BPOが「明日ママ」を審議対象としなかった理由は?

エコノミックニュース 2014年4月12日

 14年1月~3月にかけて放送されたドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ系)。児童養護施設を舞台に、懸命に生きる子供たちの姿を描いた作品だが、全国児童養護施設協議会や「赤ちゃんポスト」で知られる熊本の慈恵病院などが「人権侵害のおそれがある」「施設の実態とかけ離れている」などと抗議していた。日テレは後半の番組内容を改善。番組は最終回まで放送された。
 放送終了後、放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送と青少年に関する委員会」では、この番組を「審議の対象としない」と判断。なぜ、問題があるとされた番組を審議しないのか。汐見稔幸委員長は異例の「委員長コメント」を公表した。
 コメントによると、主人公のあだ名や施設長の暴力的なふるまいなどの演出は、ドラマの効果上「あった方がよい場合と、ドラマであっても必要があるとは思えない場合がある」。そこに公共放送であるということや、放送時間帯などの問題が付け加わり、「いい悪いの境目をどう引くか」は非常に難しい。
 「明日ママ」には、施設の描き方が「当事者をあまりに無視している」との批判が多く寄せられた。一方で「こうした世界が実際にあり、恵まれない条件でも必死に生きている子供たちがいるということを、このドラマで初めて詳しく知った」という意見もあり、BPOとしては最終回まで見た上で判断することにした。
 委員会では、番組のストーリーが後半にかけて変化していったと評価。主人公のあだ名など「解決されない問題」は残ったが、「全体としては次第に視聴者に受容される内容になっていった」。施設で暮らす子供たちの「生き様の問題」に焦点を当てた意義も評価し、審議の対象から外すことにしたという。
 だが委員長はコメントの最後で、ドラマの内容から「心の傷を深めたり再発した可能性のある子どもがいる」と改めて強調。放送局側には関係者に対し、「あらためて誠意ある態度を示すこと」を求めた。異例の「委員長コメント」を出すことになった「その含意を汲み取ってほしい」としている。(編集担当:北条かや)

羽鳥市に拠点開設 県が児童養護施設“卒業生”を支援

岐阜新聞 Web 2014年04月11日

 仕事や住む場所を失うなど、児童養護施設を18歳になって退所したが支援を必要とする人たちのためのサポート拠点が羽島市内に開設された。退所者を支える仕組みとして、今月、県が新しくつくった。助けを必要としている退所者をサポートする、行政による県内では初めての拠点となる。

18歳で退所 住居探し、就活対応
 虐待や経済的な理由などで親の養育が困難な子どもたちが入所する児童養護施設は県内に10カ所あり、約500人が暮らしているが、18歳を過ぎたら退所して自立を目指さなくてはならない。県内では年間で約30人になるが、施設退所後、多くは1人で社会に飛び込むことを迫られる。保護者や家族の支えは期待できず、相談する人や場所も限られ、社会になじめず孤立するケースもある。
 中には「きょう寝る場所がない」というSOSが出身の施設に寄せられることがある。アパートの家賃が払えなかったり、恋人からドメスティックバイオレンス(DV)を受けたりした人もいる。今までは、育った施設の職員が個人的に対応するケースが多かった。
 拠点は、悩む退所者の相談を一括して受ける場所にする。就職活動や住居探しを手伝い、進学を望む人には奨学金などの情報を提供する。
 要望の多かったシェルターも設けた。集合住宅内の拠点の1室を1、2泊できるよう整備。食料も置いた。虐待を受けた経験のある人や個人のプライバシーを守るため、場所は非公開としている。
 運営はNPO法人ぎふ羽島ボランティア協会(羽島市竹鼻町)に委託。同協会は児童養護施設退所者らが暮らす自立援助ホームを所有しており、ノウハウがあるという。
 10日に内覧会があり、同協会の川合宗次理事長は「退所者の中には行く場所がない子がいる。障害のあるケースもある。拠点をそうした人たちの第二の家にしたい」と話した。

マダニ感染症で宮崎の男性死亡 国内22例目 全国で感染に注意

ハザードラボ 2014年4月11日

宮崎市は10日、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で70代男性が死亡したと発表した。国内での死亡確認は22人目。マダニは春から秋にかけてが活動期にあたり、国立感染症研究所は全国的に注意するよう警鐘を鳴らしている。
SFTSは、ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染。6日〜2週間ほどの潜伏期間を経て発熱や嘔吐、下痢、食欲低下などの症状が出て、重症化すると呼吸不全や下血などを引き起こす。
宮崎市によると、70代男性は3月末から微熱があり、4月4日に医療機関を受診し、8日に死亡。ダニにかまれた痕があり、国立感染症研究所でSFTSウイルスと確認された。海外渡航歴はなかったという。
国内では昨年1月に初めて発症例が報告され、これで発症患者は54人、うち死者は22人となった。発症例はこれまでのところ西日本のみだが、国立感染症研究所が九州から北海道までの26道府県でマダニを調べたところ、23道府県でSFTSウイルスが検出され、マダニは全国に分布しているとみられている。
マダニは、鹿やイノシシなど野生動物の住む草むらや畑、民家の裏山に生息しており、春から秋にかけて活動する。東日本でも感染する可能性があり、同研究所は野外活動の際は肌の露出を避けるなどの対策を促している。

