給食費横領で男性職員免職 横浜市、セクハラ2人も処分

カナロコ by 神奈川新聞 2017年5月20日

横浜市は19日、給食費を横領し虚偽報告したなどとして北部児童相談所の男性職員(27)を懲戒免職、女性職員にセクハラ行為をしたとして南区の男性職員(39)を停職6カ月、こども青少年局担当課長の男性職員(56)を停職1カ月の懲戒処分とした。
市によると、北部児相の職員は一時保護所職員から集めた昨年5、6、9、10月分給食費計約64万円を自宅に持ち帰った。上司から確認された際に「納付済み」と虚偽報告したほか、その後横領を認めた際に現金を持参して埋め合わせしようとした。自宅に持ち帰ったうちの50万円は住宅ローンや旅行、飲食費に充てたという。
南区職員は昨年9月、市内のカラオケ店で30代女性職員に強引にキスをした上、女性に10回以上にわたり謝罪の電話やメールを送った。
こども青少年局の担当課長は中央児童相談所副所長だった昨年12月、市内で開いた職場の忘年会で、20代女性職員に電話番号などを何度も聞いたほか、カラオケ店で他の女性職員3人の足を触ったり、肩を抱いて歌唱したりした。

「社会福祉の先駆者」描く映画『地の塩 山室軍平』10月公開、主演は森岡龍

CINRA.NET  2017年5月20日

映画『地の塩 山室軍平』が、10月から東京・新宿武蔵野館ほか全国で公開される。
同作は、社会福祉の先駆者と称され、日本人初の救世軍士官となった山室軍平を描いた作品。1872年に岡山で生まれた山室は、1889年にキリスト教の洗礼受け、1895年に救世軍に参加した。67歳で没するまで、生涯にわたって社会福祉運動に身を捧げた。1915年に藍綬褒章を受章。
山室役を演じるのは映画監督としても活動する森岡龍。妻・山室機恵子役を我妻三輪子、岡山孤児院の創設者で「児童福祉の父」といわれる石井十次役を伊嵜充則、同志社大学の創設者・新島襄役を辰巳琢郎が演じる。監督は『9/10 ジュウブンノキュウ』の東條政利。

森岡龍のコメント
宗教家、かつ、実在の人物を演じさせて頂くことは初めての経験で、ありがたい反面、背筋が伸びる思いでした。倒れては立ち上がり、揺らいでは立て直す。その不屈の精神と熱量を、山室軍平さんからお裾分けして頂いたような心持ちで、感謝しかありません。信仰と揺らぎ、その葛藤の中でもがきながらも、ひたむきに人生を全うした山室軍平さんを通して、ひとつの時代を垣間見ることができると思います。

怒りと不安「頭ごなしの親」の子の行く末

プレジデント 2017年5月21日

「子どもに成功体験を積ませたい」「挫折感を味わわせたくない」「自分が失敗したことで同じ嫌な思いをさせたくない」……。中学受験に詳しい教育カウンセラーの鳥居りんこさんは、そんな悩みをもつ親の多くは「自分の思いや感情を優先していて、わが子のことを考えていない」と話します。その理由とは――。

「何をすれば頭の良い子に育ちますか? 」と問う親
今のお母さんたちは(これはおなかに赤ちゃんがいる時から、子どもが独立するまでの20年超の時間の中にいる母たち全てを指す)本当に大変だよなと思う。
子どもは両親から生まれてくるとはいえ、まだまだこの国では何か事が起こると「母親が悪い」ということになりがちだからだ。もちろん父親も大変だが、多くの母たちは世の中から発せられる重圧感の中で、「この子をちゃんと育てなければ! 」と懸命にもがいているように私には映るのである。
最近、私の元に寄せられた質問にこういうものがあった。
「幼児に何を与えれば、または何をすれば頭の良い子に育ちますか? 」
その真意を聞いたところ「頭の良い子がほしい」のだそうだ。不安要素満載の未来予想図に負けない手段の選択肢として、これが選ばれたのであろう。
1歳児を持つその若いママは「早期教育」のノウハウが欲しかったのだと思うが、私の「ママがニコニコ笑いながら、赤ちゃんといっぱいお話ししてあげるのが一番」という答えには不満そうにしていた。
(余談だが、超優秀大学へ通う子を持つ母たちへの取材をしたときのこと、わが子が幼児の時にはオノマトペを意識した語りかけをしていたと答えたケースが多かった。例:「雨がしとしと降っているね」)
「心配」で心を満タンにする親
また、別のママは深刻そうな顔で私にこう訴えてきた。
「ウチの子、ネット情報で見ても、他の子たちとは違うみたいなんです。夜、なかなか寝ないし、我が強いというのか親が食べさせようとしても、頑として自分で食べると言ってきかないんです。これは発達障害だと思うのですが、そうですよね?  だとすれば、どういう療育をすれば良いですか? 」
これは1歳にもならない赤ちゃんへの心配である。ひとつの不安要素を見つけると、それに関する情報を検索しまくり、勝手に妄想を膨らませ、問題にもなっていない内から「心配」で心を満タンにしている。こうした傾向は、何も母親に限らず、一部の父親にも当てはまる。

