ファミサポ(ファミリー・サポート・センター)の送迎とは?

ラーニングパーク 2015年7月20日

たとえば仕事の都合やイベントで、保育園、幼稚園、習い事の教室などへのお子さまの送り迎えをどうしよう…と困ったことはありませんか? そこで今回は、厚生労働省が構想・設立した「ファミリー・サポート・センター」の援助活動としての送迎について、女性労働協会の小林さんにお話をうかがいました。
送迎時の事故などは非常に少なく、緊急時の対応も安心!
現在、ファミリー・サポート・センターの数ある援助活動の中でも、非常にニーズの高いものが「送迎」。しかし車や自転車を使うことが多いため、「預かり」などと比べると、どうしても事故やケガの危険性も増えてしまいがち。大切なお子さまを預けるということで、心配に思っている保護者のかたもいるかもしれませんね。
とはいえ、ファミリー・サポート・センターの援助活動については、各自治体がちゃんと保険をかけることが義務付けられているため、万が一活動中に事故やケガが起こっても、傷害保険や賠償責任保険で補償がされます。
また、提供会員は、アクシデントがあった際の緊急時の対応や連絡先について、講習会などできちんと学んでいます。
そもそも、ファミリー・サポート・センターの援助活動の特長は「1対1の預かり」というのが基本。そのため、お子さまに対しては常に提供会員の目が行き届いていることになり、事故が起きる確率もおのずと少なくなります。実際に、活動中に事故が起こることはほとんどありませんので、安心してください。

お子さまの送迎を依頼するときに、心がけておくといいことは?
依頼会員のお母さまやお父さまは、お子さまの送り迎えをしてもらうことで仕事に専念できたり、好きな場所へ出かけてリフレッシュできたりと、メリットがたくさんあるでしょう。また、あまり地域に馴染めていなくても、提供会員の方と打ち解けてくるとそこから地域の繋がりも増えてきたり…と、ファミリー・サポート・センターの援助活動を通して、その地域に住んでいることの意義や恩恵も感じられるはず。
依頼会員としてお願いするときはまず、提供会員の人が善意でやってくださっているということを充分に理解した上で、感謝の気持ちを持って利用することを心がけたいですね。
また、実際に顔を合わせた状態で打ち合わせをして、そこで初めて活動が可能かどうかを決めるという流れは、忙しくて時間のない人や、手っ取り早く送迎サービスを受けたい人にとっては、若干面倒に感じるかもしれません。
しかし、大事なお子さまを預けるということで、安全面を大事にしている仕組みです。最初は手間だと思っても、長い目で見ると安全性に優れたシステムなので、ぜひ一度、女性労働協会のホームページ上で近くのセンターを検索したり、活動の申し込みなどをしてみてくださいね!

『お腹の子は、無脳児でした。』- 我が子には「脳」がないと知らされた夫婦の記録。彼らに「ありがとう」が増えた時

STORYS.JP 2015年7月18日

「命は尊いもの」
私たちはそう口にはするが、日々の日常でそれを意識することは少ない。
にわかには信じられない、想像を越えた悲惨なニュースが連日画面映し出される現代社会。
そんな中でも、私たちの身の回りでは、日々新しい命が生まれ、育っていく。
誰にとっても、かけがえのない瞬間。
ここで紹介するある夫婦にとっても、そのはずだった。
無脳症を知っているだろうか?
母親の子宮の中で胎児の脳が育たず、脳の一部または大部分が欠如してしまう原因不明の病気である。日本では1000人に1人が発症すると言われ、現段階で治療法はない。発症した時点で、その胎児を待つ運命は死。母親のお腹から出た後、生き続けることはできない。
STORYS.JPに、以前、無脳症の子をお腹に宿した夫婦のストーリーが投稿された。彼らの下にやってきたその子は、これから泣くことも、喋ることも、立つこともない。そのあまりにも悲しい現実を知らされた日から、2人は何を想い、何を決断したのか。妻と夫2つの視点から紡がれた記録がここにある。

