個別の教育支援計画策定を 文科省不登校調査研究協力者会議

教育新聞 2015年5月28日

文科省の不登校に関する調査研究協力者会議(座長・森田洋司鳴門教育大学特任教授)は5月20日、都内で第6回会議を開き、今年6月にもまとめる中間報告の「たたき台」について審議した。その結果、不登校の重点方策に、「『個別の教育支援計画(仮称)』による困難を抱える児童生徒への支援」と「不登校児童生徒に対応する教育支援センターの整備促進」を掲げ、強力に推進していくことで委員間の共通理解を得た。
今会議では、中間報告の「たたき台」として、その「重点方策」が審議された。
そのうちの1つ、「『個別の教育支援計画(仮称)』による困難を抱える児童生徒への支援」(事務局案)では、「不登校児童生徒への効果的な支援については、個々の児童生徒ごとに、不登校になったきっかけや不登校の継続理由を適切に把握し、その児童生徒に合った支援策について担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの学校関係者が『個別の教育支援計画(仮称)』を策定し、当該児童生徒や保護者らとの話し合いの上で計画を決定する」などとしている。
これに対して委員からは「個別の教育支援計画づくりに賛成だ。そのためにも、学級全体の教育支援計画に適切に位置付ける必要がある」「不登校だけでなく、全児童生徒の教育支援計画を策定したらどうか」「それは行き過ぎではないか。指導要録で対応できるのではないか」「教師の多忙化の中では、指導要録の書き込みを問わず、個別の支援計画の対応は時間的に困難だ。手引書で対応するのはどうか」などさまざまな意見が出された。
もう1つの重点方策である「不登校児童生徒に対応する教育支援センターの整備促進」(事務局案)については、「不登校児童生徒の『個別の教育支援援計画(仮称)』の実施機関として、また学習支援などの無償の学習機会を確保するため、市町村教委が設置する教育支援センター(適応指導教室)の整備を推進していく。教育支援センターの整備に当たっては、例えば、自治体が施設を設置し、民間の協力のもとで運営する公民協営型の設置も奨励してはどうか。さらに、従来の『適応指導教室』という表現には枠にはめるイメージがあり、より適切な呼び名を望む声がある。名称変更を検討してはどうか」などとした。
これに対しては「教育支援センター(適応指導教室)は学校から遠くにある。そのため、利用の度合いが低いと聞いている。増設を望みたい」「切れ目のない教育支援をする上でも、教育支援センターの役割は重要だ」などの意見が出された。  これらの改善点について、中間まとめでどのように対応するかが注目される。次回会議は6月26日を予定。早ければ、この回に中間まとめがだされる。
「個別の教育支援計画(仮称)」(東京都では「個別適応計画書」としている)はカルテ方式にすることがイメージされている。

サイバー補導3倍に 昨年度353人

読売新聞東京 2015年5月28日

警視庁は、インターネットを通じて売春相手などを募った少女を対象に行った「サイバー補導」の補導数が2014年度は353人だったと発表した。前年度(125人)の3倍近くに上るが、補導した少女の多くは非行歴がなく、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じて見知らぬ大人と安易に接触しようとする傾向が浮かびあがった。
サイバー補導は、警察官が客を装って問題のある書き込みをした少女らに連絡。実際に会ったところで警察官だと告げ、口頭で注意し、保護者に連絡する。
発表によると、14年度、捜査員が実際に接触した少女は804人。このうち、ネット上で援助交際や下着販売を持ちかけていた353人を補導したほか、非行が進んでいる11人は児童相談所などに通告した。過去に補導歴や非行歴のない少女が6割超を占め、「いわゆる普通の少女が親や周囲の大人に気づかれないように書き込みをしている」(捜査関係者)という。また、全体の約76%は高校生だった。
一方、同庁は14年度、サイバー補導を端緒に、少女を買春するなどした男ら42人を児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑などで摘発した。

