幼児は爬虫類との接触に注意

サルモネラ症の4分の1が爬虫類から、英国で

Medエッジ 2015年1月10日

英国南西イングランド地方の5歳未満の子どもの爬虫類に関連したサルモネラ症とその重症度についての研究が行われた。
英国コーンウォールのロイヤル・コーンウォール病院を中心とする研究グループは、その結果を小児領域の国際誌であるアーカイブズ・オブ・ディジーズ・イン・チャイルドフッド誌オンライン版で、2014年12月22日に報告した。

爬虫類由来の場合、入院や侵襲性疾患が多い
サルモネラ症はサルモネラ菌の感染によって起こる病気で、子どもやお年寄りで腸炎などを起こす。
肉や卵による食中毒のほか、ペットの爬虫類からも感染することが知られている。
今回の研究で、サルモネラ症になった5歳未満の子どもの4分の1以上が爬虫類と接触していることが明らかになった。
爬虫類に関連したサルモネラ症は、爬虫類以外が原因のサルモネラ症と比べて低年齢の子どもに多く、また入院する割合や、菌血症や髄膜炎、大腸炎などの侵襲性疾患の割合も高かった。
日本でもかつてミシシッピアカミミガメによるサルモネラが問題になったことがった。あらためて注意をしたい。

役員報酬を透明化 厚労省、社会福祉法人に義務づけへ

福祉新聞 2015年01月05日号

厚生労働省は12月19日、社会福祉法人の理事など役員の報酬について、法人の定款や評議員会が支給基準を定めること、法人がそれを公表することを義務付ける方針を打ち出した。役員が自ら自分への報酬を決められる現状を改める。公益財団法人などと同様の透明性を求める。2015年の通常国会で関連法の改正を目指す。
厚労省の調べでは、現在、社会福祉法人の理事が理事としての報酬を得る例は多くはない。現行法は、法人にその水準を定めたり公表したりするよう求めていない。しかし、不当に高額な報酬を得ていると疑われる例もあるとして厚労省は法改正に踏み切る。
役員報酬の総額は公表を求めるが、個別の役員の報酬額は所轄庁への報告事項とするにとどめる。同日の社会保障審議会福祉部会でこうした案を示し、おおむね了承された。
ただ、法人が決めた役員報酬の基準の妥当性を、自治体が何をもって判断するかは難しい。委員からは、厚労省が指針を示すよう求める意見が上がった。
このほか厚労省は、社会福祉法人が役員やその近親者、グループ法人に利益誘導する目的で法人の物品などを調達することのないようにする。現在は法人の関連当事者との取引額が年間1000万円を超える場合、財務諸表に記すことになっているが、年間100万円に引き下げる方針。これに対し、法人の事務負担が増すことを懸念する声が上がった。

不急の110番、200万件=「スマホパスワード忘れた」も—警察庁

WSJ 2015年1月10日

全国の警察が昨年1〜11月に受理した110番通報は852万4175件で、前年同期より7万件余り減ったことが9日、警察庁のまとめで分かった。24.3%に当たる約207万件が「公衆トイレに入ったけど紙がない」「スマートフォンのパスワードを忘れた」など、110番になじまない内容だった。
要望や照会、虚報・誤報など、緊急対応が不要な通報は0.2%増の206万9889件あった。同期間の統計が残る2004年以降、11年連続で200万件を超えた。駐車トラブルや騒音をめぐる苦情の類が多い。
中には、「自動販売機の釣り銭が出ない」「耳に虫が入った」「トイレが詰まった」など警察が通常でも扱わない事案のほか、「子どもを病院に連れて行きたいが、渋滞する時間なのでパトカーで先導して」という無理な要望もあった。
通報受理から警察官が現場に到着するまでにかかった時間は全国平均で7分0秒。前年同期より4秒遅くなった。
警察庁は「緊急でない相談などは専用電話『#9110』を利用してほしい」と呼び掛けている。
[時事通信社]

2016年から実施される マイナンバー制とは?

