生活保護世帯の子に、大学進学支援30万円支給…厚労省方針

読売新聞(ヨミドクター) 2017年12月12日

 厚生労働省は来年4月から、生活保護世帯の子供の大学などへの進学を支援するため、一時金として最大30万円を支給する方針を固めた。
 一時金は教材費など進学当初に必要な準備金とされ、親元を離れて一人暮らしをする学生には30万円、自宅で親と同居する場合は10万円の支給を想定。生活保護制度では、大学に進学した子供は生活保護の給付対象外となるが、親と同居する場合は、住宅費の補助を減額しないことも検討している。
 一方、生活困窮者への支援を議論する厚労省の専門家部会は11日、自治体に生活保護受給者の健康管理を支援する事業を創設することや、貧困ビジネスへの規制強化などを柱とした報告書をまとめた。
 健康管理の支援事業では、福祉事務所が受給者の診療情報などから健康状態を把握し、医療支援が必要な場合、病院の受診を促して重症化の防止などにつなげる狙いだ。また、受給者が精神的な不安などから不要な通院を続ける「頻回受診」にも対策が必要だとして、精神保健福祉士らが病院などに同行する「付き添い指導員」の配置も求めた。
 貧困ビジネスへの規制強化については、困窮者向けの施設「無料低額宿泊所」に部屋の面積などの最低基準を設けることを提言。狭い部屋に住まわせて割高な利用料を取るような悪質な事業者に対し、業務改善命令などの行政処分をしやすくする。
 報告書を受け、同省は今後、生活保護法など関連法の改正案をまとめ、来年の通常国会に提出する方針。

ひきこもりなど就労支援事業 厚労省、自治体に義務付け検討

産経新聞 2017年12月12日

 ひきこもりやニートなどの生活困窮者を対象に就労準備を支援する事業について、厚生労働省が自治体に実施の義務付けを検討し始めたことが11日、分かった。同日開かれた社会保障審議会の部会に同事業の有効性をまとめた報告書を提出。来年の通常国会に改正生活困窮者自立支援法案の提出を目指すという。
 就労準備支援事業は生活困窮者自立支援法に基づき、平成27年度に開始。生活保護に至る前の「第2のセーフティーネット」として機能を発揮してきた。
 現行法では、自治体が事業を実施するかは任意だが、ひきこもりなどが生活保護に移行し、社会保障費が増大することが懸念されている。
 内閣府の昨年の調査(15~39歳対象)では、ひきこもりは全国で約54万人と推計されている。現事業は、生活困窮者らが「新しい環境に拒否感がある」「必要性がない」などと訴え、利用ニーズに問題が指摘されており、報告書も「利用すべき人の多くが本人の意思によって利用していない」と記載した。
 厚労省によると、事業を行っている対象自治体は全体の約44%にとどまる。事業には国から半分(あるいは3分の2)の補助金が出るが、事業が義務化されると小規模の自治体には財政負担が増え、反発も予想される。
 報告書では、「事業はいずれの自治体でも求められるもので、事業を積極的に行う意思のある自治体への支援が必要」と明記された。

不慮の事故による死亡第1位が「窒息死」なワケ
 
週刊SPA! 2017年12月12日

 厚生労働省の統計によると、昨年の「不慮の事故」での死亡者数は3万8306人。その内訳を見てみると、意外なことにダントツの1位は「窒息」による死亡事故(9485人)だという。この傾向を医師の大坂直紀氏はこう解説する。
 「’05年までは交通事故での死亡者数が長らく不慮の事故要因トップだったのですが(昨年は3904人)。高齢者の増加を反映し、昨今は窒息での死亡者が大きく上回っています。その原因の大半は食べ物の誤嚥。高齢者だけでなく、中高年でも誤嚥で亡くなる事故は毎年起きているので、年齢に関わらず注意が必要です」
 では、実際にどんな食材で窒息事故が多く起きているのだろうか?
 「餅が圧倒的に多いほか、2位以下も白米、パンと穀類が続きます。続いては団子、マシュマロなどの菓子類。むやみに口に突っ込むような食べ方は絶対NGです。そのほかソーセージや生のニンジンなど、その要因は実に多岐に渡っています。起床直後の覚醒していない状態での食事を避ける、変な姿勢で食事をしない、十分に咀嚼するなど、日頃の心がけでも誤嚥リスクは減らせるはずです」
 毎年報道される餅による窒息事故だが、「もし詰まらせた場合は、うつぶせ状態の相手の胸や下あごを支え、背中を何度も叩いて吐き出させてください」(大坂氏)。