認可外施設で女児死亡、ずさん保育に遺族憤り 行政にも批判 栃木

産経新聞 2014年9月20日

「娘が苦しんでいるのに、なぜ連絡してくれなかったのか」。宇都宮市の認可外保育施設で7月、生後9カ月の山口愛美利(えみり)ちゃん=同市在住=が宿泊保育中に死亡した問題。高熱などの症状を「放置」したことが死亡につながったとして、保護責任者遺棄致死罪などで施設の関係者らを県警に告訴した両親は19日、無念さをあらわにするとともに、施設のずさんな保育実態を事前に把握しきれなかった行政の対応を批判した。

告訴されたのは、施設の責任者やスタッフ3人と、施設の実質的な代表者の計4人。この日、両親は代理人の弁護士とともに宇都宮中央署に告訴状を提出した後、県庁で記者会見した。
「明るくて手のかからない子だった。守ってあげられず悔しい」と沈痛な面持ちで話し、「施設側は『下痢や発熱があるのに、なぜ連絡しなかったのか』と問い詰めても、『様子を見ていた』の一点張り。きちんとした説明も、謝罪もない」と憤った。
愛美利ちゃんが死亡した施設は、児童福祉法が定める保育所に該当しない認可外保育施設。市保育課によると、こうした施設は市内に19カ所あり、設備やサービス内容などを記した運用状況報告書の提出が義務付けられているほか、年に1回立ち入り検査を実施しているという。
施設では、パンフレットやホームページで24時間預かりや夜間保育をうたい、「看護師がおり、嘱託医とも提携しているので病気の場合も迅速な対応が可能」などと宣伝していた。
だが市に提出された報告書には、一時預かりのみで夜間保育などは行っていないと記載され、看護師も常駐していなかった。嘱託医として名前が挙げられていた医療機関は、両親の問い合わせに対して「そんな事実はない」と否定したという。
市は、愛美利ちゃんが死亡する以前に報告書の内容と宣伝内容が違っているのを把握し施設側に指摘。施設側は「対応する」と返答していたが、「事故」は起きた。
市の担当者は「報告書に書かれた内容が本当に正しいかを逐一確認するのは難しいのが現状」と明かすが、両親は「違反車両を認識していたが、そのまま取り締まらずに走らせておいて死亡事故を起こしたようなものだ」と話している。

子供虐待死51人…0歳児4割、出生直後11人

読売新聞 2014年9月19日

厚生労働省は19日、2012年度に虐待を受けて死亡した子供は51人(前年度比7人減)だったと発表した。
0歳児が全体の4割を占め、生後間もない新生児が犠牲になるケースも依然として多い。幼い命を守ろうと、自治体や民間団体では、出産前から妊婦を支援する動きが広がりつつある。

11人は出生直後
厚労省の発表によると、虐待死した51人のうち、0歳児は22人(43%)で、半数の11人は生後24時間以内に自宅などで死亡していた。このほか、無理心中で39人(前年度比2人減)の子供が亡くなった。
虐待死での加害者は、実母が38人(75%)で最も多く、実父が3人(6%)で続いた。頭を殴るなどの身体的虐待が63%、自宅に放置するなどのネグレクトが28%だった。
全体の3割のケースでは、児童相談所(児相)が事前に相談を受けていたが、防げなかった。
虐待原因などを分析した厚労省の専門委員会は、児相や市町村の態勢強化や、出産前からの支援の充実が必要だと指摘。また、乳幼児健診を受けさせずに転居を繰り返す家庭での虐待死が複数起きたことから、子供の所在を把握しやすくするため、自治体間で所在不明児に関する情報を共有できるルールを作るよう国に求めた。

不安な妊婦を訪問
過去の調査でも、新生児が虐待の犠牲になるケースが目立っている。13年3月までの約9年半の間に虐待死した546人のうち、2割の111人は生後1か月未満の新生児だった。望まない妊娠だったケースが多く、自宅での出産が半数を超え、医療機関での出産は1割に満たなかった。
新生児の虐待死に歯止めをかけるため、名古屋市では今年度から、望まない妊娠などで育児に不安を抱く妊婦のもとを、助産師が訪ねるモデル事業を始めた。出産の約2か月前から週1回程度、家庭訪問し、妊婦や胎児の健康状態をチェックしながら、育児の不安について無料で相談に乗る。