NPO法人労働相談センター : 「職場のいじめ」相談メール3月分紹介

NPO法人労働相談センター全国一般東京東部労組 2015年5月25日
「職場のいじめ・嫌がらせ・パワハラ」まとめシリーズ第60弾2015年3月分を報告します

1、工場内はすべて監視カメラで常に監視され、社長が社内放送で労働者や管理職を怒鳴りつけたり、号令をし、あたかも刑務所で働いているかのよう。タイムカードを打たされた後の毎日3時間か4時間の残業は、賃金も残業代も出ないただ働き。一日も休まず働かさ
れた人は過労死してしまった。

2、仕事で少しでもミスをすると、罰として無償労働の休日出勤を命じられる。機械の故障でもなんでもかんでも社員の責任としてペナルティーを科してくる。

3、会社と宇都宮ハローワークの対応がひどい。賃金の未払いが続き、生活できないので退職したが、会社から送られてきた離職票には勝手に名前と捺印までされ「自己都合」に印がついていた。宇都宮ハローワークの認定に関する相談窓口の男性職員は、面倒は御免
だとばかり、全く相談に乗ってくれず、結局泣き寝入りするしかなかった。

4、うつ病で半年間病気休業し治癒したので、いざ復職しようとしても会社からは全く無視され連絡すらくれない。電話をかけてもすぐに切られる扱いを受けている。この不当な扱いとどう闘えばいいか。

5、女性社員。ひとりの男性社員からつきまとわれている。更衣室の周りをウロウロされたり、駐車場で待機していたり、嫌で嫌で堪らない。正面から「止めてください」と強気の態度を取ったら、今度は私の陰口を職場中に言い触らし始めた。

6、大型店舗の販売員。職場の飲み会の後、管理職の一人から肉体関係を強いられて関係を持ってしまった。その管理職は同じ会社の他店舗の何人もの女性にも無理やり関係を強要している事が発覚した。なんとか罰を与える事は出来ないか。泣き寝入りはしたくない

7、個人病院で勤続2年。院長から個室に呼び出されては何回となく「何様のつもりだ」「ふざけるのもいい加減にしろ」等、人格否定の暴言や罵倒を投げかけられる。妊娠中の大事な体で、もうすぐ退職を決めたので、その間は、院長からの呼び出しは受けたくない

8、オーナーが脱税し利益を私物化したり、愛人を架空の事務員として雇った事にして給料を払おうとし、邪魔になる経理の私を酷いいじめでやめさせようとしている。

9、社員10名以下の小企業。社長はこぶしで殴るなどの暴力をふるったり、「お前は障害者だ」「精神病だ」とひどい差別暴言を吐く。その上、事務所の電気代や水道代を社員に負担させる。

10、上司のセクハラ。仕事中にキスをしてきて、体を触ってきたり、下半身を押し付けてきたり、lineで性的関係を求めてくるので、あまりにも辛いので退職した。店長に訴えたが「本人で話し合え」と相手にしてくれず、直接社長に会って抗議したが、減給処分で
済ませ、本人からも稚拙な謝罪文が届いただけ。どうしても許せない。

11、職場で盗難事件があり、一方的に私が犯人扱いをされている。どうにも我慢できない。どうしてくれようか。

12、学生アルバイト。ある同僚社員と食事に行った翌日、その人が突然あいさつしなくなり、今では職場全員が口をきいてくれない。

13、福祉施設。38度の熱が出て病院に行ったら「感染症」と診断されたので、上司と連絡して一日休んだ。次の日に出社したら、上司から「さぼり」「ただの風邪。仕事をする気がないなら辞めてもらって構わない」「休んだ分は来月の公休を一日減らす」と言わ
れた。

14、足の親指を骨折して休んでいるが、毎日社長が電話をかけてきて「ギブスを外して、足を引きずってでも出社しろ」「出てこなかったらクビだ」「若いから骨はくっついている」と言ってくる。我慢も限界。

15、ホテルの副支配人のパワハラ。副支配人は毎日、ひとりのパートの同僚に対して、なにかしらの失敗を見つけては叱責し、怒鳴り、いじめている。その上、支配人にも告げ口をして、支配人もその同僚をまた叱責してくる。それを見ている私たちは毎日が辛すぎ
る。

