児童養護のホントのところ、を語るパネルディスカッション
『明日、ママがいない』は、何を変えたのか。私たちは、どう変わっていくべきか。現場の声を伝えるイベントです。

日時:2014年5月17日(土)14:00~17:00(※13:30開場) 懇親会17:30〜
会場:パソナグループ東京本社8階ホール (東京都千代田区大手町2-6-4)
参加費:2,000円 シンポジウム
3,500円 シンポジウム&懇親会
※学生料金(-1,000円)が適用されます。
→受付にて1,000円をお返しします。学生証をご提示ください。
※12歳以下のお子様は無料です。

閣議の議事録が日本史上初めて公開されたそうです。

平成26年4月1日(火)定例閣議案件

議事録は、PDFで公開されているためダウンロードも可能です。
全6ページですので、歴史の証人としてチェックされることをお勧めします。

特別養子縁組 家庭で幸せになる権利

中日新聞 2014年4月22日

血縁のない子どもと大人が法的に実の親子関係を結ぶ特別養子縁組がなかなか広がらない。子どもの成長に制度が果たす役割は大きい。担い手や費用、事後ケアなどの課題に早急に取り組むべきだ。
子どもが育つ中で、特別に相対する親の存在は大切なものだ。
特別養子縁組は、実親が育てられない六歳未満の子を血縁がなくても「実子」とし、法的に親子関係となる。一般の養子縁組では、養子が実親との親子関係を残した戸籍となるのに対し、実親の同意によって法的関係が絶たれる。
しかし、制度の創設から四半世紀がたっても、成立件数は年間三百~四百件。仲介を担う児童相談所が児童虐待への対応に忙しく、マンパワーが不足している。専門家のフォローなどの体制も整わないという壁がある。
ここ数年は民間団体が縁組を仲介するケースが増え、年に百件を超えている。望まない妊娠をした女性らにかかわる産婦人科医らが支援している。
しかし、公的な支援は貧弱で、関係者の手弁当に頼る面も多い。厚生労働省は営利目的で養子縁組を仲介することを禁じる一方で、実費の交通費や人件費は養親から受け取ってもいいとする。運営があいまいになりかねない。
昨年は、養親から高額な寄付金を受けていた団体が問題になった。経費は欧米や韓国のように公費で負担すべきではないか。
養親を選ぶにも専門性が求められる。養親の資格も含め、仲介には一定の基準が必要だ。将来、子どもが実親について知りたいと思うかもしれない。実親、養親ともに継続的な支援が必要だ。
世界の流れが「施設から家庭へ」となる中でも、日本では虐待や親の病気、経済的理由などで児童相談所に保護された赤ちゃんの九割は乳児院に入っている。その数は三千人に上り、児童養護施設も合わせると三万人の子が施設で暮らしている。
実親は、パートナーの男性が出産前にいなくなったり、レイプ被害者である場合など複雑な事情を抱えている。産んだ子を遺棄したり、あやめてしまう事件も絶えない。出産後に養親がいることは命を救うことにつながる。
新たな試みとして、全国二十の産婦人科が連携し縁組を進めている。仲介団体も協議会を組織し制度改善に取り組んでいる。血縁を超えた家庭で愛情に包まれて育つ。特別養子縁組の可能性をもっと広げたい。

