児相幹部、電話相談「放っておけ」 佐世保高1殺害事件

朝日新聞デジタル 2014年10月26日

長崎県佐世保市の同級生殺害事件の殺人容疑で逮捕された少女(16)=鑑定留置中=について、診察した精神科医が事件前、「人を殺しかねない」と県佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に電話した際、センターの幹部職員が「病院からの丸投げは放っておけ」という趣旨の発言をしていたことが関係者への取材でわかった。この幹部職員は事件後、部下へのパワーハラスメントで処分も受けていた。
県の調査によると、精神科医から児童相談所に電話で相談があったのは事件の約1カ月半前の6月10日。少女については匿名だったが、精神科医は自分の氏名は名乗った。
関係者によると、幹部職員は自治体や病院などの外部機関からの相談を受ける部署に所属。電話を受けた10日は不在で、電話内容は翌日に報告を受けた。その際、「病院からの丸投げを受ける必要はない」との趣旨の発言をした。幹部職員は関係機関からの連絡について普段から「丸投げを受けるな」という内容の発言をしていたという。
電話の内容は幹部職員の上司にあたる所長にも報告され、センターは、支援の必要性を検討する受理会議を開かず、県教委など関係機関にも連絡しなかった。県幹部は「所長も報告を受けており、(幹部職員の発言で)センターの対応に直接的な影響があったとは考えていない」としている。
幹部職員はこのほか、部下への指導で威圧的な言動を繰り返していたといい、事件後、職員が内部告発し、県人事課が調査。県はパワハラと認定し、幹部職員は9月下旬、文書による厳重注意処分を受けた。

子どもへの負担に保護者から不安の声 全国で進む保育所民営化

エコノミックニュース 2014年10月26日

日本全国の自治体で、保育所・幼稚園の民営化が進んでいる。多くの市町村が、はじめは実験的に数カ所を民営化し、続いて自治体全体で民営化を進めていく形をとっている。しかし、「民営化のメリットは行政側に多く偏っていて、肝心の子どもたちへの負担が大きい」、と保護者から不安の声も強い。
直近の事例では、10月7日に神奈川県川崎市が2017年度に市内4ヶ所5園の公立保育所を民営化することを発表。また、9月にも京都市が市営保育所6ヶ所の民営化を検討していることを発表したが、これに対し市内保護者から「拙速な民営化で、子どもへの負担が大きく不安。見直しを検討してほしい」と声が上がっている。京都の市営保育所保護者連絡会は10月20日時点で、見直し検討の署名がわずか10日間で12000筆以上も寄せられたと発表した。
京都市の保護者たちからの反対意見にも顕著だが、民営化のデメリットは保育の質が低下する可能性が高いことにある。民営化の目的はコスト削減・効率化に重点が置かれているため、どうしても人件費から削減されてしまう。人件費が削減されると保育士全体の数も減るだけでなく、特に人件費の高いベテラン保育士が人員削減されるケースが多くなる。もちろん若い保育士の方々を否定するわけではないが、現場に経験豊富な人材が減ることの打撃は大きい。保育士一人当たりの負担も増大し、一人一人の子どもを見守る時間は絶対的に減ってしまう。
民間移管がスムーズに行くかどうかも問題点だ。優れた民営保育所・幼稚園ももちろん存在するが、必ずしも保護者の意に沿った移管先になるとは限らない。実際のところ、これまでの全国各地での民間移管をみると、そうしたケースはむしろ稀なようだ。特に障害やアレルギーを持った子どもは、民営保育所では入所自体を断られることも少なくない。そうした子どもや保護者への支援が手薄になる恐れもある。
そして移管時の最大の問題が、保育士も場所も総替わりしてしまうことだ。0~5歳の乳幼児が、これまで慣れ親しんでいた大人からある日突然引き離され、環境が様変わりしてしまうというのは、どれだけストレスが大きいだろうか。事実、移管後の環境になじめず不安を訴えたり、神経質になったりする子どもも多いという。加えて、保育士側や保護者も環境の変化による負担を大きく受けることになる。
もちろん自治体側の経費削減や効率化の他、運営が公でなくなる分、園ごとに判断が迅速化されるなど、民営化にはメリットも存在する。しかし、それは本当に「子どもにとってのメリット」につながっているだろうか。養育・教育においては、効率よりも求めるべきものがあるのではないだろうか。
民営化を検討する全国の自治体には、本当に子どもが伸び伸びと育つことができる環境を考え、慎重に保護者と対話を重ねていってほしい。(編集担当:久保田雄城)

