多くの子どもを救えるか?7月1日から児童虐待の通報番号が「189」に

IRORIO(イロリオ) 2015年6月27日

悲しいことに虐待によって失われる命や、虐待がきっかけとなった事件が後を絶たない。
そこで少しでも虐待を減らそうと、今まで10ケタの電話番号だった「児童相談所全国共通ダイヤル」が、7月1日から覚えやすい「189(いちはやく)」へ変更される。
緊急時にもダイヤルしやすくすることが目的だ。
「虐待通報」のハードルは下がるか?
今まで「もしかしたら?」と思っても、どこに通報をしていいのかわからなかったり、確信が持てなくてためらっていた人もいるかもしれない。
厚生労働省のホームページでは、「児童相談所全国共通ダイヤル」の電話番号変更とともに、通報のためだけの番号ではなく、「どうなんだろう?」と相談もできることを改めて強調。相談は匿名ですることができ、内容の秘密は守られるそうだ。
「もしかしたら?」と思ったら、その時点で電話をかけるようにと呼びかけている。
親からの相談も受けている
児童相談所は子どもの健やかな成長のため、問題を解決する専門機関だ。児童の保護だけではなく、「つい子どもに当たってしまう」という親からの相談も受けているという。
もちろんその場合にも、匿名での相談が可能だ。
最寄りの児童相談所につながる
固定電話から「189」にかけると、市外局番を読み取って近くの児童相談所につなげてくれる。一部のIP電話からはつながらないそうだ。
携帯電話から掛けた際には、郵便番号の入力か、音声ガイダンスに従って都道府県の番号の入力が必要になる。
「119」や「110」とは違い、通話料金がかかるので要注意だ。

「学校信仰」脱して多様な教育を探ろう

日本経済新聞 2015年6月29日

義務教育と聞けば、だれもが小中学校という「場」を思い浮かべるだろう。現に学校教育法には、保護者は子どもが満6歳になったら小学校に、そのあとは中学校に通わせる義務を負うとの規定がある。いわゆる就学義務だ。
教育を受けるためには、とにかく子どもは学校に通わなくてはならない。その観念には抜きがたいものがある。義務教育の「義務」が「学校に行く義務」のように受け止められているのではないか。
そんな常識を打ち破る構想が急浮上している。フリースクールなど学校以外の教育の場や機会を、義務教育のなかに位置づけようという機運だ。課題も少なくないが、教育の多様化へ向けた試みとして大いに注目したい。
端緒になったのは昨年の教育再生実行会議の提言だ。不登校児の受け皿として、例外的に学校扱いされることもあるフリースクールなどについての論議を促した。
これを受けて文部科学省は有識者会議を設置、本格的な検討が進んでいる。自宅学習も含めて学校以外での学びを認める場合にどんな経済的支援が可能か、学習の質をどう保障するか、成果をどう評価するかなど議論は具体的だ。
超党派の議員連盟も、関連法案を議員立法で今国会に提出する方針を決めた。小中学校に行かせなくても保護者が学習計画をつくり、教育委員会が認定すれば就学義務を果たしたとみなす規定などを盛り込むという。
こうした構想の背景には、そもそも学校にどうしても合わない子どもが少なからず存在するという認識がある。だからフリースクールなどを学校復帰までの一時的な場所としてではなく、学校とならぶ多様な教育機会のひとつとしてとらえる意見が主流だ。
いわば「学校信仰」を脱却する画期的な動きだが、今後、制度設計は難航も予想される。行政が関与しすぎればフリースクールなどは本来の魅力を失い、逆に自由放任なら児童虐待などを見逃しかねない。学習塾が学校化するとの指摘もある。議論を徹底し、具体像を探ってもらいたい。
義務教育について定めた憲法26条には、じつは「学校」の文字がない。国民は「ひとしく教育を受ける権利」を有し、保護者は子女に「普通教育を受けさせる義務」を負う――とあるだけだ。学校以外での学びの可能性は、この条文にも息づいていよう。

