子どもをあえて苦労させる支援のあり方~教育の医療化(5)

沖縄タイムス+プラス 2015年3月18日

平成18年度に発達障害児をも対象とした特別支援教育が始まって10年近くなります。以前だと「指導」の対象になっていたような発達障害や「発達が気になる」と言われる子ども達を、「支援(配慮)」の対象として捉え直そう、そして彼らの困りや生きづらさに寄り添えるような環境をつくろうと言われてきた10年だと思うのです。「早期療育」や「特性の理解」、そして「特性にあった支援・配慮」という言葉が、教育や福祉の現場に登場してきました。
10年以上この分野に関わっていると、当時10歳前後だった子が今は成人していたり、中高生だった子ども達は20代中後半から30歳近くになっているわけです。先日も、当時小学校3年生だった女の子が、専門学校を卒業して4月から就職するということでお母さんと挨拶に来てくれました。
彼女のように、発達障害と診断されたり、「発達が気になる」といわれたりした子ども達の多くが、最終的には「一般就労」に向かっていきます。一時的に就労移行のような支援事業所に在籍することがあっても、ほとんどの子ども達は最終的に、「普通に仕事する」ことを望んで社会に旅立ちます。うまく行く子ども(若者)もいれば、残念ながら挫折を繰り返してしまう子どもも少なくありません。就学前療育から特別支援教育を通して丁寧に支援をしたはずの子ども達の中に、社会で生きていくことに頓挫してしまう子ども達もいるのです。
「子ども期」から「大人期」をたどって来たケースを振り返ったときに、「支援」について再考することがあるのです。「特性を理解しよう」、「特性に合わせた配慮をしよう」(=「生きやすくしよう」)というだけで本当にいいのだろうかと思ってしまうのです。彼らの多くは、「特性の理解」も「配慮」もない、「普通の社会」で仕事をし、生きて行くことを選ぶのです。ここで社会の無理解を変えていこうと唱えることも大切です。一方彼らの多くはそういう(無理解な)社会で生き抜くことで、自己評価を高めていくし、高めたいと思っているようなんです。そもそも私たちも、世の中の理不尽を含めた現実と対峙していくことで、「社会人としての自信」を育んで行くと思うのです。でも、私たちは彼らにそういう「現実に向けた準備」をしてきたのだろうかと自問することがあるのです。
ある10代後半にさしかかった男の子がアルバイトをしています。本人の「特性」のために学校でうまくいかず、小中学校通じ長い間不登校(ほとんど引きこもりに近い生活)もしました。彼を理解し支えてくれたお母さんや児童デイのおかげで、冗談も喧嘩もできる仲間ができ、学校にも少しの間行けるようになりました。今は「免許をとりたい」という一心で、お父さんが監督を務める現場でアルバイトを始めました。お父さんは、本人の「発達障害」(という診断)を否定していて、仕事では彼のことを他の従業員と同じように怒鳴って叱ります。彼はお父さんのことを、「理不尽、意味わからん」と周りに愚痴をこぼしながらも、「免許」のためにがんばっています。お母さんは、毎日叱られている彼を見て、「別のバイトしたら」と言います。彼は「うん、わかった」と言いながら、1年近く毎日休まず出勤しています。
みなさんは彼のことをどう思いますか? 彼は無理をしているのでしょうか? 無理をさせてはいけないのでしょうか? 人が無理をして生きることは無意味だと思いますか?
くれぐれも勘違いしないでください。根性主義の生き方や支援を提唱しようというわけではありません。ただ、私自身を振り返って、彼らの「生きづらさ」に対して「生きやすさ」を保障するのが支援だと勘違いしていなかっただろうかと自問するのです。「生きやすさ」を保ちつつ、周りの人達や自分自身に対しての安心感と信頼感を築いていくことは、とても大切なことだと思います。無理解や理不尽から生じる「生きづらさ」に潰されてしまっては、元も子もありません。しかしそれは支援の途上にあるべき目標なんだろうと思うのです。「支援」の果てには、世の中の無理解や理不尽さを含めた「生きづらさ」のなかで、どうにか生きているその人(その子)がいるべきではないでしょうか。
教育という実践分野には、「(自分の)限界を試す」「がんばる」ことで、「成長する」「やれなかったことがやれるようになる」という実践文化(のストーリー)があると思うのです。一方、私がこれまで働いてきた(精神)医療や福祉は、その逆で「がんばらない・はげまさない」(「限界を試さない」)というアプローチが珍しくありません。「うつ病の人は励まさない」なんていうのは、この10年ほどで常識になりつつあります。「がんばって変わる」という教育の実践文化と、「(人生)がんばらない」という医療や福祉の文化には大きな違いがあります。
この10年ほどで発達障害含めた児童生徒のメンタルヘルスの問題、それに対応すべく医療の文化が学校現場に浸透することで、教育の実践文化が揺らいでいるような気がするんです。「がんばって登校できるように働きかけたら潰れてしまった」、「励まして、指導して、変化したと思ったら中学になって悪くなっていた」…。「限界を試すこと(がんばること)で変化する」という、教育実践の支えになっていたようなストーリーが揺らいでいるような気がするのです。このコラムのサブタイトル、「教育の医療化」で表現されていることのひとつの側面ではないかと思います。
「がんばること」「生きにくさ」(辛さ)から子ども達を守るだけでなく、それをどうやってその人(子ども)本人の糧にするのかということは、リスクも伴う難しい支援や教育の実践になると思います。同時にそれは、人が育つことのひとつの側面でもあるのかもしれません。あなたも私も、大なり小なり世の中の「生きづらさ」から逃れることはないような気がするのです。私たちが「支援」と呼んでいるのは、「生きやすさ」という甘味と「生きづらさ」という苦味が組み合わされる料理のようなものだと感じることがあるのです。甘みだけでなく、苦みやスパイスをどう効かせるかも、支援者にとっての視点のひとつかもしれません。