処方クリームに細菌性など皮膚感染症使用禁忌のステロイドが混入

QLifePro医療ニュース 2014年04月11日

横浜市の山口医院でアトピー性皮膚炎に処方
 神奈川県横浜市都筑区の山口医院が、アトピー性皮膚炎に処方していた「漢方クリーム」で、説明とは異なり、ステロイドが混入していたことが判明した。4月4日、病院側が対応方針などについて説明するとともにこれまでの経緯を明らかにし、謝罪のために患者説明会を開催した。
 今回、ステロイドが入っていないと説明していたにもかかわらず、実際にはステロイドが混入していることが判明したのは、山口医院がアトピー性皮膚炎患者に対し、1番、2番という案内で処方していた外用剤。使用による副作用の恐れがあるため、消費者庁リコール情報サイトでも、対象のクリームを使用している患者に対し、皮膚科を受診するよう案内している。

設備清掃の不備でクロベタゾールプロピオン酸エステルが混入
 山口医院の発表によると、処方していた「漢方クリーム」は、中国中医研究開発公司に製造を委託していたもので、ステロイドが混入しているのではないかとの指摘を受けたことから、同医院が調査を依頼したところ、設備の清掃に不備があったため、平成25年出荷分の外用剤について、同じ設備で製造していた他の製薬会社向けステロイド製剤が混入した可能性があるとの回答を得たという。
 混入していたのはクロベタゾールプロピオン酸エステルで、ステロイドのなかでも1群に分類されているもの。湿疹に対して効果がある一方で、細菌などの皮膚感染症に対しては使用禁忌となっている。皮膚萎縮や緑内障などの副作用の恐れもあり、注意が必要だ。
 山口医院では今回の事態を重く受け止め、今後この中国中医研究開発公司から供給を受ける製品について、「漢方クリーム」以外のこれまで提供してきた全ての外用剤も含め、取り扱いの中止を決定。引き続き原因究明と再発防止に努めていくとしている。(紫音 裕)

浅田真央、人生で2回目のギネス認定

中央日報日本語版 2014年04月11日

浅田真央(23)が人生で2回目のギネス世界記録を打ち立てた。
日本のスポーツ媒体スポニチ・アネックスは11日、日本男女フィギュアスケートを代表する羽生結弦(19)と浅田真央がショートプログラム最高点数でギネス世界記録が認められたと報道した。このメディアは浅田はギネス認定が2回目であると明らかにした。
ギネス・ワールド・レコーズ社は10日、羽生と浅田がショートプログラムで樹立した世界歴代最高点数をギネス世界記録として認めたと発表した。
羽生は2月に行われたソチ冬季オリンピックのショートプログラムで世界で初めて100点を超える101.45点を記録した。また、浅田は先月の世界選手権大会で78.66点を受けた。浅田はすでに2010バンクーバー冬季オリンピックで合計3回のトリプルアクセル成功を認められ、ギネス認定されている。
浅田と羽生は11日、日本の国立代々木競技場で開かれるアイスショー「スターズ・オン・アイス」の公演が終わった後、認定証を受ける。

