人口減少社会を見据えた保育サービス1:待機児童の救世主としての保育コンシェルジュ

Yahoo!ニュース 2015年6月1日

待機児童の救世主である保育コンシェルジュ
印象的なキャッチフレーズで、共働きの子育て世代の社会的流入に力を入れる自治体が増えている。その一つに、「保育コンシェルジュ」を立ち上げた神奈川県横浜市、福岡県福岡市。東京都武蔵野市。少子化による人口減少という警鐘が鳴らされるなかで、「子育てのまち」のイメージの定着を目指し、人口の増加を図ろうと、保育の充実に力を入れる自治体が増えている。

働く親に寄り添ったサービスの提供
近年待機児童問題が社会問題にまで発展し、保育所の新たな増設と定員数の増加による保育サービスが拡充。それだけでは、働く親は自分の望むサービスを手に入れるのは難しい。なぜならばサービスの種類も内容もさることながら、サービスの名称も多様で、しかもすべての自治体に同じ名称かつ内容のサービスを提供しているとは限らないからだ。
2011年6月全国に先駆けて神奈川県横浜市では保育コンシェルジュを立ち上げた。翌年には待機児童が8割以上に減少、翌々年には待機児童ゼロを実現した。神奈川県横浜市では図1で示すように様々な保育サービスを提供している。工夫されたきめ細かい保育サービスがあるにもかかわらず、利用者には情報が伝わりにくく活用されていない。
そこで横浜市では、全ての区の子ども家庭支援課に、保育コンシェルジュをおいた。保育コンシェルジュは、とくに、資格が求められているわけではない。非常勤嘱託職員が中心となって保育サービスを紹介している。保育士の資格をもった職員が対応している区もあれば、子育ての経験をもつベテラン職員が就いている区もある。主なサービス内容は、保育サービス等の利用に関する相談業務、保育所に入所できなかった方へのアフターフォロー業務、そして保育サービス等の情報収集業務がある。
子育て仲間をみつけるにはどこにいったらいいの。子どもの具合が悪くなって一時的に見てくれる人が必要な場合はどうしたらいいの。仕事に出たいけれど子どもを預けられる保育所はどこにあるの。相談内容は多岐にわたる。利用者のそれぞれの事情を聞き、適切な情報を探し、ニーズに合ったアドバイスをし、必要な手続きを行う。職員は日々奮闘しているという。

求められる境を超えたコンシェルジュの知識
保育コンシェルジュは、保護者から勤務時間や収入などを聞き取り、適したサービスを紹介する。人気が高い認可保育所だが、保育料は所得に応じて決まる。認可保育所に空きがない場合。市が補助金を出している認可外保育所の一時預かりや、幼稚園の預かり保育を利用することができる。保育料はほぼ同じ費用で済む。相談に適した保育所に空きが出れば、連絡するだけでなく、保育コンシェルジュは費用面のアドバイスも求められる。各区の子育て支援課を窓口に、相談の受け付けは、平日は午前9時30分~午後17時00分の間で予約もできる。
保育コンシェルジュが求められる知識は保育サービスだけではない。幼稚園サービスも管轄に入る。幼稚園には、所得に応じて保育料の一部が返ってくる制度がある。さらに、働く両親に提供される保育サービスには、私立の認可外保育所も入ってきている。ベテランの保育士であろうとも、そのような知識を持ち合わせていない可能性がある。制度が変化し複雑になるにつれて、自治体は保育コンシェルジュの育成も考えていく必要があるだろう。

保育士の9割が「おたより」作成に悩み

@DIME 2015年5月30日

保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービス「保育のお仕事」を展開する、株式会社ウェルクスは、保育士や幼稚園教諭などの同サイト読者を対象に、保育士にとって必須業務でもある、保護者向けのおたより作りについて、作成に悩んだ経験の有無や、どういった悩みを抱えているかをアンケート調査を行なった(回答数63名)。同時に業務の中で実践している工夫についてもヒアリングも実施。新人保育士や、業務に悩みを抱える人に参考になる内容となっている。「園だよりやクラスだよりなどのおたより作成に悩んだ経験の有無」について伺ったところ、90.5%の回答者が「悩んだことがある」と回答する結果となった。
アンケートでは、具体的な悩みの内容についても調査。もっとも悩むポイントを3項目選択してもらったところ、最も多かったのは「文章力に自信がない」「良い文章が思いつかない」という悩みで全体の回答の24%となっている。続いて多かったのが「季節感のある書き出し文が思いつかない」で15.8%の人の悩み要因となっていることがわかった。
自由記述からは「短い文章の中で、いかに子ども達の様子をわかりやすく伝えるか…悩む(40代女性)」「良い書きだし分が思いつかず定型文のようになる。(20代女性)」「レイアウトやカットがワンパターンになりがち。(50代女性)」など、経験の長さや年齢に関わらず、多くの人が悩みを抱えていることが伺える。一方、日頃おたより作成業務の中で工夫している点について聞いたところ、下記のような内容が集まった。

