待機児童の数え方、市町村でバラバラ 厚労省に改善勧告

朝日新聞デジタル 2016年12月9日

総務省行政評価局は9日、自治体の子育て支援行政を調査した結果、認可保育施設に入れない待機児童の数え方が市町村によって違うために、実態が正確に公表されていないなどとして、厚生労働省に改善するよう勧告した。
行政評価局によると、厚労省は、保護者が育児休業中の場合、待機児童の数に含めるかどうかを、市町村の裁量に任せている。
同局が昨年8月以降に調べた19都道府県の66市町村のうち、育児休業中の保護者の子について、待機児童数に含めているのは10市町村(15・2%)、3歳以上など一定の条件に該当した子だけを含めているのは6市町村(9・1%)だった。残り50市町村(75・8%)は含めていなかった。
厚労省が公表している全国の自治体ごとの待機児童数(4月1日現在で計2万3553人)からは数え方の違いがわからず、保護者の居住地・保育施設選びに影響する恐れがあるとして、厚労省に待機児童の数え方の明確化などを勧告した。
また、児童数の変動の予測を誤り、待機児童を思うように減らせなかった市町村も複数あった。ある自治体では、大型マンション建設で児童数が200人以上増えることが見込まれたのに、福祉担当部署が住宅開発担当部署からその情報を得るのが遅れ、保育施設の定員を増やせず、待機児童を減らせない一因となったと指摘した。
行政評価局は、都市開発の情報を各部署で共有するなどして、保育施設の需要予測を正確にすることを市町村に要請するよう、市町村の子育て支援を所管する内閣府に勧告した。(四倉幹木)

<養子あっせん法>悪徳業者排除狙う 許可制、縁組透明化へ

毎日新聞 2016年12月7日

法案が衆院委員会で可決 13日にも衆院本会議で成立へ
親が育てられない子どもの養子縁組をあっせんする民間事業者を規制する法案が7日、衆院厚生労働委員会で可決された。13日にも開かれる衆院本会議で成立する見通しで、2年以内に施行される。届け出制を都道府県の審査が必要な許可制に改めるのが柱で、悪質業者の排除と民間あっせんの質の向上を目指す。海外に比べ遅れていた子どもの養子縁組の促進が期待される一方、課題も残っている。【黒田阿紗子】
今年9月、千葉県は全国で初めて民間あっせん事業者の一般社団法人「赤ちゃんの未来を救う会」(既に解散)に事業停止命令を出した。養親希望者に「100万円を払えば優先的にあっせんする」と持ちかけ、生みの親が養子縁組の同意を撤回したのに子どもを戻さなかったことが問題視された。県警は児童福祉法が禁じる営利目的の可能性があるとみて家宅捜索した。
大阪市では、NPO法人「全国おやこ福祉支援センター」が運営するサイト「インターネット赤ちゃんポスト」が、中絶を考えている妊婦に「産んでくれたら最大200万円相当を援助」と呼び掛けている。市は「人身売買と誤解を招く」と口頭やメールで計8回行政指導をしたが、NPO側は応じていない。
養子縁組のあっせん事業者は近年増えており、昨年10月時点で全国で22。年500件ほどの特別養子縁組の成立の半数近くに関与し、親元で暮らせない子に家庭という安定した環境を用意するのに大きな役割を果たしている。だが、都道府県に書類を届け出るだけで始められるため、業者により支援の質に差があった。
あっせん法案は、これを許可制にし、無許可や業務改善命令に従わない業者に罰則を科す。あっせん過程の都道府県への報告も義務付け、事業の透明化を図る。大阪市の担当者は「これまでは何度指導をしても強制力がなかった。新法であっせんの実態が把握しやすくなり、指導の実効性が高まれば」と、質の向上に期待する。
民間のあっせんを巡っては、業者間で養親にかかる費用のばらつきがあることも、トラブルの一因になっていた。ただ、妊娠中から母親の相談に乗り、出産する病院を探すなどの手厚い支援をすれば実費が200万円を超えることも珍しくない。法案は行政による財政支援も盛り込んだが、人件費などへの国の補助には厚労省内で慎重論が強く、負担の平準化は簡単でない。事業者からは「専門職がきちんと支援し、金額の根拠を明示することが必要だ」との声が出ている。

