「10リツイートで晒す」自分の裸を投稿する10代少女たちの“異様”

産経新聞 2014年6月5日

投稿サイトの「ツイッター」で、18歳未満とみられる少女らが自身の裸体を撮影し、投稿する行為が後を絶たない。自らの発言を追う「フォロワー」の獲得が目的のようだ。児童買春・児童ポルノ禁止法に抵触するが、犯行の主体が児童本人であるため、捜査当局も摘発には積極的ではないといわれる。ただ、軽い気持ちで投稿したログ(記録)は瞬く間に拡散するだけなく、半永久的に残り続ける“デジタルタトゥー”となっていく。少女らの将来を台無しにしないためにも予防教育が欠かせない。
「10リツイートいったら晒(さら)す」
たまたま他人のツイートを閲覧していると、こういうつぶやきが画面に表示されてくる。発信源のユーザーをみてみると、顔にあどけなさを残す10代とみられる少女が自分の胸を撮影し、黒塗り修正した写真を投稿していた。たちまち複数のフォロワーがリツイート(同じ内容をつぶやくこと)。少女は反響に満足しながら“約束通り”無修正の画像を投稿した。ツイッターにはこうした投稿が横行している。
リツイートの多い投稿は必然的に人目に触れ、注目度が高まる。国立情報学研究所の岡村久道・客員教授(情報学)は「目立ちたいという心情から行われ、実際に願望を満たせる環境になってしまっている」と指摘する。手軽に画像の撮影・送信ができるスマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴い、類似の事例は後を絶たない。
これらの投稿は、児童買春・児童ポルノ禁止法で禁じた、製造、公然陳列に該当する。ただ、児童福祉犯罪に詳しい奥村徹弁護士は「同法では児童はあくまで被害者の立場を想定している。捜査当局には同法で児童を摘発したくない葛藤があるとみられ、なかなか踏み切れないことが多い」と説明する。
同法をめぐっては平成21年に、自分の下半身を携帯電話で撮影しメールで男に送信した女子高校生3人が神奈川県警に摘発された事例があるが、金銭目的で悪質性が高かったことが判断材料になっており、児童側の摘発はほとんど行われていない。
一方、奥村弁護士によると、これらの画像を18歳未満と認識してリツイートしたり、「胸を見せて」などの要求をしたりしたフォロワーが、同法違反に問われる可能性は高いという。
ツイッター社は、利用規約で児童ポルノに関するコンテンツを禁止。独自に違法投稿の調査を行い、発見次第アカウント凍結の措置をとっているが「最も有効な方法はユーザーからのリポート」(広報担当者)といい、人の目に触れる前の発見は難しいのが実態だ。
実際、違法投稿した少年少女には、別の投稿で素顔の写真を掲載していたり、学校の制服を着ている場合もある。入力した住所、氏名、連絡先などの個人情報は設定次第で誰でも閲覧可能で、人物の特定は比較的容易のため、のちのちの進学や就職に影響する可能性がある。
スマートフォン(高機能携帯電話)を使っている場合は、GPS(衛星利用測位システム)機能で位置情報が分かる。パソコンでもネット上の住所「IPアドレス」で大まかな位置を把握でき、自宅だと住所が漏れることあるため、脅迫など事件に巻き込まれることもある。
岡村氏は「リスクを十分に認識させるため、児童に対して違法投稿をさせない教育、啓発を、家庭や学校で進めることが重要だ」と訴えている。

<白骨遺体>児童相談所 異常の認識4回…安否確認怠る

毎日新聞 2014年6月5日

神奈川県厚木市下荻野のアパートで斎藤理玖(りく)君の白骨化遺体が見つかった事件で、県厚木児童相談所が2004年10月に理玖君を一時保護した後、少なくとも4回、異常を認識していたことが分かった。いずれも定期的なチェックで確認されたが、父母子への接触を怠っていた。

【5歳が白骨遺体に】住んでいないのに家賃払い住民票移さず7年以上
理玖君は3歳だった04年10月7日早朝、裸足で屋外を歩いているところを児相に保護された。保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された斎藤幸裕容疑者(36)の妻で理玖君の母親(32)は、翌8日に児相を訪れ、「東京都内で緊急の用事があり、夫に預けて外出していた」と説明した。その際、自身へのドメスティックバイオレンスがあることを明かしたが、児相は「迷子事案」として対応することを決めた。
迷子事案については、継続的な対応が必要かどうか判断するため、問題把握から1カ月以内をめどに家族と連絡を取る慣例になっていた。しかし、理玖君についてはそうした対応をせず、未処理のまま引き継がれた。
問題が再認識されたのは、少なくとも07年12月、08年12月、11年12月、12年3月の計4回。いずれも職員が定期的なチェックで未処理と気付いた。
ところが、何らかの対応が取られたのは07、08年だけ。07年は民生委員に家庭訪問を依頼、08年は職員が1回の家庭訪問で「人の気配がない」と判断し、不動産業者にアパートの家賃滞納の有無を聞くにとどめ、最終的な安否確認をしなかった。井上保男所長はこうした対応について「反省すべき点で、亡くなった理玖君に申し訳ない」と話した。【水戸健一】
元児相所長で花園大社会福祉学部の津崎哲郎特任教授(児童福祉論)の話
迷子事案だとしても、育児放棄や虐待が潜んでいるケースがある。百貨店で子供が迷子になれば、保護者は必死で捜す。一時保護されてすぐに迎えにきたわけではないので何らかの背景を疑い、丁寧に対応すべきだった。

