静岡県が全国初の施設出身者の大学就学支援施策

産経新聞 2015年2月13日

国が昨年8月に「子供の貧困対策に関する大綱」を決定するなど、子供の貧困対策が社会問題化する中、県は12日、「県子どもの貧困対策推進本部」の本部員会議を初開催。県庁各部は、全国初となる児童養護施設出身者の大学就学支援など、来年度の子供の貧困対策関連施策を報告した。また同本部は、来年10月に「県子どもの貧困対策計画」を策定するなど今後のスケジュールを決めた。
さまざまな理由で家族と離れて児童養護施設に入所したり、里親の下で育った子供たちは、施設や里親からの支援を20歳になるまでは受けられるが、それ以降は就学や就職の支援がなくなるため、路頭に迷う例も少なくない。県は施設や里親の下で育った子供が20歳以降に大学や専門学校などに就学するのを支援するため、来年度1千万円を計上。施設に毎月25万910円、里親に毎月12万950円を供与する。子供は、20歳時点で在籍していた大学や専門学校を卒業するまで、施設や里親から支援を受けることができる。
都内で施設を出た人のアフターケアに取り組むNPO法人「日向ぼっこ」の渡井隆行代表は「すごく心強い。静岡県の支援策がきっかけになって全国的に広がれば」と期待を示した。
この日の会議では、県企画広報部が、生活保護受給率が高い外国人の日本語指導や、就学していない外国人の子供の実態調査の必要性などを報告。また、くらし・環境部からは、子育て世代の住宅確保の支援策などが報告された。同部の斎藤和裕部長代理は「子育て世帯の生活を支援するのはある意味で貧困対策なので推進していく」と述べた。
また、今後、静岡県版の子供の貧困対策計画については、今年度中に策定する子育て支援計画「ふじさんっこ応援プラン」の中に盛り込むことも決めた。来月に、同本部の幹事会を開催し、同計画の項目選定などを行うなどのスケジュールも決めた。同本部の本部長を務める、宮城島好史・県健康福祉部長は「今は全国の子供の6人に1人が貧困ということで、大変深刻な状況。貧困の連鎖を起こさせない社会に県として取り組みたい」と話した。

社説[保育士不足]優先すべきは処遇改善

沖縄タイムス 2015年2月14日

このままでは3年後、全国で保育士が7万人近くも足りなくなるという。待機児童解消に向けた受け皿整備が進む一方で、保育士の処遇改善が遅れているためだ。
厚生労働省によると、2013年度時点で、保育所で働く保育士は約38万人。保育のニーズがピークを迎える17年度末には約46万人が必要となる。これから増える分を差し引いたとしても約6万9千人が不足する見通しだ。県内でも2千人余りが足りなくなると推計される。
保育士は、特に女の子のあこがれの仕事で、なりたい職業の上位にランクされることが多い。現役保育士からも、子どもが好きで、子どもの成長にやりがいを感じるとよく聞く。それなのになぜ、足りなくなるのか。
厚労省の賃金構造基本統計調査から保育士の平均給与をみると、月額約21万円で、全ての職種の平均より10万円以上も低い。平均勤続年数も7・8年と短く、せっかく資格を取得しても5年未満で離職する人が半数に上っている。
志や意欲とは別に、人手不足で余裕が持てず、給与の低さから働き続けることが困難な状況が読み取れる。
安倍政権は17年度までに保育の受け皿を40万人分増やす「待機児童解消加速化プラン」を掲げている。しかし、いくら保育所を作っても、保育士がいなければ子どもを預かることはできない。
子どもの世話をし、成長を助ける保育士の確保と処遇の改善は、先延ばしにできない課題である。

保育士不足への対応として、政府は「資格取得の国家試験を現行の年1回から2回に増やす」「受験者が事前に講座を受講する場合の費用の半額を補助する」などの施策を示している。資格を取りやすくすることで、新たな人材確保を目指す考えだ。
国が4月から始める「子ども・子育て支援新制度」でも、職員の経験に応じた処遇改善が図られる。15年度は保育士の給与を1人当たり3%アップ、勤続年数が11年を超えれば4%引き上げる。
働き続けられる賃金水準にはまだ開きがあり、定着率アップへの効果を検証しながら、さらなる改善を求めたい。
「賃金が合わない」などを理由に、保育の仕事に就いていない約60万人の「潜在保育士」の活用にも知恵を絞る必要がある。
やはり優先すべきは処遇改善だ。