保育士になって「良かった」「ちょっぴり後悔した」エピソード

@DIME 2015年6月28日

保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービス「保育のお仕事」を展開する、株式会社ウェルクスは、同社が運営するサイト「保育のお仕事レポート」にて、読者を対象に行ったアンケートに基づいた独自のコンテンツを発表した。これは主に保育士や幼稚園教諭として働く人に対し、仕事のやりがいと大変さについて聞いたもの。アンケート結果によれば、回答者の97%が「保育士になって良かった」と思った経験を持っていると同時に、64.1%は「保育士になって後悔した」経験も持っていることがわかった。まず「今までに保育士や幼稚園教諭になって良かったと感じた経験があるか」を聞いたところ、回答者の97.4%が「ある」と回答する結果となった。また、「この仕事に就いて良かったと感じたのはどのような時か」聞くとところ、最も多かった回答は「子どもの成長を感じたとき」で46.0%、次いで「保護者から感謝されたとき」が30.2%となった。
自由回答からは、次のようなエピソードが集まった。
・ひとつひとつ子どもたちがやる気をもって取り組む姿勢が見られたり、昨日できなかったことが今日はできたり…子どもの成長が見られると、なって良かったなと思う。(20代女性)
・「うちの子は先生が大好きで、先生がここまで育ててくれた!ぜひ、戻ってきて下の子も見て欲しい」と言っていただいた時は本当に嬉しかった。(20代女性)
・まだ言葉が話せない0歳の子どもたちが自分の顔をみてニコニコと微笑んでくれる姿を見ると保育士になってよかったなと思う。(20代女性)
一方、保育士や幼稚園教諭になって後悔した経験の有無についても伺ったところ、「経験がある」と回答したのは全体の64.1%で、半数以上の人はなんらかの場面で、保育士や幼稚園教諭になったことを後悔した経験があるようだ。また、「後悔したのはどのような時か」を聞いてみたところ、最も多かった回答は「職場の人間関係上のトラブルがあったとき」と「給与など待遇面での悪さを感じたとき」で29.3%、次いで「業務量などに負担を感じたとき」が24.4%となった。
自由記述で書かれた内容は下記の通り。
・上司とあわず、パワハラで自分が壊れそうになった。(40代女性)
・上がらない給与… 微々たる昇給額は、住民税に消えていきます。(30代女性)
・サービス残業は当たり前、持ち帰りも毎日で家に帰っても休めない。(20代女性)
今回の調査結果からは、やりがいを感じつつも処遇や業務量、人間関係の点で悩みを抱えている保育士が多いという、保育業界の現状が伺える。

アンケート調査概要
・実施期間:2015年5月21日~5月30日
・実施対象:保育士(80.8%)・幼稚園教諭(6.4%)・その他保育関連職(5.1%)・主婦/その他(離職中など7.7%)
・回答者数:78人(平均年齢:30.1歳)
・男女割合:女性/96.2%・男性/3.8%
・回収方法:facebookおよびLINE@で告知

スター・ウォーズの俳優も患った「統合失調症」の実態

nikkanCare.ism 2015年6月28日

先日、映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でアナキン役を演じたジェイク・ロイドが統合失調症を患っていることがニュースになりました。
かつては“精神分裂病”と呼ばれていた統合失調症。これはどのような病気であり、どのように治療していく必要があるのでしょうか?
今回は、統合失調症について、厚生労働省「みんなのメンタルヘルス 統合失調症」からみていきます。

罹患率は意外に高い!
統合失調症というと、特別な病気であるかのように思われます。しかし、実際には100人に1人程度という割合で起きる病気であり、決して珍しい病気ではありません。
注意したいのは、統合失調症の場合「なぜ起こるのか」ということがはっきりしていない、ということです。うつ病のように原因があるのではなく、どうして起きるのか、いまだに解明されていません。
うつ病と同様に、“環境の変化”によって起こケースが多いとは言われていますが、それも単なるきっかけにすぎません。

