7割「家族関係に問題」 両親間の不和、子供に影響 県、市町村が調査 /奈良

毎日新聞 2015年12月15日

慢性的な虐待などを受けている子供の7割が、両親の不和やドメスティックバイオレンス(DV)など家族関係に問題を抱えていることが、県や市町村が2012〜13年度に対応した虐待事例の調査で分かった。県は「リスクのある家庭で虐待が起きやすいことが裏付けられた。早期の発見と対応につなげたい」としている。【伊澤拓也】
2年間に県の児童相談所と市町村に相談が寄せられた子供は4045人。虐待の程度を最重度▽重度▽中度▽軽度▽虐待の危惧−−に分類し、慢性的なけがやネグレクト(育児放棄)が相当する中度より重いと判定された982人について、児相や市町村の担当職員に、家族関係や生活環境など詳細なアンケートをした。
982人の年齢別の内訳は0歳が10%と最多で、5歳(9%)、4歳(8%)と続いた。虐待の種類(重複あり)は、殴るなどの身体的虐待が58%で最多。食事を与えないなどのネグレクトが47%、「死ね」など暴言を浴びせる心理的虐待が42%、性的虐待が5%だった。
家族関係の質問では、28%が「父母の不和」を挙げた。次いで「父母の別居」(26%)、「父母間の暴力」(25%)の回答が多く、中度以上の71%が何らかの問題を抱えていることが判明。特に両親の関係性が子供に与える影響の大きさが改めて浮き彫りになった。
一方、過去1年以内に生活環境が変化した子供が、51%に達した。具体的には「父母の離婚」(32%)▽「転居」(29%)▽「母の妊娠・出産」(25%)が多く、環境の変化も影響を及ぼした可能性が示された。
また、44%が生活保護を受給したり、借金を抱えたりするなど経済的に苦しい状態にあった。
こうした調査結果を受け、県は17年度に改訂する「児童虐待防止アクションプラン」に、家庭内の問題への適切な対応や、家族関係の安定や充実に向けた支援を盛り込む方針。県こども家庭課は「発見や対応が一日でも早ければ、虐待が軽度で済む可能性がある。具体的な対策を進めたい」としている。

「赤ちゃん縁組事業」で子どもを救いたい NPO法人が掲げる支援策

ウートピ 2015年12月15日

週に1人の割合で子どもの虐待死が発生している日本。繰り返される虐待のニュースに、心を痛めている人は多いだろう。どうすれば虐待を未然に防げるのか。社会課題としてこの問題に向き合い、新たな事業計画を立ち上げたのが、認定NPO法人フローレンス。代表の駒崎弘樹氏が2004年に設立したフローレンスでは、これまで病児保育、小規模保育、障害児保育などに取り組み、成功事例を積み重ねてきた。
虐待の予防のために、来年度から始めるのが「赤ちゃん縁組事業」だ。虐待で死ぬ子どものうち最も多いのが0歳児であることを踏まえ、育てられない親の元から出産後すぐに子どもを育ての親に引き渡すことを想定している。日本では、行政と民間がそれぞれ養子縁組の仲介を行っているが、1年間の縁組件数は374件(2011年)。児童養護施設に入所する約3万人のうち、養子や里子として迎えられるのは15%程度に過ぎない。

民間で「赤ちゃん縁組事業」の成功事例を増やし、他国と比べ関心が低いと言われる社会的養護(※1)の認知を広めることはできるのだろうか。駒崎氏に話を聞いた。
(※1)「社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」(厚生労働省HPより)

おねしょを理由に熱湯をかけられた2歳児
「赤ちゃん縁組事業」に着手されたきっかけを教えてください。
駒崎弘樹さん(以下、駒崎):3年ほど前、愛知の児童相談所に務める矢満田篤二さんと知り合ったのがきっかけです。矢満田さんは、生まれてすぐに子どもの育ての親を探し、特別養子縁組を前提とした里親に委託するという「愛知方式」を生み出した人です。
矢満田さんから聞いてショックだったのが、2歳の女の子の虐待例です。おねしょをするという理由で、その子の親はおしりに熱湯をかけたんですね。おしりがただれている写真を見て、本当にショックを受けました。自分の娘が当時ちょうど同じ年齢だったこともあり、胸が潰れる思いになりました。これは何とかしなくてはと。