8歳女児虐待死2事件、国民の怒りにも司法は冷情判決

朝鮮日報日本語版 2014年4月12日

 慶尚北道漆谷郡で8歳の女児を暴行し死亡させた継母(36)に対し11日に行われた判決公判は、たったの8分で終わった。被害女児とその姉が継母と一緒に暮らすことになった経緯について裁判官が説明を始めるや、被害女児の実母は肩を震わせておえつした。伯母は全身をけいれんさせ、おう吐し、まともに息ができない状態だった。裁判官が継母に懲役10年の判決を言い渡した瞬間、伯母は「そんなばかな。いっそのこと私を殺してください」「死刑にしてください」と泣き叫んだ。
 漆谷郡と蔚山市でわずか2カ月の間に、共に8歳だった夫の連れ子に暴行を加え死なせた2人の継母に対し、国民の怒りは頂点に達したが、司法の判断はあまりにも冷たいものだった。裁判官たちの量刑基準は国民感情とは大きく隔たっていた。
 昨年8月14日、漆谷郡の被害女児の継母の女(36)は、テレビを見ているときに女児が大声を出し走り回っていたのに腹を立て、足で20回以上腹を踏みつけたり、口をふさぎ顔をこぶしで殴ったりした。この暴行により腸を損傷した女児は、瀕死の状態にありながら放置され、2日後に病院に搬送されて間もなく死亡した。父親(38)も、女児が危険な状態にあることを知りながら放置した。11日に行われたこの事件の一審の判決公判で、大邱地裁刑事11部(キム・ソンヨプ裁判長)は被告の女に対し懲役10年、夫(被害女児の父親)に同3年の判決を言い渡した。
 一方、昨年10月24日、蔚山市で8歳の女児を暴行し死亡させた女(41)は、女児が「友だちとピクニックに行きたい」と言ったのに腹を立て、55分間にわたって殴る蹴るの暴行を加え、浴槽に放置した。女児は肺の破裂により、その日のうちに死亡した。11日午後に行われた女に対する判決公判で、蔚山地裁刑事3部(チョン・ゲソン裁判長)は懲役15年の判決を言い渡した。
 大邱地裁は、漆谷事件の被告の女に懲役10年の判決を下したことについて「傷害致死罪および児童福祉法違反罪を適用し、量刑を決めた」と説明した。
 一方、蔚山事件の被告の女は被害女児に対し、肋骨(ろっこつ)16本を折るほどの暴行を加えたが、蔚山地裁は「故意による殺人とは認められない」として、検察が主張した殺人罪ではなく傷害致死罪を適用した。両事件の判決に対し、多くの国民は「納得できない」という反応を示している。10歳にも満たない被害女児が味わった精神的な苦痛や恐怖を思い浮かべる多くの国民に対し、裁判所は被害女児に対する暴行の程度を機械的に見極め、判決を下したという印象が感じられる。
 両事件の判決に対し、検察は共に控訴する方針だ。

【社説】踏みにじられた子どもの生命、私たちは何をしてきたのか=韓国

中央日報日本語版 2014年4月12日

 児童虐待は自分を保護する力がない子どもを対象にした一方的な暴力だ。その点でどの犯罪よりも悪性といえる。子どもに治癒が難しい肉体的・精神的な傷を残し、さらに命まで失わせる。その間、「訓育のための体罰」という名分で行われてきた家庭内の児童虐待に対し、果たして我々は真摯に努力してきたのか省みる必要がある。
 社会に大きな衝撃を与えた2件の児童虐待死亡事件に対し、昨日、一審の判決が出た。大邱地裁は昨年8月に慶尚北道漆谷で娘を暴行して死なせた容疑(傷害致死など)で拘束、起訴された継母(36)に懲役10年を言い渡した。また死亡した娘を虐待した容疑で在宅起訴された父親(38)に対しては懲役3年を言い渡した。これに先立ち検察は継母に懲役20年を、父親には懲役7年をそれぞれ求刑した。また蔚山地裁は娘を暴行して死なせた容疑で拘束、起訴された継母(40)に傷害致死罪を適用し、懲役15年を言い渡した。検察は殺人罪を適用し、死刑を求刑した。
 両地裁が「児童虐待は厳重に処罰されるべき」という点を強調したが、事案の性格を勘案すると、実際の量刑は国民の感情とかけ離れたものだ。漆谷事件の継母は8歳の娘に虐待を続け、娘が死亡すると12歳の姉の犯行にしようとした。蔚山事件の継母は「遠足に行きたい」という娘に暴行し、肋骨14本を骨折させ、肺に刺さって死なせた。量刑について多くの国民は「軽すぎる」と受け止めている。児童虐待を根絶するためにもより厳しく処罰すべきという期待と距離があるのが事実だ。控訴審で処罰の程度に対する再検討がなければならない。児童虐待死亡に対して殺人罪を認め、無期懲役刑を言い渡す米国や英国の事例も検討する必要がある。
 また、政府が児童虐待事件が発生する度にその場だけの対策を出して済ませる態度を繰り返してきたという点を指摘するしかない。2012年から虐待申告義務制を強化するとしたが、制度施行後に申告義務を履行せず過怠金が科された事例は1件にすぎない。また、蔚山事件をきっかけに昨年末、国会が児童福祉法改正案などを議決したが、施行に必要な予算が編成されなかった。今回も政府とセヌリ党が児童虐待と福祉死角地帯を解消するため福祉公務員5000人を増員することにしたが、実践されるかどうか疑問だ。
 過去12年間に虐待で死亡した児童は97人にのぼる。公式統計に反映されなかった被害者ははるかに多いだろう。このような悲劇が再発しないよう、大人が怒りとともに責任感を痛感する必要がある。最も弱い子どもの基本人権さえ保障できない社会がなぜ存在しなければならないのか。「児童福祉法は子どもの血を食べて生きる」という言葉ほど恐ろしい現実はない。

