赤ちゃんポストに乳児遺体 遺棄容疑で女逮捕、「自宅で出産、死亡」 [熊本県]

西日本新聞 2014年10月04日

3日午後8時半ごろ、親が育てられない子どもを匿名で預かる慈恵病院(熊本市西区)の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」に、生後間もない男児の遺体があるのを病院の看護師が発見し、熊本南署に通報した。死体遺棄容疑で捜査していた熊本県警は4日、同容疑で同県山鹿市中、無職山下舞子容疑者(31)を逮捕した。
県警によると、山下容疑者は「(男児の)母親です。数日前に自宅で出産した男児が死亡した。ずっと家に置いておくわけにはいかず、かわいそうで自分の車で運んだ」と容疑を認めている。
司法解剖の結果、死亡推定日は2日ごろ。死因は出産時に胎児が産道を通過する際、頭部が圧迫されたことによる頭蓋内損傷とみられる。目立った外傷はなかった。県警は出産直後に死亡したとみている。
逮捕容疑は3日午後8時半ごろ、赤ちゃんポスト内に、男児の遺体を遺棄した疑い。県警によると、乳児は身長53センチ、体重約3200グラム。車の日よけカバーのようなものに包まれ、ポストの中にあおむけに寝かされていた。へその緒はなかった。
山下容疑者は両親と子どもの4人暮らし。「以前から、赤ちゃんポストは知っていた」と話している。両親は山下容疑者の妊娠、出産は知らなかったという。
事件当時、同病院近くで車の目撃情報があり、ナンバーなどから容疑者が浮上した。山下容疑者は自宅に戻っていた。
赤ちゃんポストは、経済的理由などで親が育てられない子どもを匿名で預かる国内唯一の施設として同病院が2007年5月に開設。病院外壁に付いた扉を開け、保育器に子どもを預ける仕組み。ブザーが鳴り、職員が駆け付ける。開設から今年3月までに計101人が預けられた。

ポストの趣旨周知を
西南学院大の安部計彦教授(児童福祉)の話 新生児の遺棄事件は、出産した自宅や公衆トイレに遺体を放置する場合が多く、人の目に触れる赤ちゃんポストに入れたのは特異だ。(逮捕された女に)男児への愛着と、育てられないという葛藤があったのではないか。だが通常は出産と死亡の届け出をし、埋葬するのであって、今回のケースは児童虐待と言える。「赤ちゃんを救う」というポストの趣旨をもっと社会に周知することが必要だ。

「最低限の生活すらできず」女性が社福法人提訴

読売新聞 2014年10月04日

静岡市内の障害者施設の職員らから虐待を受けたなどとして、知的障害を持つ市内の60歳代の女性らが、施設を運営する社会福祉法人などを相手取り、損害賠償約1700万円を求める訴訟を静岡地裁に起こした。
訴状によると、女性は法人のヘルパーとして働いていた2011年9月~12年8月、最低賃金に満たない給料で、350日以上働かされた。また、女性と就労支援施設などを利用していた障害のある娘2人は06~12年頃、受給していた障害基礎年金を法人側に管理され、3人分の生活費として法人側から1週間当たり3500円しか与えられなかったといい、「最低限の生活すらできなかった」と主張している。ただし、原告側代理人の小川秀世弁護士は「法人側が年金を着服した事実はない」とした。
法人側は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
また、小川弁護士らは、女性らが静岡市虐待防止センターに相談をしたのに適切な対応をとらなかったとして、市などに対し、法人への厳正な措置などを申し入れた。