事業の仕組みについて教えてください。
駒崎:スタート時点としての取り組みでは、まず育ての親向けのサイトと、産みの親向けの相談プラットフォームを別々に起ち上げます。産みの親向けのプラットフォームは、名称は確定していませんが、「妊娠ホットライン」などを検討中です。ここで、電話やチャットを通して悩みを抱える妊娠中の女性の相談に乗ります。育ての親向けのサイトでは、制度についての詳しい説明を理解した上で育ての親登録をして頂き、面談や家庭訪問、研修を実施します。
駒崎さんのブログ内でも、中には集団レイプで妊娠してしまったり、頼れる家族がいない女性もいるという状況が紹介されていました(参照記事)。また、そういった状況でなかったとしても妊娠や出産に不安はつきものです。
駒崎:そうですね。中には、子どもの頃から虐待を受け、心に傷を持ったまま親になった人もいます。彼らも虐待の被害者です。相談に乗って、「気を取り直して育てます」となった場合はそれで見守りたいけれど、「どうしても無理です」「一緒に死にます、殺します」というニュアンスの会話をされた場合には、「託すという選択肢もありますよ」と言って出産後に速やかに赤ちゃんを受け取り、育ての親に託します。

目標は「赤ちゃんの虐待死ゼロ」
「妊娠ホットライン」のようなものを自治体でも行っていると思います。ただ、そういったサポートにたどり着く情報収集力がなかったり、そもそもの気力がない方へはどうアプローチするのでしょうか。
駒崎:確かにリテラシーの問題はあると思います。行政に相談するという発想がない人もいるし、行政に行って理路整然と話すのが苦手な人もいるでしょうから、携帯電話やスマートフォンで「妊娠 おろす」「妊娠 産めない」といったキーワードで検索する人がフローレンスのサイトにたどり着くようにSEO対策を行います。
仕組みづくりについては、すでに縁組事業を行っている団体さんからご指導を受けて立ち上げたので、ノウハウをゼロから構築する必要はありませんでした。フローレンスでもひとり親支援や子育て支援の活動をやってきているので、そういったノウハウは生みの親にも育ての親にも活かせると思っています。

事業開始1年目で、どのぐらいの数の縁組を想定していますか?
駒崎:縁組数の目標は設けていません。1件1件を大切にしていかないと、児童福祉の理念から外れてしまいます。言いづらい話ですが、この事業は人身売買と紙一重というところがあります。どんどんマッチングしてお金を稼いで……ということになってはいけない。目標は赤ちゃんが幸せになること、赤ちゃんの虐待死を最終的にゼロにしたいということですね。

民間の養子縁組に対する法律がない
育ての親が支払う費用はいくらぐらいなのでしょうか?
駒崎:まだ具体的な数字は算出できません。NPO法人としての事業ですから活動費用以上の利益を上げることはできません。ですから、かかった費用を請求するということになりますので、やってみないとわからない。シミュレーションでは、150~200万円ほどになると予想しています。ケースによっても変わってくると思います。

自治体の養子縁組や里親も基本的にはそうですが、子どもの年齢や性別を選べるわけではないのですよね?
駒崎:はい、選べません。自分の子でも選べませんよね。「どんな子でも受け入れてください。その覚悟がある方が登録してください」というスタンスです。縁組を行っている民間団体の中には、「養親の希望をある程度聞く」という団体もあります。これは思想の違いです。
私が問題だと感じるのは、民間の縁組団体に対して国が明確な統一基準を示していないことです。児童福祉の最前線ですので、きちんとした法律があるべきだと思いますが、現状ではそれがない(※2)。このこと自体、政府の家庭養護に対する姿勢の遅さを表していると思います。

