心の傷抱えた18歳 同世代に広がった共感

京都新聞 2015年7月22日

「同じ年齢でも、こんな生き方をしている人がいるのだと、あらためて思いました」。18歳の読者から1通のメールが届いた。朝刊ホーム面で5~6月に連載した「18歳の風景」の続編を望む短い文。虐待の記憶や、さまざまな生きづらさを抱える若者の心の機微を親世代や中高年に伝えられれば、との思いで企画したが、新聞離れが進む同世代の心に響いたことは驚きで、視界が開けた気がした。
連載では、教育熱心な親の支配に苦しんだ若者、虐待を受けたり、罪を犯して少年院に入った少女、高校生で父親になった少年など8人の紆余曲折を追った。記事を読んだ2大学の教員から、福祉などの授業に招かれ、計約200人の学生に話す機会を得た。その中で、ごく普通に見える学生たちにも、隠れた苦悩や葛藤があることを知った。
「過干渉な親に苦しんだ」「自分も不登校だった」「彼女を妊娠させたことがある」。学生たちは、教員も知らなかった過去を次々打ち明けた。「苦しさを表に出すのは勇気がいる」。ある男子学生の言葉には、取材した若者たちが重なった。笑顔を絶やさなかったり、逆に悪ぶることで、「困っている自分」を隠す。「上っ面でなく、理解しようとしてくれる気持ちを感じなければ、安心して自分を出せない」。男子学生は、隠そうとする傷に周囲が気づくことの難しさを教えてくれた。
記事で紹介した壮絶な体験に対しては「ドラマのよう」「別世界」との声も出た。「こういう世界に触れるのが怖い。環境が違いすぎて、自分には何もできない」。ある女子学生は本心を吐露した。
別世界という言葉は、虐待を受け児童養護施設で育った少女も口にした。「普通の家庭が遠い。家族だんらんの雰囲気は気持ち悪い」と。恵まれた家庭で育つと、似た環境の友人に囲まれ、困難を抱えた若者とは交わらない。隣にいても見えにくく、社会には両者が生きていると実感しにくい。自分もそうだった。
両親に愛された経験がなく「人を好きだと思う感情はどんな感じか」と問う少女とは、「当たり前」を共有できなかった。取材するほどに距離を感じ無力感を覚える私に、彼女は「関心を持って聞いてくれるのがうれしい。共感は求めてない。無理だし。ただ、『あっちの世界』の人に本当の気持ちを知ってほしい」と語った。
支援は「知る」ことから始まる。相手とどれほど距離があり、自分が何を知り、知らないかを、私たちはわかっているだろうか。戸惑ったり、少し共感したり、「軽々しく言葉にできない」とつぶやいたり、学生たちの反応は、正直でまっすぐだった。彼らはきっと、心に引っかかりを持って社会に出るだろう。それは、頭で考えて「わかったつもり」の大人たちの議論よりも、大きな一歩に思えた。

男性の育児参加に「嫌がらせ」…職場の「パタハラ」問題に

読売新聞 2015年 7月22日

男性の育児参加を職場の上司らが妨げるパタニティー・ハラスメント(パタハラ)が問題になっている。
防止活動を始める育児団体や自治体が出てきた。
パタニティー(paternity)は英語で父性の意味で、ハラスメント(harassment)は嫌がらせ。パタハラは、男性の育児休業や育児短時間勤務の取得を妨げる行為。降格など不利益な取り扱いをする法律違反や、育児参加を否定するような言動も含む。
関東地方の30歳代の男性は、出退社の時間を自分で決められる職場のため、早朝に出勤して午後4時過ぎに退社し、保育園に2児を迎えに行く。しかし50歳代の元上司は、男性や周囲に「どんな理由があっても、後輩の相談や指導がすぐにできるよう、夜まで職場にいるべきだ」と話した。男性の都合を無視して会議を夕方に設定し、欠席するとしかることもあった。男性は、「毎日『お先に失礼します』というのがストレスで、精神的に苦痛だった」と言う。
こうしたパタハラ被害の経験は、連合が2013年末に行った調査では、子どもがいる働く男性525人のうち11・6%だった。
この男性が被害を相談していたNPO法人全日本育児普及協会(横浜)は、今年度から、「パタハラ対策プロジェクト」に取り組む。専用のホームページ(http://patahara.blogspot.jp/)を開設し、男性の育児休業制度や、被害に遭った場合の対応について解説。被害の報告も受け付けている。
代表の佐藤士文しもんさんは「男性の育児講座を開くなかで、パタハラ被害が多いと感じた。育児は女性がするものという性別役割分担の考え方が、中高年を中心に根強く残っている。企業の人手不足で男性は長時間労働を強いられ、職場に迷惑をかけられないと、『育児をしたい』との声を上げられない」と指摘する。
現在、実態調査を進めており、年内に事例や分析をまとめたガイドブックを作成する。また、企業向けの研修、講演などを行って啓発を強化する。
国は3月に閣議決定した「少子化社会対策大綱」で、「パタハラ防止の取り組みを充実させる」と明記。企業に対する指導も強化する方針だ。
三重県では、昨年から、啓発冊子を県内の中小企業に配布。今年度はパタハラ対策の一環で、中小企業が従業員の家族や子どもが職場を訪問する日を設ける場合に財政支援を行う。神奈川県では今年、企業の人事労務担当者向けに労働関連の法律を解説するセミナーを行っている。
労働問題に詳しい弁護士の岩田整ひとしさんは、「パタハラに遭ったら、会社の総務などの担当部署や労働組合に相談するか、都道府県労働局の雇用均等室に相談してほしい。男性の育児は女性の就業を支える意味もある。国や企業は男性が育児をしやすい環境作りをすべきだ」と話す。

