小学校での暴力行為が急増! 一体、何が?

ラーニングパーク 2015年10月28日

文部科学省がまとめた2014年度「問題行動調査」の結果、対教師暴力や生徒間暴力などの暴力行為が小学校で増加し、過去最悪となったことがわかった。一体、何が起きているのだろうか。ベネッセ教育情報サイトでは、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に、詳しく聞いた。
2014(平成26)年度中に学校内外で発生した暴力行為(器物損壊を含む)は小学校だけが4年連続で増えており、現行方式で統計を取り始めた2006(同18)年度以降で最悪となりました。気になるのは、加害者児童の数を見ると、小6は前年度より減少しているのに対して、小5以下の学年はいずれも増えていることです。
学校内の暴力行為の場合、発生件数は実質的に、学校による「認知件数」を意味しています。小中学校の暴力行為の件数を見ると、共に2013(同25)年度に急増したのが目立ちます。これは大津市の中学生いじめ自殺事件や、それをきっかけとする「いじめ防止対策推進法」の制定などにより、いじめをはじめとする問題行動の把握や対応が厳格化したことが理由として挙げられます。
以前ならば、暴力行為とまでは判断されなかった低学年や中学年の子どもの乱暴な行動が、現在の小学校では暴力行為として「認知」されるようになったことが、発生件数増加の理由の一つとして考えられます。実際、警察の補導や児童相談所への送致など、外部機関による措置を受けた子どもの割合は、中学校に比べると小学校ははかるに低くなっています。
しかし、暴力行為として「認知」されなくても、それと同等の問題行動が以前から小学校で起こっていたとすれば、やはり大きな問題と言わざるを得ません。
小学校で暴力行為が増加した理由について、都道府県教育委員会は「感情をうまくコントロールできない児童が増え、ささいなことで暴力に至ってしまう事案が大幅に増加している」などと述べています。ただし、その背景には、コミュニケーション能力に問題のある子どもの増加のほか、さまざまな要因がありそうです。複雑化する子どもたちの問題行動に対して、学級担任が一人で対応するのはもう困難です。問題行動に対して学校全体で組織的に対応する体制づくりが、現在の小学校に求められているといえるでしょう。

児童虐待への切り札!「どならない育児」の重要性

JIJICO [ジジコ] 2015年10月28日

群馬県の児童虐待件数が深刻化
群馬県内では、児童虐待の件数が年々増加傾向にあります。平成20年度は557件に減少したものの、それ以降は増加の一方で、特に平成25年度は前年度よりおよそ90件多い739件、26年度では958件と過去最悪の数値と増加率を記録しました。平成26年の虐待の内訳は心理的虐待が39%と最も多く、次いで身体的虐待の34%でした。そして、最も多く虐待を受けているのは小学生、次いで3歳からの幼児という結果になっています。
この事態を重く受け止めた群馬県は、保護者に「どならない育児」を広げようと「コモンセンスペアレンティング」というアメリカで生み出されたプログラムを活用し、育児の「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」を高める方針を決定したそうです。

子どもをどなることはさまざまな危険性を孕んでいる事実
「どなる」という行為は、子どもに大きな恐怖感を与える行為として心理的虐待に該当しますが、この心理的虐待は子どもが成長していく過程で消えていくものではありません。何かしらの形で子どもの心に深く根強く残ります。その時に受けた先進的苦痛を抱えながら成長していく子どもたちの中には、その心の傷や苦痛を抱えたまま成長し、いつの日か精神疾患を発症する可能性が高いという研究結果が出ています。
さらに、人間には「耐性」というものがあります。一度でも大人にどなられた子どもは、その瞬間からどなられることに対する耐性ができあがります。すると、次に同じ程度で大人がどなっても、最初の時ほど効果的ではないと大人は感じます。子どもも一度受けた「どなられる」という罰に対しての「慣れ」があります。そのため、大人はより効果が出るようにするため、どなりの程度を大きくします。このスパイラルが次々と積み重なっていくことで事態はエスカレートし、本格的な虐待や心理的ではなく、身体的などの他の虐待への連鎖へつながっていきます。

