被害者両親「娘が、ただただかわいそう」…佐世保高1女子殺害事件

スポーツ報知 2014年8月3日

長崎県佐世保市で高校1年の同級生を殺害したとして女子生徒(16)が逮捕された事件で、被害者の両親は2日、弁護士を通じ「娘との突然の別れがどうにもまだ信じられずにおります」「自分の身に何が起こったか分かってないであろう娘が、ただただかわいそう」「最愛の娘の命と将来をうばった犯人を許せない」などとのコメントを書面で出した。
両親は7月31日、弁護士を通じて女子生徒の父親から面会や手紙で謝罪したいと伝えられたが、「お断りします」と話したという。弁護士は両親の様子について「法律上の手続きを聞いている時は淡々としていたが、娘の話題になると母親はおえつすることもあった」と語った。
一方、加害者の父親は同日、共同通信の取材に知人の弁護士を通じて取材に応じ、書面で「どんな理由、原因でも娘の行為は決して許されるものではない。お詫びの言葉さえ見つからない」と謝罪した。「複数の病院の助言に従いながら夫婦で最大限のことをしてきたが、私の力が及ばず、誠に残念」と、女子生徒の状態について精神科医と相談していたことも示唆。被害者に対しては「何の落ち度もない」とし「本当に申し訳ございません」と繰り返し謝罪した。
父親は妻を昨年10月に亡くし、今年5月に再婚。診察した精神科医が6月、県の児童相談窓口に「このままでは人を殺しかねない」と、電話で対応を求めたことが判明している。女子生徒の弁護人によると、女子生徒は「父親を尊敬している。再婚にも賛成していた」と語ったと明らかにしている。
また、逮捕された女子生徒について、学校側が一人暮らしをやめさせるよう父親に忠告していたことも判明。学校関係者は「学校外のことを強制して止めることは難しい」としている。

<同級生殺害>「少女の入院」話し合う…先月、医師と両親

毎日新聞 2014年8月3日

長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で逮捕された少女(16)について精神科医が6月、県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に「人を殺しかねない」という趣旨の相談をした後、センターの助言を受けて警察への相談や少女の入院について7月に両親と話し合っていたことが、関係者への取材で分かった。結局、警察への相談はされないまま26日に事件が起きた。【竹内麻子、大場伸也】
結局、1人暮らし続行
関係者によると、精神科医は少女をカウンセリングしていたとみられ、6月10日に少女の名前を匿名にしてセンターに電話で相談した。猫の解剖や父親を金属バットで殴るなどの少女の問題行動を伝え「人を殺しかねない」という趣旨の話をした。
センターから警察に相談するよう助言されたため、精神科医は少女の両親と7月に数回面談し、入院を含めた対応を話し合ったという。少女は3月に父親を金属バットで殴ってけがをさせており、4月から市内のマンションで1人暮らしをしていた。
結局、少女は入院せずに1人暮らしを続け、事件が起きた。
センターは相談内容を関係部署に伝えておらず、相談してきた精神科医に対し事件後に確認し、逮捕された少女についての相談だったと知った。
センターは「生徒の名前は相談者の意向で教えてもらえなかった。名前が分からない中で可能な限りの話をしたと考えている」と釈明している。

