虐待被害児、聴取を一度だけに 神奈川のNPOが面接室

朝日新聞デジタル 2015年1月14日

虐待を受けたうえ、児童相談所(児相)や警察、検察からバラバラに話を聞かれて心の傷を深める子どもがいる。聞き取り調査が一度で済むようにできないか――。そんな思いから米国の方式を採り入れた「子どもの権利擁護センターかながわ」が2月上旬、神奈川県伊勢原市にできる。
NPO法人「子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」(事務局・伊勢原市)が小田急伊勢原駅南口近くのビル1階につくる。面接室のほか、面接の様子を観察できるモニタールーム、子どもの診察室を設置。診察室は、できるだけ子どもの負担なく性被害の有無などを検査できる機能を備える。待合室にはカーペットを敷いて遊べるスペースを設け、面接室にも人形を並べるなど子どもの緊張を和らげる工夫や配慮をする。
「子どもに優しい環境づくりという意味で、これだけの施設は全国的に例がないと思う」と同ネットワーク理事長で医師の山田不二子さんは言う。
開業する伊勢原市の病院に治療に来ていた母親が数年後に転居先で自分の赤ちゃんを死なせた事件がきっかけで、山田さんは1998年に同ネットワークを設立。子どもに関わる相談を電話で受け付けるほか、自治体の虐待防止の取り組みにも関与し、「虐待を防ぐには社会全体が取り組むべきだ」と発言し続けてきた。
その中で、子どもが児相、警察、検察から繰り返し聞き取りを受け、大きな負担になっていることを実感した。特に性虐待の子どもは何度も聴取されて被害を「再体験」し、深いトラウマを抱える。しかも子どもは相手次第で話を変える傾向がある。
そこで目を向けたのが、米国などが80年代から導入している司法面接制度だ。専門訓練を受けた面接者が子どもから話を聞き、別室の児相、警察、検察の関係者がモニターテレビで確認する。子どもの負担が一度で済み、証言も変わらない。このシステムを根付かせようと、同ネットワークは研修会を各地で開催。講義や模擬面接で効果的な面接の仕方を伝えてきた。

B型肝炎ワクチン、0歳児に3回接種へ 厚労省分科会

朝日新聞デジタル 2015年1月16日

肝がんや肝硬変に進行する恐れのあるB型肝炎のワクチンについて、厚生労働省の分科会は15日、すべての0歳児に3回接種する方針を決めた。財源や供給量を検討した上で、早ければ2016年度に予防接種法に基づく定期接種にし、公費で受けられることを目指す。
B型肝炎ウイルスは血液や体液で感染する。従来はウイルスに感染している母親から子どもへの感染が多かったため、妊婦を検査して感染が確認されれば、赤ちゃんにワクチンを注射する予防策が1986年からとられてきた。
これにより母子感染は大幅に減少したが、頻度は低いものの家庭内や保育所などで子どもが感染する可能性もあるとして、予防接種が有効と判断した。
B型肝炎ワクチンをめぐっては、世界保健機関(WHO)がすべての乳児への接種を推奨している。厚労省の部会が12年に「広く接種を促進していくことが望ましい」という提言をまとめ、接種対象年齢などの検討を進めていた。(伊藤綾)

保育士の園児暴行事件 あすにも逮捕状請求=韓国

聯合ニュース 2015年1月15日

【仁川聯合ニュース】韓国・仁川市内の保育園の女性保育士(33)が園児(4)に暴行を加えた事件で、警察は16日にも児童福祉法上の虐待容疑で逮捕状を請求する方針であることが15日、分かった。
警察は同保育園に通う園児の保護者16人が提出した16件の被害陳述書のうち、信ぴょう性が高いと思われる4件についても調査を始めた。被害陳述書には「先生が顔を殴った」「先生がお尻を打った」「友達が先生に殴られるところを見た」などの内容が含まれている。
警察は入手した監視カメラの映像の分析を終え、虐待とみられる場面2件を新たに確認した。警察関係者は「容疑の常習性を裏付ける資料として提出される」と説明した。
8日午後、娘が保育園で保育士の女性から暴行を受けたとの通報が両親から入った。警察が保育園の監視カメラを確認したところ、食器を回収する際に園児が食べ残したのを見つけ、保育士が無理に食べさせた。園児がそれを吐き出すと、保育士は突然、右手で園児の頭を強く叩いた。立っていた園児は保育士に叩かれて、床に倒れた。
保育士は12日に行われた取り調べで暴行の事実を認めながらも、「しつけのためだった」と話したという。

保育・介護士不足に舛添知事「重要なのは給料」

読売新聞 2015年1月15日

東京都の舛添要一知事は15日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、16日に発表する都の2015年度事業などを説明した。
保育や介護現場での深刻な人材不足への対策として、都は保育士や介護士の昇給分を負担する新制度を導入する。舛添知事は「いくら施設を作っても、保育士や介護士が足りない。重要なのは給料を上げることだ」と述べた。また、水素を燃料とする燃料電池車の購入費用を補助する制度についても触れ、「東京五輪の選手村も含めて、水素で電力を供給する新しい街づくりを進める」と発言した。

