、本人だけでなく、周囲の人を巻き込んで受動喫煙による健康被害につながります。とくに胎児には発達障害や突然死などの深刻な障害を与える影響もあります。
何より両者に共通するのは依存性です。依存症の中でも物質依存の代表格は、「アルコール依存症」と「ニコチン依存症」です。もっと量が増えないと効果が出ない「耐性」、中毒・やめると精神的・身体的に異常が現れる「嗜癖(しへき)」や「離脱症状」など、多くの人が依存症に苦しんでいます。

快感が苦痛に!
お酒とタバコの相性のよさは、相乗効果でどちらも手放せなくなり、同時に「依存症」へつながりかねないことです。しかも、依存症は習慣というよりは、アルコールやニコチンが身体に及ぼす薬物的な作用で始まりますから、セルフ・コントロールは至難の技です。
ストレス軽減のためだとしても「つかの間の応急措置」と割り切って、楽しむ自制心をもっていたいですね。