厚労省が待機児童の定義統一へ 自治体の意志をくじかない改革を

エコノミックニュース 2014年8月3日

7月29日、厚生労働省はこれまで明確に定まっていなかった待機児童についての定義を見直し定義を統一する方針を固めた。来年4月から始まる子育て支援新制度に合わせて定義を統一する予定だ。保育所への入所を希望しているにもかかわらず入ることができない待機児童。各自治体は対策を行い「待機児童ゼロ」を発表するところも現れたが、この定義見直しにより待機児童が「倍増」する可能性があるという。
今回の定義見直しで厚労省は待機児童を「認定を受けて入所を申し込んだが利用していない児童」と定める。これまで定義に含むかを各自治体に委ねていた認可保育所以外の認定子ども園や小規模保育に入所を申し込んだが利用していない児童や、親がやむを得ず育児休業を延長した場合なども一律に対象に含める。
この定義統一は待機児童数に大きな影響を与えそうだ。「待機児童ゼロ」を発表してきた横浜市や名古屋市はこれまで育児休業の延長などの場合は数に加えてこなかった。横浜市は今年4月の待機児童数を20人と発表しているが、定義の見直し後には2,000人を超してしまう見込みだ。既に定義見直しによって待機児童数が急増した例もある。東京都目黒区は今年度から親が育児休業を延長したケースを待機児童に含むことを決定したが、その影響で昨年度132人だった待機児童は今年4月1日時点で247人と二倍近い増加となった。同時期の全国の待機児童数は2,786人だが、共同通信の調査では定義見直しによりその数は少なくとも18,975人と6倍以上に膨れ上がる。
今回の定義統一は待機児童の正確な実像を把握することが目的だ。これまで定義に何を含めるかは各自治体の判断に委ねられていたが、ばらつきがあり実態が反映されていないとの指摘が出ていた。しかし、自治体にある意味自由な判断が許されてきたからこそ、横浜市や名古屋市は「待機児童ゼロ」を政策目標として住民や議会の理解を得られてきたことも事実だ。新しい定義では親一人ひとりの意思の確認が必要とされる可能性もあり、これまでのように「ゼロ」を目指すことは困難になる可能性が高い。これまで多くの賛同者を得ることで結果的に待機児童が減ってきたことは親にとっても利益となっていたはずだ。
正確なデータを把握することは確かに大事である。しかし、自治体の意志をくじくことのないよう、慎重に進めることもまた重要だろう。(編集担当:久保田雄城)

老朽水道管改修、年間1兆円規模に…費用不足も

読売新聞 2014年8月3日

水道設備の老朽化が懸念されている。
水道管の交換など設備の更新に必要な費用は2020~25年に年間1兆円規模に達し、25年には水道設備の更新に必要な資金が足りなくなる見通しだ。人口減と家庭や企業の節水で設備の維持・運営にあてる料金収入も低迷しており、水道料金の値上げを迫られる自治体も相次いでいる。
水道管など設備の耐用年数は40年と定められており、老朽化の目安となっている。日本の水道設備は地方自治体の公営企業が運営しており、1950~70年代に集中的に整備された。国土交通省がまとめた2014年度版の「日本の水資源(水資源白書)」によると、11年度時点で全国の水道管などの8・5%がこの耐用年数を超えている。20~25年には10~20%に上昇するとみられる。
設備の更新に充てる資金不足も見込まれる。国交省と厚生労働省の試算では、2010年度に6700億円だった更新費用は、25年時点で9700億円に増える。料金収入が元手となる新設・更新のための投資に使える資金は9300億円に減り、更新に必要な費用を下回る。

継父の暴力、学校は把握 児相に通告せず 中2虐待自殺

朝日新聞デジタル 2014年8月2日

東京都西東京市の中学2年の男子生徒(14)が継父の虐待を受け自殺した事件で、生徒への暴力を、学校が昨秋には把握していたことがわかった。今春以降も顔のあざや不登校などの異変があったが、学校は児童相談所へ通告していなかった。校長は「適切な対応をしていれば、事件を防げたかもしれない」としている。
学校や市教委によると、生徒の右目付近にあざがあるのを担任が見つけたのは昨年10~11月ごろ。生徒は「継父から暴力を受けた」と話した。学校は母親に医者へ連れて行くよう伝え、母親が了解したため、様子を見ようと判断したという。
今年4月にも顔にあざが見つかり、生徒は継父の無職村山彰容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=の暴力と認めたうえで、教諭に「いつもではないので大丈夫」と話したという。学校は、村山容疑者から話を聴いたが「子どもを強くしたい」などと説明を受け、特段の対応は取らなかった。1日夜に会見した校長は「子どもを育てる熱意が強いと担任は感じた。学校側の判断が甘かった」と振り返った。

来春の高卒求人数、前年の1.5倍 厚労省調べ

朝日新聞デジタル 2014年8月2日

来春卒業する高校3年生の求人数が、今年6月末時点で早くも15万人を超えたことが厚生労働省の調べでわかった。景気回復による人手不足を背景に、前年の同じ時期より45・3%多い。最近の高卒の求職者数は15万~16万人で推移しており、今年は出足からこの規模に達した。就職戦線は売り手市場が続きそうだ。
来春卒業する高校生に対する求人の受け付けは、6月20日に全国のハローワークで始まったばかり。厚労省によると、同月末時点の求人数は15万2363人。
産業別でみると、求人が多いのは製造業、建設業、医療・福祉など。製造業は前年同期より44%増え、昨年の1・8%増より大幅に伸びた。昨年は製造業の中でも鉄鋼や電機、自動車などで求人が前年を下回っていたが、今年は製造業の全業種で前年を上回った。
厚労省は毎年、高校の新卒者向けの求人数や求職者数を7月末以降に発表している。今年は求人が多いことから、6月末時点の数値をまとめた。高卒の3月末時点の求人数は東日本大震災があった2011年3月卒の19万4635人が底で、その後は毎年増えており、今年3月卒は25万5472人だった。厚労省若年者雇用対策室の担当者は「求人が少ないと妥協して希望していない職に就くこともあるだろうが、求人が増えれば自分の希望を貫徹しやすくなるのでは」と話す。(末崎毅)