バナー広告で約40万DLを記録! 「児童虐待」を真正面から描いた『ちいさいひと 青葉児童相談所物語』に、涙が止まらない…

ダ・ヴィンチニュース 2015年12月15日

乱雑な部屋に取り残された様子の乳児と女の子。チェーンがかかったドアの隙間から、少女に声をかけている母親らしき女。そして、ひときわ目立つ赤で記された「いい子にしてたらランドセル買ってあげるから」という意味深な文字――。これは、『ちいさいひと 青葉児童相談所物語』(夾竹桃ジン/小学館)の電子書籍版バナー広告だ。
本作は、この不穏さを感じさせるバナー広告が話題となり、約1カ月で40万ダウンロードを達成。さらに、2011年に発売されたコミックスも、発売から4年を経て、初めて重版がかかったそうだ。決して新しい作品ではないのにもかかわらず、ネットで火がついた本作。いったいどんな作品なのか、軽い気持ちで読んでみたが、実に重い内容だった…。
タイトルにある通り、本作は児童相談所をテーマにした作品だ。主人公となるのは、新米児童福祉司の相川健太。そこで描かれるのは、親から虐待を受ける子どもたちと、彼らを救うために奮闘する児童福祉司の姿である。
前述のバナー広告に掲載されたのは、本作の第一エピソードに登場する幼い姉妹・莉子と愛莉。そして、彼女たちの初登場シーンが、とにかく衝撃的なのだ。文字通り、骨と皮になるほどやせ細った莉子。そして、汚れたおむつをつけ、泣きわめく愛莉。部屋はゴミだらけで、衛生状態も良くない。それもそのはず。彼女たちの母親は、ドアの隙間からコンビニ弁当を投げ入れ、「ふたりでわけて食べなさい」と言うだけなのだ。チェーンのかかったドアは、まだ幼い莉子には開けられない。実質、監禁状態である。母親は、育児放棄という名の虐待をしているのだ。
この時点で、読み手の心が揺さぶられる。まだ幼く、自ら助けを求めることができない姉妹。彼女たちの命をつなぐのは、定期的に届けられる弁当やファストフードだけ。状況は最悪だ。それでも、母親がやってくるたびに喜ぶ莉子の姿が痛々しく、悲しい。
しかし、少しずつ事態は明るみに出ていく。愛莉が1歳6カ月健診を受けていないこと、莉子が入学式にも出ていないこと、そしてなにより、ふたりの姉妹の姿を誰も目にしていないこと…。ふたりは虐待を受けているのではないか。そう強く確信した相川は、児童福祉司になってわずか5日目にして、事件解決へと走りだす。
最終的に、ふたりの姉妹は相川の手によって助けだされる。愛莉は極度の脱水症状と栄養失調で、虫の息というギリギリのところだった。それに対し、莉子は、自分がきちんとご飯を食べさせなかったからだと、母親に謝ろうとする。そこで相川が言う。「莉子ちゃんは何も悪くないよ。何も…悪くない」。
世の中には、泣けるマンガというものがあるが、本作は間違いなくそのひとつだろう。圧倒的に無力で弱い存在である子どもたちと、彼らを救おうとする児童福祉司。その静かなドラマは非常にリアルで、社会問題となっている児童虐待について考えさせられるだろう。
ちなみに、新米の相川が、なぜ莉子と愛莉の虐待に気づけたのか。それは、彼自身も、幼少期に虐待を受けて生き延びた「サバイバー」と呼ばれる存在だから。自らの体験がフラッシュバックし、ふたりの少女が放つSOSを受け取ることができたのだ。
たったひとつのバナー広告をきっかけに、こうして注目を集めるようになった本作。試しに読む…にはやや重いが、読んでみて後悔することはない名作だろう。ぜひ、児童虐待のリアルを、その目で確かめてみてほしい。

「こんなことしても無駄やん。」「めんどくさいし…」という子どもたちも…

フクオカ・ビィーキ ファンファン福岡 2015年12月15日

1982年1月21日、午後3時26分 この世に生まれ…早33年。2014年1月31日、午後1時8分 娘が生まれ…パパとなる。そんな新米パパとなった私やのっちが綴るユルめの子育てコラム。4週に渡り、お届けした過去編…どうでしたでしょうか?私の経歴が少し垣間見えたと思います^^保育士試験、学童、保育士、子育て支援と渡ってきた私、年齢を問わず多くの子どもたちと関わり、そこには必ずママパパもいたり…ほんと子どもを中心に色々な広がりを見せています。しかしながら【子どもたちの為】という柱だけは変わっていません!!
「こんな人混みに小さな赤ん坊を連れてきて」周囲の心無い一言に…

子ども達の為に働く為に、保育士試験を頑張り…小学生の放課後の充実した時間の為に、学童を頑張り…子どもたちの日々の成長の為に、保育士として頑張り…その子どもたちを支えるママ達の為に、子育て支援を頑張ってきました。とにかく私は未熟ながらも失敗を繰り返しながらも、自分が出来ることを精一杯やってきました。
関わってきた子どもたちへは『あなたにとって、私が何かしらのコンパス(羅針盤)になれたらいいな。』と願っています。
常に「北」や「正しい道」を示すコンパスではなく、「私みたいな人がいたな~」や「私みたいな大人になりたいな~」もそうだし、「いや、あなたみたいになりたいくないから、私はあっちへ行く!」でも構わない。何かを残して、自分自身の未来を考えていけるような子どもになってほしいと。そう思って関わっています。そう大したことを教えたり、影響を与えるってまではいかないけど、どこかで子どもたちの為にと思っています。

