児相保護での欠席、出席扱いに=虐待などの子供支援-文科省が指針

時事通信 2015年8月3日

文部科学省は3日までに、親からの虐待などが原因で児童相談所に一時保護されている子供について、学校に行けない間も保護先で学習支援を受ければ出席扱いとするよう求める通知を全国の小、中、高校などに出した。これまでは欠席としていた学校もあり、進学や進級に影響することがないよう、同省が指針を示した。

一時保護等が行われている児童生徒の指導要録に係る適切な対応及び児童虐待防止対策に係る対応について(通知)

27文科初第335号 平成27年7月31日

児童虐待への対応については,「児童虐待の防止等のための学校,教育委員会等の的確な対応について」(平成22年3月24日付け21文科初第777号)(参考資料1)等を踏まえ,学校や教育委員会等において,これまでも様々な努力がなされているところですが,児童虐待の相談対応件数の増加傾向が続くなど,引き続き適切な対応が求められています。
このような状況の下,「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)に基づく一時保護の件数も増加しているところ,この一時保護が行われる間は学校へ通うことができなくなることがあります。加えて,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(平成13年法律第31号)及び「売春防止法」(昭和31年法律第118号)等に基づき婦人相談所による一時保護が行われている児童生徒及び婦人保護施設に保護されている児童生徒についても,これらの措置が行われる間は学校へ通うことができなくなることがあります。
一方,近年では,例えば,児童相談所の一時保護所において,退職教員等の学習指導協力員の配置や一定の学習時間の確保等,一時保護が行われている児童の学習条件を向上させる取組も行われているところです。
ついては,こうした状況等を踏まえ,一時保護が行われている児童生徒及び婦人保護施設に保護されている児童生徒(以下「一時保護等が行われている児童生徒」という。)の指導要録に係る適切な対応等を下記1.のとおりお示しすることとしました。

また,関係府省庁によって「児童虐待防止対策等について」(平成26年12月26日児童虐待防止対策に関する副大臣等会議)(参考資料2)が取りまとめられており,居住実態が把握できない児童生徒への取組のほか,児童虐待の未然防止,早期発見・早期対応等のための速やかな実施に向けて取り組む主な対応策が示されています。
これを踏まえ,学校や教育委員会等における児童虐待防止に係る対応を進める上での留意事項を下記2.のとおり整理しましたので適切な対応をお願いします。なお,居住実態が把握できない児童生徒への取組については,「居住実態が把握できない児童への対応について」(平成27年3月16日付け総行住第33号,26初初企第53号,雇児総発9316第1号)が別途通知されていますので,併せて御留意願います。

ついては,都道府県・指定都市教育委員会にあっては所管の学校及び域内の市区町村教育委員会等に対して,都道府県知事にあっては所轄の私立学校に対して,国立大学法人の長にあっては設置する附属学校に対して,株式会社立学校を認定した地方公共団体の長にあっては認可した学校に対して,これらの趣旨についての周知を図るとともに,適切な対応がなされるよう御指導をお願いします。なお,本通知に関しては,厚生労働省と協議済みであり,同省に対し,関係機関等への本通知の内容の周知方を依頼済みであることを申し添えます。

1.一時保護等が行われている児童生徒の指導要録に係る適切な対応等について
児童相談所の一時保護所の学習環境等については,その充実に向けこれまでも学習指導協力員の配置など様々な取組が進められてきたところであるが,「児童虐待防止対策等について」において「学校と児童相談所等関係機関の連携」を推進することが示されたこと等を踏まえれば,一時保護等が行われている児童生徒の学習状況の評価等についても関係機関が連携して適切な対応を進める必要がある。
したがって,一時保護等が行われている児童生徒の指導要録上の取扱い等について,別紙1及び別紙2によることとするので,これを踏まえて適切な対応を行うこと。
その際,都道府県教育委員会等においては,学校における指導要録上の取扱い等について各学校の円滑な判断が行われるよう,児童相談所における相談・指導の状況等について,当該児童相談所からの情報提供を踏まえ,域内の学校に情報提供することが考えられること。また,都道府県教育委員会等において,児童相談所の求めに応じ,その学習環境を充実させる観点から,一時保護所の学習指導協力員となる者として退職教員を紹介する等の協力を行うこと。

