下記の記事は、日本テレビと同系列の読売新聞の記事ですが、この記事を、ぜひ、「明日、ママがいない」脚本家の松田沙也さんに読んでいただきたい。

増える児童虐待、目立つ「面前DV」…心の傷に 読売新聞 2014年3月6日
 増え続ける児童虐待の中でも、「心理的虐待」が深刻さを増している。警察が児童相談所に通告した子供のうち、この分類の統計を取り始めた2006年は168人だったが、昨年はその70倍以上になった。
 心理的虐待は、「生まれてこなければ良かった」などと子供に心ない言葉をぶつけたり、怖がらせたりする行為。児童虐待防止法で虐待の一形態として明確に規定されている。その急増の背景には、「面前DV」が目立ってきたことも大きい。子供に対する直接的な言動でなくても、配偶者への暴力を見せただけで、子供の心を傷つけるという考え方だ。
 心理的虐待の急増について、厚生労働省の担当者は、「子供に暴言を吐く行為が虐待にあたることを認識していない親もいる」と分析する。親が過大な要求を子供にして、子供が思った通りに行動しないことに不満を募らせ、「ストレスのはけ口として、心ない言葉で子供に心理的なダメージを与えているケースもある」と指摘する。

「心理的虐待は、…子供に心ない言葉をぶつけたり、怖がらせたりする行為。」

 ドラマ「明日、ママがいない」の第1話を彷彿とさせる記事です。ドラマの施設長さんは、実は、とても深い愛情があり、あれらの行為は、ドラマを最後まで観れば理解できると言う理屈ですが、児童虐待の中には、親の愛情表現がエスカレートし、躾から虐待へと暴走したケースがあることも事実です。
 第1話で表現された心理的虐待をドラマの中で、正当化することは、社会に悪影響を及ぼすことになります。「愛情があれば、子どもに暴言を吐いても良いんだ。子どもが大きくなったら、きっと分かってくれる。」的なドラマです。

「心理的虐待の急増について、厚生労働省の担当者は、「子供に暴言を吐く行為が虐待にあたることを認識していない親もいる」と分析する。」

 脚本家は、自分の執筆内容が、心理的虐待の表現になることを、実は認識していなかったのではないか。もし、認識していたら、第1話のように徹底的に心理的虐待を表現することは、人として出来ないでしょう。更に、ドラマを最後まで観て貰ったら分かります的なTwitterでの回答は出来なかったでしょう。

「親が過大な要求を子供にして、子供が思った通りに行動しないことに不満を募らせ」

 施設長役の舌打ちに表されています。「なぜ、俺の言うことが分からない。なぜ、俺の想いが伝わらない。」、それらの表現に杖を強く突いたり、舌打ちする行為が強調されていますが、児童虐待に至る初期段階を表しています。このドラマの脚本は、それすらも愛情に裏打ちされた行為と正当化しています。
 もちろん、児童虐待の背景は、とても、複雑で厚生労働省を始め様々な団体が調査をしたり、多くの専門家が、本を執筆しています。一言では表現できない事案ですが、少なくとも、児童虐待を正当化する理論は存在しないと信じています。

 奇しくも、ドラマ「明日、ママがいない」のドラマ上の表現について、系列会社の読売新聞の記事が、指摘している形になっています。ドラマを観る限り、脚本家の松田沙也さんは、「虐待を認識していない親」の側の立場なのでしょう。そして、その立場を貫き通しながら、ドラマは、最終回を迎えます。