遺体 DNAで理玖君と判明
県警捜査1課と厚木署は5日、発見された男児の白骨化遺体がDNA型鑑定の結果、理玖君と判明したと発表した。遺体の歯のDNA型と父親の斎藤容疑者のDNA型を照合した。
◇厚木市長が哀悼の意「7年もの長い間、気付いてあげられず」
理玖君の事件を受け、小林常良厚木市長は5日開会した6月定例議会冒頭で「幼い子供が命を落とし、7年もの長い間、気付いてあげられなかったことに、大変心を痛めている。心からご冥福をお祈り申し上げます」と哀悼の意を表した。
また、警察や児童相談所などの関係機関と連携しながら「危機意識、緊張感を持ち、これまでの認識を改め、具体的な再発防止策について検討を進める」と説明した。
事件発覚後、同市では2日に臨時部長会議、要保護児童対策地域協議会実務者会議、教育委員会臨時会を、それぞれ開催。各会議では行政として認識を新たにし、県などの関係機関や民間なども含め、連携を密にして適切な情報交換を行い、再発防止に向けた対策を講じる方針などが決められた。【長真一】

新たに3人削除判明、厚木市学齢簿で全員の所在は確認

カナロコ by 神奈川新聞 2014年6月5日

児童生徒の所在不明問題で厚木市は4日、学齢簿から削除した児童生徒を全部で4人とし、うち最後まで所在確認が取れなかった女児(7)が外国籍の母親と一緒に南米で暮らしているとの情報を得たと明らかにした。市は当初、削除した人数を市内で発見された遺体の身元とみられる斉藤理玖(りく)君だけと説明していた。
この問題は昨年5月、同市が4人の生徒児童を対象に安否確認の調査をして判明。女児はそのうちの1人で、2013年2月の小学校入学前説明会に欠席、学校職員が住民票に記載されたアパートの部屋を訪問して別の住民から「約1年半前からここに住んでいる」ことを聴取した。
市民課職員も昨年7月までに計4回訪問調査して女児が不在であることを最終的に判断。同月2日、住民登録を抹消、学齢簿から削除、対応を打ち切った。
4人の中に入っていた理玖君の場合も父親から「妻と東京の方に住んでいる」という話を信じて、学齢簿の簿冊(控え)を削除していた。ともに県厚木児童相談所には報告していなかった。
両方のケースで室内の調査までしなかったことについて、市教育委員会は「性善説に立っていた。調査権限もない。踏み込みが足らず、権限のある児相、警察との連携を今後は取っていきたい」と話した。
女児は事件を受けた再調査で、母親の出国記録などから市内の親族と連絡が取れた。残りの2人は、アジアでの就学を確認しているという。)

関係機関と連携不十分県認識
厚木児童相談所を所管する県は4日、「関係機関との情報共有ができず最悪の事態を避けられなかった」とし、厚木市や警察などとの連携が不十分だった点をあらためて認めた。
また、児童福祉法に基づき全市町村が設置している「要保護児童対策地域協議会」で、居所不明児などの情報が共有しきれていないとの認識を示し、今後各自治体などに改善を働き掛けていく考えを示した。
一方、昨年2月以降に県所管の全5児相が各2回実施した居所不明児の確認で、厚木の事案を見落としていたとし、「大きな反省点のひとつ。リスクの高い虐待ケースを中心として調べたため、迷子のケースをリストアップできなかったと思われる」と説明。月内にも初会合を開く第三者委員会で検証を重ね、遅くとも9月までに中間報告をとりまとめる方針を示した。
4日に開かれた県議会常任委員会で、県幹部職員らが説明した。

<民生委員>暴力団員に委嘱…逮捕で発覚 大阪・枚方

毎日新聞 2014年6月5日

大阪府枚方市の暴力団員の男(46)が2012年から社会福祉行政に協力する民生委員を務めていたことがわかった。大阪府警が3日に男を詐欺容疑で逮捕する際、自宅玄関に掲げられた民生委員の標章を見つけて発覚した。市は4日に記者会見し、「あってはならないことで大変申し訳ない」と謝罪した。厚生労働省に解嘱を求めるという。
府警枚方署によると、枚方市上島町の山口組系暴力団幹部、貴島章夫容疑者。逮捕容疑は12年7~8月、組員であることを隠して信用金庫に口座を開設、リフォーム代名目で300万円の融資を受けたとしている。容疑を認めている。
民生委員は都道府県や中核市の推薦を受けて厚労相が委嘱する特別職の地方公務員。任期は3年で、児童福祉を担当する児童委員を兼務する。原則無報酬だが、枚方市は年約4万8000円の活動費を支給している。
市によると、欠員に伴い市が厚労省に推薦。12年12月に委嘱され、翌13年に再任された。自治会長やPTA役員を歴任しており、「地域の事情を把握し、責任感、指導力も高い」として推薦した。
近所の女性は「気さくな人柄であいさつもきちんとする人。暴力団員とは信じられない」と驚いた。厚労省は「聞いたことがない。市に事情を問い合わせる」としている。