公式ホームページ掲示板や各種掲示板、ブログ、Twitter、Facebook等のSNSへの書き込みを肯定派・中立派・否定派と3つに分類して検証してみます。
 そこで、見えてくるのは、見解の方向性の相違です。肯定派は、ドラマ内容に対して、肯定的に捉えていますが、否定派は、ドラマ放映に対する放送局の姿勢に対して否定的に捉えています。
 つまり、書き込みの主題が異なるため、見解が交わることがありません。ネット上で討論しても空回りするだけです。そんな中、時には訴えるような文言で、相手側を否定するような書き込みも見られ、それは、互いの精神衛生上、(-)の効果しか生まれないのではないかと憂慮しています。
 例えば、公式ホームページの掲示板ですが、放送局が投稿内容を検閲し、放送局に都合の良い投稿だけに絞り込んで公開しているとは言え、ドラマの内容について、実に感受性豊かな書き込みが目立ちますが、これは、別に、「明日、ママがいない」の掲示板だけに表出する現象ではありません。つまり、それほど特別な状況ではないでしょう。
 従いまして、これらの書き込みを肯定派に分類するのではなく、これらの書き込み内容を肯定的に捉えている書き込み者を肯定派と捉えました。何故ならば、そのような方が、どちらかと言えば、放送局の姿勢に対して否定的なブログやSNS等へ、感情論的な書き込みをされているのが目立つからです。
 書き込み内容の傾向については、否定派のブログやSNSは、何故、否定的なのかの根拠を示しているパターンが多いのですが、そのような場所へのコメント書き込みする肯定派の書き込みには、相手の主張を否定する根拠が示されていない書き込みが残念なことに目立ちます。「良いドラマなのに何故、否定するの」と言うのが大筋の書き込みです。大概の場合、それらの書き込みに対して、否定派のみなさんは、返答に困っている状況が見て取れます。それは、そうでしょうね。文書の一部分だけ抜き取られると、ドラマ内容を否定的に捉えているように見えても、文書の全体像は、放送局の姿勢に対する否定なので、文書の一部分だけを取り上げられても困るわけでしょう。
 中立派はどうでしょう。肯定派、否定派の主張に耳を傾け中立の立場にいる人、興味本位で事態の様子を窺っている人、ドラマを娯楽として楽しんでいるだけなので騒動に興味がない人などなど、様々でしょう。
 日本は、憲法、

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

 で表現の自由が許されています。しかし、ネット上の書き込みに対しては、マナーを守りましょうとのお約束で表現の自由を無制限ではなく、ある程度の制限を課しています。
 様々な場所に書き込みする場合、出来れば、感情的にではなく、論理的な書き込みをされるほうが、相手に対して、伝わりやすいと推測できます。また、捨て台詞のような書き込みも良い印象ではありませんので、可能な限り根拠を示しながら書き込みされた方が良いかと思います。

 児童養護施設が、他人事ではなく、自分たちにも関係するかも知れないことは、「明日、ママがいないは他人事?」で説明していますが、現実に起こった具体例をご紹介しますので、自分が、その立場だったらと捉えて、読んでみて下さい。共感できますか、それとも、この事例は、当サイト運営者の作文だろうと一蹴しますか。

 ご家庭の事情で、児童養護施設にお子さんを預けざるを得なかった保護者のかた、毎月1回確実にお子さんに面会に来られています。この保護者の方が、ドラマ「明日、ママがいない」を観て不安で落ち込んでいますとのご相談があり、対応として、保護者、児童養護施設担当者、児童相談所担当ケースワーカーの三者で話し合いをしたとのことでした。
 「私たちが生きてる内は、今の児童養護施設で子どもたちを育てて貰えると思いますが、もし、私たちが死んだ後、もしかしたら、子どもたちが里親さんに預けられたり、他の児童養護施設に移動したりしないか、心配です。」
 「ドラマに出てくるような里親さんに我が子が預けられたらと思うと心配です。」
 「ドラマのような児童養護施設に我が子が移動させられることもあるのですか。」
 「ドラマのような扱いを子どもたちが受ける児童養護施設もあるのですか。」
 「色々思い巡らされ、自分たち亡き後、我が子が不幸になるかも知れないと思うと不安です。」
 児童相談所や児童養護施設から十分な説明を受け、ある程度納得した上で、お子さんを児童養護施設に預けている保護者の方でさえ、ドラマ「明日、ママがいない」の舞台設定で、不安に陥ることもあります。
 三者面談により、児童相談所や児童養護施設の担当者が、具体例を交えながら、懇切丁寧に説明をして、保護者の不安を払拭することが出来ましたが、この事例は、保護者が相談してくれたので、解決したと言えます。

 相談する勇気が持てない保護者の方は、今でも不安がっているかも知れません。
 多分、殆どの保護者の方は、ドラマを視聴していないか、視聴していても、ドラマはドラマとして、特に意識することなく視聴しているパターンだとは推測します。