川嶋あい「自分の人生、不幸と思ったことない」

THE PAGE 2017年10月19日

 10月は里親月間。兵庫県明石市では「あかし里親100%プロジェクト」を掲げ、様々な取り組みを進めている。そんな中、広く市民に里親制度を周知する目的でこのほど同市の「あかし市民広場」で里親フォーラムが開催された。里親制度と国の取り組みの解説や、育ての親とともに苦難を乗り越えて歌手になったシンガーソングライターの川嶋あい(31)がトークショーやスペシャルライブで歌を披露するなど、会場は330人の来場者で埋め尽くされていた。

 

子どもたちが笑顔になれるような街を
 挨拶に立った泉房穂明石市長は「(同プロジェクトは)街のみんなですべての子どもたちを応援することだと思います。ポイントは3つで、1つはすべての子どもたち、たった1人の子どもと言えども誰も見捨てない。すべての子どもたちが笑顔になれるような街をつくっていく。2つ目は街のみんなですべての子どもを支えていく。そして3つ目は本気です。本気度も重要だと思います」などと述べた。
 里親と元里子のトークセッションに続き川嶋が登場。川嶋は実母が出産後に体調を崩し後に他界。乳児院、児童養護施設で幼少期を過ごし、その後は養女となった。10歳の頃に養父が、16歳の頃に養母が他界している。2003年に歌手デビュー。代表曲の1つ「旅立ちの日に…」は卒業ソングの定番となっている。

自分の出生の真実を知った時
 川嶋はトークセッションで過去の自分の経験を振り返った。はじめて自分の出生の真実を知ったのが中学1年生くらい。母親に、家の金庫から「書類を取ってきて」と言われ、何気なくその金庫を開けて頼まれた書類を取った際に別の引き出しを見て、たくさんの書類を確認したという。
 「その中にわたしの名前と自分の生年月日と、その上に母って書いてあって、知らない女の人の名前が記載されてあって。『えっ』と思って、そのまんまの勢いで母に『これはどういうこと?』って聞いて、そこで初めて教えてもらったんです」と振り返った。
 さらに「施設にいたんだってことと『お父さんお母さんは実はいたんだ』って教えてくれたんですけど、あんまりその事実が自分の中に入って来なくて。目の前にいる母と血がつながってないってことが衝撃的すぎて、どうしても受け入れられなかったっていうのがありますね」とも話した。しかし、「自分の人生を不幸だと思ったことはないですね。むしろ幸せだった」と続けた。
 川嶋は「明石こども大使」に任命され、任命式では「任命頂いてとても光栄です。明石の子どもたちが笑顔になるために一緒に考えていきたい」とした。また「大人たちを頼っていっぱい甘えられるような、そういう社会を目指して精一杯活動していけたらと思っています」とコメントし、卒業式ソングなど5曲をライブで披露していた。
(文責/フリーライター・北代靖典)

 

 

「虐待死、見逃さない」子供の全死亡例検証…200医療機関が参加予定

読売新聞(ヨミドクター) 2017年10月20日

 子どもの虐待死が後を絶たない中、子どもの全死亡事例を記録、検証して関係機関で情報共有し、再発防止につなげる試みが各地で広がっている。この取り組みは「チャイルド・デス・レビュー(CDR)」と呼ばれ、厚生労働省も導入に向けて検討を開始。虐待死を巡っては、自治体が把握していない事例も多くあるとみられ、同省の研究班の試行には現在、全国約200の医療機関が参加に名乗りを上げている。

細かく調査すると「見えてくる」
 「子どもが亡くなるまでの状況を細かく調査すると、行政の統計には表れない虐待の疑いが濃厚な事例や、防ぐことができた事故死の事例が見えてくる」。名古屋大学医学部付属病院(名古屋市)でCDRを試行している沼口敦医師は、そう指摘する。
 沼口医師らの研究班は、2014年に愛知県内で亡くなった15歳未満の241人のうち、189人について、病院などからカルテや死亡診断書などを集めて分析。児童相談所(児相)や警察など関係機関が参加した委員会で検証を行った。
 県は同年、両親が買い物中に駐車場の車内でチャイルドシートのベルトが首にかかって窒息死した男児ら2人を虐待死として国に報告していたが、沼口医師らの分析の結果、さらに7人に虐待死の疑いがあった。
 このうち、ベッドで亡くなっているのが見つかった乳児は、死後のCT(コンピューター断層撮影)画像などでも不審な点は見られなかったが、カルテによると、母親が育児を放棄していた可能性があり、亡くなる直前の健診では乳児の体にアザが見つかっていたことがわかった。
 このほか、乳児がベッドと壁の隙間に落ちて窒息死した事例など、防ぐことが可能だったとみられる死亡事例も51例あった。

