死者は21人に、厚生労働省が統合失調症薬「ゼプリオン」に注意指示

IRORIO(イロリオ) 2014年04月17日

厚生労働省が統合失調症薬の「セプリオン」に安全性速報(ブルーレター)を出したことが分かった。

約5か月間で21人死亡
セプリオンはヤンセンファーマ社が発売する統合失調症治療薬で、「4か月半で17人死亡例の統合失調症薬『ゼプリオン』に注意喚起(4月9日)」で書いたように、利用者の中に短期間で多くの死者が出たことから、危険性が指摘されていた。
死者数は17人から21人に増えているが、発表された資料では詳細な死亡時期まで明らかにしていないため、同社が医療機関向けに注意喚起を行った前か後かは不明だ。

ブルーレターとは?
安全性速報(ブルーレター)とは、薬品などの安全性に疑念が生じ、通常の注意書きの改定よりも緊急性があると判断した場合に出るもので、今年1月にはバイエル社の月経治療薬「ヤーズ」にも出ている。
より緊急性が高いと判断した場合には、緊急安全性情報(イエローレター)となる。平成19年には中外製薬の「タミフル」にイエローレターが出ている。

因果関係は不明のまま
具体的な注意として「不安定な患者には使用しない」「リスペリドン持効性懸濁注射液(販売名:リスパダールコンスタ筋注用)からの切り替えには注意」「パリペリドン又は類薬であるリスペリドンが未経験の患者には、一定期間経口剤を投与して安定を確認」となっている。いずれにしても慎重な使用を求めている。
問題は死亡とセプリオンとの因果関係が明らかになっていないことだ。先の記事でも書いたが、既に認可された他国では、日本のように短期間で多数の死者が出ていないことを考えると、日本ならではの投薬治療に原因があるのかもしれない。これまでにも過剰な投薬を問題視する声が出ていた。死者がこれ以上、出ないことを願うばかりだ。

厚生労働省「統合失調症治療薬『ゼプリオン水懸筋注』に関する安全性速報(ブルーレター)の発出について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000043861.html

4か月半で17人死亡例の統合失調症薬「ゼプリオン」に注意喚起(4月9日)
http://irorio.jp/agatasei/20140409/126843/

社会保険料滞納情報を誤送付 厚労省所管の審査会

朝日新聞デジタル 2014年4月17日

社会保険についての不服審査をする厚生労働省所管の社会保険審査会が、審査を申し立てていた会社に、別の計23社分の社会保険料の滞納情報や社名が書かれた資料を誤って送っていたことがわかった。厚労省が16日、発表した。
厚労省によると、この会社は社会保険料滞納の差し押さえ処分に不服を申し立てていた。3月、審査に関する資料を同審査会から送った際、一覧表にあった別の会社の滞納情報を黒く塗りつぶすのを忘れたという。担当者が気づき、資料の返送を求めた。現在のところ、情報の流出などは確認されていないという。

法人のグループ化で介護施設や病院の経営をスマートに、厚労相が来年中の制度創設を表明

情報サイト Joint 2014年4月17日

田村厚生労働相は16日、「経済財政諮問会議」と「産業競争力会議」の合同会議で、介護施設や病院を持つ複数の法人を一体的に経営する非営利の「持ち株会社型法人」について、来年中に制度を創設する考えを示した。
非営利の「持ち株会社型法人」は、別々の医療法人や社会福祉法人を1つに束ね、病院や診療所、老健、特養といった異なる施設を一体的に運営する制度。医療と介護の連携を深めることや、経営の効率化でコストを下げることなどが狙いだ。厚労省の原案では、介護事業を行う株式会社などへの出資を認めることも提案されている。