性教育に不当介入 賠償が確定

 NHKニュース11月29日

東京・日野市にあった養護学校が行っていた性教育を平成15年に当時の都議会議員が批判し、都の教育委員会が不適切だとしてやめさせたことについて、「不当な介入だ」と判断して、東京都と議員に賠償を命じた判決が最高裁判所で確定しました。

東京・日野市にあった当時の「都立七生養護学校」では、児童や生徒に性について正しく理解してもらうためとして、歌や人形で男性と女性の体の仕組みなどを教える性教育を行っていました。 しかし、平成15年に当時の都議会議員3人が学校を訪れて内容を非難したうえ、都の教育委員会が教師を厳重注意などの処分にしたため、性教育が続けられなくなったとして、教師や保護者が裁判を起こしていました。
1審と2審は、いずれも「教育の自主性をゆがめる不当な介入で処分は裁量権の乱用だ」などと指摘し、東京都と議員3人に賠償を命じていました。 これについて、最高裁判所第1小法廷の金築誠志裁判長は29日までに上告を退ける決定をし、東京都と当時の都議会議員3人に合わせて210万円の賠償を命じた判決が確定しました。

横浜市の保育制度利用 女の子死亡

 NHKニュース11月29日

保育士が自宅などで幼い子どもの世話をする、横浜市の保育制度を利用していた家族の1歳7か月の女の子が28日死亡し、警察で死因や当時の状況などを調べています。

横浜市によりますと、28日午後4時すぎ、横浜市旭区の女性の保育士が、マンションの部屋で預かっていた1歳7か月の女の子がぐったりしているのに気付き、女の子は救急車で病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。
当時、保育士は合わせて3人の子どもを預かり、女の子は布団で昼寝をしていたということで、「20分前に確認したときに異常は見られなかった」と話しているということです。 また、保育士の話では、女の子は1か月以上かぜを引いた状態で、当日の朝、体温は37度4分だったということです。
警察が調べたところ、女の子に目立った外傷はないということで、警察が死因や当時の状況を調べています。
横浜市では仕事や病気で子どもの世話ができない保護者のために、3歳未満の子どもを保育士の自宅など家庭的な場所で預かる、「家庭保育福祉員制度」を設けていて、女の子の家族もこの制度を利用していました。
横浜市は「市としても問題の所在について調べていきたい」と話しています。

虐待受けた児童への精神科治療充実へ

 NHKニュース11月29日

中医協=中央社会保険医療協議会の総会が開かれ、厚生労働省は、児童虐待の件数が増え続けているなか、来年度・平成26年度の診療報酬の改定では、虐待を受けた子どもへの精神科の治療を充実させることを提案しました。

厚生労働省によりますと、全国の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談は年々増え続けていて、昨年度・平成24年度は6万7000件近くに上りました。
問題の深刻化を踏まえて、厚生労働省は、29日の中医協=中央社会保険医療協議会の総会で、来年度の診療報酬の改定では、虐待を受けた子どもへの精神科の治療を充実させることを提案しました。具体的には、子どもの治療の経験を持つ精神科の医師と、児童相談所が連携していく体制を整えたと認められれば、医療機関に支払う診療報酬を増やすとしていて、総会では、特に異論は出ませんでした。
一方、総会では、精神疾患の治療で使われる向精神薬の取り扱いを巡っても意見がかわされました。この中では、過剰な投与による副作用のリスクを下げるため、一定以上の種類の薬を投与した場合には、診療報酬を減額している今の制度について、その対象となる薬の種類などを広げるべきだという認識で一致しました。