産後クライシスを乗り越える方法

Mocosuku Woman 2015年3月19日

タレントのスザンヌさんが、結婚生活3年2か月で別れることになりました。協議離婚で、離婚の理由は、福岡と東京ですれ違いが増え、ともに生活をする時間が持てなくなったからとのこと。ご主人の斎藤和己氏は、 「夫として責任を果たせなかったことは、申し訳なく思ってします」とブログにつづっているようです。
一方、スザンヌさんは「お互いの仕事が福岡中心、東京中心と離れていたことで、すれ違いが多く、家族としての時間が十分に持てなくなった上に、私が出産・育児にいっぱい一杯になってしまい、彼に対して思いやりを持つことができなかったのかもしれません。」とのこと。こうした事例から「産後クライシス」についてご紹介します。

産後クライシスって?
産後クライシス(危機)は、産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状況を指しています。厚生労働省の調査では、子どもが0歳~2歳のときに離婚して、母子家庭になった場合が一番多いとのこと。

産後の母親の気もち
1歳~2歳の子どもをほぼ一人で育てている母親の気もちを考えてみたいと思います。
出産直後は、元気な子どもが生まれてきてくれて、幸せの絶頂の気分です。でも、すぐに育児という大変な仕事が待っています。昨今、女性にとって一番大変なことは「育児」なのかもしれません。というのも、世の中が大変便利になり、つらいことを我慢したり、何かに耐えなくてはいけない状況が多くはなくなってきたからです。
しかし、育児は眠くても疲れていても、子どものために動かなくてはいけないので大変です。ですから、子どもの日々の成長を一緒に喜んでくれる人、自分のやっている大変さをわかってくれる人がそばにいてくれれば、つらさも半減します。反対に、たった一人で育てる不安と孤独感は、育児をより大変なものにしてしまいます。

産後夫婦のすれちがい:産後クライシスの原因
妻が育児に一生懸命になっていることに阻害感を感じて、浮気に走る夫の事例はよくあります。とくに出産して授乳していると、性欲など女性には起こりません。授乳していることで充実し、満ち足りた気持ちでもあります。
また、女性は出産前後から女性ホルモンが急激に変化して、感情の起伏が激しくなり、自分の時間が持てなくなることでストレスがたまり、イライラしたり、泣いたり、怒ったりという感情がよくでるようになります。
そんな出産直後の妻のことを夫が理解できないと、「妻が変わってしまった」と思ってしまい、「こんな女性と結婚したつもりはない」などと勘違いしてしまいます。

産後クライシスの期間は短くて約半年!
産後のホルモン変化の影響は半年ほど続きます。そして、だんだん落ち着いてきますが、この半年で夫婦の気持ちが離れてしまうと、修復が難しくなってきます。しかし、半年を過ぎると、育児のペースができ、母親として自信もついてきますので、ゆとりができて、以前の夫婦関係を取り戻す努力を夫婦ですれば、危機を乗り越えることが可能になります。

