1歳女児放置で熱中症死 県警、容疑の母親を逮捕 埼玉新聞 9月12日(木)

 8月の猛暑日に当時1歳8カ月の長女を18時間にわたり自宅アパートに放置し熱中症で死亡させたとして、県警捜査1課と大宮西署は12日、保護責任者遺棄致死の疑いで、さいたま市西区三橋6丁目、母親のアルバイト店員石塚香織容疑者(22)を逮捕した。

 逮捕容疑は、8月10日午前11時ごろから11日午前5時ごろまで、長女の凜愛(りおな)ちゃんを自宅アパートのエアコンのない2階居間に放置し、熱中症による脱水症で死亡させた疑い。

 同課によると、石塚容疑者は凜愛ちゃんと2人暮らし。凜愛ちゃんは歩くことはできるが、ドアの開閉はできなかった。窓を少し開け、扇風機をつけたままの寝室におむつとシャツ姿で置き去りの状態だった。近くにはジュースのペットボトル2本と食べかけのパン2個があった。

 石塚容疑者は10日午前11時ごろアルバイトに出掛け、11日午前4時ごろまで、大宮区内のカラオケ店と深夜の飲食店で勤務。「私が死なせてしまった」などと容疑を認めているという。「前から置き去りにしていた」とも話しており、同課は半年ほど前から常態化していたとみて調べている。石塚容疑者は以前、自宅で自分が熱中症気味になった経験があった。

 熊谷地方気象台によると、8月10日のさいたま市の最高気温は37・7度で今夏一番の暑さを記録。同課は、石塚容疑者の自宅は当時、室温40度以上になったとみている。

江東虐待死 「毎日手作り弁当」「3時間殴った」父の落差 毎日新聞 9月13日(金)

 東京都江東区の都営住宅で、無職の大平洋一容疑者(45)が幼稚園児の長男(5)を死亡させた傷害致死事件から1週間。大平容疑者が子に向け執拗(しつよう)に続けた暴行と、一方で「子育て熱心なお父さん」という周辺の評判には落差が浮かぶ。警視庁の調べに、4人の子供を育てる父子家庭の難しさをこぼす場面もあるという。【松本惇、山崎征克、藤沢美由紀】

 調べに対し、大平容疑者は当初、殴った時間について「午前9時半から30分間」と説明。しかしその後「午前10時から約3時間」と修正した。司法解剖の結果、死亡した龍桜(りゅうおう)君の体からは、脳内損傷のほか、背中から両足にかけて強い内出血が確認された。

 大平容疑者は自身の通院などを理由に、今月2日から幼稚園を休ませていた。事件のあった6日は午前9時過ぎに「少し遅れる」と電話が幼稚園にあり、正午ごろに同園が電話すると「(登園するか)分からない」と返答があったという。供述通りなら、こうしたやり取りの間も大平容疑者は断続的に龍桜君を殴っていたことになる。

 事件について「子供が片付けをしないことにずっとイライラしていた」と供述。また、睡眠障害があり、前日は一睡もできなかったという。

 捜査関係者によると、大平容疑者は約4年前に勤めていた建設会社が倒産して無職となり、約1年前に離婚。龍桜君のほか、小学4年の長女(9)、小学3年の次女(8)、三女(3)を引き取り、生活保護を受けながら生活していた。

 子育てへの熱意はあったようだ。

 幼稚園によると大平容疑者は、龍桜君の好きなミートボールが入った手作り弁当を毎日持たせ、親子遠足などの行事にも必ず参加していた。龍桜君も毎日元気に登園し、夏休み明けには「プールで(水に)顔がつけられた」とうれしそうに報告したという。園長は「成長を感じていただけにショック。かわいがっていたように見えたのだが」とうつむく。元妻も警視庁に「元夫が日常的に虐待していたとは思いません」と証言しているという。

 ただ、近所付き合いはほとんどなかったとされ、同じ都営住宅の女性は「小学校の旗振り当番もやらないし自治会費を納めない時もあった」。別の女性は、子供を大声で怒鳴ったり、たたいたりする姿を目撃したといい「理不尽な人」と強調する。幼稚園の評判との落差は小さくない。

 「龍桜は男の子なので強くあってほしいという思いはあった」。時折涙を流しながら供述を続けるという大平容疑者。留置場では常に正座を崩さないという。

さいたま女児放置死 母親ブログに心境「現実と思えない」 埼玉新聞 9月13日(金)