官民の連係が課題
今春改正された児童福祉法は、親が育てられない子を「家庭と同様の環境」で養育するとうたう。だが、日本は海外に比べて子どもの福祉のための養子縁組や里親委託が進んでおらず、親元で暮らせない子の8割以上が乳児院か児童養護施設にいるのが現実だ。
今回の法案は、民間のあっせん事業者の法的な位置付けを明確にし、縁組を促進する目的がある。人身売買の温床になりやすい国際養子縁組は例外手段とし、可能な限り国内でのあっせんも求めた。
この「国内あっせん」の規定を懸念する業者もいる。東京都文京区の一般社団法人「ベビーライフ」は、今年あっせんした58人のうち47人を、米国の事業者に委託して北米在住の養親に渡した。理由は国内の養親候補の不足と説明する。希望者からの問い合わせは今年だけで262件あったが、団体が定める「46歳未満」の制限を超えていたり、面接で「障害のある子は困る」などと発言したりする夫婦が多く、最終的に5%程度しか残らないという。
一方で、全国の児童相談所では、縁組を希望する里親登録者が順番待ちをしている。このミスマッチは、児相の登録が管内に限られ、民間や他地域の児相と情報共有できていないのが一因だ。篠塚康智代表理事は「児相と一緒に養親候補を開拓していかなければ『可能な限り国内』は実現しない」という。
養親選びでも、児相との連携を希望する声がある。あっせん事業の届け出をした全国の医療機関で作る「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」(埼玉県熊谷市)は養親の条件に、児相で研修を受け里親登録していることを挙げる。鮫島浩二理事長は「特別養子縁組は子どもを社会で育てる仕組みの一つだと、養親に意識してほしい。民間では犯罪歴などを見抜くのに限界があり、児相を頼りたい気持ちもある」と話す。
林浩康・日本女子大教授(社会福祉学)は「養親のリストを官民で共有し、研修も一緒にやる仕組みができなければ、本当に子どものためになるあっせんは進まない。児相より高いレベルのノウハウを蓄積している民間事業者もあり、いかに連携する仕組みを作るかが課題だ」と指摘する。【黒田阿紗子】

民間養子縁組あっせん法案の骨子
・事業者を都道府県の審査が必要な許可制にして、無許可業者に罰則を科す
・可能な限り国内であっせんする
・厚生労働省令で定める手数料以外の金銭受け取りを禁止
・国や自治体は業者に財政支援ができる
・あっせん過程は都道府県に報告
・業者と児童相談所は連携するよう努める

特別養子縁組
親が未成年だったり、経済的に苦しかったりして育てられない原則6歳未満の子と、血縁のない夫婦が法律上の親子となる福祉の制度。民法に規定され、1988年に始まった。普通養子縁組とは違い、実親との親子関係は消滅し、戸籍上も実子と同じ扱いになる。半年以上の試験養育期間を経て、家庭裁判所が許可する。都道府県に届け出た民間事業者のほか、全国209カ所の児童相談所があっせんをする。

<養子あっせん法成立>届け出制から許可制に

毎日新聞 2016年12月9日

親が育てられない子どもの養子縁組をあっせんする民間事業者を規制する新法は9日の衆院本会議で全会一致で可決、成立した。与野党による議員立法で、2年以内に施行される。悪質な業者を排除するため、届け出制から、都道府県の審査が必要な許可制に改めるのが柱。ばらつきのあった事業の質を向上させ、事業者と児童相談所が連携して養子縁組を推進する。
同法は、あっせんは可能な限り国内で行うよう規定。養親希望者との金銭トラブルが相次いでいることから、事業者に厚生労働省令で定める手数料以外の金銭の受け取りを禁じた。あっせん過程の透明化を図るため、都道府県への報告を義務付ける。無許可事業者などに罰則を科す。
養親の負担する手数料を巡っては、事業者によって数百万円の実費を請求されるケースがある一方、児童相談所からあっせんを受ける場合は逆に養育の費用が支給されるなど不公平さが指摘されている。
付帯決議では国に対し、養親の負担軽減策を検討し、事業者の運営が安定するように財政支援に努めることなどを求めた。【黒田阿紗子】

今年産まれた子の名前ランキング1位は?

