赤ちゃんポスト、14年度は11人=遺棄事件受け防犯カメラ-熊本

時事ドットコム 2015年5月20日

熊本市は20日、養育が困難な乳幼児を親が匿名で託せる慈恵病院(同市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に、2014年度は11人が預けられたと発表した。13年度に比べ2人増え、07年の運用開始後、8年間で計112人となった。
同日、記者会見した同病院の蓮田健産婦人科部長は、ゆりかご近くに防犯カメラを設置したと明らかにした。14年10月に乳児の遺体が遺棄された事件を受けた措置。事件性があると警察が判断し、院内の委員会で承認を得た場合のみ映像を警察に提出し、人物の特定には使わないという。
市によると、11人の内訳は男児6人、女児5人。生後1カ月未満の新生児が10人で、生後1年未満の乳児が1人だった。新生児集中治療室(NICU)での養育が必要とされる体重1500グラム未満の極低出生体重児も初めて預けられた。
親からの連絡や児童相談所の調査で、親の居住地が判明したのは8人。熊本県内と、熊本以外の九州、近畿、関東、東北がそれぞれ1人で、中部が3人だった。
預け入れの理由(複数回答)は、「生活困窮」「未婚」「親(祖父母)等の反対」が多かった。

出産し退院した途端、頼れる人がいない心細さ

日本経済新聞 2015年5月21日

働きながらの妊娠を経て赤ちゃんと向き合ったときの戸惑い、夫との気持ちのズレ、ジイジ、バアバとの関係、ママ友とのトラブル…。悩みや不安はつきないものです。そんなママ達が今まで誰にも聞けなかった本音の問いかけに対して、「育児ストレス」や「育児不安」を様々な形で支援してきた大日向雅美先生が答えます。本コラムは『悩めるママに贈る心のヒント』(大日向雅美監修/NHK出版編・2012年刊)から、お届けします。
出産という大きなイベントを乗り越え、かわいい赤ちゃんと対面したとき、どんな気持ちになりましたか? きっと、これまでにない感動を覚えたことでしょう。大きなお腹を抱えて「よっこらしょ」と暮らしていた毎日からようやく解放され、ほっとした方も多いかもしれません。
しかし、自宅に戻ってからの赤ちゃんとの生活は、妊婦のとき以上に大変なことばかり。これまでの生活では想像もつかなかったことが次つぎと起こります。先が予測できず、見通しが立たない。予定通りに動けない。初めてのできごとにどう対応したらよいのかわからず、右往左往したり、不安になったりすることでしょう。
赤ちゃんとあなたとの出会いは「現実との遭遇」です。しかも、赤ちゃんと暮らす日々は、謎めいた迷いの森へ放り出されたようなものかも知れません。まずは森に慣れ、森を知ることから始めましょう。

とにかく不安。何がわからないかさえわからない
「とにかく不安。何がわからないかさえわからない」――これはきっと、ママなら誰もが感じる思いですね。出産直後はホルモンバランスも崩れ、心も体も不安定になります。それに加えて、初めてのことばかり。私も不安でいっぱいでした。
「何がわからないかさえわからない」ときは、誰に何を聞けばよいのかわからず、具体的なアドバイスにもたどりつけません。ですから、さらに、正体不明の漠然とした不安に包まれてしまうのです。わからないことがたくさんあるのは、子育ての森に入った証です。初めての森の中は薄暗く、霧がかかったようにも見えることでしょう。おそろしい形の影におびえ、ちょっとした音に眠れないこともあるでしょう。でも、その正体が木の枝や鳥の羽ばたきだとわかれば、あとできっと笑い話になるはずです。
まず「何がわからないか」「知りたいことは何か」をはっきりさせてみませんか。すると、調べることや行くべきところがわかり、少しずつでも行動を起こすことができます。
母子手帳や、地域の子育てガイドブックなどを見返してみてください。妊娠中には目にとまらなかったことでも、出産後だからこそ役立つ情報がたくさん見つかります。子育てガイドブックは「迷いの森」の地図のようなものです。まだ目を通していない人も、ぜひこの機会に手に取ってみてください。
母子手帳には赤ちゃんの成長に関する情報がありますから、この先の子育ての全体像をつかむことができます。3カ月、半年、1年経てばこんなことができるようになるのか、とこれから先の様子を想像することができるでしょう。成長の様子や、具合が悪いときの記録をつけておくと、健康診査や診察を受けるときにも役立ちます。