2.児童虐待防止対策に係る対応について
(1)学校等の間の情報共有について
「児童虐待防止対策等について」においては,「進学・転学の際の学校等の間の情報共有」を推進することが示されているが,指導要録に記されている学習状況や出席日数,健康診断票に記されている健康の状況等は,支援が必要な幼児児童生徒を発見するに当たって重要な情報となる場合もあるものである。
ついては,進学・転学に当たっては,法令にのっとり行うこととされている進学・転学先への文書の送付はもとより,対面,電話連絡,文書等による学校間での引継ぎの実施,学校の担当者やスクールソーシャルワーカー等によるケース会議の開催等により,支援が必要な幼児児童生徒に係る学校等の間の適切な連携を進めること。
個人情報保護の観点からどこまで情報を引き継げるかについては,適用される関係法令に基づき各学校等が判断することとなり,一般的には,公立学校には当該学校を設置する地方公共団体の個人情報保護条例が,私立学校を設置する学校法人等には「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)及び関係条例が,国立大学法人には「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第59号)が適用されるものであること。その際,一般的には,

?設置者を同じくする学校間での引継ぎについては,個人情報の利用目的の範囲内であることが原則であるが,利用目的の範囲外であっても,私立学校においては,人の生命,身体等の保護のためや児童生徒の健全な育成の推進のために特に必要があり,本人の同意を得ることが困難である場合,国立大学法人の設置する学校においては,法令の定める業務の遂行に必要な範囲で行われるものであり,かつ,相当な理由がある場合は,保有個人情報の内部利用として認められるときがあること
?設置者を異にする学校間での引継ぎについては,個人情報の第三者提供に該当することから,本人の同意を得ることが原則であるが,私立学校においては,人の生命,身体等の保護のためや児童生徒の健全な育成の推進のために特に必要があり,本人の同意を得ることが困難である場合,国立大学法人の設置する学校においては,明らかに本人の利益になる場合や,特別な理由がある場合であれば,関係法令上,第三者提供が認められるときがあること
?公立学校においては,個人情報保護条例の利用目的や第三者提供に関する規定において,類似又は同趣旨の定めがなされていることがあること

等に留意した上で必要な情報共有を図ること。また,個別の案件で疑義がある場合は,関係法令を所管する行政の部局へ問い合わせることが考えられること。

(2)児童虐待等に係る研修の実施について
「児童虐待防止対策等について」においては,「学校と児童相談所等関係機関の連携」を推進することが示されており,虐待を発見するポイントや,発見後の対応の仕方等について,教職員の理解を一層促進することが求められる。
ついては,学校や教育委員会等においては,以下の資料等を参考にするとともに,「児童虐待の防止等のための学校,教育委員会等の的確な対応に関する状況調査結果について」(平成23年3月4日付け22初児生第65号)(参考資料3)に沿って,児童相談所の職員を講師に招くなどして,今後とも教職員に対する研修の充実に努めること。

(3)児童虐待に係る通告についての組織的な対応等について
「児童虐待の防止等に関する法律」(平成12年法律第82号)の第5条第1項においては,学校及びその教職員による児童虐待の早期発見の努力義務が定められており,また,「児童虐待防止対策等について」においても,学校の組織としての「適切な通告の実施」の必要性が改めて示されていることから,学校及びその教職員は法令の趣旨を理解して児童虐待に関し適切な通告を行う必要がある。
ついては,教育委員会等においては,「児童虐待に係る速やかな通告の一層の推進について」(平成24年3月29日付け23文科初第1707号)(参考資料4)の別紙3に記載のとおり,虐待の事実が必ずしも明らかでなくとも一般の人の目から見れば主観的に児童虐待が疑われる場合は通告義務が生じることや,法の趣旨に基づくものであれば,その通告が結果として誤りであったとしても,そのことによって刑事上,民事上の責任を問われることは基本的には想定されないこと等を改めて学校に対し周知すること。  また,通告は,教育機関と福祉機関の専門性の違いを尊重しつつ両者が協働していく契機と捉え,教職員個々人の対応に加え,学校組織として関係法令に沿った適切な対応を行うよう周知すること。