保育士の仕事をめぐっては、非正規雇用など雇用情勢の悪化も目立つ。県内では認可保育所で働く保育士のうち、正規はわずか4割。そのため県は来年度から非正規の正規化を助成する事業を始める。保育所の自助努力には限界があり、保育士の定着につながる取り組みは重要だ。
待機児童がクローズアップされて以降、保育の「量」に社会の目が向き、処遇改善といった「質」の課題が後回しにされてきた。
働く親たちを支える保育士を支えていくことに、もっと力を注がなければ、待機児童の問題は解決できない。

たくさんの子どもが被害者になる~貧困層拡大の意味2

Yahoo!ニュース 2015年2月13日

「子どもが被害者になる」社会
僕が担当する当欄でもさかんに日本の格差社会化のことを訴えてきたが、その格差社会化と貧困層拡大による真の問題がようやくわかってきた。
ひとつは前回書いた「生のいきづまり」という問題だが(生(ライフ)のいきづまり)、それをベースにより深刻化して具体化するのは、「子どもが被害者になる」社会だということだ。
この場合の「被害」はふたつの意味がある。
1つめは、児童虐待の被害者、であり、
2つめは、その結果生じる可能性がある「発達障がい」に追いやられる被害者、という意味だ。
児童虐待と発達障がいの連動性については以前から問題提起されてきた。たとえば、杉山登志郎氏著『発達障害のいま』の後半にも触れられているし(発達障害のいま-講談社現代新書-杉山-登志郎/)、杉山氏のこのパワーポイント・レジュメ(児童青年精神医学入門 その4:子ども虐待 浜松医科大学児童青年期精神医学講座 杉山登志郎)においても衝撃的な諸事実に言及している(浜松医大のレジュメとして公開されているものだが、虐待系資料に慣れていない方にはある意味閲覧注意です)。
僕は実は、『発達障害のいま』は出てすぐに買って読みフェイバリット本になっていたのだが、告白すると、後半の児童虐待と発達障がいとの連動性にはピンときていなかった。
これは支援者として恥ずかしい限りではあるものの、当時はまだ僕は困難層・貧困層の青少年支援が中心ではなかったため、発達障がいへの支援は日常的であったものの、両者(虐待と発達障がい)がダイレクトに結びつかなかった。

たった4年前だが
が、杉山氏の著書が発売された頃は児童相談所で務めており現在は僕の法人(一般社団法人officeドーナツトーク)の共同代表である辻田梨紗などは、そのふたつの連動性に気づき、僕に対してさかんかに指摘していたのだそうだ。
が、当時はミドルクラスからアッパークラスのひきこもり青年を中心に支援していた僕には、この虐待と発達障がいの連動性(虐待によって脳へダメージを与える)はまったくピンとこなかった。そこは大いに反省している。
だが少し言い訳をすると、この本が出版された2011年は、まだたった4年前ではあるが、いまほど「格差社会」が自明化していなかったと思う。もちろん、「すぐ目の前に」それはあった。が、児童相談所で虐待事例に日常的に関わるか、困難な生活背景を抱える子どもたちが通うことの多い学校や施設で働くといった事情がなければ、なかなか「格差社会」や「貧困」を実感しにくかったのではないか、たった4年前であっても。
現在の僕は、経済的にアンダークラスの人々と出会うことが多いので、そうした問題の背景に関して敏感になっているのだろうか。
が、実は、「格差社会」「貧困の拡大」と、子どもが困難な立場に追いやられていることは、まだ我が国ではダイレクトに結びついていないのかもしれない。

