地域限定保育士 効果は未知数

河北新報 2016年7月13日

仙台市が国家戦略特区を利用し、10月に初めて実施する地域限定保育士試験の受験受け付けが、7月に始まった。通常は年1回の受験機会を2回に拡大するとともに、登録後3年間の勤務地を市内に限ることで保育士不足を解消するのが狙い。ただ、保育士試験は国の指導で本年度から全国的に年2回実施されることになり、地域限定の効果は未知数だ。
地域限定保育士試験は2015年度に千葉県成田市、神奈川県、大阪府、沖縄県が初めて実施。保育士試験が2回に増えたため、4府県市でそれぞれ14年度の1.5~2.5倍の合格者が出た。
厚生労働省によると、4府県市の試験では早く資格を取得したい他県からの受験者が目立ったが、受験地での勤務を希望しない人も半数程度いた。
神奈川県は「勤務地の限定が受験者の不利益になることもある」として、本年度は地域限定試験を取りやめた。同県でも、受験者に占める県内就職希望者の割合が通常の試験と変わらなかったという。本年度は仙台市と大阪府のみが地域限定試験を実施する。
資格を持ちながら就労していない「潜在保育士」の掘り起こしを担う宮城県保育士・保育所支援センター(青葉区)には、保育士不足を懸念する人や子育てが一段落した人らから地域限定保育士試験に関する相談が寄せられ、関心は低くない。市の担当者は「市内で就労してもらえるよう、施設見学会や情報提供を充実させたい」と話す。

佐賀県、保護委託費支払いミス 制度解釈誤る

佐賀新聞 2016年7月14日

佐賀県は13日、虐待された児童らの一時保護を委託した福祉施設に対し、支払うべき事務費を払わず、支払わなくていい委託手当を払うミスをしていたと発表した。こども家庭課は「国の制度への理解が不足していた」と謝罪した。
県は児童相談所内の一時保護所に空きがない場合、児童養護施設、ファミリーホームといった福祉施設や里親に一時保護を委託する。その際、施設に人件費見合いの事務費を支払う制度が2006年度から始まり、12年度からは里親にも委託手当が支払われるようになった。
県は08~15年度、県内外の7施設に支払うべき計約510万円の事務費を支払わなかった。「制度改正当初に適用事例がなく、認識が不足していた」としている。加えて、12~15年度には本来は里親向けで施設には支払うべきではない委託手当を、13施設に対し計2140万円支払った。「制度の解釈を誤った」と説明している。いずれも国と県が2分の1ずつ負担している。昨年末、児童相談所からの指摘で判明した。
今後、県は誤って支払った委託手当は各施設に返還請求する。一方、事務費の未払い分は各施設に支払うとしているが、一部、時効にかかる可能性があり国と対応を検討している。

「雑談力」を上げれば、嫌いな人がいなくなる!ポイントは「回数」と「量」

ダイヤモンド・オンライン 2016年7月15日

ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しているということです!

嫌いな人がいる原因は、 「コミュニケーションの総量不足
都道府県労働局などへの「パワハラ(パワーハラスメント)」に関する相談件数は、年々増加しているそうです。
2004年度には1万4665件だった相談件数が、2014年度には6万2191件に増加しています。
じつに10年で、4万7526件の増加です。
また、厚生労働省の報告書は、「パワーハラスメントが発生している職場」の特徴として、
「『上司と部下のコミュニケーションが少ない職場』が51.1%ともっとも多い」
と結論づけています(※1)。
また、あるアメリカの大学の研究によると、
「人は、コミュニケーションの回数が多いほど、相手に対する信頼が大きくなる」
という研究結果を発表しています。
たとえ相手が「苦手な人」でも、コミュニケーションの回数を増やす努力をすれば、相手を苦手と思う気持ちが減るというのです。
パワハラに関する調査結果も、アメリカの大学での研究結果も、職場における人間関係のトラブルの多くが、「コミュニケーションの総量不足」に起因していることを明らかにしています。
では、どうすればコミュニケーションの総量を増やすことができるでしょうか。大手広告代理店のI局次長は、
「『2つの顔』を使い分けながら部下とコミュニケーションを取っている」
と教えてくださいました。「2つの顔」とは、
「ビジネスの顔」
「プライベートの顔」
です。
「ビジネスの顔」を持って「上司と部下の会話」をしていれば、業務(仕事)を行うことはできます。
ですが、それだけだとコミュニケーションの総量が増えず、会話の幅も広がらないので、事務的になり、心の距離が近づきません。
I局次長がたくさんの社員から慕われ、信頼されているのは、「仕事以外」の場面でも雑談を持ちかけ、接触回数を増やしているからです。
雑談をするときは、「ビジネスの顔」を封印して、「プライベートの顔」で接しています。
I局次長が仕事以外の話、たとえば、自分の趣味や家庭の様子を自己開示すれば、部下は「Iさんにも人間的な側面がある」ことが伝わって、親近感を抱いてくれます。

商談の3分の2を「雑談」に使うと、 契約率がアップする
ある大学のビジネススクールで「交渉学」を学んだとき、先生から、「雑談がもたらす効果」について教えていただいたことがあります。
たとえば、セールスパーソンが交渉の席につくとき、いきなり商品説明をするのは得策ではありません。
なぜなら、人は信用していない人には、多少なりとも警戒心を持つからです。
ですので、その警戒心を解くためにも、商談時間が「1時間」あるとしたら、「最初の40分は雑談に使う」といいそうです。
お客様は「どんな商品なのか? 」と思う以上に、
「目の前にいるこの人は、いい人なのか? この人を信用していいのか? 」
と考えています。
ですから、商品を販売する前に、最初は雑談から入って「心の距離」を近くして、そのあとで「ビジネスの顔」で本題に切り込んだほうが契約につながりやすくなるのです。
CA時代の同期に、誰とでも仲良くコミュニケーションが取れる女性がいました。
彼女が心がけていたのは、相手から「逃げない」ことです。
嫌いな人、苦手な人がいたら、普通は避けようとします、ですが彼女は、距離をあけるのではなく、「こちらから積極的に話しかけて、会話の回数を増やす」ようにしていたそうです。
もしみなさんに「苦手な人」「嫌いな人」がいるとしたら、それは、性格的な相性が理由なのではなく、「コミュニケーションの総量が不足しているから」かもしれません。
自分から積極的に話しかけて、コミュニケーションの総量(回数)を増やしていく。
そうすれば気持ちのすれ違いが解消され、「嫌いな人がいなくなる」かもしれません。
(※1)「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」(厚生労働省調べ)