「どならない育児」を実践するために
最後に「どならない育児」とは、どのようなものなのかを考えてみましょう。まず、大人が「どなる」時の状況を思い浮かべてみると、おおよそ子どもが大人の指示を受けてその通りに行動しない時だと思います。その原因を大人はどうしても「子どもが怠けている」と考えがちです。そのため、「できるのにどうしてやらないのか」という思いを大人が持ってしまいます。さらには「親に反抗している」という苛立った感情さえ出てきてしまう場合もあるでしょう。
それを防ぐために、指示の出し方を工夫してみましょう。例えば、子どもが騒いでいる時に「うるさい」と一喝するのではなく、「これから電車に乗るから静かにしようね」とあらかじめ約束を伝えておきます。もし車内で騒いでしまったら「静かにしようね。約束したよね」などという声掛けをします。車内で静かにしていたら「静かにできてえらいね。約束を守っているね」と褒めてあげましょう。
事前にどうすればよいか伝えておいたり約束を守ることに価値を持たせたりすることで、大人がどなる必要がなくなります。また、この方法を実践することで子どもを褒める機会が自然と増えます。そうすることで大人が子どもを褒める練習にもなり、子どもは褒められることで自信を持ったり、保護者への安心と信頼をさらに強く持ったりすることもできます。子どもの人権を保護者、そして他の大人が侵さないためにも「どならない育児」の実践は、将来の日本にとって画期的なプロジェクトだと感じます。

高校卒業後の大学進学は普通?苦悩を乗り越えた人生の先輩に聞く

リクナビ進学 2015年10月27日

高校を卒業して大学や専門学校に進学し、就職をする。そんな人生の道筋を必ずしも“正しい”と思う必要はない。
高橋まりさん(27)は高校を中退し、大検(※)を取得した後、フリーターとして化粧品販売の仕事を経験した。
そして去年の春、大学に入学した。遠回りして入学した彼女だからこそ、改めて感じる大学入学の意味や、高校生がこれから生きがいを持って人生を歩むために必要なアドバイスを教えてもらった。
何のために勉強をしているのかわからなかった
「親がとても厳しかったので、中学受験では自由な学校を選びました」
と、有名私立の中高一貫校への入学理由を話す高橋まりさん。
「偏差値が高い進学校でしたが、私服・ピアス・茶髪OKで、規則もほとんどなかったんです。だからこそ、自分で善悪を判断して考える力が身についたと思います」
と、中学時代を振り返る。
勉強は、昔から親に強いられてやっていた。将来の夢や目標もなく、何のためにしているのかわからなかったという。徐々に学校にも馴染めなくなり、勉強の意欲が出ないため成績も下がっていき、一貫校ではあったものの、3年生の時に高校進学を諦めた。
その後、自分のペースで勉強したいと思い、通信制の高校に通うも、小学校の基礎勉強から始まる授業に逆についていけず、すぐに断念した。そして16歳の時、大検試験を受ける。大検は大学・短大に行くための資格になるので、持っておこうと思ったのだそう。
働いたからこそ見えた、大学進学の意義
その後、昔から興味のあったメイクのスクールに1年間通い、19歳から百貨店で化粧品の販売員になる。
「学校に行かない間、デパートである美容部員のお姉さんと出会いました。優しくて、よくおしゃべりしてくれるその方の影響もあって、仕事を選びました」
とその理由を話す。
そして7年近く販売員として働いた。大学に通おうと思ったのは、その仕事で経験したことがきっかけだった。
「立ち仕事なので、体力的に長くはできないと思いました。また、働いてみて、女性や貧困にまつわる社会問題に関わる人と出会い、もっといろんなことをやりたいという気持ちも出てきたんです」
働いてきたからこそ見えてきた世界があったのだ。
「でも今の経歴では就職しにくいこともわかった。自分の希望の就職をするには大学を卒業しておくことが必要だと思い、進学を目指しました」
販売員をやめ、受験勉強に励んだ結果、みごとに都内の私立大学に合格した。
大学は、「人生を生きやすくする」ための、ひとつの手段にすぎないと高田さんは言う。
「私は他に何もなかったから大学に行きましたが、たとえばダンスや演劇をやりたいという人や、専門技術などを持っていて、その仕事でやっていきたいのならば行く必要はないと思います。良い大学に行くというのは、自分の希望の仕事につく確率を上げることなのだとわかりました」
と、大学進学の意義を自分なりに理解したと話す。
学校以外にも、刺激はたくさんある
「先生は、学校以外の場にもいる」と高橋まりさんは話す。
「テレビを見たり本を読んだり、ライブに行ったりイベントに参加したりと、新しい知識や世界を見つける場所はあふれています。そうやって見聞を広げれば、進路も自分で責任持って考えて、決められる」
と、自身の体験から、人生の正解や進路を決断する材料は学校以外にもあることを強調した。
大学では障がい福祉や、児童福祉、心理学などを学んでいる。
「今年から2年生になり、実習が始まるので楽しみです。10歳近く年の離れた同級生から恋の悩みをされることもあるんですよ!」
と、充実した大学生活を話してくれた。
まだ決まってはいないが、福祉の分野で仕事をしていきたいそうだ。
何事も「皆がそうだから」と思う必要はなく、本当に自分にとって大切なものは何なのか、どうなりたいのかをしっかり考える。
人生の道はひとつではない。そう身をもって発言してくれた高田さんのお話から、進路を悩んでいるみんなも得るものがあるはずだ。
※大学入学資格試験…大学に入学する学力の有無を判定し、合格者は高校卒業者と同等の資格が得られる国家試験のこと