子育てに失敗したら、親の価値はゼロと思い込む
さらに、ある母は私に泣きながら、こう言ってきた。
「小学校受験をするために努力を重ねてきたが、ご近所さんに児童相談所に通報されてしまった」と。そして、最後にこう言った。「それでも、私はこの子の将来のために、金メダル(=名門小学校合格のこと)がほしいんです! 」
2月ごろ私の元に来るメールでは、毎年こういうものが多い。
「中学受験に失敗しました。もう、この子の人生は詰んだも同然です」
中学受験したすべての学校に不合格だったわけではなく、ちゃんと合格している学校もあるのに母の心は敗北感で埋め尽くされていたのだ。
これらはすべて「失敗は許されない」という強迫観念に由来するものであろう。ひとり、ふたりしかいない子育てに失敗でもしたら、自らの母親としての価値がなくなるかのように捉える、追い詰められている母は多いのだ。
こぼす前に「こぼすんじゃないよ」と子に怒声を浴びせる親
こういう不安要素の塊のような母たちにじっくりと話を聞いてみると、見えてくるものがある。彼女たちもまた「異様に失敗を恐れる」または「失敗そのものを許さない」という親の元で成長しているケースが多いのだ。
たとえば、幼き日、何かの液体をこぼすまいと容器を持っているとしよう。すると、頭上から親の「こぼすんじゃないよ! 」との怒声が飛んでくる。まだ、こぼす前にもかかわらず。
このように、失敗する前から、まるで失敗したかのような対応をされて育っている。
そこで本当にこぼそうものなら、親からのさらなる叱責と失望と否定の態度と言葉を同時に浴びせられ、こぼすことなく着地に成功しても、賞賛の言葉はかけられない。

失敗を恐れる親の子は「己の頭で考え行動しない」
「失敗すれば子どものせい、成功したら親のおかげ」という価値観が働く家庭で育つとどうなるかと言えば、こうなる。
<自らが進んで行動することを一切しなくなる>
<己の頭で考えなくなる>
○○しなくなるというよりも、できなくなるのだ。失敗すると怒られる→何もしなければ怒られない→何もしない→自分で考えることを拒否という思考にはまってしまいやすい。
自分が本当は何をしたいのかという意志を持つ訓練をしないままに長じると、当然ながら“自分目盛り”は持てない。全ての出来事が他人の尺度、他人の目にどう映るのかということが自分の気持ちよりも優先されるのだ。
それは自身の子育てにも色濃く反映されていくだろう。そんな親は、目の前にいるわが子を見ているようで、見ていない。
誰かからのそしりを免れるため、あるいは誰かからの賞賛を得るために、そのあるかどうかも怪しい「枠」にわが子を無理やりにも入れ込もうと躍起になるのだ。
子育てに不安な親が自信を持つ方法とは?
しかし、これをわが子に連鎖させてはならない。
ここらあたりで「不安」という名の「呪縛」から開放されるべく、かじを切ることを提案したい。時代背景、世の中の空気、いろいろなことが親を不安にさせるので、親がより安全だと思う道にわが子をいざなうことはしかたないことではある。だが、自分が「不安で不安でしかたがない」という自己認識がある親は、他人の尺度ではなく、徐々に“自分目盛り”を持てるように頑張ろう。

「頭ごなしのNG」はもったいない子育て
今回はその方法を伝授してみたい。
【子育てに不安な親が自信を持つ方法5】
その1:「3日坊主は経験豊富」という意識で子育てをする
子どもは本来、飽きっぽい。いろいろな物に興味を示し、それにすぐ飽きるのだが、実はこれは成長には欠かせない大切なことだ。さまざまなことを実際に試してみなければ自分に合うかどうかはわからないからだ。
わが子が興味を持ったものを経験もさせずに、頭ごなしにNGを突きつけることはもったいない子育てになる。たとえ失敗したとしても、やらなければ経験ゼロ。やれば人生の経験値が増えるのである。
まだ来ていない「未来」を必要以上に思い煩わない
【子育てに不安な親が自信を持つ方法5】
その2:「そっか、わかるよ」を口に出す
人は共感されて、認められて元気になる。わが子が何かにつまずいているときには叱責でもなく、ため息でもなく、詰問でもなく、この言葉を口にするといい。そして何より、自分が不安に陥っているときにこそ、この言葉を自分自身に言って聞かせよう。あなたに足りなかったのは、たぶんこの言葉だっただろうから。
【子育てに不安な親が自信を持つ方法5】
その3:来てもいない「未来」を必要以上に思い煩わない
多くの不安は「まだ見ぬ未来」に関するものである。こうなったらどうしよう、こうなるのではないか?  という悪い方向に思考が向きがちだ。子育ては「這えば立て、立てば歩め、の親心」になりがちではあるが、時には急かないことも必要なのだ。不安になったなら「みんな、どうにかなっている。ゆえにどうにかなる」と意識を変えることも大切なことである。

「わが子の失敗を異様に恐れる親」脱出法
【子育てに不安な親が自信を持つ方法5】
その4:他人の評価に心を乗っ取られない
人生は自分が自分にOKを出せるならば、それで十分幸せなのだ。「他人からどう思われるだろう? 」とどうしようもなく気になったなら、それが生きるにあたってどれくらい重要なことなのかに思いをはせよう。他人はあなたとあなたの子どもの一生に渡ってまでの興味は持っていないのだから。
【子育てに不安な親が自信を持つ方法5】
その5:何もしないことを許す
人は時間を浪費せず「何かをしなさい」と言われて育ってきている。また、問題があるのなら、問題解決をするべきだと教わっている。しかし、そういう時こそあえて何もしない、考えないという時間を持つと、また新たなる気付きの瞬間がやってくるものだ。
「わが子の失敗を異様に恐れる親」がなぜそうなるか。実は筆者の子育て(現在は2人とも社会人)もそうだったが、結局、自分自身をあまり信用できていないのだ。一朝一夕にはいかない作業ではあるが、自分とわが子の未来を「信じる」という訓練を積めたならば、不安におののいていた日々は遠い過去になること請け合いだ。