4月に「養子の日」を制定 恵まれない子どもに家庭の愛情を

The PAGE 2014年4月19日

日本財団(東京都港区)は、今年から4月4日を「養子の日」に制定。また同日から1か月間を特別養子縁組の推進月間としてキャンペーンに乗り出した。日本では、乳児院などの施設で暮らす赤ちゃんの多さが国際的に際立っている。欧米などの海外では、望まない妊娠で生まれた赤ちゃんの多くは、里親に引き取られて、家庭環境で暮らせるしくみが整備されている。ところが、日本では里親が引き取ることはまれで、9割の赤ちゃんが乳児院に預けられているという。たとえ血のつながりはなくても、家庭の愛情をたっぷり受けてすくすく育てる子どもを増やす狙いだ。
妊娠は「おめでた」とも呼ばれるが、今の日本ではすべての赤ちゃんが必ずしも親から歓迎されて生まれていないのが現状だ。性的な暴力による妊娠や、経済的な理由などで、捨てられたり虐待されたりする赤ちゃんが少なくない。こうした子供たちは、乳児院、児童養護施設で育てられている。
厚生労働省のデータによると、こうした保護を必要とする赤ちゃんが増える傾向にあり、乳児院に入っている子どもの数は2968人(2010年3月末)。過去10数年で1.2倍になっているという。
だが、日本では、産んだ親が「育てられない」場合、その赤ちゃんが里親など普通の家庭に引き取られることは滅多になく、里親に預けられる割合はわずか10%程度。これに対し、海外をみると、オーストラリアの91.5%を筆頭に、アメリカ(76.7%)、イギリス(60%)など、日本の低さが際立つ。
子どもの人権については世界の意識は高く、国連子どもの権利条約(1989年の国連総会で採択)では「子どもは家庭環境の下で成長すべき」と定める。また、2009年には「子供の代替的養育に関するガイドライン」が採択され、「乳幼児、特に3歳未満の子どもの代替養育は、家庭を基盤とした環境で提供されなければならない」としている。
すると、日本では養子を育てたい人が少ないのか?というと、そういう訳ではない。不妊に悩み、医療期間の門をたたく夫婦は増えている。日本産婦人科学会のデータによると、不妊治療の実施件数は、1997年には5万件程度だったが、2010年には24万2161件と、5倍近くに激増している。治療を受けたものの子宝に恵まれず、「養子を育てたい」という夫婦は少なからずいる。
このように里親になりたい夫婦はかなりいるのに、なぜ里親に引き取られる赤ちゃんが日本では増えないのか?それは、育てられない親と、育てたい人の間を取り持つ公的なしくみが整備されていないことが背景にあるとされる。
日本では1987年の民放改正で、こうした家庭に恵まれない子どもが温かい家庭で暮らせるよう、戸籍上も実子と同じ扱いにできる「特別養子縁組」の制度が始まった。しかし、この両者の養子縁組あっせんについて行政は積極的に取り組んでおらず、民間でこうしたあっせん団体が活動していた。しかし昨年、マスコミ報道で、「あっせん団体が多額の費用を里親から受け取っている」という批判が展開された。
しかし実情は、たとえ非営利の団体でも、カウンセリングなどを行う人件費や団体運営の経費は必要で、諸外国では政府がこの費用を負担しているのに対し、日本ではこのようなサポートがないという。
日本財団では、キャンペーンの一環として、民間の養子縁組あっせん団体への資金協力(1000万円を上限)や、養親のための研修を近く実施。また予期せぬ妊娠をした女性のための相談窓口も、今年9月に開設を予定している。日本財団の担当者は「この問題について、ぜひ多くの人に関心を持っていただきたい」と話している。
(文責・坂本宗之祐)

東京都、福祉業界合同採用試験を開催 – 1度の試験で複数の法人と面接可能

フォルサ 2014年4月21日

東京都は、都内で福祉業界へ就職を希望する人を支援するために、6月15日に「福祉業界 合同採用試験」を実施する。
都内の福祉施設がネットワークを組んで実施
同試験は、来春卒業予定の学生(大学・短期大学・高等専門学校・専修学校・養成施設等)、転職希望者、再就職希望者などを対象に実施する。今回の試みは都内の福祉施設がネットワークを組んで実施するため、合格すると複数の施設との面接が可能となる。
参加法人は、東京都内の高齢分野、障害分野、児童分野などの福祉施設・事業所を運営する法人。施設には一定の労働条件を設定しており、それを満たした施設だけが参加しているため、就職希望者は安心して就職活動ができる。また、採用時の合同研修では仲間づくりもでき、3年後にはネットワーク内の施設への出向や転籍など、キャリアアップも可能とのこと。
試験内容は、小論文、適性検査。当日の午後0時30分から、合同採用試験に参加している施設の説明会も実施する。受験申し込みは、東京都福祉人材センター窓口に申込用紙の持参又は郵送で受け付ける。申込受付期間は、5月15日9時~6月6日17時まで(郵送の場合は同日必着)。申込用紙は、東京都福祉人材センター窓口又は同センターホームページから入手できる。
会場はベルサール渋谷ファースト2階ホール(東京都渋谷区)。6月15日の9時50分より開始する。
なお、第2回合同採用試験は10月19日を予定している。