3日から「臨時福祉給付金」受け付け 申請率アップ自治体が本腰

神戸新聞NEXT 2015年8月3日

消費増税の負担緩和のため、所得の低い人に支給される「臨時福祉給付金」の申請受け付けが、3日から神戸、姫路市など15市町でスタートし、他市町でも順次受け付けが始まる。神戸新聞社の調べでは、昨年度は、11市町で申請率が8割を切るなど課題を残した。各市町は「対象者を絞り込み、きめ細かく申請を呼び掛けたい」としている。(森本尚樹)
臨時福祉給付金は、住民税(均等割)が課税されていない▽課税されている人に扶養されていない▽生活保護を受給していない-が要件。各市町は昨年度、要件を満たした人を絞り込めず、「可能性がある人」に申請書を送るという方法を取った。
郡部や比較的人口の少ない市では、その後、対象者を絞り込み、再度の案内を郵送したり、広報を重ねたりして申請率を上げた。
今年は各市町とも昨年度より申請書の送付時期が1~2カ月遅く、その間に対象者を絞り込んで効率的に申請を呼び掛けるという。
申請してもらえなかった要因とされた複数書類添付などの手続き簡略化は、一部の市町が、昨年度と同じ受取口座を希望する場合は通帳の写しを不要とする。
一方、都市部を中心に、申請呼び掛けの限界を感じた市も。神戸市は「高齢者より、若い世代の対象者からの申請が少なかった。公共機関からの案内物になかなか目を通してもらえていないのでは」と話す。
中学生以下の子どもがいる世帯に支給された「子育て世帯臨時特例給付金」は、児童手当(特例給付を除く)の対象世帯がそのまま対象となるため、手続きが簡便で、昨年度は多くの市町で100%に近い申請率となった。

子育て中のママはどんな働き方をしているの?

ラーニングパーク 2015年8月4日

仕事をもつ女性の数は、年々増えてきています。内閣府男女共同参画局の資料によれば、平成25年で、パパが働く世帯(男性雇用者と無業の妻から成る世帯)は745万世帯、共働き世帯は1065万世帯となっていて、共働き世帯の増加傾向が続いています。では、育児中のママは、どんな働き方で仕事をしているのでしょうか。

出産退職ママと、就業継続ママ
出産前に仕事についていた女性のうち、約6割が第1子出産後に離職しています(「平成23年版 働く女性の実情」概要版、以下同じ)。就業を継続する女性は、どんな雇用形態で仕事を続けているのでしょうか。自営業主・家族従事者・内職従事者のうちの約7割、正社員雇用者のうちの約5割、パート・派遣雇用者のうちの約2割が仕事を継続しています。また、正社員のママのうち、約4割が育児休業制度を利用しているということです。

出産退職ママの再就職先は?
子育て中の女性が再就職する先として、最も多いのがパート・アルバイトの仕事で、約4割を占め、正社員は約2割、自営業や内職などは約1割です。妊娠、出産などで退職した女性の多くが、非正規雇用で再就職していることがわかります。

子どもが何歳のときから働いているの?
厚生労働省が、出産半年後から子どもが9歳になるまでを追跡調査した21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)によれば、どの時期にも正社員で働く母親の割合は15~21%、自営業・内職などの割合は5~9%とあまり変化がないのに対し、パート・アルバイト勤務の割合は、子どもの年齢が上がるにつれて増えていきます。出産半年後で3.6%、子どもが5歳になるときには21%、子どもが9歳になるときには36.4%という具合です。
子どもの年齢が上がり、手が離れるにつれて、パート・アルバイトで仕事を始める女性が多くなることが見てとれます。

データを見ると、「育児が一段落してから、パートやアルバイト、派遣の仕事を始めた」というママが多いようです。忙しい育児中でも、ときには、ママ自身の将来を考える時間をもつのも大切なこと。まずは、身近にいる仕事をもつママに、話を聞いてみるのもいいかもしれません。

年100名以上が命を落とす…40~50代に多い「過労死」の実態

nikkanCare.ism 2015年8月3日

「過労死」は1970年ごろに取り上げられ始めた概念だと言われていますが、それから40年以上が経とうとしている今でも、過労によって命を失う人は少なくありません。
今年7月に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されましたが、現状はどのような状況なのでしょうか。
厚生労働省の「平成26年度過労死等の労災補償状況」から見ていきましょう。