多い「望まない妊娠で実母が…」 虐待死の児童、10年間に546人

産経新聞 2014年9月19日

虐待を受けて死亡した児童が平成25年3月までの約10年間に全国546人にのぼり、うち約2割(111人)は生後1カ月以内に死亡していたことが19日、厚生労働省のまとめで分かった。「望まない妊娠」で実母の虐待を受けたケースが多く、同省は「妊娠期から継続した支援を行う必要がある」としている。
まとめによると、虐待死した児童のうち、365人は「身体的虐待」、145人は「ネグレクト(育児放棄)」を受けた。主な加害者は「実母」(55・7%)が最も多く、「しつけのつもりだった」(13・1%)「泣き止まないことにいらだった」(9・2%)などの動機が目立った。
虐待通告を受けるなどして、児童相談所が関与しながら防げなかった事案は121件だった。
年齢別では、0歳児が最多で240人。うち111人は生後1カ月以内、94人は24時間以内に死亡していた。同省が生後1カ月以内の死亡を分析すると、「望まない妊娠」だったケースが約7割に及び、医療機関で分娩したのは約1割。約6割はトイレや風呂場など自宅で出産していた。実母の年齢は19歳以下が約3割と多い一方、35~39歳も約2割に及び、「経済的な問題が背景にあった」(同省)とみている。
母親の約9割は妊娠届を提出せず、母子健康手帳も未発行のままだったといい、同省では「病院が妊娠と診断した際に、助産師らが相談にのれるような仕組みが必要だ」としている。
一方、心中や心中未遂に巻き込まれて死亡した児童は、25年3月までの約9年間に394人。動機は「経済的困窮」や「保護者の精神疾患」など。実母に精神疾患があったケースは42件あり、うち20件は「鬱病」と診断されていた。

幼稚園教諭復職を支援 神奈川県が10月から意向調査

カナロコ by 神奈川新聞 2014年9月19日

県は18日、幼稚園教諭の確保に力を入れるため、免許を持ちながら現場で働いていない“潜在教諭”の復職支援に力を入れる方針を明らかにした。就職希望者のデータベースを作成し、潜在保育士の発掘と並行して取り組む。
県によると、ここ数年、待機児童の解消に向けた保育所整備の拡大に伴い、保育士資格と幼稚園教諭の両免許の保有者が保育所に流れる傾向があるという。
県は潜在保育士の復職支援として10月から、県内の保育士登録者約5万人にアンケートを実施する予定。保育所での就労意欲と同時に幼稚園での意向も調査する。
情報提供に同意した就職希望者はデータベースに登録し、県私立幼稚園連合会が就職説明会への参加呼び掛けなどで活用する。また、県は就職相談会や研修を開催し、幼稚園への現場復帰を支援する方針。
18日の県議会本会議で、自民党の山口貴裕氏(厚木市)の一般質問に、黒岩祐治知事が答えた。

まるでアニメの世界? アバターで通う通信制高校「明聖サイバー学習国」4月開校

ITmedia ニュース 2014年9月19日

「入学したら、まずはアバター作り」──アニメの世界も顔負けの“バーチャル高校生活”が、近く実現するようだ。花沢学園明聖高等学校は、日本初のアバターで通う通信制高校「明聖サイバー学習国」を2015年4月に開校する。
生徒それぞれが自分のアバターを持ち、バーチャル空間上のキャンパスに通うという、ゲームのようなシステムが特徴。学習を進めるごとにたまるポイントを、アバターを着飾るアイテムなどと交換できる。アバターを通じてクラスメイトとのチャットなども楽しめるため、通信制ながらも生徒同士の活発な交流が期待できるという。
デフォルメされたアバターやキャンパスは、「アメーバピグ」に似た雰囲気。PCだけでなくスマホなどからのアクセスに対応しており、移動中などの空き時間を効率的に利用できるという。初年度の予定募集人員数は300人となっている。

<身元不明>身内はどこに…「個人情報保護」のカベ

毎日新聞 2014年9月19日

厚生労働省が19日に公表した認知症の行方不明・身元不明者を巡る全国調査で、身元不明のまま施設や病院などに保護されている人は346人、うち認知症の人は35人に上ったが、個人情報保護などを理由に保護した人の情報をいまだ公開していない自治体も多い。行方不明の身内を捜す家族は早期の全面公開を求めている。
厚労省は認知症の身元不明者35人がいる10都府県名は公表したものの「自治体に積極的な情報公開をお願いしている」として、それ以上の情報は出さなかった。一方、同省は8月に身内を捜す家族らが各地の身元不明者情報を調べられる特設サイトをホームページ(HP)に設けたが、ここに身元不明者情報をリンクした自治体は8府県1市にとどまる。身内を捜す家族が情報を確認できない状況が続いている。
今春行方不明になった大阪市の佐藤美和子さん(74)を捜す長女(37)は「調査結果を期待して待っていたのに、身元判明につながるような具体的な情報が分からず残念。公開しない国や自治体は何を恐れているのだろうか。身元不明者が346人に上ること自体驚きで、行政が努力して捜してきたのか疑問に思ってしまう」とショックを受けていた。
昨年12月に行方不明になった秋田県男鹿市の伊勢谷健一郎さん(77)を捜す長女和枝さん(46)は「父を捜したいのに、身元不明で保護された人の数やどこにいるかはこれまでほとんど分からなかった。一歩前進だが、HPで情報公開している自治体はまだ少なく、346人全員の顔写真などの情報を早く確認できるようにしてほしい」と訴えた。【銭場裕司、山田泰蔵】