4万人に聞いた「会社を退職した理由」TOP3は、キャリア、待遇、ワークライフバランス

@DIME 2015年1月15日

厚生労働省が昨年10月31日に発表した2014年9月の有効求人倍率は、前月比0.01pt減の1.09倍と 3年4ヶ月ぶりに下落となったが、いまだ1倍を越える高水準。企業にとっては、人材を確保することがより難しい状況が続いている。人材確保のためには、まず優秀な人材の流出を防ぐことが不可欠だ。では、企業で働き続ける現職者と、退職者を分ける道は何か? 就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」を運営する株式会社ヴォーカーズは“退職理由”に関する調査レポートの第2弾として、同サイトに投稿された社員クチコミのテキストマイニング結果を11月5日に発表。実際に投稿された4万370件の「社員による在籍企業評価レポート」の回答データを対象に、退職理由に関するフリーコメントを分析した。
調査の結果、社員クチコミから見る3大退職理由は、1位「キャリア」、2位「待遇」、3位「ワークライフバランス」であることがわかった。また、男女別、退職理由の特徴をみると、女性では「人間関係・社風」を理由とする退職の割合が大きいことが明らかになった。また、世代別に退職理由の特徴をみると「ハードワーク」を理由とする退職は20代前半までに集中、「会社都合」の退職理由は40代から急増していることがわかった。

クチコミに見る退職理由キーワードの第1位は「仕事」、第2位は「上司」
「Vorkers」に寄せられた退職理由のクチコミから、退職理由に関わるキーワードトップ50を抽出した。1位「仕事」に関するクチコミをみると、「他にやりたい仕事があった」「仕事の幅を広げるため」といった文脈で多く使われており、自身のキャリアと会社が与える業務やキャリアパスとの不整合が退職の原因となっていることが推測される。次いで2位には「上司」のキーワードが登場。「上司との相性の悪さ」や「上司に不満」といった直截的な理由を挙げる回答も見られた。モチベーションを維持する上で、上司との良好な関係性が重要であり、逆の場合、それが退職要因の引き金になることが伺える。

クチコミから導く退職理由の6大要因
「Vorkers」に寄せられた退職理由に関するクチコミのキーワードを分類したところ、退職要因として考えられる6つの傾向が見えてきた。最も大きい退職要因は、「キャリア」で出現率が約40%となっている。次いで、「待遇」16.18%、「ワークライフバランス」15.18%と続いた。これら3つの退職要因が社員の満足度に直結する重要な要素と考えることができるだろう。企業にとっては、有能な人材を確保するために、まずはこの3つの要因について、自社社員の満足度を把握することが必要であると思われる。

男女別の退職理由は
また、退職理由の6大要因を男女別で比べると、各要因に対する男女の意識の違いが現れている。まず、女性の方が男性よりも重視している項目についてみると、「ワークライフバランス」「人間関係・社風」が約2倍、「ハードワーク」が約5倍、男性よりも女性による出現率が高くなっている。

世代別の退職理由は
次に年齢別(20-25歳、26-35歳、36-45歳、46-55歳)による退職要因の変化に着目してみると、

◎年齢に関わらず、「キャリア」が最大の退職理由
ビジネスのキャリアを何年積もうとも、ビジネスパーソンにとって、仕事が自分の成長を促してくれるものであるか、仕事にやりがいを感じられる環境にあるかということが最も大きな退職要因になるようだ。ランキング上位には年齢に関わらず「キャリア」に関するキーワードが上位を占めている。

◎「ワークライフバランス」は、若手ビジネスパーソンに多く登場
20代から30代前半の年齢で、「プライベート」「家庭」「結婚」といったキーワードが上位に現れている。一方、「ワークライフバランス」に関係するキーワードは、年齢が上がるにつれて少なくなっている。また、「体調」「ノルマ」「体力」といった「ハードワーク」に関するキーワードが、20-25歳でいくつか挙がっているものの、26歳以降の年齢では上位に現れていない。まだ慣れぬ仕事のハードさと共に、ライフステージの変化によるプライベートとの両立に悩む若い世代の姿が浮かび上がる結果となった。

◎「会社都合」のしわよせが中高年層の退職に影響
業績悪化などによる「会社都合」だが、若手社員では上位に登場することはない。年齢が高くなるほど、「リストラ」「希望退職」といったキーワードが上位に登場。業績悪化のしわよせが、まず中高年層の社員の退職に向けられている現実が見えてくる。

【データの集計について】
データの収集方法
「Vorkers」の在籍企業評価レポートへの回答を通じてデータを収集。在籍企業評価レポートの回答条件は下記の通り。
・社員として1年以上在籍した企業の情報であること
・500文字以上の自由回答と、8つの評価項目に回答すること

データの収集方法
2007年7月~2014年10月に、元社員から投稿されたレポート回答(全4万370件)が対象データ。