毎年100名以上が過労によって命を落とす
平成26年度の調査では、過労が原因の脳・心臓疾患により命を落とし、それによって労災で補償を受けた件数は121人にものぼります。これは「死亡した人」の数であり、「命は落としていないが脳疾患や心疾患を患った人」の数を合わせると277件にもなります。
支給件数を年齢別に見ると、「50~59歳」が111 件、「40~49歳」93 件、「30~39歳」39 件の順に多くなっています。
また、精神障害に関する事案はさらに増えて497件。しかもこのうち未遂を含む自殺は99件ありました。年齢別では、多い順に「40~49歳」140件、「30~39歳」138件、「20~29歳」104件となっており、若者の割合が増えていることがわかります。

職種によって分かれる「体へのストレス」「心へのストレス」
前年度までと比べると、脳・心臓疾患などの“体”に出てくる過労は減少傾向にあるものの、“心”に出てくる過労は増加傾向にあります。特に、平成26年の調査では、過去で最多を記録しました。
過労が“体”に現れるか“心”に現れるかは、職種によって大きく異なります。
脳・心臓疾患のように、過労が体に現れることが最も多い職種は、トラックの運転手などの「運輸業・郵便業」です。続いて「小売業。卸売業」、「建設業」と続きます。
一方、心に現れるのは「製造業」が最も多く、次いで「医療・福祉業」、「卸売業・小売業」が続きます。

過労死を防ぐには
過労死を防ぐためには、休むことが第一です。もちろん、「それができないからこそ苦しんでいるのだ」という人も多いでしょう。管理職などになると、自分自身の労働に加えて、部下の労働管理や責任がのしかかってきてしまうため、簡単に休むことも難しくなります。
また、家族を支えている身としては、「ここで休んだら、家族を養えないのではないか」というおそれもあるでしょう。
しかし、万が一過労死ということになってしまえば、家族が受ける精神的負担や経済的負担は計り知れません。あなた自身と家族のために、“休むこと”は必要不可欠なのです。
それでもやはり難しい場合は、国の機関などに相談だけでもしておきましょう。現在、国では相談窓口が設けられており、匿名で相談できます。
過労死の基準となっている残業時間は月80時間。もしそれ以上働いているという方は、いかに心身を休めるか、考えてみても良いのではないでしょうか。

人前で●●しちゃダメ!特に嫌がられる「職場の人間関係ストレス」3つ

nikkanCare.ism 2015年8月4日

仕事をしていく上で、どうしても避けて通れないのが“ストレス”。厚生労働省が行っている「労働者健康状況調査」によると、「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は60%以上にもなるそうです。
6割もの人がストレスを抱えながら仕事をしているようですが、一体どういったことに強くストレスを感じているのでしょうか?
そこで今回は、日本法規情報株式会社が、全国の男女1,023名を対象に行ったアンケートによってわかった、「職場の人間関係のストレス」の中でも特に嫌がられている3つを紹介したいと思います。

4割の人が「人間関係」に一番ストレスを感じている
まず、「職場でストレスを感じる原因」を聞いてみたところ、「人間関係」が43%、「仕事の内容」が32%、「仕事の量が多い」が21%、「仕事の量が少ない」が4%という結果となりました。
半数近くの人が、仕事内容そのものよりも、「職場の人間関係」にストレスを感じていることが判明しました。上司、同僚、部下と、色んな人に囲まれながら仕事をしているので、様々な人間関係の問題を抱えていている人が多いようですね。

「職場の人間関係のストレス」の中でも特に嫌がられている3つ
では、「職場の人間関係のストレス」の中でも、具体的にはどういったことにストレスを感じるのか。特に回答の多かった3つを紹介したいと思います。
まず、一番多かった回答が「人前で注意を受けること(28%)」。みんなが見ている前で上司に怒られたり注意されたりするのは屈辱的ですよね。特に、同僚や部下・後輩の前などとなると、プライドも傷つけられてしまうのではないでしょうか。
次に多かった回答が、「噂話、悪口等を言われること(26%)」。やはり陰口を叩かれるのは誰だって嫌なもの。しかも毎日通う職場でとなると、日々のストレスは募るばかりでしょう。行き過ぎると人間不信にも陥ってしまいかねない問題でもあると思います。
最後は、「飲み会等を強制されること(22%)」。“強制”という点にストレスを感じる人が多いようです。たまにならまだしも、上司と頻繁に飲みに行かなければならないとなると、辛いと感じる人も多くなってしまうことでしょう。

ビジネスマンにとって、「人間関係のストレス」はずっと抱えていかなければいけない問題であると思います。だからこそ、部下や後輩などになるべくストレスを感じさせないように、配慮してあげることも必要となってくるでしょう。