男児重傷で保育園理事長らに改善勧告 京都市

京都新聞 2014年7月23日

京都市伏見区の民営認可保育園「春日野園」で保育士の資格が無い職員が男児(5)に頭蓋骨陥没骨折の重傷を負わせた問題で、市は23日、春日野園の澤井健二理事長と澤井清子園長に対し、再発防止のため児童福祉法に基づく改善を勧告した。市が同法に基づく改善勧告を行うのは初めて。資格の無い職員のみでの保育禁止などを求め、勧告内容が改善されない場合、認可取り消しも含めて対応していく。
市は7月1~11日まで特別監査を実施し、男児にけがを負わせた職員が2012年度以降、クラス担任や幼児主任など資格が必要な立場で日常的に保育を行っていたことが分かった。この職員を含め理事長ら親族5人が園運営の中心を担い、園運営との関係が不明瞭な飲食費などの経費支出も発覚した。
勧告は「不適切かつ閉鎖的な園運営が事案の要因になった」と結論付け、再発防止のため、責任の明確化や適切な運営に改めるよう指摘。事故防止マニュアルの策定や財務管理体制の見直しも求めた。市によると、事故は6月13日、職員が男児を園庭に投げ出し重傷を負わせ、3時間以上たってから病院に搬送した。園は当初、男児の保護者に「つまずいて転んだ」と説明していた。

年金 国の積立式ではなく、現役世代から高齢者への仕送り式

NEWS ポストセブン 2014年7月23日

ここ最近、年金に関するニュースが増えている。というのも、厚生労働省が6月、5年に1度行う公的年金の『財政検証』の最新版を発表したためだ。この『財政検証』は年金の?健康診断?ともいわれ、将来もらえる年金額が世代別に詳しく記されている。
ただ、その複雑さゆえに誤解も多く、正しい知識を知らずにいると、損をしてしまうことも。まずは、女性が絶対知っておくべき年金の最新いろはをウルトラわかりやすくお伝えします!
まず、国の年金は主に2種類ある。
1つ目が、自営業者などが入る『国民年金』だ。国民年金は、現役時に払う保険料が月1万5000円程度と少ないが、その分、もらえる年金額も少なく、老後は月6万円程度を受け取ることになる。
2つ目は、会社員が入る『厚生年金』。厚生年金は、現役時に払う保険料が自己負担で給与の8.5%程度と多い分、もらえる年金額が国民年金より多くなり、平均で月16万円程度となっている。
国の年金は、かつて55才から支給されたこともあったが、国民の寿命が長くなるにつれ、支給開始年齢が引き上げに。現在は、一部を除き65才からの支給が基本となっている。
「国民は年金を国に預けている(積み立てている)」という考えは、よくある誤解。日本の年金は、国に預けた(積み立てた)お金を将来返してもらう『積立方式』ではない。
日本の年金は、現役世代が払う“保険料”で、高齢者に支給する“年金”をまかなう『仕送り方式』だ。
だが、少子高齢化がすすみ、現役世代からの『仕送り』だけでは足りないため、国が税金を投入したり、今の高齢者世代が現役時代に払っていた保険料の余りである『積立金』を取り崩したりしているのが実情だ。
※女性セブン2014年7月31日・8月7日号

<まだまだ多い家族・親族による介護>「介護はプロ任せ」が当たり前の風潮を作ることが法整備以上に困難

Japan In-Depth 2014年7月24日

厚生労働省の調査によると、要介護者等(介護保険法の要支援又は要介護と認定された者のうち、在宅の者)が家族・親族等や訪問介護事業者から受けている16項目の介護内容を調査したところ、図表のような結果となった。
介護者の組合せについて、「事業者のみ」の割合が多いのは「入浴介助」(64.1%)、「洗髪」(63.5%)、「身体の清拭」46.4%など。他方で、「主な家族等介護者のみ」による介護の割合が多いのは「入浴介助」・「洗髪」・「身体の清拭」以外の全項目。 「事業者と家族等介護者」による介護の割合が多いのは「排泄介助」(20.6%)となっている。
介護保険制度の究極目的は、“家族・親族等による介護”から『介護事業者による介護』への全面移行であろう。自分の家族・親族は自分で介護するのが当然だとの考えで、介護事業者による介護を望まない人は確かにいる。
そういう人はさておき、やはり大方は、社会全体で介護サービスを行う、即ち国民のコスト負担を元手に介護事業者に介護を委ねるというのが、今後ますます必要になってくるはずだ。
少子高齢社会における労働力確保の観点からも、必然的にそうなる。資料に掲げられた16項目はもちろんのこと、日々の介護の全てを『介護事業者による介護』に移行できる環境作りが必要だ。そのためには、費用対効果の極力高い介護保険制度に適宜改革していくことが不可欠である。
『介護はプロ任せ』を当たり前の風潮にしていくべきだ。風潮づくりは、法律制定や予算編成よりも難しい。
石川和男(NPO法人社会保障経済研究所理事長)