「大事な話があるから、
電話に出られるようにしておいてね。」と、妻のはなちゃんからLINEが入った。

昼休み。丁度、店内でチキンクリスプの包み紙を開けるところだった。
「そうかあ、本当にだめだったのか。」と心の中で深くため息をついた。

確かに、はなちゃんは病院に行く前から気にしていた。
「もうちょっとお腹大きくなってもいいころなのに。
ちゃんと育っているか心配。」
1か月くらい前から、何度かそう話していた。

でも、不安になるのは
心配性のはなちゃんにはよくあること。

正直あまり気にしてなかった。
正確には、気にしないようにしていた。

【妻の7月7日 脳がないから、産まれても生きられない。】

妊娠14週。いつも通り10:30に産婦人科へ。
血圧正常、体重900g増加。
よし。まだプラス1kgもいっていない。
「次からUSB持って来たら赤ちゃんの映像とってあげられるからね。」
よし。次回は絶対持っていかなきゃ。

エコー始まる。

お。ピコピコ心臓動いてる!
一安心。

無言。
無言。
無言。

あれ?
一人目のそうたろうの時には、「これが足で、これが手だよ。」
「これが顔ね。」
「今は○○cmだね。」と会話が普通にあったのに。

「あ、これ心臓ですよね?」

無視。

え?無視?
しかも首をかしげながら映像を見ている。

何か異常があったのかな。
だからこんなに無言なのかな。

そうしたら、
「ど、どう?最近はつわりはおさまってきたかなー?」
ギコチナイ棒読みで。
「全然まだなんですよ!先週末も吐いて、けっこう辛かったです。」

「そ、そうなんだー?風邪とかひいてない?」
「風邪?たぶんひいてないです。」

無言。
無言。

「家族はどう?風邪ひいてる人いない?」
「はい。誰もひいてないですよ。」

無言。
無言。

「上の子は、えーっとー、5歳になったのかな?」
「はい。」

「どう?上の子は風邪ひいてない?」
「?はい。別にひいてないです。」

無言。
どうしてこんなに、
周りに風邪をひいてる人がいないか聞くんだろう?
そこ重要なのかな?
かなり不安。

長すぎる。
エコーが長すぎる。

「はい。じゃーー……えーっと……。ね。
あとでね、先生の方からお話がありますので、待合室の方でお待ちください。」

この意味深な言い方に、
「何かあったんですか?」
と、すごく聞きたかったけど、聞いたら後悔する気がして、怖くて聞けなかった。

結局、いつもなら渡されるエコー写真をもらえないまま待合室へ。
待つこと1時間以上。

後から来た人たちがどんどん帰っていく。
もしかして、わざと最後になるように回されてるのかな?と気がついた。

「半田さーん。」

やっと呼ばれて診察室へ行こうとしたら、看護師さんが「今日は一人で来たのかな?」と聞いてきた。

絶対おかしい。この質問絶対におかしい。
心臓がバクバクしながら、診察室のドアを開けた。

室内は、たくさんのエコー写真が並んでいて、先生と5人の看護師さんが小声で、何か深刻そうに話し合っている。

何?この光景。
頭の中は真っ白。
心臓バクバクどころじゃない。

イスに座っても、誰も何も話してくれない。

やっと話してくれたと思ったら、
「今日は一人で来てる?誰か一緒に来てない?」
とまた確認される。
そうとう内容が深刻なのはよくわかった。

やっと先生がしゃべったと思ったら、「ちょっと中から見たいから、内診台の方あがってもらおうかな。」

「何かあるんですか?」
すごく震えた声で、やっと聞けた。

「うーん。ちょっとね。うん。胎盤の位置を確認させてね。」

なんとなく怖くてエコー画面が見れない。
それよりも、先生たちのヒソヒソ声が気になって仕方がなかった。

うーん。やっぱりどうのこうの。
ここがあーのこーの。
だからあーのこーの。
全然聞き取れないけど、かなり深刻気味。

内診が終わっても、足がガクガク震えてパンツがうまくはけない。

また先生の前に座る。

「これね、今日のエコーなんだけど。」

心臓が痛い。
今から何か言われると思うだけで、過呼吸になりそう。

「ここわかる?下が黒くなってるでしょ?頭の下と、ここ背中なんだけど、背中の下も黒くなってるでしょ。」

「はい。」

「これね、赤ちゃんむくんでるんだよね。」
全く知識がないせいで、会話の先が読み取れない。

「でね、ここ、頭の後頭部なんだけど。
体の大きさに比べて、頭の大きさがちょっと小さいんだよね。ていうのは、後頭部が成長してないのよ。」

「はい?」

「前回のエコーではね、そんなふうには見えなかったんだけどね。んーーー。まー、要は脳がないんだよね。」

「え?!」

「無脳児って言うんだけどね。
こういう事、稀にあるんだよね。
お母さんのお腹の中では生きられるんだけど、脳がないから、産まれても生きられない。今の段階での治療法っていうのは、何もないんだよね。」