見えないものが見え、聞こえないものが聞こえる
統合失調症の症状というのは、非常に苛酷なものです。健康な人には見えないものが見えたり、聞こえたりします。わかりやすく言えば、幻覚や幻聴が起こる、ということです。
このような幻覚や幻聴は、「君はすてきだね」といったポジティブなものではなく、「お前は馬鹿だ」などのように、攻撃的なものであることがほとんどです。また、「今トイレに入りました」など自分の行動が逐一見られ、報告されているような幻聴も聞こえます。
ほかの症状として、妄想も挙げられます。たとえば、「まったく関係ない人が自分を襲おうとしている」、「誰かに見張られている」、「自分の考えが声に出してもいないのに人に伝わっている」といった思い込みにとらわれてしまうのです。
このような症状は、ほかの人に見えることもなければ聞こえることもありません。そのため、症状が理解されにくいのです。

統合失調症は治るのか
統合失調症は、“治らない病気”のように思われがちです。しかしながら、薬物療法と心理社会的な治療を組み合わせて行うことによって、半分を超える確率で症状が改善します。
治療を外来で行うか入院で行うかを決める必要がありますが、最近は治療の進歩により、外来で治療できることが増えてきたそうです。
統合失調症は、周囲の人も疲弊しますし、何よりも本人が一番つらく感じるでしょう。
しかし、統合失調症は、決して“治らない病気”ではありません。ほかの精神疾患と同じように、早期発見と早期治療によって予後がよくなることも知られており、早めに対策を行うことで、病状は大きく改善するのです。

飲食店で料理を食べたら「食中毒」に・・・治療費や慰謝料を請求できる?

弁護士ドットコム 2015年6月28日

ジメジメとした日が続く梅雨のシーズンは、食中毒を引き起こす細菌の繁殖が活発になる。テレビや新聞でも、食中毒のニュースがあいついで報道されている。6月中旬には、宮崎県延岡市の居酒屋で食事をした学生7人が発熱や下痢などの食中毒症状を訴えた。
報道によると、学生たちは鶏レバーやチキン南蛮などを食べ、食中毒症状を発症したとされる。そのうちの3人の便からは、ニワトリやウシなどの動物が保菌する「カンピロバクター菌」が検出されたという。延岡保健所は食中毒と判断し、居酒屋に営業停止1日の処分を命じた。
厚生労働省のウェブサイトによれば、カンピロバクター菌は、腹痛や発熱、嘔気、嘔吐、倦怠感といった症状を引き起こす細菌だ。1週間程度で治癒することが多いが、子どもや高齢者など抵抗力の弱い場合は、重症化する可能性があるという。
重症化する可能性が少ないとはいえ、症状の程度によっては、入院や通院が必要になる場合もあるだろう。飲食店で食べた料理が原因で食中毒になってしまった場合、治療費や慰謝料を店に請求できるのだろうか? 石崎冬貴弁護士に聞いた。

治療費や慰謝料を請求するには?
「まず、店側に治療費などを請求する前提として、その店で出された食事によって食中毒が発生したといえることが必要です。食中毒の場合、時間が経ってから発症することも珍しくありませんので、この点を証明することが難しい場合が多いといえます」
石崎弁護士はこのように説明する。どうやって証明すればいいのだろうか。
「一般的には、同じ店で、他の客にも同じような症状が発生したか、といった点が重視されますが、個人で調査するのは限界があります。医師の診察を受けながら、保健所の調査結果を待つのが通常でしょう」
その店の料理が原因と証明された場合、治療費や慰謝料は支払ってもらえるのだろうか。
「店の料理が原因だと証明できれば、実際にかかった治療費や入院費などはもちろん、食中毒が原因で働けなかった期間の休業補償や、慰謝料も請求できます。さらに、重篤な症状が出て、後遺障害などが残った場合は、今後働いて得られたはずの逸失利益についても、請求できる場合があります。
ただし、実際に請求するとなれば、費用や時間をかけて法的手続をとるだけの意味があるか、店側に支払い能力があるかなども考えなければなりません。特に、症状が軽微な場合には、法的手続をとる前に、店で食事したことを示すレシートや、症状や食中毒になったことを示す診断書などを示しつつ、店側と話してみたほうがよいのではないでしょうか」