キッズコーポレーションのハイスクールタイムス

共通番号制度の利点と問題点
国民一人ひとりに番号を振り分けて、年金や納税などの情報を一元的に管理する共通番号制度(マイナンバー制)が、3年後の2016年1月からスタートします。行政サービスの向上や事務の効率化、手続きの簡素化などのメリットがある半面、プライバシーの侵害、個人情報の漏えいや不正利用などが心配されます。マイナンバー制のメリットと問題点を検証してみましょう。

2016年から実施される マイナンバー制とは?  – ICチップ付きの12桁の個人番号カードを交付 –
マイナンバー法とも呼ばれる共通番号制度関連法が今年5月に参議院で可決・成立し、いわゆる〝国民総背番号制〟がスタートすることになりました。
2015年10月から国民一人ひとりに、12桁の個人番号(マイナンバー)を記した「通知カード」が郵送されます。
そして2016年1月から、名前や住所、性別、生年月日、固有のマイナンバーと自分の顔写真などが記載されたICチップ付きの「個人番号カード」が、通知カードと引き換えで交付されます。
一体マイナンバー制とはどういうものでしょうか。それはなぜ必要なのでしょうか。

2016年から実施される マイナンバー制とは?  – 各省庁が個別に管理している個人情報を共通番号で一元的に管理 –
現在、私たち国民は、一人ひとりが多くの個別番号をもっています。例えば年金手帳の基礎年金番号や健康保険証番号、運転免許証番号。さらにパスポート番号、税金を納める場合の納税者番号、住民基本台帳コード、雇用保険や介護保険の番号などです。
これは税金関係(財務省)、年金や社会保険(厚生労働省)、住民基本台帳(総務省)、運転免許証(警察庁)、パスポート(外務省)といった国の行政サービスが省庁の縦割りになっているため、個人情報を管理するための個別番号が数多く存在しているのです。
マイナンバー制とは、各行政組織が個別に番号を割り振って管理していた個人情報を、一つの共通番号によって一元的に管理しようというものです。

2016年から実施される マイナンバー制とは?  – 所得や納税実績、年金や社会保険の受給状況を正確に把握 –
具体的には、各自治体が管理している住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を基にして、すべての国民(日本在住の外国人も含まれる)に個別の番号「マイナンバー」を割り振ります。
これを共通番号として、それぞれの役所が管轄している年金、医療、介護、税務といった個人情報をリンクさせて一元的に管理します。これによって行政機関は国民一人ひとりについての所得や納税の実績、年金など社会保障の需給の実態を正しく把握できます。
行政事務は大幅に簡素化され、ミスのない公平で効率的な行政サービスが実現できると期待されています。

ずさんな事務処理で「消えた年金記録」事件が発生
第一次安倍内閣の時代の2007年に、『消えた年金記録』という事件が起こりました。
年金などを管理する当時の社会保険庁(今の日本年金機構)が、本人確認をおこたったり記載ミスなどのずさんな事務処理のため、多くの高齢者が年金をもらう権利を失ったり、本来の年金額より少ない金額しか支給されない事態が発生しました。
しかも、5000万件もの年金番号が宙に浮いて大きな社会問題となりました。これを機に社会保険庁は解体されて日本年金機構が誕生し、年金記録をきちんと管理する体制づくりが見直されました。
マイナンバーで年金記録を管理すれば、正しい本人確認ができるため、チェック機能が働いてこうしたトラブルは避けることができるといわれています。

行政の事務手続きが大幅に簡素化され、利用者も便利
マイナンバー制にはどんなメリットがあるのでしょうか。
年金の申請や児童扶養手当の申請、税金の確定申告などでは、住民票や所得証明書などの添付書類が必要です。
これに対してマイナンバー制では、共通番号カードの提示だけで手続きが簡単にでき、行政の窓口業務が大幅に簡素化されて、利用者も大変便利になります。また、病院で電子化したカルテを共通番号で管理すれば、全国どこの病院でも過去の診断や治療歴を確認することができて、検査や投薬の重複を減らすことができます。
東日本大震災では、病院でカルテが消失して患者の治療が遅れたケースがありましたが、共通番号でどこの病院でも個人の病歴が分かれば、避難先でも迅速に適切な治療を受けることができます。

欧米先進国では早くから共通番号制度を実施
こうした共通番号制は欧米先進国では早くから実施されています。
アメリカの社会保障番号(1936年)、イギリスの国民保険番号(1948年)、スウェーデンの個人識別番号(1947年)、カナダの社会保険番号(1964年)、韓国の住民登録番号(1962年)、オランダの市民サービス番号(2006年)などがあります。
日本でも1968年(昭和43年)に、当時の佐藤栄作内閣が「各省庁統一個人コード連絡研究会議」を設置して、国民総背番号制の導入をめざしましたが、「個人のプライバシーが侵害される恐れがある」という反対意見が強く、途中で頓挫しました。