わいせつ行為で収入 女子生徒スマホで

わかやま新報 2015年10月28日

県警はこのほど、県内の中学3年の女子生徒4人グループが、スマートフォンの出会い系アプリを通じて不特定多数の男を相手にわいせつな行為を繰り返し、収入を得ていたことを把握し、グループを解体させるとともに児童相談所に通告したと発表した。今回の発覚は氷山の一角との見方もあり、県警少年課は「命を危険にさらす行為であり、絶対にやめてほしい」と生徒の他、教諭や保護者らに監視の目を厳しくするよう呼び掛けている。
県警によると、非行行為は8月25日、サイバーパトロールをしていた同課特捜班が発見。身分を隠して女子生徒とやり取りし、2日後に接触した。待ち合わせ場所に現れた生徒は、捜査員の車に何の不信感もなく乗り込むなど、慣れた様子だったという。捜査員がこの生徒を補導して事情を聞いたところ、同じ学校内に仲間がいたことが判明した。
行為の報酬として生徒らは、男らから1人当たり6000円程度を受け取っていた。ことし2月から県警に発見されるまでに総額約60万円を得ていたという。同課は今回の行為を事件化し、18歳未満と知りながらもわいせつ行為を行ったとして、生徒と接触した男らについても県青少年健全育成条例違反容疑での検挙に向けて捜査を続けている。
県男女共同参画課は昨年度、「子どもに専用の携帯電話を与えているか」について10歳~高校3年生の子どもを持つ保護者を対象にアンケート調査を実施。2350人から回答があり、小学生34・6%(うちスマホ25・6%)、中学生53・6%(同71・6%)、高校生96・9%(同92・6%)と、小学生の時点で3人に1人は携帯電話を与えられていることが分かった。
また、有害サイトにアクセスできないようにする「フィルタリングの実施」については、小学生が76・5%、中学生が61・4%、高校生が51・9%と全国平均を上回ったものの、実施している割合はまだまだ低いことが分かった。国は「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(平成21年施行)で、保護者にフィルタリングを義務付ける(罰則なし)などして、子どもを有害サイトから守るように呼び掛けている。
和歌山市教委ではことし9月、スマホやインターネットに関する情報モラル向上の啓発チラシを2万6000枚印刷して、保護者世帯に配布するなど、トラブルや事件に巻き込まれないように注意を促した。
日々進化する手口やアプリに対応するため、教員らも研修などで知識の習得に向けて取り組んでいるという。
市教委学校教育課は「子どもたちが自分の心や体、命を守る教育を根気よく継続させるしかない」と話している。