【コラム】あまりにもひどい“整形大国”韓国…複製人間たちに一言

中央日報日本語版 2013年10月31日

「交通事故が起きた時は、救急病院ではなく整形外科に行くと傷跡もなくうまく回復するらしい」。
先月、韓国の実家で会話中に母が言った言葉だ。うわの空で聞いていたわけでもないが内容が一瞬分からなかった。
「事故でケガをして、なぜ整形外科に行くの? 整形外科は二重まぶたにして鼻を高くし、あごを削ってシワ取りをする所じゃないの」。母の「ごもっともな」言葉にもかかわらず、思わずこんな考えがめぐったからだ。「整形」といえば「美容」という自動連想で、「傷の矯正」や「機能障害改善」という本来の業務がすぐに結びつかなかったのだ。
その瞬間、失笑した。傷を縫おうとしてそんなに多くの整形外科があるわけがなく、傷を縫いながらも、それほど多くの整形外科が広告に熱を出すはずはないからだ。
今や大韓民国は整形共和国だという。見苦しい姿というよりも、皆狂っていると言うしかない。顔が何か画用紙や布切れにでもなるというのか。切って、取り除いて、裂いて、えぐり取って、さらにとり付けるいたずらをし続けるように。いっそ顔自体をプラスチックに変えてはめて防腐剤まで飲ませればいい。すると一生シワの心配をしなくても済むではないか。
整形うんぬんの中でも一番聞きたくないのは、この頃は男性たちまで加勢した「童顔信奉」だ。単に若く見せたいという理由で、中年は青年を、青年は10代をうらやむという奇異な現象をまったく理解できない。それではティーンエージャーたちは赤ん坊に憧れるのだろうか? 聞いたことがないので分からない。なら赤ん坊は胎児の童顔を望むのだろうか? 会話ができないから聞くことはできない。
若く見えるからといって、人生の何がどう変わるというのか。若く見えることが人生の幸福や意味と何の関係があるのか。
こんなありさまでは顔がアイロンがけしたようにぴんと張っていても、心はいち早く年のわりに老けてしまう。「体は老いても心はそのまま、16の青春でただひたすら10代」という言葉を、近頃は逆にするべきだ。50歳を過ぎても体はそのままなのに、長い間、童顔を信奉する言葉を聞き続け、心は10代なのにもう(年寄りのように)衰えている。こうなれば生きていても生きている気にはならないだろう。白雪姫の継母のように毎日鏡だけのぞき込み、戦々恐々と不安におびえているのだから。
言葉ではこう言っているが、韓国に行くと率直に私も憂うつになる。「整形手術のようなものはしない。自然に老いていくべきだ。私の老いを許してほしい!」という文を通じてときどき“偉そうに”言っていたので、今さらほかの人々のように整形手術をすることもできない。それでも、私だけ老けて見えるのも嫌だ。「整形手術、私はそれをしない」と結論を出して生きる人にとっても、ずっと気楽ではいられないということだ。
ここを削れ、あそこを縫えとたびたび指摘したり他人をけしかけたりするようになると、精神的に落ち着かず億劫になり、自分の人生に集中することができなくなる。これほどの状況になれば「若さというのは20代の青年に戻るのでなく、自分の年齢に合った青春を毎回新しく『創造』することなのだ」といった哲学者の話もなぐさめにしかならない。
であれば、どうするか。「生老病死」という極めて自然な人生の営みから「離脱」しようとする苦闘を、どのように受け入れるべきか。
「疎外」という言葉をよく言うが、疎外というのは「見慣れない」という意味とも言える。「見慣れない」は、自分ではない外部の対象からくる落ち着かない感情、あるものが目的ではなく手段になる時に発生する概念をいう。
疎外の中で最も恐ろしい疎外は、人間疎外を超えた「自己疎外」だ。自分が「見慣れなく」なって、正体も自尊心も崩れる。「存在」自体が危うくなるのだ。「他人の目に見える私」を追う瞬間、私はすでに1つの消費財であり屋台に置かれた商品になってしまうことなのだ。自身を商品化して他人の機嫌を取ろうとすれば、自分自身が「見慣れなく」なり、安定した人生を続ける知恵を得ることはできない。
韓国のほかに、地球上のどこの国で自分の顔が気に入らないからと言って「ぱっとやり直して、みな変えて」しまうことができるだろうか。恐ろしい考えであり、恐ろしいことだ。二重まぶたになった目、すっと高く立った鼻筋、あごを削った「複製人間」たちや、ぴんと張った顔の中年に出会うたびに私は、こんなふうに叫ぶ。「私が老いるのを、そのままにしておいて!」と。
シン・アヨン在豪州コラムニスト