もしも、がんになったら? 公的制度の活用で働き続けるという選択肢も

日経ウーマンオンライン 2015年7月7日

こんにちは。「ワークルールとお金の話」の社会保険労務士の佐佐木由美子です(連載トップページ:スマートフォンはこちら、パソコンはこちら)。今や2人に1人は一生のうちに、がんになる確率があると言われており、決して他人事ではありません。もし、がんになったら、仕事や生活はどうなってしまうのでしょうか。

仕事を続けるかどうかの問題
がんというと、命をも脅かす深刻な病気だというイメージから、以前と同じように仕事を続けるのは無理なのでは? と思う方もいるかもしれません。
これは、がんの種類やステージ(病期)、治療方法などによって相当の違いがあり、何よりも本人の意向が大事だといえるでしょう。
がんにかかった人に、退職の有無について調べた実態調査では、約75%が退職をしておらず、約80%の患者が治療と仕事を両立したいと考えています(出典「がん患者の就労等に関する実態調査」平成26年5月 東京都福祉保健局)。
それは、生活の糧を得るということもありますが、働くことが自分自身にとっての生きがいである、というのが上位の理由です。
がん医療の進歩等を背景に、生存率は大きく向上し、がんにかかっても早期発見や適切な治療により治るケースや、仕事と治療を両立するケースも増えてきました。
がん患者の入院日数も、平成8年では平均35.8日だったものが、平成23年には19.5日へと飛躍的に短縮されています(出典「厚生労働省 患者調査」)。
これは、入院中に行われていた薬物療法や放射線治療が、近年は通院をしながら受けられるようになったことが要因とされています。
とはいえ、30~40代の働き世代とがん罹患数統計を見ると、男性よりも女性の方が遥かに罹患数が多いのです。

公的な社会保険制度を活用しよう
突然のがん宣告に、ショックを受けない人はいないはずです。仕事をどうするか、経済的な問題や生活のこと、どこで治療を受けるか、治療方針や副作用のことなど、たくさんの選択を前にして、戸惑いや不安でいっぱいになってしまうものでしょう。
治療方針を確認して今後の見通しが立てば、主治医と相談のうえ、働き続ける選択肢も大いにあり得ます。そうしたときに、職場の社内制度について、どのようなサポートが受けられるか確認しておきたいところです。
たとえば、私傷病の休職制度が整っている場合、どのくらいの期間、どのような条件で利用することができるのか、復職のプロセスなども就業規則で確認できるでしょう。そのほか時差出勤や時短勤務制度、時間単位の休暇制度など、治療と仕事の両立のために利用できる制度について、相談してみることをおすすめします。
公的な社会保険制度についても、自分がどの制度を利用できるのかおさえておくと安心です。
がん治療はかなりの医療費がかかると言われますが、「高額療養費制度」を利用すれば、一定の自己負担限度額以上の支払いをしなくても済みます。
以前は、高い医療費を支払ったうえで、高額療養費の申請をしていましたが、現在は「限度額適用認定証」を事前に発行しておくことで、入院のみならず、外来診療や調剤薬局での医療費の支払額を、自己負担限度額までにとどめることができます。
また、病気等で継続して3日以上働けないときは、4日目から「傷病手当金」の給付を申請することができます。健康保険の被保険者であることが前提ですが、休業1日あたり標準報酬日額の3分の2相当額の手当をもらうことができます。給与の支払いがある場合でも、その給与が傷病手当金の額より少ない場合は、傷病手当金と給与との差額が支給されます。
この制度が優れているのは、要件に該当していれば、支給開始日から最長で1年6ヵ月間もらえるということです。
会社を辞めてしまったらもらえなくなる、という誤解もあるようですが、退職するまでに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、すでに傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあれば、退職後も引き続き手当をもらい続けることができます。
一般にがんの治療は、長期にわたって続くものですが、傷病手当金をもらいきってしまっても、一定の障害状態に該当して受給要件を満たせば、障害年金を申請することも可能です。
障害年金というと、障害者手帳を持っていなければ受けられない、と思われがちですが、障害者手帳とは関係ありません。障害の程度によりますが、職場の援助を受けて、仕事を続けながら受給することも可能な場合があります。
それぞれに要件はあるものの、公的な社会保険制度として、どこまでサポートが受けられるか、その仕組みを知っておくことは大切です。
がん患者への実態調査では、傷病手当金制度を知らなかったので利用しなかった割合が約4割と高く、大変もったいないことだと思います(出典「がん患者の就労等に関する実態調査」平成26年5月 東京都福祉保健局)。
いざというときのために、こうした制度があることを頭の片隅に記憶しておいてもらえたらと思います。公的保険は働き方によって、利用できる制度も異なります。自分に合った保障を民間の保険でプラスしておく、というのも選択肢のひとつといえるでしょう。
国は、がんになっても安心して働き続けられる社会の構築を目指し、動き始めています。職場においても、健康問題をはじめ様々な事情を抱える従業員が支え合えるような仕組みや柔軟な働き方が広がっていくことを願っています。