R25 2016年12月8日

今年、子どもが産まれたママは、どんな名前をつけましたか? 好きな有名人の名前でしょうか。それとも運勢が良くなるように、字画数を考慮した名前? 2016年に生まれた子どもの名前は、こんな特徴がありました。
人気スポーツ選手の名前をつける親が増加?
明治安田生命が2016年11月28日に発表した『2016年生まれの子どもの名前』調査によると、2016年のリオデジャネイロ五輪や昨年のラグビーのワールドカップの影響などで、人気スポーツ選手の名前を自分の子どもの名前にする親が増加したのだそう。

【圭】【歩】【航平】が大幅に順位上昇!
リオデジャネイロ五輪で大活躍。体操の個人総合で2連覇を成し遂げた金メダリスト、内村航平選手の【航平】は、昨年312位から41位に。一気にTOP50の仲間入り。
そして、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手の【圭】は、昨年は878位だったのに対し、今年はなんと60位に急上昇!
昨年「ルーティン」、「五郎丸ポーズ」で流行語大賞にノミネートされたラグビー日本代表の五郎丸歩選手の【歩】も、昨年33位から12位と、TOP10入りが目前に迫っています。
パパママが大好きなスポーツ選手の名前や「あのスポーツ選手のようにたくましく育ってほしい」と願って名づける親が多いのかもしれませんね。それに名前を覚えてもらいやすいというメリットもありそう。

2016年生まれの子どもの名前TOP3は…
今年人気の名前は何だったのか気になるママも多いはず。同調査から、名前ランキングTOP3を発表します。

◇男の子の名前(読み方 多い順)
1位 大翔(ヒロト・ヤマト・ハルト・マサト・タイガ・ツバサ・タイシ・ダイト)
2位 蓮(レン)
3位 悠真(ユウマ・ハルマ・ユウシン)

◇女の子の名前
1位 葵(アオイ・メイ)
2位 さくら(サクラ)
3位 陽菜(ヒナ・ハルナ・ハナ・ヒナタ)

男の子の名前【大翔】と、女の子の名前【葵】が2年連続で1位という結果に。
【大翔】は、「ヒロト」という読み方が36人と圧倒的でしたが、ほかにも様々な読み方があるようです。近年は、同じ漢字でも何通りかの読み方がある名前もチラホラ。保育士や小学校の先生は名前を正しく覚えるのにちょっと苦労するかもしれませんね…。

パパママ世代に流行った名前は…
ちなみに、ちょうどパパママ世代にあたるであろう30年前(1986年)のTOP3はこんな感じでした。

◇男の子の名前
1位 大輔
2位 達也
3位 健太

◇女の子の名前
1位 愛
2位 美穂
3位 麻衣

筆者も同じ世代なのですが、TOP3の名前の同級生が複数名いた記憶が…。特に大輔君と麻衣ちゃんは多かったです。
明治安田生命のデータによると、男の子の名前【大輔】は1979年から1986年まで8年連続1位、女の子の名前【愛】は1983年から1990年まで8年連続1位だそう。
今は一部でキラキラネームが流行っているように、その時々で名前のブームが存在することがわかるデータでした。
一度つけてもらった名前は一生使う人がほとんど。名前は親から子どもに贈る最初のプレゼントとも言われています。これから赤ちゃんが産まれるプレママも、今のうちに最初のプレゼントであるステキな名前を考えておくといいかもしれませんね。