地域の子育てガイドブックもなかなかのすぐれものです。予防接種や健康診査の時期、公園、児童館や子育てひろばなどの情報、困ったときの相談先など、子育てに必要な地域の情報がたくさん載っています。隅ずみまで読む必要はありません。どこに何が書いてあるかだけ押さえておいて、必要になったら丹念に読めばよいのです。市区町村のホームページなども時間のあるときに目を通しておきましょう。
何事も、初めてのことは不安でいっぱいです。落ち着いて対処できる人はそう多くはありません。困ったときには右往左往していいのです。実際に右往左往を繰り返すうちに、経験が積み重なり、落ち着いて対処もできるようになります。そして、だいたいの見当がつくようになるものです。
ただし、体調面の不安には素早い対処が必要な場合もあります。
夜間や休日に急な病気やけがなどで困ったときは、地域の子育てガイドブックなどに掲載されている救急診療所やテレホンサービスに電話をしたり、厚生労働省による小児救急医療電話相談事業を利用しましょう。
この電話相談事業は全国どこからでも、「♯8000」を電話でプッシュすれば、住んでいる都道府県の窓口に通じます。小児科の医師や看護師に適切な対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けることができて、安心して行動できますよ。

退院後、お医者さんも看護師さんもいない自宅に帰るのがコワイ
出産後でも、病院で過ごしている間は、心配事はそれほどなかったことでしょう。家事をする必要もなく、安心してゆっくり体を休めることができたはずです。
赤ちゃんの抱き方、おむつ交換の仕方、母乳の与え方、ミルクの作り方など、看護師さんたちが手取り足取り優しく教えてくれますし、授乳の時間には声をかけてくれます。赤ちゃんの様子で心配なことも、医師や看護師に質問すればわかりやすく答えてもらえたのではないでしょうか。
しかし、退院したとたん、親である自分1人で、もしくは家族で判断しなければなりません。「どこに寝かせればいい?」「部屋の温度はこれで大丈夫?」「どうして泣いているの?」「ミルク、足りてるのかしら……」と、心配事はつきません。
こうした事態を想定して、先輩ママや友人に失敗談や対処法をたくさん聞いておくとよいでしょう。心構えもでき、いざというときに余裕が持てます。また、いつでもすぐに相談できる人、かかりつけの小児科、電話の相談窓口などをリストアップしておきましょう。不安なことがあるとき、心配なときには、まず、信頼できる専門家に相談しましょう。森のガイドのような頼れる人がたくさんいると、心細さも少しは軽くなるはずです。
私が娘を出産したのはずいぶん前のことですが、今でも忘れられないことがあります。退院した翌朝早く、子どもが突然吐いてしまったのです。どうしていいかわからず、入院していた病院の産科に駆け込みました。ところが看護師さんいわく、
「退院された方は産科の管轄外なんですよ。小児科は9時からですから、そちらにどうぞ」
つい昨日まではこの病棟にいて、ナースコールを押せば「どうしました?」と優しい笑顔で飛んできてくれた看護師さんの、あまりの変身ぶりが本当に悲しく、心細くなったのを今でもよく覚えています。
今はこのような対応はないとは思いますが、日本の医療の遅れを痛感した経験でした。私がかつて一時、暮らしていたイギリスでは、母親たちは出産後2日ほどで退院しますが、退院後は自宅にヘルスビジター(訪問保健師)が訪問してくれて、さまざまな相談にのってくれます。心配なことやわからないことがあれば、いつでも電話で相談できますし、必要に応じて頻繁に訪問してくれるため、安心して自宅で赤ちゃんと過ごすことができるのです。日本でも生後4カ月以内に助産師や保健師が訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」がありますが、イギリスほど制度が整っているわけではありません。今後、少しずつ改善されていくよう、私たちも声を上げていかなければなりません。