自治体把握の虐待死は「氷山の一角」
 厚労省によると、18歳未満の虐待死は14年度で再び増加に転じ、歯止めがかかっていない。さらに、自治体が把握する虐待死は「氷山の一角」との見方もある。同省研究班の調査では、全国の医療機関で10~14年度に「虐待で死亡した疑いがある」とされた18歳未満の154人のうち、児相に報告されたのは4割の62人にとどまっていた。
 日本小児科学会は12年度にCDRに関する委員会を設置して東京都、群馬県、京都府、北九州市で試行。11年に死亡した15歳未満(東京都は5歳未満のみ)の368人の死因を医療機関に尋ねた結果、虐待の可能性があったのは27人、風呂場での溺死など未然に防げた可能性があると考えられた死亡は101人に上った。

 

「ママがパパにしてほしい家事・育児」1位は家事や子どもの送迎ではなく○○○

@DIME 2017年10月20日

 厚生労働省の人口動態統計によれば、平成27年の合計特殊出生率は1.46で、前年の1.42より上昇した。
 厚生労働省の人口動態統計によれば、平成27年の合計特殊出生率は1.46で、前年の1.42より上昇した。これを年齢(5歳階級)別にみると、24歳以下の各階級では低下し、25歳以上の各階級では上昇しており、最も合計特殊出生率が高いのは、30~34歳の0.5215となっている。
 そんな中、子育てに役立つ情報や各種特典を提供する会員制サービス「楽天ママ割」は、全国の0歳から6歳の子どもを持つ20~40代の男女を対象に、イマドキ子育ての実態調査を実施。先日、その回答状況とデータ分析結果を公開した。
 まず、子育ての中で、子どもを可愛くて仕方がないと感じる瞬間はどんな時かを聞いたところ、1位は「子どもがスヤスヤ寝ている時」(45.7%)、2位「子どもの笑い声を聞いた時」(40.7%)と微笑ましい場面が並んだ。慌ただしく過ぎていく一日の中でも、子どもの寝顔や笑い声はママパパの親心を和ませてくれるのだろう。
 また、喜びを感じる頻度を聞いたところ、「1日に1回以上」と答えた人は全体の7割近く(67.2%)に。ママパパにとっては愛おしい我が子、子どもからすれば何気ないことでも、日々の生活の中に喜びがあふれているようだ。
 一方で、日々真剣に向き合うからこそ子育てには大変なことも多いはず。子育ての中で、「1日に1回以上ストレスを感じる」と答えた人の割合を、ママパパそれぞれでみてみると、パパは4割(40.0%)である一方で、ママは約1.7倍の67.3%だった。パパよりもママの方が子育てにストレスを感じやすい環境にあることがわかる。
 続いて、子育てをしているかどうかについて聞いたところ、「子育てをしている」と回答した男性は96.0%と9割以上にものぼり、パパの子育て参加意識は非常に高いといえる。しかし、平日子どもと一緒に過ごす時間を聞いたところ、「2時間未満」と答えたパパは約6割(59.0%)で、そのうち「1時間未満」と答えたパパは、全体の約3割(30.7%)を占めており、パパと子どもが一緒に過ごせる時間は、ママと比較するととても短いことがわかる。
 パパに比べて、ママが子どもと一緒に過ごす時間は、「10時間以上」と回答した人が平日は4割以上(42.0%)、休日においては8割(80.0%)と、強い母子密着傾向が判明。パパよりもママの方が、子育てのストレスを感じがちなのは、平日休日問わず、母子で過ごす時間の長さが要因の一つと考えられそうだ。
 そんなママに、家事・育児でパパにしてほしいことを尋ねたところ、子どもの衣食住のサポートや、家事全般をおさえ、1位は「子どもと遊ぶこと」(61.0%)となった。また、普段の生活の中で、子どもの遊び相手は誰かと聞いたところ、91.3%が「ママ」で最多という結果。一緒にいる時間が長いことからも、必然的に遊ぶ相手もママが多くなることは避けられないようだ。
 パパと子どもは一緒に過ごせる時間が短い分、せめてその時間は“子どもと思いっきり遊んでほしい”というのがママの素直な気持ちが見え隠れする結果が出た。また同時に、パパと子どもが遊んでいる時間は、ママにとっては少し子どもと離れることができる、貴重な“子育て休憩タイム”にしたいというママの期待感の表れでもあるかもしれない。

調査概要
 標題/子育てと子どものおもちゃ」に関する意識調査
 調査主体/楽天ママ割
 調査期間/2017年9月23日(土)~24日(日)
 調査方法/インターネット調査 調査対象:全国の0歳から6歳の子どもがいる20~40代の男女600名(0~1歳の子がいる男女各50名/2歳の子がいる男女各50名/3歳の子がいる男女各50名/4歳の子がいる男女各50名/5歳の子がいる男女各50名/6歳の子がいる男女各50名)
 調査機関/楽天リサーチ