「親から虐待」半数超 里子・養護施設の子供4万8千人 厚労省調査

産経新聞 2015年1月16日

家庭の事情で児童養護施設に入所したり、里親に預けられたりした子供は平成25年2月時点で約4万8千人で、このうち5割超が親から虐待を受けた経験があることが16日、厚生労働省の調べで分かった。親による虐待が入所や委託の主な理由となったケースも4割近くあるなど、虐待被害の割合はいずれも前回調査(20年)を上回り、同省家庭福祉課は「虐待の相談件数自体が増えており、施設側もきめ細やかなケアや家庭的な養育環境が必要だ」としている。
調査は保護が必要な児童の福祉増進などを目的に原則、5年に1度行われており、児童養護施設や乳児院、里親家庭で暮らす子供などが対象。
調査によると、施設などで暮らす子供は計4万7776人で、前回調査より378人減少。施設別では児童養護施設が2万9979人▽母子生活支援施設6006人▽里親家庭4534人-などだった。
このうち「虐待を受けた経験がある」と答えたのは、全体の54・3%(前回50・9%)にあたる2万5947人。児童養護施設に限定すると、59・5%(同53・4%)の1万7850人が虐待を受けており、全体の平均を上回った。
一方、それぞれの養護問題が発生した理由について尋ねたところ、一般的に虐待とされる「両親の放任・怠惰」「養育拒否」などの合計は37・6%(同33・9%)。両親の精神疾患や入院、死亡のほか、破産などの経済的理由も挙げられた。

産休期間中は健康保険と厚生年金支払いが免除されるって知ってた?

Mocosuku Woman 2015年1月17日

少子化対策の一環として、子育てをサポートする様々な制度が導入・改正されるようになりました。
その結果、かつて日本の出生率は全194ヶ国中第179位だった2005年から、少しずつ出生率が伸び始めています。
出産・育児に関係する様々な制度の改正・拡充を正しく理解し、受けられる支援や給付金はしっかり利用して賢く子育てしましょう。

手続きの手間が削減!出産一時金の直接支払制度
例えば出産育児一時金。厚生労働省の調べによると、出産に掛かる費用の平均は47万3000円以上とかなりの高額で、これに健康保険は適用されませんから自費で支払わなければなりません。
しかし、出産育児一時金を利用すれば42万円を受け取ることができますから、自己負担は約5万円強で済むわけです。また制度改正により、直接支払制度が強化され、妊婦さんが手間の掛かる手続きの負担を負わなくても良いように配慮されています。
直接支払制度とは出産育児一時金の請求や受取を、妊婦さんではなく医療機関が行って直接健康保険組合が医療機関に42万円を支払うというもの。
また、直接支払制度がまだ整っていない小規模な医療施設であっても、妊婦さんが健康保険組合へ出産育児一時金の請求を行い、その受取を医療施設に委任することで、医療施設へ直接一時金が支払われるという、受取代理が制度化されるようになりました。

産休期間中は健康保険と厚生年金支払いが免除される
また、社会保険料に関しても、少子化対策の一環として新たに法律が改正されています。
一つは2014年4月から実施されている産休期間中の健康保険及び厚生年金保険料の免除。
これは事業主が年金事務所や健康保険組合に申請することで、産休中の従業員及びその事業主に対してその期間中保険料の支払が免除されるというものです。
労働基準法においては妊娠した女性について産前6週間産後8週間の間就業させてはならないと定められていますが、その期間中の社会保険料が免除されるというわけです。
もちろん、免除された期間も保険料を納めたものと見なされるので、健康保険は通常通り給付されますし、将来の年金額に差し支えることもありません。
これに加えて以前から定められている育児休業期間中の社会保険料免除も継続されますから、実質産前6週間から育児休業期間が終了するまでずっと社会保険料が免除になるということです。

父親にも遺族年金
更に社会保障と税の一本改革関連法の成立により、父親にも遺族年金が支払われるようになりました。これまで遺族年金は子供のいる妻が夫を亡くした場合にのみ支給されるもので、子供のいる夫が妻を亡くした場合には支払われませんでしたが、この改正法により、父子家庭にも同等に支給されることになったのです。これによって性別による不平等がまた一つ改善されたと言えます。

年金の「世代間格差」、本当にないのか 厚労省年金マンガに「色々ひどい」と反発

J-CAST ニュース 2015年1月14日

厚生労働省がホームページ上で公開している公的年金の制度や現状を解説するマンガが「色々ひどい」とツッコミを浴びている。
「公的年金がなくなることはありません」「若者が損とは言えません」。厚労省としては仕方がない説明なのだろうが、若い世代を中心とした読者を納得させることはできず、反発を招いてしまった。

「これでほんとに若い人が納得するんだろうか」
マンガは「いっしょに検証!公的年金」というタイトルで、全11話86ページが2014年5月14日に公開された。両親と10~30代の兄妹の家族が、年金にまつわる疑問や不安を口にすると、制度に詳しい「年金子(とし・かねこ)」が「ご安心くださーい」といって解説する内容だ。
公開直後もマンガについて書き込む人がいなかった訳ではないが、15年1月中旬ごろに、一部ツイッターユーザーに発掘されたらしく、まとめサイトに取り上げられ、ネットで注目を浴びた。
特に批判が集まっているのが、給付額の世代間格差について描いた場面だ。働く20代女性の「年金額が今の人よりすっごく減るって聞いたわ」という悩みに、年金子は現在給付を受けている世代が教育や医療が不十分な時代を耐えて日本を発展させたと熱弁を振るい、「そのおかげで今の若い世代が豊かに暮らしていることを考えると、受け取る年金に差があったとしてもそれだけで若者が損とは言えないと思いませんか?」と訴えかける。
作中の人物は「確かにあたしたち好きな大学に行かせてもらえるしなあ」とすっかり納得。しかし、現実の読者からは「論理のすり替えが酷すぎる」「これでほんとに若い人が納得するんだろうか」と反発する声が上がっている。
作中には、少子高齢化を心配する女子大生に「あんたが結婚してたくさん子どもを産めばいいのよ」と母親がけしかけるなど、未婚女性をやゆするような場面がしばしば描かれる。これには「女性に何を求めているのかがあけすけ」「女性団体とかもっと怒っていいと思う『女は産む機械』発言とほとんど一緒やんけ」と批判的な意見も少なくない。