16、卑劣な某管理職。この管理職は、気に入らない人間のあら探しをしては社長や会長にその人たちに対する悪口をしている。また、ひどいパワハラで同僚を次々と退職に追い込む。自身の失敗を上司に一切の責任を押しつけ、その上司を鬱病に追い込み、自分がト
ップの席を勝ち取る。

17、社会福祉法人施設。利用者への虐待が絶えないことに耐えきれず、また夜勤回数も多く過酷な労働環境もあり、退職を決意したが、賞与の支払日に理事長から「退職で職場に迷惑をかける人に賞与は出せない」と言われ、思わず「これ以上働けない」と伝えたら
「では懲戒解雇にする」と言われた。

18、介護現場。新人は毎月1回必ずレポート提出が義務づけられているが、勤務時間内で書く時間はなく、時間外やプライベート時間で書けと言われている。しかも毎回、何回も書き直しを命じられる。毎日現場で体験した事をそのまま正直に書くと「反抗的で協調性
がない」とされた。

19、女性社員。社長のセクハラ・パワハラ。社長は自分の愛人との性行為の内容を話すなどのセクハラをしてくる。子供の病気で休んだら社長から「親の足を引っ張るガキだ。親が頑張って働いている姿を見れば、風邪なんか引かない」と暴言を吐かれ、ショックで
とても傷つき病気になった。

20、店舗。退職するにあたって、店のホームページに写っている私個人の顔写真や動画を消して欲しいと頼んだが、消してくれない。

21、女性パート。一人の年下の女性社員の態度がとても悪く、パワハラと感じている。パートには差別してバカにしたり乱暴な言葉態度で接してきて、一方男性社員には掌を返して猫なで声で媚びを売る。

22、職場でひどいパワハラに遭い、職場内の労働組合に相談したが、何もしてくれなかったばかりか、むしろパワハラを擁護する態度だった。労働局に訴えて最終的には会社も責任を認め「和解」した。しかし、退職後、職場の労働組合に対して腹がたって仕方がな
い。何か方法はないでしょうか。

23、 12年勤続。上司からの理不尽なパワハラが原因で鬱病になって、半年休職して、いざ仕事に行こうと会社に連絡したら「戻る場所がない」と復職させてくれない。

24、女性。病気でお店に連絡して休んだら、店長がひとり住まいの家にまで訪ねてきた。怖くて居留守を使ったが、これからも来るのではないかと怖い。

25、女性社員。事務員として入社したのに、実際は倉庫作業や梱包発送などの仕事をやらされている。定時は18時なのに、毎日21時まで労働で残業代は無し。毎日のように「あなたはだめな人間」と言われ続け、嘔吐をするなど自分でもおかしくなっている。

26、入社してから3年間、毎日暴言を吐かれ続けている。暴力もある。うちの会社は社長以下みんなが「暴力や暴言がかっこいい」と思っている。

27、職場の上司が、独身女性の私に「早く結婚しろ」と言う。会社の労働組合に相談したいが、信用できない。

28、事務員。社長がケチで短気。就業規則作成に必要な一冊の書籍を買いたいと言ったら、怒った社長から個室で2時間も説教され、その後は事務用品をまったく買ってくれなくなった。

29、母子家庭。コンビニで15年勤続。手取りが11万円しかない。オーナーに「もう少し賃金を上げて欲しい」とお願いしたら「君には感謝の気持ちがないのか」「不満だったら辞めていいが、外の店でもあなたをどこでも雇わない」と言われた。