魚や加工品に多いヒスタミン食中毒 加熱で防げず…解凍後すぐ調理を

産経新聞 2015年7月7日

鮮度の悪い魚などを食べたときに起きるヒスタミンによる食中毒。冷凍技術の発達で件数は減少しているが、近年は学校や保育所などで集団食中毒が起きている。化学物質のヒスタミンは加熱調理で壊れないので、魚を焼いたりフライにしたりする場合も常温で長い時間放置しないことが大切だ。(平沢裕子)

温度管理重要
徳島県鳴門市の中学校で6月中旬、生徒や教職員227人が給食後に吐き気や発疹などの症状を訴えた。県によると、アジのフライを原因とするヒスタミンによる食中毒で、全員が軽症だった。
ヒスタミンは、魚肉などに含まれるヒスチジンというアミノ酸の一種が、モルガン菌など細菌により分解されることによってできる化学物質だ。ヒスタミンによる食中毒は、ヒスタミンを多く含む魚やその加工品を食べることで起きる。
生成されやすいのは、サバやイワシ、カツオ、マグロなど。食品衛生コンサルタントの笈川和男さんは「魚は、切り身や干物、冷凍品でもヒスタミン食中毒の原因となる細菌に汚染されている可能性があり、温度管理が悪いと生成される」と指摘する。

漬け置きに注意
ヒスタミンによる食中毒は、食後、30分ぐらいで顔面や口の周りが紅潮し、頭痛、じんましん、発熱などの症状が出る。特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に反応するアレルギー症状と似ているが、ヒスタミンの摂取により誰でも発症する可能性がある。
たいてい6~10時間で回復し重症になることは少ないが、まれに呼吸困難や気管支炎、血圧降下を起こして重症になる場合もある。また、生理中や消化器系の疾患、喫煙、飲酒などでヒスタミンの代謝機能が低下し、少ない量でも症状が出る可能性が指摘されている。
病原性大腸菌O157やノロウイルスなど細菌やウイルスで汚染された食材は加熱調理すれば食中毒になることはないが、ヒスタミンは加熱調理しても壊れない。このため、缶詰や焼き魚など加熱調理食品でも食中毒が発生する。
食品安全委員会が平成10年から20年のヒスタミン食中毒を分析したところ、原因は焼き物や揚げ物の料理が多く、中でも照り焼きや漬け焼きなど加熱前に調味液への漬け置き作業が行われた事例が3分の1を占めていた。保育所の給食メニューでは、「カジキマグロの竜田揚げ」や「イワシのつみれ汁」などで食中毒となった例が報告されている。

舌にぴりぴりはNG
厚生労働省によると、ヒスタミンによる食中毒患者は年に数十人から数百人発生。家庭内でも発生しているとみられるが、短時間で治ることが多いため、届け出をされない場合が多いと推測される。
食中毒を防ぐには、魚を低温で管理することが有効だ。ヒスタミンの原因を作る細菌は常温で増えるので、冷凍のマグロやカツオなどの解凍は冷蔵状態で行い、解凍後は速やかに調理すること。解凍したものはヒスタミンが増加している可能性があり、いったん解凍したものは再凍結して使わない。干物セットなどは、食べきれない分はすぐに冷凍保存する。
また、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品は、食べたときに唇や舌先がぴりぴりするなど通常と異なる刺激を感じる場合がある。
笈川さんは「魚を保存するときは速やかに冷蔵・冷凍する。また、色が変だったり食べて味が悪かったりするものは処分して」と呼び掛けている。