社会保障、税制、災害対策の3分野で2016年から実施
今年5月に成立したマイナンバー法では、社会保障制度(年金、医療、介護、福祉、労働保険)、税制(国税、地方税)、災害対策(被災者の生活再建支援など)の3つの分野に限定して共通番号制が実施されます。
2016年1月からの運営開始では、3分野93項目の事務が対象となります。具体的には年金や失業保険の受給手続き、医療保険や介護保険などの給付や保険料の徴収、さらに被災者生活再建支援金の支給、確定申告などが、添付資料なしで簡単に手続きができるようになります。

所得を正確に把握して公平な税負担と公正な社会保障を
また、マイナンバー制によって、より正確な所得に応じた税の負担や社会保障の給付を行うことができます。
民主党政権の時代から「社会保障と税の一体改革」が叫ばれてきました。低所得者には税負担を減らし、高所得者には社会保障の給付を減らすという、公平、公正な社会保障の改革につながると期待されます。
2017年には「マイポータルサイト」と呼ばれる自分専用のウェブサイトが開設され、自分がいくら所得を得たのか、あるいは年金や介護保険料をいくら支払ったのか、またはいくら給付を受けているのか、といった情報を確認することができます。

2016年から実施される マイナンバー制とは?
転居や結婚して姓が変わっても継続して過去の記録を管理
マイナンバーを記した個人番号カードは、それ一枚で現在個別に支給されている年金手帳や健康保険証、介護保険証などの情報管理ができ、身分証明書を兼ねることができます。
転居したり結婚や養子縁組で姓が変わっても継続して過去の記録が管理でき、過去の年金記録の記載漏れや、低所得者を偽装した生活保護費の不正受給といったトラブルを未然に防ぐことができます。
マイナンバー制は行政側にも国民側にもさまざまな利便性をもたらしますが、同時に個人のプライバシーの保護やセキュリティの問題に大きな不安や危険性をはらんでいます。

個人情報の流出や不正利用、「なりすまし」を警戒
今回成立した共通番号法では、医療や民間サービスなどでのマイナンバーの利用は認められていませんが、今後利用範囲が拡大するに伴って個人情報の監視、個人情報の流出や不正利用などが懸念されます。
社会保障番号という名称でマイナンバーを導入している米国では、番号が盗用されて本人の知らない間にローンが組まれる「なりすまし」による被害が多発しています。
韓国でも住民登録番号がネット上に流出して、他人が番号を流用してショッピングするなどの詐欺事件が相次ぎました。

第三者機関の「特定個人情報保護委員会」で監視の目
マイナンバー法では、こうした被害を防止するため窓口などでの本人確認は、顔写真入りの「個人番号カード」で行うことと定めています。
また情報を外部に漏らした場合には、4年以下の懲役または200万円以下の罰金を科す罰則規定も設けています。
政府は個人情報を守るために、マイナンバーを利用する行政機関や民間企業に対して強い調査権限を持ち、不正があった場合に勧告や命令ができる独立性の高い第三者機関の「特定個人情報保護委員会」を設けて、情報漏れや不正防止に厳しい監視の目を光らせるとしています。

2016年から実施される マイナンバー制とは?  『ネット社会とマイナンバー制』
細心の注意と万全のセキュリティが求められる –
今や私たちの日常生活は、インターネットの活用が不可欠なネット社会となっています。このため、マイナンバー制では2017年1月からネット上に自分専用のポータルサイト「マイ・ポータル(情報提供等記録開示システム)」が設けられます。
自分のパソコンで所得や納税の記録、年金や介護保険料の支払い状況などを、個別のサイトにいちいちアクセスすることなく、一度でまとめて閲覧することができます。
パソコンのない人も役所の窓口の端末で手軽に確認作業ができるようになります。また、スマートフォンでの対応も検討中です。
ただ、最近サイバー攻撃やハッカーによる不正アクセス事件が多発しており、マイ・ポータルにある個人情報をのぞかれたり、不正操作される危険性も十分考えられます。
情報の一元化は利便性、効率性というメリットの半面、万が一セキュリティが破られた場合の被害は甚大なものになります。
マイナンバーがどういう場面で使われるのか、またマイ・ポータルをどう活用するのか、細心の注意と万全のセキュリティが求められています。