グーグルの「忘れるべきもの」決める仕組み

ウォール・ストリート・ジャーナル 2015年5月13日

米インターネット検索大手グーグルの欧州オフィスではほぼ毎水曜日、上級弁護士、エンジニア、プロダクトマネジャーが集まり、「忘れるべきもの」を決めている。
この定例会議は、欧州連合(EU)の最高裁に相当するEU司法裁判所が1年前、自分の名前を検索した際に表示されるリンクの削除をグーグルに要請できるとの判決を下したことを受け、新たに開催されるようになった。ここでの判断が先例を作る可能性もある。
EU司法裁の判決でグーグルは厄介な立場に置かれることになった。削除要請を自ら吟味し、それに応じるかどうかを判断しなければならないためだ。意思決定は、個人のプライバシーに対する権利と公共の知る権利とのバランスをいかに取るかといった重要な問題を含め、さまざまな事柄の検討が必要とされる。
EU司法裁は検索結果に不適切、無関係、行き過ぎ、無効な情報へのリンクが含まれていた場合、削除すべきとだけ述べ、削除要請に応じるかどうかをいかに判断するかについては、ほとんど指針を与えていない。
そのため、どこで線を引くかの見極めは、おおむねグーグルに任されている。一般に「忘れられる権利」として知られるこの裁判の結果を受け、12日時点で92万超のリンクに関わる25万件を超える削除依頼が寄せられている。そのうちグーグルが削除に同意したリンクは35%で、50%は拒否し、15%は依然検討中だ。
要請を拒否された場合は、各国のデータ保護機関に訴えることができる。それら機関はグーグルに直接働きかけ、コンテンツの削除を命じるか、要請には根拠がないとするグーグルの判断を支持する。
グーグルのプライバシー担当グローバル法務顧問であるピーター・フライシャー氏は最近ベルリンで行われたデータ保護に関する会議で、意思決定の仕組みについて、その貴重な一部を語ってくれた。同氏は、グーグルは精いっぱい「今まで一度も演じることを要請したことがなく、演じたくもない役割を演じている」と述べた。
EUは今後、忘れられる権利の適用範囲を拡大する可能性があるが、どのように広げるかについては、グーグルに解決を一任するこのやり方が一つの例になる。
EUのプライバシー法案では、忘れられる権利を検索エンジンだけでなく、データベースやその他ウェブサイトにも拡大している。しかし、立法当局者は、プライバシーと情報への権利とのバランスをいかに取るかを含め、グーグルが日々扱っているのと同じ問題に依然苦慮している。また、そもそもそうした決定をグーグルのような企業が下すべきなのかについても判断しあぐねている。
グーグルは、Google.frやGoogle.co.ukなどの欧州のドメインから検索結果を削除しているだけで、Google.comからは削除していない。欧州からアクセスされている場合でもそうだ。したがって、削除した結果を簡単に見つけることができるため、規制当局者はグーグルの措置が不十分だと指摘している。
1998年創業のグーグルは世界の情報整理という使命を自負しており、どのような場合に検索結果を削除するかについて一定の条件を設定している。公人は一般人よりも裁量の余地が狭い。かなり前に犯した犯罪で、後に犯罪記録が抹消された場合は、削除される可能性が高い。
フライシャー氏によると、削除要請のほとんどはグーグルが作成したウェブを通じて提出され、簡単なケースは、まず弁護士、パラリーガル(弁護士補助員)、エンジニアで構成される大規模なチームで判断を行う。グーグルの広報担当者によると、要請の対処には数十人が携わっており、そのほとんどはダブリンの欧州本社以外のスタッフだ。
簡単なケースとは、例えば、休暇中に上半身裸で日光浴をしていた女性がそれを写真に撮られ、本人の許可なしに掲載された場合や、軽微な窃盗で逮捕された人に関する何年も前のニュース記事などだ。
判断の難しいケースは、上層の委員会に上げる。広報担当者によると、グーグルの多くのミーティングと同じく、一部は会議室に集まり、その他は同社の動画チャットアプリ「ハングアウト」を通じて遠隔地から会議に参加する。特定の専門知識を持った弁護士など外部から専門家を招くこともある。
各ケースについて話し合ったあとは、投票を行う。
フライシャー氏は、最近協議した特に判断が難しかったケースについて明かした。それは、16歳のときに犯した性犯罪で有罪判決を受けたドイツ国籍の男性に関するものだった。犠牲者は男性よりも2歳若かった。米国では男性の名前は公表されたが、ドイツの法律に従えば、男性は未成年のため名前は公表されないはずだった。
グーグルはリンクを削除することを決めた。
フライシャー氏は「通常はどちらかの意見を大多数が支持するものだが、意見が大きく割れるケースもある」と述べた。