そこを中心に、私の中で…
子ども達の為なら、その親のママパパへの支援も大切だし、いずれ親となる若者に対しての支援も大切だし、子ども達を育てていく地域や居場所の存在も大切だしと…子ども達を取り巻く様々なモノの大切だな~と考えるようになりました。
そして…保育士としての3年間
普通の子ども達の担任とはまた違う色々な経験をさせてもらいました。当時は「え??」の連続でしたが、今では良い経験だったと思います。夢の保育士という舞台からまた飛び立つことになりますww
保育園児や幼児との関わり合いの中でも、どうしても学童の時に小学生たちとの関わる中で感じた刺激ややりがいが私の中で残っていました。その世代との関わり合いを求め、プライベートで参加したのが…地元の青少年のボランティア活動でした。
所謂「少年の船」という事業で、地域の小学生(高学年)や中学生を集め80名ぐらいで夏休みに平和学習や集団生活、協調性などを学ぶ目的で、船で沖縄に行ったりする4泊5日ぐらいの宿泊体験。
各市町村単位でも以前はよくやっていたので、子どもの時に参加した人やボランティアとして関わった人も多いと思います。現在では、数が少なくなりつつありますが県内では古賀市・春日市・筑後市・久留米市や三井小郡地区などは毎年夏に実施しています。
ふとしたきっかけで、今までの自分の経験やさらなる成長、そして一緒に参加するボランティアの若者たちとの交流などを楽しみに参加しました!!
子ども達80名に対し、私たち青年ボランティアが19名。各部署に分かれて、出発する夏の3ヶ月前からなんやかんや準備会議をしました。あの夏に過ごした4泊5日は、人生において最大級の活動といえるほどの、楽しく、充実した時間となりました。

この話を書き始めたら、次は5週ぐらいなりそうなので簡単にwwこの経験から、より一層子ども達との関わりの楽しさや若者たちの素晴らしさ、そして何より地域に為に自分ができることを発見できた気がしました。この経験をもとに、現在の仕事へと就いています。現在は地域をフィールドとし、家族への自然体験・子どもたちへの体験イベント・合宿指導・青年講座を運営などの仕事で日々頑張っています!!
数年前から抱いていた「保育士になりたい!」という想いが、様々な経験や人との出会いを重ね、良い風に変化してきました。この4週に渡って話してきたこの過去があるからこそ…今の私があります!!時には「無駄」と思ってしまうこともあったけど…今となっては、すべてが「経験」となり、私を成長させてくれた「糧」だったのだと感じます
今の子どもたちの中にも「こんなことしても無駄やん。」「めんどくさいし…」と、今の状況を面倒くさがったり、卑屈になったりする子がいます。
しかし!どんな経験も必ず未来へと繋がり…「無駄じゃなかった」と言える日が来ると思います。子どもたちが成長していく中で、そう言える大人になれるように…私は色々な角度から、今自分ができることをしっかりと伝えていきたいと思います。

いつかその子どもたちが成長し、若者となり、そして大人となる。ママやパパとなり、そこにまた子どもが生まれ、歴史は繋がる。先々の子ども達の為に…
そしてそれを見守っていくであろう今を生きる子ども達の為に…今、私ができることを私は頑張っていきたい!!
そう強く思う日々です。

配偶者手当、見直し議論開始=女性の就業促進、年度内に結論

時事通信 2015年12月15日

厚生労働省は15日、民間企業の約7割が導入している配偶者手当の在り方を見直すため、専門家による検討会の議論を開始した。
多くの企業が手当の支給条件として配偶者の年収に上限を設定していることから、条件の緩和や手当自体の見直しを検討。女性の就業促進のための具体策を話し合う。
検討会には労働関連法や雇用政策を専門とする学者、民間研究者らが参加。年度内に2回程度の会議を開き、報告書をまとめる予定。初回の会議では、配偶者手当を廃止し、その原資で子ども手当を拡充した企業の取り組みなどが紹介された。
ただ、配偶者手当は民間企業独自の制度で、見直しなどは労使の合意で決める必要がある。このため、厚労省が民間に見直しを強制するのは難しいとの指摘もある。