父親の育児参加も、クライシス克服には重要
夫の方は、子どもに関わることで父親になっていきます。精子提供者というだけだと、戸籍の父親ではありますが、子どもにとってリアルな父親とは言えません。もちろん、最初はどうしていいかわからないでしょうが、周囲から教わって、抱き方、あやし方、お風呂の入れ方、日常生活を一緒に体験していくことで、だんだんと父親になっていきます。そうして、母親同様、父親のとしての自覚も出てきます。そうすれば母親(妻)のことも理解できるでしょう。
産後クライシスは、「女性が母親として独りで成長してしまった」ことなのかもしれません。

<傷害容疑>顔蹴り5歳長男に重傷 27歳父逮捕 高崎

毎日新聞 2015年3月19日

長男(5)の顔を蹴って重傷を負わせたとして、群馬県警高崎署は18日、同県高崎市新町、自動車整備士、福島健太容疑者(27)を傷害容疑で逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は10日午前1時半ごろ、長男の顔を数回足で蹴り、全治1カ月の打撲傷を負わせたとしている。
同署によると、福島容疑者は長男と長女(4)の3人暮らし。保育園を11日から休んでいた長男が16日から通園すると、顔に複数のあざがあったため、園が児童相談所に連絡。児相は虐待が原因と判断し、同署に通報した。【吉田勝】

児童福祉法違反の疑いで中津市の男を逮捕

OBS大分放送ニュース 2015年3月19日

今月9日、自宅で女子児童にみだらな行為をしたとして、中津市に住む35歳の男が児童福祉法違反の疑いで逮捕されました。逮捕されたのは中津市に住む職業不詳の男です。男は今月9日、自宅で県内在住の女子児童に対し、みだらな行為をした疑いがもたれています。事件後、女子児童から相談を受けた関係機関が警察に通報したことで被害が明らかになりました。警察の取調べに対し、男は大筋で容疑を認めているということです。警察は犯行の経緯や動機を調べるとともに、関係機関と連携し女子児童の心のケアにあたっています。

規格外野菜 福祉施設に寄付 西友、NPO法人が協力 群馬・JA甘楽富岡

日本農業新聞 2015年3月19日

群馬県のJA甘楽富岡はスーパーの西友と協力し、特定非営利活動法人(NPO法人)セカンドハーベスト・ジャパンを通じ、産地で出る規格外野菜を福祉施設などへ寄付する取り組み(フードバンク活動)を本格的に始める。40年以上続いている西友との直接取引のルートを使い、販売する野菜と一緒に規格外野菜を混載する。今月末に収穫体験を行うなど、生・消交流にも広げ、結び付きを強める。
西友が18日、JAやNPO法人と取り組む事業概要を発表した。同社によると、野菜は福祉施設などでもニーズは高いものの、鮮度保持が難しいことから、フードバンクを通じた寄付は主に加工品だった。野菜の寄付は珍しいという。
西友は、店舗での販売期間終了後に消費期限・賞味期限が残っている食品を自社の物流センターに集約し、セカンドハーベスト・ジャパンを通じて、児童養護施設や母子支援施設などに寄付する活動を2011年から展開している。現在、首都圏の81店舗から定期的に寄付食品を収集する体制を整えている。
西友とJAは、青果の直接取引を通じて、40年余り協力関係にあることから取り組みが実現した。
JAは農家が提供するニンジンやダイコン、ジャガイモなどの規格外野菜を、販売用の産直野菜と一緒にトラックで、集荷拠点となる西友の川越物流センター(埼玉県川越市)に持ち込む。セカンドハーベスト・ジャパンは、西友店舗から提供される寄付食品を同物流センターで受け取る際に、持ち込まれた規格外野菜を一緒に引き取り、その日のうちに施設などに届ける。
野菜の寄付は2年ほど前から試験的に始めた。規格外野菜を寄付するのは週3回で各回4、5箱を供給する。規格外野菜はこれまで、自家用に使ったり、廃棄処分していた。JAは20戸いる規格外の野菜提供農家数を今後、2倍以上に増やすことを計画している。
JAの鷺坂秀幸組合長は「規格外野菜がどのように有効活用されているか分かり、農家の自尊心が高まる。農業の社会的貢献の一助になれば」と話す。
31日にはJA管内で施設の子どもたちを招き、ネギとニンジンの収穫体験をする予定だ。
西友はセカンドハーベスト・ジャパンへ11年度から14年度までの累計で3400万円を助成。寄付食品などの物品総額を合わせると、寄付の総額は1億円以上に上る。