◆昨年、一昨年の同じ月のおたよりを参考にする(40代女性)
◆インターネットサイトの文面を参考にする。(20代女性)
◆子ども達のつぶやきを日頃からメモする(50代女性)
◆保育で取り組んでいるゲームや手遊びも掲載、家庭でも親しみが持てるようにする(20代女性)
◆イラストを多めに、文は短く切って読みやすくする。(20代女性)

今年から保育士として活躍する新人の人や、おたより作成に日頃から悩んでいる人には参考になりそうだ。

■調査概要
・実施期間:2015年4月22日~5月18日
・実施対象:
保育士(81.0%)・幼稚園教諭(12.7%)・学生(3.2%)・主婦(3.2%)
・回答者数:63人(平均年齢:32.3歳)
・男女割合:女性/98.4%・男性/1.6%

アタマジラミ感染注意を タオルの共用など経路

山陽新聞岡山医療ガイド 2015年5月30日

人の頭に寄生し、かゆみを引き起こすアタマジラミ。頭皮や頭髪が清潔、不潔かに関わらず、今なお幼児や児童の間で感染例が相次いでいる。水泳でタオルやキャップを使い回したり、運動会などで頭同士が接触する機会が多いこの時季は、特に注意が必要だ。
「激しく頭をかくのは暑さのせいだと思っていた」。昨年6月上旬、次女=当時(5)=にアタマジラミが見つかった岡山市内の会社員女性(43)が困惑気味に話す。保育所の同クラスの女児のほぼ半数に当たる9人で感染が認められたという。
受診先の皮膚科で薦められた薬用シャンプーに切り替えたほか、朝晩、目の細かい櫛(くし)で髪に付いた卵を除去。腰まで伸ばしていた髪は耳の下でカットした。「昔のものと思っていたので『まさか』という感じ。あれ以来、子どもの髪を注意して見るようになった」と打ち明ける。
同市によると、市立学校園の感染者は、2010年度(201人)以降はおおむね減少傾向をたどるものの、3けたを上回る状態が続いている。14年度は保育所33人、幼稚園17人、小学校53人の計103人が感染し、月別では6月の36人(34・9%)が最多で、以下、11月(16人)、1月(14人)の順だった。
15年度も発生報告が寄せられており、同市教委は保護者に注意を促すプリントなどを配布。保育所では、昼寝用の布団を別々に保管したり、カバーを毎日洗うよう求めたりして感染抑制に努めている。
「これから夏場にかけて患者が増える」とみるのは、岡山県医師会皮膚科部会担当理事で神崎皮膚科(同市北区平和町)の神崎寛子院長(57)。水泳後のタオルの共用などが感染経路となるためだ。また、幼い子どもたちは頭を寄せ合って遊ぶ機会も多く、大人に比べ感染例が際立つという。
アタマジラミの成虫は1カ月に約100個の卵を産み、かゆみを訴えた時には既に相当数が寄生している状態だ。ただ、その場合も薬用シャンプーを使えば2、3週間で駆除できる。
神崎院長は「髪を短くしたり、あらかじめ薬用シャンプーを使えば感染予防になる。寝床が一緒だとうつりやすく、子どもが感染したら家族全員で対応してほしい」と呼び掛ける。

【アタマジラミ】
成虫は体長約3ミリ、卵は約0.5ミリ。髪を伝って移動し、清潔にしていても感染する。戦後、DDTなど殺虫剤の散布により激減したが、1970年代以降、幼児や小学生を中心に集団感染が見られるようになった。

母親がフルタイムで働くと子どもが太りやすくなるってホント?

All About 2015年5月31日

母親の労働時間が長いと子どもが太りやすい
これまでも言われてきたことですが、母親の生活様式は子どもの睡眠習慣に大きな影響を与えます(一方、残念ながら父親の影響は微々たるものです……)。さらに最近、母親の労働時間が子どもの睡眠時間や肥満度に影響を与える、という研究結果が発表されました。
米イリノイ大学の研究チームが、3~5歳の子ども247人とその母親を対象に調査を行いました。フルタイム(週35時間以上)で働く母親の子どもは、勤務時間が週20時間以下の母親の子どもに比べて、睡眠時間が短く、肥満度(BMI値=体重kg÷(身長m×身長m))が高くなることが分かりました。そのうえ、睡眠時間が1時間減るごとに、子どものBMI値は6.8%も増加しました。
日本でも、子どもの睡眠時間と肥満の関係は調査されています。 富山県で約1万人の子どもを対象に行われた研究では、3歳のときの睡眠が9時間未満の子どもは、睡眠が10時間以上の子どもに比べて、中学1年になったときの肥満率が1.6倍になっていました。
睡眠中には、成長ホルモンがたくさん分泌されます。成長ホルモンは、脂肪を分解してくれます。しかし、睡眠時間が短いと十分に脂肪が分解されず、太ってしまいます。また、睡眠不足だと、夜に交感神経の活動が盛んになります。そのため、インシュリンの働きが悪くなり、血糖値が上がりやすくなります。