お腹の中では生きられる。
でも、脳がないから、産まれても生きられない。

全然わからない。
全然整理できない。

「え。どうしたらいいんですか?」

「今妊娠14週だよね。
そうすると、妊娠12週以降の場合は、普通のお産と同じ形で、赤ちゃんを出すしかないんだよね。中絶という事になっちゃうんだけど。」

「中絶?!」

「うーーーん。無脳児ってね、脳がないだけで、体はほんと普通に育つんだよね。目もちゃんとあるしね。心臓もちゃんと動いてるから、どうしても中絶という言い方になってしまうんだよね。
母体のリスクを考えて、母体保護法で中期の中絶をしてもらうことになってしまうんだよね。」

先生はすごく申し訳なさそうに言った。

のちのち、ネットで調べた記事には、” 一般的に、医者から中絶を勧めることはほとんどない。
ただ、無脳症の場合だけ、唯一医者が中絶を勧める病気である。
それ程、無脳症というのは、絶望的な病気である。 ” と書いてあった。

頭の中で整理を全く出来ていないし、現実に心が追い付いてないし、そもそも全く現状を理解できていない。

「じゃあ、奥で入院する日を決めてね。」と別の部屋に。

一人でボーッと考える。

でも、何を考えたらいいのかわからなさすぎて、結局何も考えずに座っていた。

受付に戻ると誰もいない。

ボーッと待って、お金払って、車に戻って、すぐ夫のはんちゃんに電話をした。

声を聞いた瞬間に、号泣。
話さなきゃと思っても、とりあえず、溜まってた涙が全部流れた……
(関連リンク ストーリー全文に続く)

ストーリーを綴った筆者の方(夫)は、投稿当時は、不幸のどん底だったと語ってる。
しかし、「妻に前を向いてもらわなければいけない」「この出来事をどこかに残さなければいけない」と思い、勇気を出してストーリーを綴られたという。

ストーリーが多くの方に読まれ、反響が大きくなるにつれ、彼らの心に変化が生まれた。100件を越える、寄せられたコメント・応援・涙の言葉の数々が彼らを支え、勇気づけたのである。

“今生きていることを大切にしようって思えました。人生で無駄なことはないと思います。
あなた方の経験が誰かを救っています。私もその1人です。”

“娘の誕生日、16回迎えて 16回思った事
『生まれてきてくれて ありがとう』
今 目の前にしてくれる事は、決して当たり前ではない という事
日々忘れず、感謝する気持ちを忘れないように・・・”

“6年前に流産、4年前に長男を出産し、1ヶ月前に次男を出産しました。長男を出産し、「生まれてきてくれてありがとう」という言葉と、わが親に対して「産んでくれてありがとう」という言葉を沢山言いましたが、改めて二人の息子に「生まれてきてくれて、元気に育ってくれてありがとう」と言う気持ちでいっぱいです。毎日、怒り、笑い、泣いていますが、この日常に感謝です。”

“感動とかそうい言葉じゃ、うまく表現できないけど、ただ涙がこぼれた。”

“私には今、1歳4ヶ月になる娘がいます。その命の尊さ、掛け替えの無さに改めて気付かさせていただきました。
そしてその命を必死に守りながら育てている妻にも、改めて感謝の気持ちが湧き上がってきました。
この話に出会えたことを感謝します。”

1つのストーリーを通して、
筆者夫婦と、ストーリーを読んだ人々の間に、『ありがとう』が増えていった。

メディアでは取り上げられない私たち一人一人の物語が集まるSTORYS.JP。
ヒット作『ビリギャル』もここから生まれた物語である。

インターネットが普及し、私たちは、より気軽に世界中の誰とでもつながれるようになった。
しかし、気軽に誰とでもつながれるネット世界の裏側で、まだまだ私たちが知らないリアルな世界の”人生”がたくさんある。

