あなたは、児童養護施設と、全く関係がないのですか?下記の「明日、ママがいないは、他人事?」でお確かめ下さいね。

明日、ママがいないは、他人事?

児童養護施設職員の業務例

 登場人物ロッカーの役柄は、職員となっていますが、ドラマではなく現実の職員さんたちは、どんな仕事をしているのでしょう。その業務内容については、当サイトのコンテンツを読んでもらえばわかりますが、ここでは、簡単に記しましょう。
 コガモの家のような運営の仕方を、現代風に表現すると小規模グループケアと言うことになります。第二次世界大戦前には、コテージシステムとして実践を始めた児童養護施設もあります。日本では、小舎制と訳されました。児童自立支援施設(旧教護院)も、小舎夫婦制と小舎交代制を採用し実践しています。
 さて、朝6時、まずは朝食とお弁当作りからスタートです。1軒の家に6名~8名の子どもたちが暮らしています。小学校は給食がありますが、幼稚園児・中学生・高校生にはお弁当が必要です。更に、通学距離の遠い高校生や部活で朝練がある場合は、早めに登校します。ですから、朝食もお弁当も大急ぎで準備しなければいけませんので大変です。6時半過ぎ頃から、子どもたちを起こします。声かけしたりカーテンを開けたり、その間に洗濯機を回しています。小学生以上が一通り起床したら、小さい子たちを起こして、お着替えしたりします。朝食を済ませ、歯磨きの声かけをしたり、登校準備を確認したり子どもたち全員に気を配ります。子どもたちの表情、顔色、仕草なども見て、具合が悪くないかのチェックも怠りません。小学生以上が登校したら、幼稚園への送りをします。一段落したら、食器洗い、洗濯物干し、掃除機掛けなどを済ませ、そうこうしているうちに、管理棟に行って朝の職員ミーティングに参加します。
 夕方からは、幼稚園へ迎えに行ったり、通院する子がいたら連れて行ったり、子どもたちに宿題をやるように声かけしたり、夕食の準備を始めます。小さい子をお風呂に入れたり、ある程度洗濯物が溜まったら洗濯機を回します。夕食は、6時になる日もあれば7時になる日もあり、その日によって変わりますが、可能な限り、みんな揃って食べるように心掛けています。夕食後は、食器の片付けや、洗濯物を畳んだり、小さい子を寝かしたり、高校生が床につくまで、何となく大忙しです。家の中が、落ち着いてから、それから1日の記録と引き継ぎ記録をパソコンに入力し終えて、やっと一日が終わります。
 これら、お母さんの役目を担うのは、女性の保育士さんだけではありません。勤務ローテーション上、男性職員が担うこともあります。職員は、お母さんの仕事だけではなく、他にもたくさんの業務がありますが、ここでは省略します。ちなみに、朝の時間働き、子どもたちが学校等に行っている時間を休憩時間として、夕方から働く、勤務形態を私たちは、断続勤務と表現しています。このような勤務形態は、子どもたちと共に過ごすと言う強い意志がなければ受け入れがたい勤務形態ですよね。
 ドラマなので、日常生活シーンを省略していることは理解できますが、例えば、ロッカーが一人で入浴しているシーンがありましたが、コガモの家には小さい子もいます。発達段階の基本的信頼関係や基本的生活習慣の取得がとても大切な時期の子どもたちにとってお風呂でのスキンシップは、とても重要であり、職員の動きとしては、小さい子と入浴している方が自然な流れです。
 また、小さい子の面倒をポストが見ているシーンがよく見かけられますが、日常生活の中では、もちろん、大きい子が小さい子の面倒を見てくれることもありますが、基本的には、職員の役目です。いくらフィクションと言えども、いくらロッカーのキャラクター設定と言えども、あまりに不自然すぎます。
 ドラマ「明日、ママがいない」は、ドラマジャンルとしては、何なのでしょう。方向性が見えません。

SF/ファンタジー系ドラマ?
コメディードラマ?
社会派ドラマ?
成長ドラマ?
ヒューマンドラマ?
ホームドラマ?
友情ドラマ?
児童向けドラマ?
福祉を題材にしたドラマ?
親子向けドラマ?

 既存のジャンル分けには該当しないドラマなのでしょうか。もちろん、一つ一つのドラマをジャンル分けする必要性はないのですが、ただ、ドラマを視聴するときの一つの指針にはなります。このドラマは、視聴者に何を提供しようしているのか、社会に対して何を訴えようとしているのかを感じ取るための指針です。
 ロッカーのキャラクター設定が、年長児童や、ボランティアさんであれば、まだ理解できますが、職員と言う設定は、登場人物設定としては、あまりにも稚拙すぎます。

 補足ですが、児童相談所職員の設定も突飛すぎます。それは、何故かについては、

児童相談所運営指針 厚生労働省

 で、お確かめ下さいね。