家庭教育支援法 国が家庭に関与の法でない強調

エコノミックニュース 2017年2月27日

自民党が議員立法で、今国会成立を目指す「家庭教育支援法」について、下村博文幹事長代行は25日までの記者会見で「この法案は『国』が家庭に関与するものではない」と国の家庭への介入が懸念されていることに対し、強く否定した。
家庭教育支援法については素案では「国家及び社会の形成者として必要な資質を備えさせる環境を整備する」との文言やそれが「地域住民等の責務」などの文言があり、国家にとって都合のよい人材育成を目指す狙いがあると強く懸念の声がでていた。
その後、「国家及び社会の形成者として必要な資質」の文言は削除され、地域住民等の「責務」は「役割」に変更されたものの、素案から類推すると、法案の真の狙いがどこにあるのか懸念は払拭されそうにない。また国会で過去3回廃案になっている「共謀罪」と本質が変わっていないとの批判が出ている「テロ等準備罪」創設とともに治安維持につながるとの懸念の声もある。
下村幹事長代行は「貧困家庭では親が忙しすぎて十分に家庭教育がなされていない。それから児童養護施設等は本来、親なき子が入る施設にもかかわらず、99%は親がいる。しかし、3万人の定員も超えている。理由は親のDVであったり、子育て放棄であったりという現象がすでにたくさんある」などと説明。
法案は「未然にできるだけフォローアップするという意味だ」とし「地方自治体あるいはNPO、あるいは地域が、そういう家庭支援が必要だと思われる親御さんの家庭については何らかの支援をする。昔は3世代住宅等があって、みんなで子育てするというのが当たり前だったが、今は孤育といって、若いお母さんが孤独・孤立のなかで子育てに悩んでいる。近くにおじいちゃんやおばあちゃんがいるわけでもないという家庭もたくさんあるので、そういう家庭に対して何らかの社会的な支援をする必要があるというのが家庭教育支援法のメイン」と語った。(編集担当:森高龍二)

児童養護施設の職員給与2%アップへ 人材不足解消狙う

朝日新聞デジタル 2017年2月28日

厚生労働省は4月から、民間の児童養護施設などで働く職員の給与を平均で2%(月7千円程度)引き上げる。職責に応じて、さらに増額する。政府や自治体が負担している施設運営費に上乗せして対応。保育施設で働く保育士や介護施設の職員とともに処遇を改善させることで、人材不足の解消をめざす。
児童養護施設は児童福祉法に基づき、虐待や親の病気などを理由に親元で暮らせない子どもらを受け入れている。2015年10月時点では、全国の602カ所で約2万8千人の子どもが暮らし、約1万7千人の児童指導員ら職員が対応する。ただ、近年は虐待の増加などで、慢性的に人手が足りない。
処遇改善策は平均2%の給与増に加え、夜勤や泊まり勤務などを担う職員に月5千円、一定の研修を受けた中堅専門職員に月5千円、小規模施設の指導員に月1万5千円、複数の小規模施設を監督する職員に月3万5千円を加算。マネジメントの研修を受けた主任児童指導員らには、さらに月5千円を上乗せする。
乳児院や児童自立支援施設、母子生活支援施設などの職員計1万人以上の給与も上げる。こうした費用として、新年度予算案に計41億円を計上している。(伊藤舞虹)

フィリップモリス日本法人、「加熱式たばこは別ルールを」

TBS系(JNN)  2017年3月3日

世界最大のたばこメーカー「フィリップ モリス」の日本法人は、厚労省が受動喫煙防止の対策で規制の対象としている「加熱式たばこ」を対象から外すよう求めました。
「加熱式たばこに関するルール作りは重要だと思いますが、従来の紙巻きたばこに関するルールとは違った別のルールも、ぜひご検討頂きたい」(「フィリップ モリス ジャパン」 井上 哲 副社長)
世界最大のたばこメーカー「フィリップ モリス」の日本法人の井上副社長は「IQOS(アイコス)」などの「加熱式たばこ」について、「従来の紙巻きたばことは製品の特徴や健康への影響が大きく異なっている」と指摘しました。その上で「科学的なデータを踏まえて客観性や実効性のある規制にして欲しい」として、厚生労働省が受動喫煙防止の対策で規制の対象としている「加熱式たばこ」を対象から外すよう求めました。
受動喫煙をめぐっては、厚労省が1日、学校や医療施設は敷地全体を禁煙にするほか、「加熱式たばこ」も一旦、規制の対象とし、健康への影響がないと判明したものは対象から外すなどとした規制案を公表しています。
一方、「フィリップ モリス ジャパン」は、将来的に「紙巻きたばこ」から撤退する方針も明らかにしました。(02日19:53).