偽メール:国立感染症研究所が被害 迷惑メール2000件

毎日新聞 2014年04月21日

大学や研究機関などで普及しているメールソフト「Active!mail(アクティブメール)」を装った偽メールの被害が増えている。同ソフトを使っていた国立感染症研究所(東京都新宿区)は今月18日、女性職員が偽メールにだまされパスワードなどを入力、職員を装った何者かに2000件以上の迷惑メールを送られる被害があったと発表した。同様の手口は昨秋から大学を中心に10件以上報告されており、メールソフトを提供する「トランスウエア」(東京都中央区)は新入生が増えるこの時期、「学生もターゲットになりやすい」と、注意を呼び掛けている。【石戸諭/デジタル報道センター】
同研究所によると、女性職員は16日午後、アクティブメールの管理者を装う偽メールを送り付けられ、ユーザー名とパスワードを入力した。その結果、アカウントを乗っ取られ、約3時間にわたり職員名で約200人に対し、2000件以上の迷惑メールを送られた。同研究所は職員のアカウントを削除するなどして対応した。他の情報漏えいはなかったとしている。
トランスウエアによると、アクティブメールは大学での導入例も多く、学生や教職員が使用している。同研究所と似た手口は昨秋から増加しており、偽メールや被害報告もほとんどが大学からだった。メール利用が慣れない学生を「踏み台」に、関係先に大量の迷惑メールやウイルスメールを送りつける狙いがあると見られる。
被害に遭った大学関係者は「手口はどんどん巧妙になっている」と口をそろえる。ある国立大関係者は「偽メールは当初、英語で送られてきたが、最近では日本語化され、容易に偽サイトに誘導したりと、だます側も手が込んできた。入学して間もない新入生が多い時期だけに被害が出やすいのでは」と話す。
広島大では先月、偽メールのリンクをクリックするとロゴやトランスウエアの社名まで入った巧妙な偽サイトに誘導される手口が、関係者からの通報で見つかった。「大学が送ったメールでもリンクを付けるケースがあり、学生も教職員もより注意が必要だ」(広島大)と危機感を募らせる。
防止策について、トランスウエア社は「大前提として、個別ユーザーごとにトランスウエア社が重要事項を含んだメールを送ることはない。大学や企業を経由する。いきなりメールが来たら疑ってほしい」。広島大は「リンク先も含めて正しいかどうか確認を徹底してほしい」としている。

差別や差異を一緒に乗り越えたい – 辛淑玉

WEB第三文明 2014年04月21日

人種差別的なヘイトスピーチが日本国内で広がる中、こうした差別の暴力に対し、対立ではなく〝乗り越える〟視点で活動を続ける辛淑玉氏に話を聞いた。

置き去りにされた人と一緒に生きる
今回(2014年1月)受賞した「エイボン女性年度賞」(※注)はこれまでの活動を評価していただいての受賞となりましたが、特にヘイトスピーチに関する取り組みが評価されたことはとても嬉しく思いますし、大きな意味を持つことだと思っています。
私が育ってきた環境には、常にリアルな差別が目の前にありました。親を見ているとそこには民族差別があり、母親と父親の関係では女性差別があり、周囲にはシングルマザーの問題も数多くありました。
そうした環境では、自分が生きていく上での問題を解決していくことは、同時に〝誰か〟の問題を解決することにもつながっていったのです。そして活動を続けていく中で、少しずつですが影響力を持てるようになり、今まで解決できなかったことが1つまた1つと解決できるようになっていったのです。そうして徐々に活動のフィールドが広がっていきました。
でもマイノリティーは少数派です。大きな強い勢力と闘わなければいけません。だからはじめのうちは9回負けて、なんとか1回勝つこともある程度でした。それでも1勝すればまた頑張れる、その繰り返しでした。
昨今のヘイトスピーチに見られる差別主義的な言葉の暴力は、女性や被差別部落出身者、婚外子、障害者、セクシュアルマイノリティーなど、社会的少数者にその攻撃が向けられています。
ヘイトスピーチを行う彼らは、今までの政権が取りこぼし、見て見ぬふりをしてきた社会の弱いところを、〝愛国無罪〟だと思い込み、安心して叩いています。しかしこれは思想や信条の問題などではなく、卑怯な行為です。
私はそんな置き去りにされた人たちと一緒に生きていきたい、そしてその人たちと未来をつくりたいと思っています。
(※注)エイボン女性年度賞:化粧品メーカーのエイボン・プロダクツが1979年から社会に有意義な活動をし、人々に勇気や希望を与える女性たちに贈る賞。特にその年度で顕著な活動をした人や、女性の新しい可能性を示唆する先駆的活動をされている人という観点から、厳正な審査のもと受賞者を決定している。