『明日ママ』最終回目前で“号泣”祭り!? 「初回の酷評を撤回したい」「クレーム団体は反省しろ」の声も

日刊サイゾー 2014年3月7日

 全スポンサーがCMの自粛を続けている芦田愛菜主演ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)の第8話が5日に放送され、平均視聴率11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録したことが分かった。
 1月クール連ドラの全話平均視聴率において、これまで向井理主演『S -最後の警官-』(TBS系)に続き、民放2位につけていた同作。だが、この放送回で『緊急取調室』(テレビ朝日系)に抜かれ、3位に下がってしまった。
 同作は、次回の第9話が最終回。物語も佳境に入っており、第8話では、ピア美(桜田ひより)がピアノコンクールに出場。父親が会場に来ていることを知ったピア美は演奏をやめ、父親を求め泣き叫ぶ……。一方、ドンキ(鈴木梨央)は、「彼氏と別れたの」と自分勝手な理由で娘を引き取りに訪れた母親(酒井美紀)の元へ帰ることに。しかし、児童養護施設を後にするドンキの前に、里親候補の夫婦(松重豊、大塚寧々)が現れる……というストーリーであった。
 子どもたちが、親の愛を求め号泣するシーンが印象的だった第8話。ネット上では、以前の賛否がウソのように、「このドラマで、初めて号泣しました」「愛について考えさせられた。やばいくらい泣いた」「魔王(三上博史)の『事実の親と、真実の親は違う』というセリフが忘れられない」といった賛辞であふれ、次回が最終回であることを惜しむ声が目立つ。
 また中には、「初回を見て、このドラマを酷評しました。撤回します。(中略)第1話を見た時は、まさかこのドラマで号泣するとは想像もしていなかった。ありがとう。母になったばかりの、あの頃の気持ちを思い出しました。今夜、娘を抱き締めてあげたい」といった書き込みも。
 さらに一連の騒動に対し、「クレーム団体は反省してほしい」「スポンサーは、局の“最後まで見てほしい”という言葉を、なぜ無視したのか」「人がバンバン殺されるドラマにはスポンサーがいるのに……」と、あらためて疑問を投げかける視聴者もいるようだ。
「第8話で、風向きがガラリと変わった印象です。振り返ってみると、主人公が“親の顔を知らない”という点は重要でしたが、必ずしもあだ名が“ポスト”である必要はなかったですし、初回で魔王が子どもたちにあそこまで暴力的である必要もなかった。今回、脚本が、どの程度騒動の影響を受けているかは不明ですが、今になって評価が高まっているだけに、“もったいないドラマ”という印象です」(芸能ライター)
 ハッピーエンドへ向け、加速中の同ドラマ。最終回の放送後、世間からどのような総評が下されるのだろうか?

『明日、ママがいない』、“魔王”役・三上博史ファンサイトがクレーマーにより閉鎖へ

楽天WOMAN 2014年3月6日

 第1話放送直後から、「放送中止要請」「CM放映見合わせ」など、連日放送が相次いでいた芦田愛菜主演ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。しかし、来週の最終回を前に、「話題にすら上がらなくなった」ことで、関係者からは驚きの声が出ているという。
「第1話の放送後に、熊本・慈恵病院が『差別的な内容だ』と抗議会見を開き、放送中止や謝罪を要請していました。日テレ側は放送継続こそ宣言したものの、謝罪文を出して内容の一部変更を宣言し、一連の抗議に対して歩み寄りの姿勢を見せた。しかしその間には、スポンサー各社がCMの放映を見合わせる事態にまで発展しました」(芸能ライター)
 軌道修正されたドラマ内容は「ファンタジー路線か?」などとネット上では大不評で、また慈恵病院もHP上で視聴に関する注意喚起を掲載。こうして一時は連日トップニュースだった『明日ママ』の動向だったが、肝心の視聴率にはまったく結びつかなかったようだ。
「これだけ大炎上したにもかかわらず、視聴率は第3話の15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)が最高で、その後は11%台をウロウロしています。テレビ局関係者の間でも、『ここまで話題になっているんだから』と、どれだけの高視聴率を記録するのか注目されていました。NHK大河ドラマと、昨秋から2クール連続で放送中の『相棒』(テレビ朝日系)を除く、今期の連ドラ平均視聴率では、『S‐最後の警官‐』(TBS系)に次ぐ第2位にこそついていますが思ったほどではない。『見るなと言われると余計見たくなる』のが視聴者心理というものだと思っていたテレビ局側は、なぜ視聴率が伸び悩むのか、さっぱりわからないようです」(芸能プロ関係者)
 また、一連の騒動から飛び火して、出演者の1人である三上博史のファンサイトが、こんな災難に見舞われてしまっていた。
「一般人が運営していた三上のファンサイトが、閉鎖に追い込まれたんです。三上はドラマ内で『魔王』と呼ばれる児童養護施設の代表者役を演じていますが、脚本上で悪役を演じているからと、実在の団体や養護施設が閉鎖を要請したんだとか。閉鎖に関するお知らせには、『ドラマへの抗議に乗じたモンスタークレーマーかもしれない、荒らしかもしれないとも思ったのですが、あまりのことに身の危険も感じ・・・』という一文もありますが、単なるイタズラだったのか、その真偽は不明です」(前出・ライター)
 前代未聞の話題作となった『明日ママ』。結果的に、数字に結びつかない上に筋違いな炎上まで発生したとあって、テレビ局や出演陣にとっても完全な“黒歴史”として終わってしまうのだろうか。