子どもを早く眠らせるためには
厚生労働省による21世紀出世児縦断調査でも、母親の労働時間が長いほど、子どもが眠りにつく時間が午後10時を過ぎる割合が増えています。
アメリカの国立睡眠財団では、1~3歳で12~14時間、3~5歳では11~13時間の睡眠時間が必要としています。しかし、フルタイムで働く母親にとって、これだけの睡眠時間を確保してあげることは、至難の業でしょう。
就学前の子どもを育てているお母さんは、まず、子どもを早く眠らせることを考えてください。
帰宅後は徹底的に段取りを良くし、食事と入浴を早く済ませて寝かせましょう。食器洗いや風呂掃除は後まわしにして、子どもと一緒にお母さんも布団に入れば、子どもは安心して寝つきやすくなります。このときに、お母さんも眠ってしまっても構いません。夜中あるいは朝に目覚めたら、やり残した家事を済ませばよいのです。
明るい光や青い光は、睡眠に悪影響があります。子どもにはなるべく、テレビやパソコン、スマートフォンなどの画面を見せないようにしましょう。コンビニエンス・ストアなど明るいお店へ連れて行くのも、できるだけ避けてください。小言も、眠る1時間前までにしましょう。叱られた子どもは精神的なショックで、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりします。
もちろん、父親の協力も必要です。食器が片付いていなくても、洗濯が途中でも、妻に文句を言ってはいけません。奥さんは奥さんなりに、子どものために頑張っているのですから。自分から進んで、家事を手伝ってください。子どもと遊びたいからと言って、子どもの睡眠の邪魔をしてはいけません。夜遅く帰ったら、お休みの挨拶だけにしてください。かわりに、早起きして朝に遊んだり、休日に思いっきり遊んだりしてあげましょう。
こうすれば絶対うまくいく、という解決策はありません。それぞれの家庭に合わせて、子どもの睡眠時間を確保するために、いろいろ工夫してみてください。

しばしば起きる機内出産 妊婦はいつまで飛行機に乗っていい?

乗りものニュース 2015年5月31日

「28日」がひとつの境界
2015年5月10日(日)、エア・カナダ機の乗客が機内で出産し、目的地の成田空港へ緊急着陸する出来事がありました。
妊娠し、出産がいよいよ近づいてきたとき「生むのは実家に戻って」という人、また妊娠中に何らかの理由で飛行機に乗らなければならないこと、あるかもしれません。
ですがもちろん、予定通りに赤ちゃんが生まれるわけではありません。はたして出産を控えた妊婦さんは、飛行機に乗っても良いものなのでしょうか。
「制限はありますが、ご搭乗いただけます」(JAL広報部、本多さん)
JALでは国内線の場合、出産予定日を含め8日以上28日以内の妊婦さんは、医師の診断書を提出すれば搭乗可能とのこと。また出産予定日を含め7日以内の妊婦さんも、診断書と合わせて医師の同伴があれば搭乗できるそうです。ただ国際線の場合、出産予定日を含め14日以内だと医師の同伴が必要。ANAも同様の基準で搭乗可能といいます。
「妊娠・出産を経て子育て中のCAも多数フライトしておりますので、安心してご搭乗いただき、何かございましたらお気軽にご相談ください」(JAL広報部、本多さん)
もちろん妊婦さんの状況が第一ですが、普段とは違うことに少し気をつければ、「妊娠しているから」という理由で飛行機の利用を特段不安に思ったり、敬遠する必要はないそうです。ちなみにJALでは乗客に妊婦さんがいる場合、担当するCAはもちろん、それ以外の乗務員も全員がその情報を共有し、優先搭乗やクッションの用意といった対応しているといいます。

「お客様のなかにお医者様は」がダメだった場合は?
5月10日に起きたエア・カナダ機内での出産は、乗り合わせた医師が対応。無事に行われました。ドラマなどでありそうな、この「お客様のなかにお医者様はいらっしゃいませんか?」という状況、実際のところ、よくあることなのでしょうか。
「珍しくありません。急病人が発生したときはドクターコールを行い、協力を要請します」(JAL広報部、本多さん)
総務省のデータでは、日本の人口は1億2688万人(2015年5月1日現在)で、厚生労働省のデータでは、日本全国の届出医師数は30万3268人(2012年)。日本人の418人に1人は医師で、ボーイング777などの大型機で満席なら乗客に1人は医師がいる、という単純計算になります。
しかし定員が少ない小型~中型機では当然、医師が乗っている確率は低くなります。もし乗客に医師がいなかった場合、どうするのでしょうか。
JAL広報部の本多さんによるとそうした場合、地上の医療機関へ支援を要請し、地上にいる医師とコンタクトをとりながら、必要な処置をCAが行うとのこと。CAは出産に関する知識も備えているといいます。ちなみにJALでは少なくとも2001年以降、機内での出産例はないそうです。