認知障害の生活支援アプリ「あらた」がすごい!〈ASAhIパソコン〉

dot. 2014年10月26日

交通事故などでの脳の損傷や脳卒中などにより、脳の機能に障害が起こる「高次脳機能障害」。これにより、記憶障害や注意障害、遂行機能障害、社会的機能障害などが生じて、「次に何を行ったらいいかが分からなくなる」など、生活する上で大きな困難を抱えている。また、支援する側にも大きな負担を感じる人が少なくない。
このような障害を抱える人たちのために、大阪府豊中市にあるITベンチャー企業「インサイト」は、日本初となる認知障害を持つ人々を支援するAndroidタブレット用アプリ「あらた」を開発した。
「あらた」は、アラーム機能やスケジュール管理機能によって、高次脳機能障害を抱える利用者に「次に何を行ったらいいか」を教えてあげることで行動を促し、生活リズムを支援してくれるツールだ。
最初に出てくるメイン画面の「あらたパネル」では、一日のスケジュールをタイムライン形式で表示。「家の掃除をする」「病院に行く」など、次にどのような日常生活の行動を取ったらよいかを画面に大きく表示して教えてくれる。
また、予定の時間になるとキャラクターの「くーちゃん」が登場し、メロディーと音声で知らせてくれる機能も。この音声には、家族や介護士の声などを収録することも可能。
新たな予定をスケジュールに入力する時は、過去のスケジュール登録履歴から、候補を表示して選べるなど、簡単に登録できるようになっている。
さらに、チェックリスト形式で忘れ物を防ぐ機能も備えている。たとえば、病院に行く場合、「診察券を持つ」「お金の準備をする」「家の鍵を持つ」などのチェックリストを自動で表示、できたことからチェックしていき、最後に「できましたスタンプ」を押すことができる。こうすることで、行動漏れだけでなく、行動記録を残すこともできるのだ。
また、その日の行動を振り返って確認できたり、メモを作成して日付を指定しておくと、指定日に「今日見るメモ」として通知してくれたりする機能も。他にも、人の名前をなかなか覚えられない時に、顔写真と名前を登録して記憶の補助をしてくれる機能なども搭載。
このアプリは、厚生労働省の2013年度の「障害者自立支援機器等開発促進事業」で開発され、ITヘルスケア学会第8回年次学術大会で「製品賞」を受賞した。6都県の高次脳機能障害を持つ人たちと、家族会や大学病院などによる実証実験も行われ、支援をする人たちからは「本人に直接言わなくてもタブレットに従ってくれるので助かっている」「タイマー通知により自分で行動してくれるのでガスを使う時などに目を離しても安心」といった声が寄せられているという。
アプリは月額540円で利用できる。高次脳機能障害を抱える人々にとって、頼れるパートナーとなってくれるアプリかもしれない。

繰り返される銃乱射事件、シアトルで衝撃広がる

TBS系(JNN) 2014年10月26日

アメリカ西部ワシントン州の高校で、生徒5人が14歳の男子生徒に撃たれ死傷した事件。乱射事件が繰り返し起きている銃社会のアメリカですが、現地では衝撃が広がっています。
この事件は現地24日、ワシントン州シアトル郊外の高校の食堂で、14歳の男子生徒が銃を発砲し、女子生徒1人が死亡、生徒4人が重体などになっているものです。AP通信などによりますと、犯行に使われたのは40口径のけん銃とみられ、男子生徒は犯行後、自殺しています。
「事件が起きた高校のフェンスには、多くの花が手向けられています。いまも花を手向けにくる人が後を絶ちません」(記者)
「そんなような事をする子には見えなかったので、とてもショックです。ただショックで、悲しく、混乱しています」(容疑者の男子生徒の知人)
今回の事件に、地元では大きな衝撃が広がっていて、地元当局は来週、学校を休みにするとともに生徒らの心のケアを行うということです。
男子生徒が最近、人間関係に悩んでいたとの情報もありますが、今のところ動機ははっきりせず、地元警察が引き続き捜査を続けています。