被害者であり当事者、子ども
もしかすると、子どもの支援者もその両者(貧困と、虐待・発達障がい)を結びつけていないのかもしれない。いまは、杉山氏他の先進的取り組みにより、虐待と発達障がいは結びつき始めた。
が、それは、「子どもへの(福祉的・医療的・心理的・教育的)支援」の枠組みのなかで結び付けられていることであって、これら(虐待と発達障がい)と、格差社会・貧困拡大といった社会・経済分析という枠組みとはすぐに結びつかないのかもしれない。
貧困化→保護者に余裕がなくなる→虐待→それによる脳への影響→発達障がいといった一連の流れは、想像力があれば誰でも思いつくし、このユニセフ資料をもとにした論文(ユニセフ調査にみる児童虐待と児童の貧困)でもみられるように、虐待と貧困には相関性がある。
だから誰もが貧困と虐待を結びつけて想像することはできる。また、杉山氏他の報告により、虐待と発達障がいも結びつき始めた。
しかしこれらの3者(貧困・虐待・発達障がい)が、現在同時に進行しており(当然すべてがすべて「虐待→発達障がい」でもなく、発達障がい特有の子の仕草が親の虐待を招くこともある)、その3者にはそれぞれ複雑な問題が絡んでくるため(貧困には非正規雇用等、虐待にはPTSD等、発達障がいにはラベリング問題等)、単純に3つを結びつけて考えることが疎かになることもあるようだ。
そして何よりも、「当事者は語れない」という構図がある(これについては当欄でも度々言及→誰が高校生や若者を「代表」するんだろう?PTSDサバイバーは語ることができるか)。
プラス、格差社会での「被害者/当事者」は子どもだ。
ただでさえ子どもは言語獲得途中のため語れない。そのうえに、被害者/当事者に追い込まれ、語れない。当事者は語ることができず、格差社会の代表的被害者であり当事者とは、語れない子どもだ。★

生後8カ月の長女を暴行し殺害、父親を逮捕 警察に「親戚の子供が頭を踏んだ」と説明

産経新聞 2015年2月13日

生後8カ月の長女に暴行を加えて殺害したとして、静岡県警伊東署と県警捜査1課は13日、殺人の疑いで神奈川県平塚市の会社員、鈴木健一容疑者(30)を逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は昨年2月26日ごろ、静岡県伊東市湯川の自宅で、長女で生後8カ月の輝蘭(くらん)ちゃんに暴行を加え、頭部損傷により殺害したとされる。
県警によると、輝蘭ちゃんの頭部には陥没骨折を含む複数の骨折があり、脳内にも多量の出血があった。鈴木容疑者は同日、妻(19)とともに輝蘭ちゃんを市内の病院に運んでおり、当時医師や警察に対し「親戚の子供が頭を踏んだ」と説明していたという。
鈴木容疑者は平成24年7月、当時妻だった別の女性との間に生まれた長男の瑛斗(えいと)ちゃん=当時(2)=に暴行して死なせたとして、傷害致死の疑いで逮捕、送検されたが、静岡地検沼津支部は嫌疑不十分で不起訴処分としていた。女性の不服申し立てを受けて、沼津検察審査会は25年6月、不起訴不当と議決。同支部が再捜査を進めている。

デリヘルに15歳少女を紹介 容疑で建設作業員を逮捕

産経新聞 2015年2月13日

派遣型性風俗店(デリバリーヘルス)に15歳の少女を紹介したとして、大阪府警生活安全特捜隊は12日、職業安定法違反(有害業務の紹介)容疑で、大阪府豊中市利倉西、建築作業員、西村侑也容疑者(24)を逮捕したと発表した。
逮捕容疑は昨年7月、デリヘル経営者の松浦嘉己被告(50)=児童福祉法違反罪で起訴=に、当時15歳の通信制高校1年の女子生徒を紹介したとしている。容疑を認めているという。
また特捜隊は12日、松浦被告と共謀して当時17歳の無職少女に、男性客に対してわいせつな行為をさせたとする児童福祉法違反容疑で、大東市南津の辺町、無職、中野剛志容疑者(21)を逮捕、送検したと発表した。

中3少女に売春させる 松前消防署員を逮捕

日本テレビ系(NNN) 2015年2月12日

中学3年生の女子生徒に売春させたとして、愛媛県松前消防署の消防隊員が児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕された。
逮捕されたのは松前消防署の消防隊員・小立遼太容疑者(24)。警察の調べによると、小立容疑者は去年10月中旬、知り合いで中学3年生の女子生徒(15)に18歳未満であることを知りながら、愛媛県松山市内のホテルで男性客に売春させた疑いが持たれている。
警察では、女子生徒の関係者から相談を受け調べを進めたところ、小立容疑者が出会い系サイトを使って買春目的の男性客を募集していたことが明らかになったという。
警察は小立容疑者の勤務先や自宅などを家宅捜索していて、今後は余罪や共犯者の有無について調べを進めることにしている。.