差別の入口には女性がいる
朝鮮人差別に限らず、差別の問題においては、常に弱い立場に追い込まれてきたのが女性でした。女性であるということで、教育環境も賃金的にも差別を受けてきたのです。だから私たちが活動を始めたころの掛け声は、ハンディをはね返すために「日本人男性の4倍働こう」だったのです。
中でもシングルマザーの貧困問題はかなり深刻です。シングルマザーというだけで、働く場所を奪われ、働いたとしてもパートで賃金は安い。それでは1人で子どもを養っていくことは非常に困難です。
最近では反貧困の活動が社会的にも注目されるようになりました。これは、男性にも貧困が増えてきたことで、社会的に騒がれるようになったのです。しかし、女性はそもそもずっと前から貧困にさらされてきているのです。
問題の解決という観点では、「川で溺れる赤ちゃん」というたとえ話があります。川で、溺れた赤ちゃんが流れてきます。その赤ちゃんを助けるとまた次の赤ちゃんが流れてくる。いくら助けてもまた次から次へと流れてくる。よく見ると川上の橋の上から赤ちゃんを投げている人がいる。つまり、目の前の赤ちゃん1人を助けるだけでは問題の根源は解決しません。
今、良心ある人たちが一生懸命に溺れた赤ちゃんを助ける活動をしていますが、これは、赤ちゃんを助けることをしながら、同時に政治の分野で構造そのものを変えていかなければいけない問題であり、そこへ訴えていくことが私たちの活動の課題であると思います。
いずれにしても差別問題の入口には常に女性がいます。女性を差別する構造をなくさなければ、他の差別にも目が向きません。ここを何としても変えていきたいと思います。

乏しい現実への想像力
世の中には性産業で働いたり、未成年売春(いわゆる援助交際)に走る女性に対して、批判する人はたくさんいます。しかし、そのことを批判する前に貧困の問題を解決することのほうが先決です。そしてこのような批判の根底には現実感の乏しさがあると思います。
たとえば、養護施設は18歳で外に出されてしまいます。その後は1人で働いて生きていかなければいけません。でも、さまざまな要因からまともに就職できず、貧困に陥るケースが多くあります。そしてその女性の子どももまた同じように貧困になってしまう「貧困の再生産」が生じています。
そのような人たちに「ドロップアウトしないで強く生きろ」と道徳教育をしても意味がありません。また、そうした状況で支えてもらうには、人間関係やコミュニティーの存在が大切になりますが、朝から晩まで働いている中でそうした人間関係を築くことは容易ではないのです。
そして子どもに愛情を注げなくなるほど疲れ切った母親が、たばこやお酒、時にはギャンブルをして、そのことを批判する声もあります。しかし実際には、ギャンブルでストレスを発散することで、なんとか育児ができているという現実があるのです。もし、それがなかったら子どもを殺してしまうかもしれない。そうした現実への想像力を持てずに、単にだらしない女性と見なしてしまっていては、問題の解決には向かいません。
貧困や差別の問題を解決していくには、どれだけ苦しい状況にあるのか、どれだけ傷ついているのか、という現実への想像力を持つことが大切だと思います。

誰かの意見ではなく自分の頭で考える
ヘイトスピーチをする側にも、朝鮮人や被差別者などマイノリティーの人たちがいます。私は対立の境界線のこっち側、あっち側といった差は実はわずかな差であって、本当の敵は違うところにいると思っています。
だから本当は、対立している人たちとも一緒に食事をしたいと思っています。お互いに文句を言い合ってもいいから話し合いたい。よく〝みんな仲よく〟と言いますが、私はそれは嘘だと思っていて、本当は嫌いな人とも一緒に生きていくことが大切だと思います。なぜならそれが地球の在り方で、本当の国際社会というのは、不愉快な人とも隣り合って顔を合わせながら一緒に生きていく社会だからです。
それに不愉快な人と一緒にいると自分の新しい可能性が刺激されますよね。だから対立する人たちとの出会いはとても大事だと思いますし、一緒になって差別や違いを乗り越えていきたいというのが私の本当の思いです。
そんな思いから昨年、ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク「のりこえねっと」を設立しました。啓発活動というよりは、マンガやニュースという形で情報を発信していきます。4月からはインターネット上で番組配信も行っていく予定です。活動資金はまだ準備不足な面がありますが、すべてそろってからやるというよりは、まずやってみて、そして走りながら作っていこうと思います。
社会を変えていくために大事なことは自分の頭で考えることだと思います。そしてそれを声に出していくことです。靖国参拝の問題など、賛成派も反対派も、コピペしたかのように同じような意見ばかりが目立ちますが、そうではなく「自分はこの問題はどのように思うのか」と考えることが大事です。
それを考えるためにも、どこか遠くの話としてではなく、当事者に会って話をすることが大切だと思います。ヘイトスピーチの問題でも、本当はよい朝鮮人もいれば、悪い朝鮮人だっているんです。それをひとくくりにして「殺せ」と言っている人たちは、実はよい朝鮮人にも悪い朝鮮人にも会ったことがないのだと思います。
私は、世界中のすべての人が私のことを嫌いになったとしても、私は私のことが好きですよ(笑)。だからどんなに多くの人と意見が違ったとしても「私はこう思う」「こう考える」と言い続けていきます。
<月刊誌『第三文明』2014年4月号より転載>