2重帳簿も?検査すり抜ける食肉工場の実態

日本テレビ系(NNN) 2014年7月24日

中国の食品加工会社が期限切れの食肉を出荷していたとされる問題。取引先のマクドナルドは外部の機関に委託し、工場について査察を行っていたが、それにもかかわらず、問題を見抜くことができなかった。そのわけとは?
期限切れの食品を出荷していたとされる「上海福喜食品」。地元の公安当局も捜査に乗り出し、23日、会社の責任者5人を拘束した。
問題の発端となったのは、中国・上海のテレビ局の潜入映像。従業員が、床に落ちたミンチを拾って再び機械に戻したり、丸い形の肉も床から拾い上げてそのまま使用。さらに、落ちたナゲットもそのまま投げ入れた。青みがかっているように見える肉については―。
従業員「肉が色が青く変色している」「腐った肉だ」
この工場は、鶏肉や牛肉の使用期限を改ざんし、出荷した疑惑がもたれている。
記者「使用期限が過ぎていましたよね?」
従業員「期限過ぎたものを食べても死ぬことはありません」
また夜になると、箱から肉を取り出す従業員の姿が。
従業員「この牛肉は使用期限を迎えるので、箱から出しました」
使用期限の日付を張り替えるための作業だという。放送によれば、使用期限が過ぎた肉を細かくし、チキンナゲットにしていたという。
会社への調査に品質部の責任者は―。
上海福喜食品・品質部のマネジャー「(Q:不良品肉の再利用は誰の指示でやったのか?)少なくとも工場長より上の人でしょう」
上海市薬品食品監督管理局「これは個人の犯罪ではなく、会社が主導した組織的な違法行為だ」
上海市当局は、偽装が数年にわたって組織ぐるみで行われていたとの見方を示した。
再び上海のテレビ局の映像。リポーターが指をさした先には、「日本マクドナルドのチキン」「劣等品を混ぜた」の文字があった。
この会社から「鶏肉加工品」を輸入していたのは日本マクドナルドとファミリーマート。その量は厚生労働省によると、この1年で実に約6000トンにのぼったという。
23日、ファミリーマートの社長が取材に応じた。
ファミリーマート・中山勇社長「ちゃんとしたものを使っていますよと言って、ちゃんとしたものを使っていなかったというのが今回の出来事。私どもは国内でお客様の信頼を裏切っているということで、大変申し訳なく思っております」
問題の会社へのチェックはどのように行っていたのだろうか。実はマクドナルドとファミリーマートは問題の会社がHACCP(ハサップ)という衛生管理手法を導入している点を重視していた。現在、国際的にも標準的な手法になっているHACCP。一体、どのようなものなのか?
ZEROは23日、HACCPを導入している群馬・高崎市の食肉工場「株式会社オルビス」を訪ねた。まず検査は原料の搬入段階から始まった。
株式会社オルビス・島方啓専務「今、原料が入ったところで、これから原料検査を」
こちらは、ローストビーフにされる牛肉。使用期限は当然のこと、肉の表面温度などが確認されるという。検査は肉の加熱段階にも。見ているのは温度計だ。基準にしている温度や時間で加熱されているのか確認しているのだ。
株式会社オルビス・島方啓専務「加熱しすぎれば安全性は高くなるが、弱いほどおいしさはある。そこのきわをやるのが製品作りの一番の要。ただ、安全性は担保できないといけませんので、こういった確認作業が非常に大切」
HACCPではこのように製造の各段階でその都度、適切な作業がされているか確認するのだ。そのため、従来は主流だった出来上がった製品の一部を抜き取って確認する手法より信頼性が高いとされている。
さらに、マクドナルドでは上海の食品加工会社に対し、年に1回査察を行っていた。それにもかかわらず、見抜けなかったのはなぜなのか。そのカギは、上海のテレビ局が放送した特別番組にあった。
今年5月21日に撮影したという映像には、マクドナルドによる工場への査察の様子が映っていた。ところが査察が終わると、従業員たちはどこからか青い袋をもってくる。実はこの中身は、不良品。これを正規の商品と混ぜて出荷するのだという。
記者「もし、マクドナルドにばれたら?」
従業員「彼らが知ったら、もちろん(不良品を)混ぜるのを許さない。それでも混ぜたら注文がキャンセルされるだろう」
また上海のテレビ局は、問題の会社は、内部用と外部用の2つの帳簿を作っていたと伝えている。こうして査察のたびにごまかしてきたのだろうか。

<シシャモ>汚物、殺鼠剤混入か ベトナム産冷凍品を回収

毎日新聞 2014年7月24日

山口県生活衛生課は23日、山口県長門市の輸入業者「伊村産業」がベトナムから輸入した冷凍シシャモに、汚物のようなものや殺鼠(さっそ)剤と疑われるものが混入していたと発表した。
商品名「子持ちからふとししゃも」で、伊村産業は同一ロット品の自主回収を始めた。山口県は伊村産業に対し、同一ロット品の販売中止と消費者へ周知、異物混入の原因究明を指導するとともに、消費者にこの製品を食べないよう呼び掛けている。
山口県生活衛生課によると、今年5月29日などに輸入された。冷凍シシャモはビニール袋に入れられたうえで段ボール箱に詰められていた。伊村産業から山口県に入った連絡によると、山口県外の複数の小売店で箱を開けた際、汚物のようなものがビニール袋の中に入っていたほか、袋入りの殺鼠剤とみられるものもビニール袋の中にあったという。原産国はベトナム。輸入量や出荷先は調査中という。
山口県によると、混入が疑われる殺鼠剤の成分として考えられる「塩化ダイファシノン」は血液を固まりにくくする作用があり、摂取量によっては、頭痛や吐き気、腹痛などを起こす場合があり、重篤化する場合には生命に影響する危険性があるという。
厚生労働省は全国の検疫所に「子持ちからふとししゃも」を製造したベトナムの「RICH BEAUTY FOOD」社の製品を貨物保留とするよう指示。RICH社の商品輸入者に対し、異物混入がないかどうか全箱確認するよう求めた。【中山裕司、柴山雄太】