増えるリンゴ病患者 妊婦の感染に注意を

日本テレビ系(NNN) 2015年5月20日

頬がリンゴのように赤くなり、風邪のような症状が出る「伝染性紅斑(リンゴ病)」の患者が増えている。子供への感染が多いとされる病気だが、妊婦への感染は注意が必要だ。
リンゴ病は、発熱など風邪のような症状後、頬や手足に赤い発疹が出るのが特徴で、せきやくしゃみなどで感染する。厚生労働省によると、4月中旬からリンゴ病の報告が全国的に増えていて、過去5年の同じ時期より多いという。埼玉県は今月8日、リンゴ病の「流行警報」を4年ぶりに発令している。
リンゴ病患者は小学生が多いというが、リンゴ病は大人もかかることがあり、特に妊婦には注意が必要だという。さいたま市の峯小児科・峯眞人理事長は「妊娠の早い時期に感染してしまいますと、流産、元気な赤ちゃんが生まれない、そういう状況が起こる可能性がある。妊婦さんが感染した場合には、我々も非常に気をつけて診なければならない」と話す。また、妊娠4か月以降で感染すると、流産だけでなく、胎児の体に水がたまる「胎児水腫」という病気になるおそれがあるという。
また、予防法について峯理事長は「子供たち同士はうつってもそれほど重くなることはないので、普段通り手洗いをしてうがいをして十分だと思いますが、妊婦さんに関しては子供たちがいっぱい集まる所、リンゴ病が流行している幼稚園や学校に行くことは控えた方が安全」と話す。
リンゴ病は例年、7月上旬頃にピークを迎える傾向があるため、各自治体は注意を呼びかけている。

健康の新常識!コレステロールに『悪玉』なし!?

OurAge 2015年5月20日

『血液ドロドロ』の原因になる、としてやり玉に上がってきたコレステロール。だが最近の医学界では今までの常識が覆っているようだ。
「コレステロールは高いほうが長生きしますよ」と言うのは、「近藤がん研究所・セカンドオピニオン外来」を運営する、医師の近藤誠さん。最近、『もう、だまされない! 近藤誠の「女性の医学」』(集英社刊)を上梓している。
「そもそも日本のコレステロール基準値は厳し過ぎたんですね。高コレステロール血症の診断基準は、日本動脈硬化学会の指針で従来、『コレステロール220以上』で、『280』でも薬を出さない欧米とは大違いだったんです。日本人の心筋梗塞発症率はアメリカの3分の1程度、さらに女性の場合は男性の半分程度なのに、です。
しかし、コレステロールを下げるほど寿命が短くなることがさまざまな比較試験でわかってきて、まっとうな医者たちから批判が高まってきたのね。そこで健診の専門家たちが新たな基準として持ち出したのが、LDLコレステロール、いわゆる『悪玉コレステロール』です」

しかし、近藤医師によれば、『悪玉コレステロール』という命名も『まやかし』だという。
「LDLコレステロールは悪玉じゃない。LDLコレステロールは体に必要不可欠なコレステロールを全身に運び、その働きがなければ人は生きられないんだから。
日本で行われた数万人を対象とする大規模調査では、男女とも、LDLコレステロールの値が低いほど死亡率が高くなっていました。
本来、コレステロールは細胞膜の重要な構成要素。脳や神経にもっとも多く、各種ホルモンや胆汁もつくっている、生きるために不可欠な『長寿のもと』なんです」

とはいえ、コレステロールが高過ぎるのは、やはり健康に問題があるのではないだろうか。
「総コレステロールが350以上もあれば心筋梗塞などの可能性があるけれど、そこまで高いケースは大抵家族性のコレステロール血症で、多くの場合、男性です。
コレステロール値を薬で下げても、心血管系疾患に効果がなく、むしろコレステロールが低い人ほど死亡率が高いという研究結果が出ているわけですから、かえって危険ですよ」

厚生労働省も今年、コレステロール摂取基準値を撤廃、コレステロールは「多くても少なくても寿命が短縮する」とHP内でも明記している。実は大切な働きをするコレステロール、これからは上手に摂取をコントロールして、健康を手に入れたい。