<サービス業界>接客現場に進む無人化 人手不足の外食など

毎日新聞 2017年3月2日

人型ロボットや無人レジ機を投入
人手不足に直面する外食や小売りなどのサービス業界で、人型ロボットや無人レジ機を投入し、受付や精算などを「無人化」する動きが出ている。人手不足で人件費も上昇傾向にあり、無人化で乗り切るのが狙いだ。しかし、人と人とのやり取りを接客の基本とする企業は多い。さらに新たな設備投資は負担となるだけに、業界に広がるかはコスト見合いともなりそうだ。【浜中慎哉】
「いらっしゃいませ。何名様ですか」「テーブルかカウンター、どちらがよろしいですか」--。回転ずしチェーン「はま寿司 浦和店」(さいたま市)で入店対応をするのは、ソフトバンクグループの人型ロボット「ペッパー」だ。タッチパネルに人数や希望する席の種類を入力するとペッパーが案内してくれる仕組みだ。
はま寿司では昨年10月から順次、首都圏3店舗でペッパーを試験的に導入。はま寿司をチェーン展開するゼンショーホールディングス(HD)は「入店時の対応をロボットに任せれば、従業員は片付けなどに集中でき、お客さんの待ち時間短縮につながる」(担当者)と説明し、今後も導入店を増やす計画だ。
コンビニ大手のローソンとパナソニックが昨年12月から大阪府内の店舗で実証実験を進めるのが、無人レジ機「レジロボ」だ。買い物客はICタグがついた商品を専用カゴに入れ、レジロボの決められた場所に置くと、カゴの底が開いて下にセットされた袋の中に商品が入る。ICタグを読み取って表示された代金を支払うと、袋詰めされた商品が出てくる。来年3月までに東京都などの10店舗にも導入する予定だ。
無人レジ機はコンビニ以外にも広がっている。ファーストリテイリングが展開するカジュアル衣料品の「GU(ジーユー)」は全国約20店舗に試験的に設置。ICタグがついた商品をカゴごとレジ機に入れると自動精算してくれる。ローソンのように袋詰めはできないが、「人が対応するより時間が短くなる」(担当者)ため、利用客には好評だという。
外食でもファミリーレストランを展開するすかいらーくや、日本マクドナルドHDが実験的に導入した。
無人化の背景にあるのが人手不足だ。「時給を上げてもアルバイトやパートが集まらない」(大手スーパー幹部)といい、シニア層などの活用も含めて対応している。
ただ、無人化には設備更新が必要となる。大手流通グループ幹部は「全商品にICタグを付けるのにも莫大(ばくだい)なコストがかかる。人件費がコストを逆転するなどしない限り、無人化が一気に進むことはない」と指摘する。
一方、コンビニ最大手のセブン-イレブンは「接客はお客さんとつながる重要な業務」(広報)と述べ、現時点で無人レジ機の導入予定はない。接客の基本は人だという意識が強い企業が多いのも、無人化にはネックとなりそうだ。

サービス業界の人手不足
厚生労働省によると、2016年の全職業平均の有効求人倍率(パート含む)が1.22倍だったのに対し、外食や小売りなどのサービス業は2.89倍と高く、前年比でも0.44ポイント増加し、人手不足が進んでいる。パートやアルバイトが集まらないため、人件費も高騰。調査会社のリクルートジョブズの調べでは、今年1月の首都圏の販売・サービス系の平均時給(募集時)は1010円で、前年同月比で21円上昇した。人手不足が影響し、ファミリーレストランは24時間営業を見直し始めた。「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングスが24時間営業の全廃を決めたほか、「ガスト」などを運営するすかいらーくも一部を見直す。