 猛暑日にさいたま市西区の自宅アパートで1歳8カ月の女児が放置されて死亡した事件で、保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕された母親の石塚香織容疑者(22)が公開しているインターネット上のブログで、長女・凜愛(りおな)ちゃんの死について「受け入れるどころか、現実だなんて思えません」と書いていたことが、13日までに分かった。

 ブログは凜愛ちゃんの死から8日後の8月19日付に更新。8月11日に娘が亡くなったと切り出し、「1歳8カ月とゆうとても短い人生となりました。熱中症。脱水症状。とゆう結果でした」。さらに、「まさか自分の娘がこんな事になんなんて思えないし…」と心境をつづっていた。

 ブログは「私が守ったる!女は強く!」という題名で凜愛ちゃんとの生活を写真入りで紹介し、定期的に更新していた。1月7日付では「戸田の花火見に行ったりして凜愛の顔がおもろかった」「予防接種も毎度毎度泣かれて行くん嫌なりそやったっけ」と昨年を振り返り、苦労しながらも子育てを楽しんでいる様子がうかがえた。

 「10月は仕事ばっかりで凜愛に寂しい思いさせたな だから昼の仕事変えて夜の日数も減らしたなあ!」と娘中心の生活ぶりをつづった部分もあり、「昨年は凜愛とゆう大切な大切な我が娘さんが産まれて慌しくていろいろ不安定な時期もあったけど楽しかったかな!」と締めくくっていた。

 一方、事件約1カ月前の7月8日付には自宅が暑過ぎると訴え、「上(2階)にエアコン買わなあかんかな?」と記し、7月14日付には財布を落とし親に相談したら、通報を受けた児童相談所の人が生活を心配して頻繁に訪ねてきたことを紹介。「かなりの仕事三昧で疲れとる」とつづっていた。

 ブログは凜愛ちゃんに8歳の姉がいると紹介するなど、事実と異なる部分も多く、石塚容疑者も県警の取り調べで、虚偽の内容が含まれていることを明かしているという。

 県警は14日、保護責任者遺棄致死の容疑で石塚容疑者を送検した。

3歳次女殺害の疑いで34歳の母親逮捕「自分も死のうと」 フジテレビ系(FNN) 9月18日(水)

 埼玉・所沢市で3歳の娘を殺害した容疑で、34歳の母親が逮捕された。母親は「首を絞めて殺した」と供述している。

 17日午後4時半ごろ、「自分の娘を殺した」と、埼玉・所沢市のマンションに住む母親から110番通報があった。

 通報を受けた消防と警察がマンションに駆けつけると、意識不明の状態で3歳の女の子が倒れていた。

 倒れていたのは、この家に住む成田 詩(うた)ちゃん(3)で、その後、搬送先の病院で死亡が確認された。

 警察は、殺人の疑いで母親の成田新奈(にいな)容疑者(34)を逮捕した。

 詩ちゃんの首には、圧迫されたような痕があり、警察の調べに対して、成田容疑者は「次女の首を絞めて殺した」と、容疑を認めている。

 成田容疑者を知る人は「初めて店に来た当初は、普通に笑顔見せたりしたけど、最近は無表情で、ちょっと大丈夫かなとは思っていました」と話した。

 成田容疑者は、会社員の37歳の夫と10歳の長女、次女の詩ちゃんとの4人暮らしで、事件が起きた当時、夫は仕事中で、長女は祖母の家に遊びにいっていて不在だった。

 近所の人の話によると、成田容疑者は、近所づきあいはあまりなく、自宅からは、子どもの泣く声がよく聞こえていたという。

 近所の人は「たぶん、この家だと思うけど、子どもの泣き声が聞こえることは、よくありました」、「朝のごみ出しにお母さんが部屋を出て行って、子どもが玄関のところに立って、わんわん泣いてて、『お母さん、早く戻ってきてー』って、すごく泣いてて。お母さんは笑いもせず、無の顔で、無関心ですたすた歩いて、ごみ出しして、スタスタ戻っていたのは見た。数日前に」などと話した。

 警察によると、詩ちゃんの遺体に、虐待によるあざなどはなかったということで、これまで警察が出動するようなトラブルもなかったという。

 警察の調べに対して、成田容疑者は「今後のことを悲観して殺してしまった。自分も死のうと思った」と供述している。

 詩ちゃんが倒れていた部屋には、遺書のような文言が書かれたノートがあり、そこには、借金による経済的な悩みが記されていたという。

 成田容疑者は、「お金がなかった」という趣旨の供述もしているということだが、警察は、成田容疑者の夫には、妻が借金で悩んでいたとの認識はなく、日々の生活などで困窮している様子もうかがえないことなどから、動機について慎重に調べを進めている。