スマホは必須? 中学生のわが子を“LINEいじめ”から守る知恵

マイナビニュース 2015年5月20日

【ママからのご相談】
50代のママです。高齢出産だったこともあり、いくつかの先天的な遺伝性疾患を持って生まれてきた息子が、早いもので小6になりました。わが家は子どもを私立中学校に行かせるほど経済的な余裕はないので、 公立は公立でも都立の中高一貫校に受からなければ、近くの市立中学校に通わせることになります。
私立と違ってある程度は“いじめ”の問題もあり、“モンスターペアレント”的な親もいると聞く近所の公立中学校で、おとなしい息子はやって行けるのでしょうか。息子は1人でグラフィックデザインをしたりするのが好きな子で、対人関係は苦手です。
特に最近は、スマホで『LINE』というものをやらなければクラス内の班決めからもこぼれてしまうとのうわさも聞きます。スマホの悪影響を考慮して子どもには持たせない方針のわが家では、どのような心づもりで中学校生活に臨ませたらいいでしょうか。

A. “「変わり者」と呼ばれるのを怖れないこと”は、私立でも公立でも通用する知恵です。
ご相談ありがとうございます。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。
お悩み、よくわかります。ある程度まで同質的な環境で育つ子が集まる私立中学校と違い、公立中学校の場合はいろいろな家庭環境の子どもが通いますので、“大学受験”や“大企業への就職”を目標にしている子どもばかりではありません。
同質的な目標に向かって体系化された学習で忙しい私立よりは、どうしても“いじめ”の問題も多くなるようではあります。おとなしい息子さんが闘っていくのは大変でしょう。息子さんに伝えていただきたい知恵は、「変わり者」と呼ばれることを怖れないこと。これは、実は私立であろうが公立であろうが通用するものです。
記述にあたっては、精神科一般とともに児童思春期精神科をも手掛けている都内のメンタルクリニック院長にお話を聞いてあります。

スマホではなく、タブレット端末を持ち歩く中学生になる
『私のクリニックを訪れる中学生の患者さんやその親御さんたちから、「スマホを持っておらずLINEもやらないため、仲間はずれにされた」という話を、これまで何度聞いたことでしょうか。考えてみれば、スマホでできることのほとんどはパソコンででき、パソコンならスマホではできないこともできるというのに、今は大人も中高生も主流はパソコンではなくスマホです。
でも、だからといって100人中100人が全員スマホというのも、ちょっと不気味な感じがしませんか? 正確な統計があるわけではありませんが、スマホ所有率そのものは公立よりも私立中学生の方がより高いことが推察されますので、息子さんが進む予定の市立中学校の方が“疎外感”はまだマシと言えるのかもしれません。
突飛なご提案かもしれませんが、おとなしい息子さんは、タブレット型のパソコンを持ち歩き、通信手段としてはガラケーで通話とメールをする“変わり者”になった方がきっと楽であろうと思われます。ご相談者様にもちょっとだけ頑張っていただいて、息子さんのために“武器”としてタブレットを買ってやってください。
スマホのディスプレーでは限界がある緻密なグラフィックデザインをタブレットのディスプレーで描いてみせて、「お前、変わり者だけどスゲーな」と言われる子になるのです。
LINEをやらないために班決めからこぼれたっていいではありませんか。先生が何とかしてくださいます。そうでなければ先生がいる意味がないでしょう。「変わり者」と呼ばれることを怖れないというのは、おおむねこのようなイメージです』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・児童思春期精神科医師)

いかがでしたか。『LINE』をやらなくても感性や価値観が近い子とはいずれ親しくなりますから、コミュニケーションをとるための“手段”としての『LINE』というものに必要以上にこだわることはないと思います。
医師も指摘していたように、息子さんが好きなグラフィックデザインの腕を磨くうえでも、そのための道具としてはスマホよりタブレット型パソコンを常に持って歩いた方が役に立ちます。もちろん、個人面談などの機会を利用して担任の先生に事情を話し、タブレットを携帯することへの許可をとるための努力は、ご相談者様も怠ってはなりません。
息子さんの小学校生活最後の1年が楽しいものになり、中学校では息子さんがその才能にさらに磨きをかけていけるように、あたたかく見守ってあげてください。