ヒトの体内でも生成
ヒスタミンはヒトの体の中でも作られる。血管拡張や血圧降下などの作用があり、適量のヒスタミンができることで体が守られている。ただ、小麦アレルギーの人が小麦食品を食べると、ヒスタミンが大量に生成され、アレルギー症状を引き起こす。花粉症やアレルギー性鼻炎に用いる「抗ヒスタミン剤」は、体内でヒスタミンができるのを抑えることでアレルギー症状を緩和する。

親が高血圧だとキケン!? 遺伝と高血圧の関係とは

nikkanCare.ism 2015年7月7日

遺伝的要素が強いといわれる高血圧。「親がそうだから自分も……」と不安の人も多いのではないでしょうか?
でも、本当に高血圧と遺伝には関係があるのでしょうか?
また、もし高血圧が遺伝するものだとしたら、それを避けることはできないのでしょうか?
今回は、遺伝と高血圧の関係を、厚生労働省が発表している高血圧ガイドから紹介していきます。

両親ともに高血圧の場合子どもが同じ症状になる確率は約半分
結論から言えば、高血圧になるリスクというのは、遺伝します。これはすでにさまざまな専門家が論文として出しています。たとえば、萩原俊男氏が発表した、「高血圧の診断と治療」などにも、それについての言及があります。
では、具体的にどれくらいの確率で遺伝するのでしょうか?
両親ともに高血圧症だった場合、子どもが高血圧になる可能性は、約半分だと言われています。また、両親の片方が高血圧症だった場合、子どもが高血圧になる可能性は約30%です。
これを「多い」と見るか、「少ない」と見るかは、判断が分かれるところでしょう。

「遺伝」をはねのけるもの
“高血圧になりやすい遺伝子”を受け継いでいたとしても、高血圧になる確率は約2分の1です。その裏表を分けるものは、“生活習慣”だと言われています。
高血圧は、一部の特異な例を除き、糖尿病などと同じように“生活習慣病”に分類されます。正しい生活習慣、健康的な生活習慣をとっていれば、たとえ遺伝的に高血圧になりやすい家系であったとしても、血圧が上昇しにくくなります。
具体的には、「塩分の少ない食生活を心掛け、暴飲暴食を慎む」、「毎日、何かしらの有酸素運動を生活のなかに取り込む」、「節酒を心掛ける」、「禁煙する」などが高血圧を防ぐ生活習慣になります。

高血圧には遺伝的要素もありますが、生活習慣によって予防することが可能です。「高血圧家庭だから仕方ない」とあきらめず、自分の生活を見なおしていきましょう。

闇すぎる……Facebookで誰が自分を友達削除したか分かってしまうアプリ登場

ねとらぼ 2015年7月6日

現代社会では友達関係ですらSNS上で築かれ、またはかなくも散っていくパターンが多くみられます。そんな中、Facebookで誰が自分を友達削除したか分かってしまうアプリ「Who Deleted Me on Facebook」が登場してしまいました。闇すぎる。
【だれがあなたをFacebookの友だちから削除したか、すぐに教えてくれます。これは……ツライ……】
Who Deleted Me on Facebookには、iOS版アプリとAndroid版アプリがあるほか、Chrome、Firefox、Opera用のエクステンションもあります。最初に友達リストをセーブしておくと、アプリを再び起動した際に最新の友達リストと照合し、誰が自分を削除したのかを教えてくれます。
ちなみに海外では「フレネミー(友達のふりをした敵)を発見するのに役立つよね!」と話題になっているそうですが、いや、世の中には知りたくないことだってありますよね……。
とはいえ、次のステップに進むためには人間関係の整理が必須なのは悲しいけれど事実。友達削除だけでなく、単に利用削除されたアカウントを知る、新しく増えた友人が分かるという利用方法もあるので、ネット上での友達を常に清算……もとい、最新版にバージョンアップしておきたい方はお役立てください。

質問に答えるだけで出身地域を言い当てる「方言チャート100」がすごいと話題に

ねとらぼ 2015年7月6日

方言に関する質問に「はい」か「いいえ」で答えるだけで、出身地域を特定してしまうサービス「方言チャート100」がすごいと話題になっています。
【出身地域を細かいエリアまで正確に言い当てられました】
「家におらん」「ノートが詰まった」などの方言を使うかどうかに答えていくだけで、その人がどの地域出身なのかを言い当ててしまうというもの。全国の方言を網羅しているので基本的に「いいえ」と答える質問が多いのですが、いくつかの「はい」と答えた質問で出身地を絞り込んでいるようです。ちなみに筆者は、学校の2時間目と3時間目の間の長い休みを「業間休み」と呼ぶ、という質問でずばり千葉県下総・上総エリア出身だと言い当てられてしまいました。ほとんど方言のない関東で、そんなに細かい地域まで分かるとは……。
チャートは東京女子大学篠崎ゼミの9期生たちが作ったもので、以前同ゼミの8期生たちが開発して話題となった「方言チャート 47都道府県版」の進化版。同じ都道府県内でも地域によって方言は異なることから、日本を100のエリアに分けて診断できるように改良されました。以前より精度も上がっているのか、Twitter上でも「当たってた!」と驚く声が多く上がっています。

