明日、ママがいない 批評まとめ

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朝日新聞 御中
情報提供させていただきます。
日本テレビの「ご意見・ご感想」窓口に下記の通り、意見を伝えています。
ドラマの導入的説明文に誤りがあることを指摘させていただいています。
内容を吟味し、ご理解いただければ、記事の参考に使用されても構いません。
現時点では、このイントロダクションの誤りについて、本当に誰も気づいていないのか、気づいていて放置しているのか。疑問です。

ペンネーム
性別 kudo
年齢 51
タイトル
「明日、ママがいない」ホームページのイントロダクション

物語の舞台は、児童養護施設

児童福祉施設最低基準 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
(職員)
第四十二条  児童養護施設には、児童指導員、嘱託医、保育士、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士及び調理員並びに乳児が入所している施設にあつては看護師を置かなければならない。ただし、児童四十人以下を入所させる施設にあつては栄養士を、調理業務の全部を委託する施設にあつては調理員を置かないことができる。

 ドラマの職員人員配置では、児童養護施設の基準を満たして居らず、「児童養護施設」と表現しているのは不適切です。
 では、地域小規模児童養護施設としては、どうでしょう。

地域小規模児童養護施設の設置運営について
4.定員等
地域小規模児童養護施設の定員は、本体施設とは別に6人とし、常に現員5人を下回らないようにすること(ただし、指定の直後はこの限りでない。)。

 ドラマの児童人数は、ポスト、ドンキ、ピア美、ボンビ、オツボネ、パチ、ハン、リュウの8名であり、この時点で、地域小規模児童養護施設に当てはまりません。

5.設備等
(1)日常生活に支障がないよう必要な設備を有し、職員が入所している子どもに対して適切な援助及び生活指導を行うことができる形態であること。
(2)個々の入所している子どもの居室の床面積は、一人当たり4.95㎡以上(幼児については3.3㎡以上)とすること。ただし、平成22年度において指定を受けているものにあっては、なお従前の例による。
なお、原則として、一居室当たり2人までとすること。
(3)居間、食堂等入所している子どもが相互交流することができる場所を有していること。

 また、ドラマでは4人部屋となっているため、原則に反しています。

6.職 員
(1)地域小規模児童養護施設専任の職員として児童指導員又は保育士を2人置くこと。
(2)その他の職員(非常勤可)を置くこと。

 職員数についても規定を満たしていません。
 従って、ドラマの設定は、児童養護施設でも、地域小規模児童養護施設でもありません。
 「物語の舞台は、児童養護施設」と言う断定的な表記は、撤回すべきでしょう。

親の愛から見離された少女たちが集まる

 これは、ドラマの設定だから仕方ありませんが、現実の児童養護施設に住んでいる子どもたちが、みんな「親から見放された」子どもと誤解されたら心外です。保護者としても、「仕方なく預けるしか道がなかった」と言う方もいらっしゃる。例え、現実的に「見離された」状態であったとしても、その現実を受け入れられず、親を信じ続ける子どもたちも確かに存在しています。

そこは、親のいない子どもたちが暮らす場所

 舞台の年代が分かりませんが、この表現は、昭和40年代以前でないと当てはまりません。映像を見る限り、現在を舞台にしています。現在の児童養護施設では、「親のいない子ども」の比率は、低いため、児童養護施設を説明する文章としては不適切です。

子どもたちがやってくる理由のほとんどは   虐待だ

 すごく、断定的な言い回しです。この文言を信じた人は、児童養護施設の子どもたちは、みんな、虐待を受けているんだと捉えてしまいます。また、外部の人が面会に来ている保護者を見た時、「あの人が虐待していたんだ」と色眼鏡で見てしまう危険性を秘めています。確かに、措置理由として、「被虐待」もありますが、平成20年の調査では、児童養護施設の場合、53.4%が虐待を受けていたとの結果があるものの、それは、「ほとんど」と言う表現には当てはまりません。

 以上、イントロダクションの文言は、明らかに誤りです。番組宣伝のために故意に表記しているのであれば、法律条文を真摯に受け止め、修正することが、社会に対して大きな影響力を持つマスコミとしての誠意だと思います。

毎日新聞の「みんなの広場」に2014年2月5日に下記の通り投稿しました。

 「明日、ママがいない」公式ホームページのイントロダクションに「物語の舞台は、児童養護施設」と記載されていますが、それは、明らかに誤謬です。ドラマの職員人員配置では、児童福祉施設最低基準第42条の児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を満たしていませんので「児童養護施設」と表現しているのは不適切です。では、地域小規模児童養護施設としては、規定の設置運営について4.定員等では、定員は、本体施設とは別に6人とし、常に現員5人を下回らないようにすることとなっていますが、ドラマの児童人数は、8名ですので、地域小規模児童養護施設に当てはまりません。また、児童居室の状況、職員数についても規定を満たしていません。従いまして、ドラマの設定は、児童養護施設でも、地域小規模児童養護施設でもありません。「物語の舞台は、児童養護施設」と言う断定的な表現は、修正すべきでしょう。それが、社会に対して大きな影響力を持つマスコミとしての誠意だと思います。

東京ブレイキングニュースに2014年2月6日に下記の通り情報提供しました。

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 ドラマ「明日、ママがいない」について、児童養護施設で働く1個人として批評をまとめました。児童養護施設関係者以外の方の見解は、ネット上に溢れていますが、児童養護施設関係者の見解が少ないことは残念です。 http://kudohp.essay.jp/?p=1192 をご参照下さい。