刑務所に入れずに「連鎖」断つ 起訴判断への福祉士活用

産経新聞 2014年8月2日

京都地検などが社会福祉士を活用しようとする今回の取り組みは、知的障害者や高齢者による犯罪の連鎖を、刑務所に入れずに断ち切るという発想の転換が元になっている。起訴・不起訴の権限を独占する検察官に外部の専門家の視点を取り入れる点でも画期的な試みだ。
京都地検は昨年、常習累犯窃盗罪で男(37)を起訴したものの、重度の知的障害を理由に1審京都地裁で無罪とされた。確定はしておらず8月12日に控訴審判決が言い渡されるが、男が障害者手帳を取得したのは4、5年前。より早い段階で福祉とつながっていれば、犯罪傾向が進まなかった可能性もあった。
法務省矯正統計によると、年間の新規受刑者約2万5千人のうち、知能指数69以下の知的障害者はここ数年、2割強で推移。65歳以上の高齢者は20年間で5・6倍に激増したとのデータもある。
従来の対策は、刑務所から出所した後でいかに福祉を活用するかに力点が置かれていた。厚生労働省は平成23年度、出所後の居住地や福祉施設を調整する「地域生活定着支援センター」を全都道府県に設置。法務省も社会福祉士などの福祉職員を刑務所に常駐させる取り組みを進めている。
今回の取り組みは司法と福祉の連携を深めることにつながる一方で、福祉側に十分な受け入れ体制が整っていないことなどの課題も残る。検察当局が社会に理解を求めるとともに、効果を検証する仕組みも合わせて作ることが、成否の鍵を握るといえる。(小川原咲、吉國在)

育児休業希望の男性をパタハラで妨害? 取得率は1~2%台で低迷

エコノミックニュース 2014年8月2日

妊娠した女性社員に対していやがらせを行うことや退職を促す行為を「マタニティハラスメント」と呼ぶが、子どもを持つ男性社員に対する「パタニティハラスメント」はご存知だろうか。パタニティ(paternity)とは父性を意味する。パタニティハラスメントとは、マタニティハラスメントと同様、男性社員が育児休業を取ったり、短時間勤務やフレックス勤務を希望したとき、会社や上司などがその権利を妨害したり、嫌がらせや暴言を投げつけたりすることを指す。
厚生労働省が発表する「雇用均等基本調査」によると、2013年度の女性の育児休業取得率は76.3%であるのに対し、男性は2.03%となっている。女性の育児休業取得率は1996年には49.1%だったが、その後取得率は順調に伸びて行き、2002年で64.0%、さらに、07年には89.7%を記録し、その後も80%を超える高い割合で推移している。女性の社会進出に伴い、育児と仕事の両立のために会社が協力体制を整え、社会にも認識が浸透していることが伺える。一方、男性の育児休業取得率を見ると1996年は0.12%、2002年で0.33%、07年で1.56%、11年には2.63%にまで伸びたが12年には1.89%に低下した。その上、男性の育児休業取得期間は、短期のものがほとんどである。12年に育児休業を取得した男性のうち、81.3%が1か月未満という短い期間だった。中にはわずか数日のみという人も含まれている。
13年にライフネット生命保険が有職者の既婚男女1,000人に行った調査によると、育児休業を取得したいと希望する男性は63.6%にも上った。しかし、勤務先には男性が育児休業を取得できる雰囲気がないと答える人が76.4%となり、男性の育児休業を受け入れない会社が多くあることを伺わせる。
日本労働組合総合連合会はパタニティハラスメントに関する調査を13年に実施し、育児に関わる男性525人中、11.6%が会社でパタニティハラスメントを受けたと答えた。パタハラの内容は、子育てのための制度利用の妨害が5.5%、制度利用の申請時の暴言が3.5%、制度利用を受けたことによるいやがらせが1.9%となった。男性の育児参加は女性の雇用促進を支え、経済の活性化にも繋がる。男性も気兼ねなく育児休業を取得できるよう、会社が対策をとることも必要だろう。(編集担当:久保田雄城)