こうした物語を、もっと多くの方、同じような悩みや境遇を抱えている人に届けていくことは出来ないだろうか。

STORYS.JPは、『家族・命のはじまり。』をテーマに、5つの知られざる実話が掲載されたオムニバス雑誌の創刊
に取りかかっている。

上で取り上げた夫婦の物語、
『お腹の子は、無脳児でした。~葛藤と感動に包まれた5日間の記録~』
も掲載されている本雑誌。詳しくは関連リンク記載されている。

誰もが、家族・命というものの意味について、今一度真剣に向き合う社会になってほしい。

アタマジラミにご用心 見つけたらすぐに駆除を

産経新聞 2015年7月20日

保育園や小学校などで頭髪に寄生するアタマジラミの流行が続いている。
病気を媒介することはないが、血を吸われると強いかゆみが生じて、かき過ぎることで皮膚炎を発症する。集団内で流行を繰り返すことも多く、早めの駆除が大切だ。(平沢裕子)

年に80万世帯
「気をつけよう! 頭ジラミ」。東京都板橋区の保育園で先月下旬、アタマジラミの流行に注意を呼び掛けるチラシが保護者に配られた。3歳の娘を通わせる母親(43)は、「今時、アタマジラミなんて…」と驚いた。この保育園ではこれまでに3人の感染が確認されている。
同区では毎年40件前後の相談が寄せられるといい、平成27年度は6月末時点で6件の相談があった。東京都によると、都内の保健所に寄せられたアタマジラミに関する26年度の相談件数は1602件。この10年でみると、19年度の1935件に次ぐ多さだ。
日本では戦後、有機塩素系殺虫剤のDDTによる大々的な駆除でアタマジラミは激減したが、毒性が問題となり使用禁止に。昭和50年代に再び流行し、56年に毒性が低い駆除剤が発売されて沈静化したかにみえたが、平成に入り再び増え始めたとされる。国立感染症研究所昆虫医科学部第3室の冨田隆史室長は「届け出感染症でないため実態は分からないが、年間約80万世帯に感染があると推定される」と指摘する。

薬に耐性は5%
アース製薬(東京都千代田区)と大日本除虫菊(大阪市)の2社からシャンプーやパウダーの駆除剤が市販されている。どちらも薬局などで買えるが、平成26年の出荷量は2社とも前年に比べ約3割増だった。アース製薬は今年前半の出荷量も前年の約3割増といい、感染拡大がうかがえる。
流行が繰り返される原因として、保護者の世代にアタマジラミに関する知識が不足して駆除が遅れることや海外からの流入などが挙げられている。
また、遺伝子が変化し駆除剤に耐性を持ったアタマジラミの増加も指摘される。ただ、冨田室長らが18年から23年にかけて実施した全国調査によると、耐性を持ったアタマジラミは沖縄県で96%に上ったが、それ以外の自治体は平均5%に過ぎなかった。冨田室長は「沖縄以外の地域では、駆除対策には市販されている駆除剤を使うのがいいでしょう」と勧める。

専用くしで除去
沖縄在住の人や、説明書通りに駆除剤を使っても効果がない場合は、目の細かい専用のくしを使ってシラミの成虫や幼虫、卵をすき取る方法が勧められる。東京都新宿区など自治体の中には専用のくしを貸し出しているところもある。貸し出しがない場合は、できるだけ目の細かいくしで代用してもいい。
学校や保育所などで流行しているときの対処法は、親が手伝って毎日、髪の根元までしっかり洗い、タオルや帽子、くしの共用を避けることが大切だ。また、タオルや衣類は毎日、洗濯しよう。

アタマジラミ
人の頭髪に寄生して吸血する昆虫。成体は体長2ミリから4ミリ。卵(0.5ミリ前後)を髪の根元に植え付け、約1週間で孵化(ふか)。さらに1週間から10日程度かけて幼虫から成虫になり、約1カ月から1カ月半生息。1日5、6個の卵を産む。頭と頭の接触のほか、タオルやブラシなどの共用でもうつる。感染者の大半は幼児や小学校低学年の児童。