日本が世界有数の「がん大国」である理由

エコノミックニュース 2014年10月4日

世界一の長寿国である日本は、実は、世界トップクラスのがん大国でもあるという事実は、どれほど知られているのだろうか。日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡する日本。だが、多くの先進国ではがんによる死亡率が減少しており、死亡率が上昇しているのは日本だけだ。その訳はなぜなのか。
理由の1つは、日本が世界一の長寿国であること。がんは、老化が1つの原因ともされるため、高齢化にともなって高齢者の数が増えると、同時にがんの患者数も増えるのだ。
もう1つの大きな要因は、海外と比べて圧倒的に低い、がん検診の受診率である。例えば、子宮頸がんはアメリカでは84%が受診しているが、日本の受診率はわずか25%。乳がんでもアメリカやイギリスが7割を超えているのに対して、日本は24%と低くなっている。検診の受診率が低いため、発見が遅れて命を落とす人が多いのだ。
がんは、早期に発見さえできれば、多くは治すことができる病気である。がん患者の中で一番多い胃がんは、進行すれば5年生存率が半数を切るが、ごく初期の段階では9割以上が完治する。
多くのがんは、初期はほとんど症状がない。逆にいうと、症状が出てから初めて病院にいくのでは遅いのだ。症状のないうちに、検診でがんを早期発見するのが重要なのは、このためである。
がんによる死亡を防ぐために効果的だとわかっているがん検診だが、なぜ日本では受診率が低いのか。内閣府の調査では、多くの人が「時間がない」ことを理由としていた。時間的な制約のほかにも「がんが見つかるのが怖い」という意見もある。また子宮頸がんなどでは産婦人科を受診すること自体が、心理的なハードルとなっていることも考えられる。
こうした中、8月には国立がん研究センターや国立長寿医療研究センター、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが新たに、1回の採血で13種類ものがんを発見できる診断システムの開発に着手したと発表した。
新たなシステムは、がん患者などの血液中で変化するマイクロRNAに着目したもので、認知症も対象とし、2018年度末の開発を目指すという。このシステムが実現すれば、検診受診率は一気に上がり、がんの克服にまた一歩近づくのかもしれない。
10月は厚生労働省による「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」だ。何よりのがん予防は早期発見である、ということを肝に銘じて、何はともあれ自治体のがん検診などに足を運んでみてはどうだろう。(編集担当:横井楓)

「いらんことだけして…」知的障害児施設で保育士が女児ら虐待

産経新聞 2014年10月3日

滋賀県湖南市の知的障害児入所施設「県立近江学園」で、50代の女性保育士が、入所している女児ら3人に対し、髪を引っ張るなどの虐待を加えていたことが3日、分かった。県が同日の県議会常任委員会で報告した。
県によると、この保育士は今年6月21日午前10時ごろ、学園内で暴れていた小学生の女児の頭髪を引っ張った。また同時期に、学園内で中学生の女子生徒に対して生活態度を注意していた際、頭をたたき、「(女子生徒は)いらんことだけして、何もできひん」などの暴言を浴びせるなどした。
保育士の行為を見ていた他の職員が上司に報告。学園側はすでに3人の保護者に謝罪した。県は女性の処分を検討する。同学園では昨年12月にも、男性保育士が入所している男児に「殺すぞ」と暴言を浴びせたことが分かり、県がこの保育士に口頭で注意した。

殺人や強制わいせつなどで医師4人免許取消-厚労省、歯科医と合わせ35人処分

医療介護CBニュース 2014年10月3日

厚生労働省は3日、医師24人と歯科医師11人の行政処分を発表した。今回の処分で最も重いのは、殺人や強制わいせつなどで司法処分が確定した医師4人と歯科医師2人の免許取り消し。このうち医師1人は、当時所属していた医療法人社団の理事長を暴行するなどして殺害した上、その発覚を免れるため、理事長が病死したなどとする虚偽の死亡診断書を作成するといった罪を犯していた。35人の処分はいずれも17日に発効する。【丸山紀一朗】
免許取り消しになるもう1人の医師は当時、大学院の教授で、自身の研究室に所属していた大学院生の女性に対する強制わいせつの罪を犯していた。また、免許取り消しの歯科医師1人も、帰宅途中などの計5人の女性に対する強制わいせつや同未遂の罪を犯していた。
そのほかの医師の処分は、▽医業停止3年が2人▽同2年が2人▽同1年が1人▽同9か月が1人▽同8か月が3人▽同4か月が1人▽同3か月が7人▽戒告が3人-。医業停止3年の医師のうち1人は詐欺罪で、当時理事長だった整形外科クリニックで診療報酬を請求する際、虚偽の診療報酬明細書などを提出して保険者から現金をだまし取った。
また、そのほかの歯科医師の処分は、▽歯科医業停止3年が1人▽同2年が2人▽同1年6か月が1人▽同6か月が1人▽同4か月が1人▽同3か月が3人-だった。