人工知能で“荒れない”コメント欄–「議論の場」醸成めざしメディアに無料提供

CNET Japan 2015年7月7日

人工知能や自然言語処理を活用したサービスを提供するクーロンは7月7日、機械学習や自然言語処理、行動分析にもとづく独自の人工知能を搭載した、読者が健全な議論を交わすための“荒れない”コメントシステム「QuACS(クアックス)」をウェブメディア向けに提供開始した。人工知能を活用したコメントシステムは世界で初めてだという。
ウェブサイトに数行のJavaScriptコードを埋め込むことで、読者が記事の内容に対して意見や感想を匿名でコメントできるようになる。コメントに含まれる言葉や文章の意味を人工知能が解析し、誹謗(ひぼう)中傷や罵詈(ばり)雑言、差別用語、違法取り引き、人権侵害、出会い目的、公序良俗に反する内容である場合に、自動でフィルタリングして表示しないようにする。
「単語」ではなく、同一コメント内の前文の内容、他者のコメントへのレス(会話)の流れなど、文章や文脈を判定しているのが特徴。たとえば、麻薬や覚醒剤の購入を促すような違法取り引きに関するコメントは非表示になるが、「麻薬」「覚醒剤」といった単語が文中で適切に使われる場合には表示される可能性が高い。
若者言葉やネットスラングなど、時代によって新たな言葉が生まれたり言葉の使い方が変わったりするが、機械学習により使えば使うほど精度が高まり適切な状態を保てるという。なお、「何かを表現したくてできなかったことは怒りに直結する」(同社代表取締役社長の佐藤由太氏)との考えから、たとえ非表示になったコメントでも、投稿者本人の画面には表示し、あたかも投稿できたかのように見せかける。

クーロン代表取締役社長の佐藤由太氏
ウェブメディアへの導入時には、各媒体のガイドラインやポリシーなどに応じてフィルタリングの強弱を設定可能。媒体が持つ独自の雰囲気を損なわないとしている。なお、投稿されたコメントによりプライバシーや著作権の侵害があり、プロバイダ責任制限法が適用された場合には、発信者情報の開示などをクーロンが対応することになる。
クーロンの調査によれば、コメント投稿者はサイトの平均滞在時間が長くなり、1日あたりの再訪問数が増える。ユーザー全体の平均滞在時間が53秒であるのに対して、コメント投稿者は平均11分19秒を記録。再訪問数は、全体の平均1.73回に対して、コメント投稿者は平均9.26回を記録したという。「消費コンテンツを滞在型に変えることで、ウェブメディアは収益機会を増やせる」と佐藤氏は説明する。
導入費や利用費などはすべて無料。クーロンはコメント欄に埋め込まれたテキスト広告で収益を得る。メーカーや商材ジャンルなどに応じた広告の掲載可否は、媒体側が判断できる。
すでにビジネス、スポーツ、テクノロジなどの情報を扱う複数の媒体が導入を決定している。2016年3月末までに100媒体に導入するのが目標だ。現在の対応言語は日本語だけだが、多言語対応を見越してシステムを設計しているそうで、2016年春頃をめどに海外展開を始める予定。また国内では、ブログやレビューサイト、掲示板サイトなどへの導入も進めてきたい考えだ。
佐藤氏は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星の画像処理システムの開発に従事した後、2011年3月に個人事業主としてニュースサイト「ガジェット速報」を設立した。当時の取材、記事制作経験などから、“大量消費”されている現在のニュースコンテンツの在り方、ニュースに対する議論の在り方に危機感を持っているという。
「今を生きる人も、未来の人々も、ニュースを読んで終わりにするのではなく、議論をして考えてほしい。『(肩書きなど)誰が言ったかではなく、何を言ったか』を重視した議論の場を醸成させたい」(佐藤氏)。