パタハラの事例(全日本育児普及協会の資料から)
<発言編>
・「育児休業なんてとったら出世に響くぞ」
・「男は仕事だ。保育園の送り迎えは奥さんに行ってもらえよ」
・「育児のためにフレックス勤務って、同僚として迷惑だ」
・「育休から復帰したらお前の仕事はないかもよ」

<待遇編>
・保育園の送り迎えがあってノー残業を続けたら降格させられた
・育児のためフレックス勤務をしていたら、担当のプロジェクトを外された

子どもの単純ヘルペス感染症、原因と症状と治療方法は?

イクシル 2015年7月23日

単純ヘルペス感染症とは?原因、症状はどう出るの?
単純ヘルペス感染症とは、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症であり、通常「ヘルペス」と呼ばれています。単純ヘルペスには1型と2型が存在し、1型では主に口唇ヘルペスなど上半身、2型では性器ヘルペスなど下半身に症状が出ることが多いです。但し、初感染時には、場所を選ばずどこにでも発症する場合があるので、判断を誤らないように注意する必要があります。
感染すると発症部位が赤く腫れ、やがて水泡が出来てきます。主に子供の場合には、口腔内に発症する例が多いです。発症した部位のリンパ節が腫れるため痛みを伴い、発熱や頭痛を引き起こします。子供がうまく症状を訴えられない場合には、腫れや水泡、口内炎等の有無を確認し、発熱があるかどうかや、機嫌の悪さ等で診断すると良いでしょう。
また、指しゃぶりをする子供の場合はウイルスが広がり、指先も赤く腫れて水泡が出来る場合があるので、チェックするべき項目の一つとされます。また、アトピー性皮膚炎を疾患している場合には、皮膚バリア機能が低下しているため、感染し易く症状も重くなる可能性が高いです。

単純ヘルペス感染症の治療方法と予防について
単純ヘルペス感染症は放置したとしても、4日?7日の潜伏期間を経て約1?2週間で自然に治ることが特徴です。しかし、再発の危険が高い病となるため、発症に気がついたら、皮膚科を受診して適切な処置を受けることをオススメします。症状が重い場合には病院にて抗ヘルペスウイルス薬が処方されます。
単純ヘルペス感染症は1度感染すると神経節にウイルスが潜伏するため、症状が治まったとしても、再発を繰り返すことが特徴です。ヘルペスウィルスは人から人への接触感染によってうつるので、子供が発症した場合には、患部を清潔に保ち、人にうつさないためにも、兄弟等との接触を出来るだけ避けると良いでしょう。
また、ヘルペスは再発しやすいことも特徴のひとつです。疲れや紫外線等の影響でも再発する恐れがあります。1度感染した場合には、できるだけ疲れを溜めない、海等の紫外線の多い場所に外出する場合には、直射日光に当たらないようにする等して予防すると良いでしょう。2型の場合には特に再発リスクが高いため、日々の内服薬で再発を抑えることも可能になっているので、お医者さんに相談してみてください。
単純ヘルペス感染症は感染しやすく、誰にでも発症する恐れのある病です。もしも子供が発症しても慌てずに症状をチェックして、出来るだけ早い段階で病院を受診するようにしましょう。アトピー性皮膚炎を疾患している子供の場合には、早期発見が重要になります。

知的障害の女性にわいせつ行為か、グループホーム管理者逮捕

TBS 2015年7月23日

埼玉県深谷市にあるグループホームの67歳の管理者が、当時、施設に入居していた知的障害がある20代の女性にわいせつな行為をしたとして警察に逮捕されました。
準強制わいせつの疑いで逮捕されたのは、深谷市のグループホーム「ケアホーム花園」の管理者、高荷昌次容疑者(67)です。警察などによりますと、高荷容疑者は今年5月、深谷市のホテルで、当時、施設に入居していた知的障害がある20代の女性の体を触るなどわいせつな行為をした疑いがもたれています。
女性が知人に管理者からわいせつな行為を受けたことを相談したことで事件が発覚、警察が捜査していました。
取り調べに対し、高荷容疑者は、「気持ちを抑え切れなかった」などと容疑を認めているということです。