調教を教育と、虐待を体罰と言い換えるのはもうやめよう

わんこ☆そば 2015年6月7日

私が学校に通ってた頃(昭和の頃ですが)、今で言う体罰や部活動におけるシゴキは当然のように行われていました。保護者や外部の団体等から問題視されることもなかったです。私自身も、ああ学校とはそういうところなのだ嫌だなあと思いながら通っていました。
そしていわゆる社会人となり、、ああもう嫌な学校に行かなくてすむ、と思ってたのですが、会社はやはり私にとって嫌なところでした。
学校の時のように直接暴力を受けたり、あるいは私自身が非人道的な言葉で罵られる、ということこそなかったものの、職場ではいつも怒鳴り声が飛び交っていました。社会人というのは常識と理性があるものだと思ってた当時の私にとって、ただ感情のままに怒鳴り散らす上司の存在は、信じされませんでした。指示や指摘など普通に言えばいいようなことでも怒鳴ってました。私が怒鳴られた時はもちろん、他の人が怒鳴られている時も、生来臆病な私はビクビクビクビクしてました。会社にいる間は生きた心地がしませんでした。
そのうち、会社にいる間だけではなく、仕事が終わった後の帰り道でも、そして特に朝会社へ向かうときにも、会社は恐ろしい嫌だ嫌だ嫌だという気持ちが夜中の雪のように毎日毎日積もっていくようになりました。今で言ううつ状態だったのでしょうが、当時の私はそもそもそんな病気の存在すら知らず、ただ、私がいくじなしなのが悪いのだ、これに耐えて仕事をしてこそ一人前の社会人なのだと、必死で自分に言い聞かせ、気持ち悪いのを我慢しながら会社に通ってました。
しかしそれも限界がきて、とうとう会社を休んでしまいました。仮病しました。実際に何も手につかず体も動かず寝込んでいたので今思えば仮病とも言い切れなかったかもしれませんが。
そうして、二日、三日と休み、会社を休んでしまった罪悪感がどんどん深まっていると、上司から電話がかかってきました。家で寝てるような病気でそんなに何日も寝こむわけがない、とにかく出てこいと言われました。
重い体をひきずって会社に行き、なぜ会社に来ないという上司の問いに、毎日怒鳴り声が飛び交ったりミスをしたわけでもない通常の指示ででも怒鳴られるような職場は怖くてたまらない、と言いました。それに対する上司の返答がとてもショッキングで、今でもはっきり覚えています。
「サーカスだと思ってくれ。動物に芸を仕込むときにはムチも使うし怒鳴りもするだろ。それと一緒なんだ」
二重の意味で驚きました。新入社員とは言え人間を動物扱いしていることと、そのことが説明になっていると思っていることと。

学校で体罰が横行するのも、同じ理由なんだと思います。
体罰は教育の一貫だ、などと耳にしますが、やはり生徒を動物か何かだと思っているのでしょう。自分の言うことを聴かせる≒芸を仕込むために、怒鳴りもするし殴りもする。そしてそれを正しいと思っている。
家庭での児童虐待が問題視されていますが、親がやってはいけないとされていることを、学校ではやっていんですか?
体罰は、教師による児童虐待そのものと言えるのではないでしょうか。
暴力や恫喝で言うことをきかせるのは、教育ではなく調教です。
さらに言えば、組織の中で「エライ人に逆らうとヒドイ目にあうから理不尽だろうとなんだろうと言われたことに従う」ということをまだ人格形成途中の年代に学校で徹底して叩き込まれるからこそ、大人になってからも、不法な労働を強要されながら逆らうことも辞めることもできず、心身を壊したり死に至ってしまうようなことが起こると考えられます。
学校は、ブラック企業のために人材を育ててるブラック教育機関なんでしょうか。
どうなんでしょうか。

子どもを叩いていいほどの「正しい理由」なんてない

日経DUAL 2015年6月9日

CSPは、褒めてしつける子育てを練習するための実践的プログラム
2007年に茅ヶ崎市役所のこども育成相談課に異動した私は、親御さんに「叩くのはまずいです」と言っていましたが、「じゃあ、叩かずにしつけるにはどうしたらいいんですか?」と聞かれたときに答えられませんでした。自分自身、保育士資格も無く、心理学を勉強したわけでもなく、素人でしたから。「これは税金をもらっているプロの仕事としてまずい」と感じていました。
虐待の予防策が欲しいというのは、職場の一致した見解でもありました。そんなとき、一緒に仕事をしていた家庭児童相談室の相談員さんにCSPの資格を取得していた方がいて「これはいいよ」と薦めてくれたんです。
CSPとは、神戸の児童養護施設の職員だった方が作った、子どもへの伝え方、ほめ方、叱り方などをロールプレイで練習して身に付ける子育て講座です。
この内容は、子育ての基本と言われる「褒めましょう」「目を合わせましょう」「諭すように話しましょう」など、当然やれば成果が出る、いわば子育てでは“当たり前のこと”を体系的に分かりやすくまとめたものです。講座ではDVDを見たり、ロールプレイをしたりして、行動療法的に練習して、日々の実践に活かせるような実力を身に付けていきます。
しかし、CSPの勉強を始めた当初は、私自身もさほどこの手法の力を信じていませんでした。「そんないい話なら、もっと普及していなければおかしい」と斜に構えてさえいました。それが「いける!」という考えに変わったのは、当時2歳半だった長女を叱るときに使ってみて成果を実感したからです。

食卓に落書きした娘に「そうだよね。クレヨン好きだもんね」と言ったら…
娘があるとき、家でお絵描きをしていて食卓にクレヨンで落書きをしてしまいました。最初はいつも通り「ごめんなさいは!?」という一言を強要してしまったんですが、「やだ~」と大泣きで猛反発されました。
そのときは珍しく、たまたまこちらの気持ちに余裕があったので、CSP講座で教わった通り「分かった、分かった。クレヨン好きだもんね。テーブルにクレヨンで絵を描いてみたかったの?」と聞いてみたところ、子どもが泣きやんで「うん」と返事をしてくれました。「あっ、会話が通じた」と驚きましたね。
今までは、やっぱり親としても引いちゃいけないところもあると思ってしまい、大泣きしていても無理やり謝らせていました。それで、子どもを寝かせた後、「あ~、さっきの言い方はまずかったな~」と自己嫌悪に。「明日からはあんな叱り方は絶対しないぞ」と心に誓うという日々でした。親のほうはしつけたつもりでも、実際は子どもの側には何も身に付けられていないので、また次の日に「コラ~!」と叱りつけてしまうことに。
それなのに、前述の通り、CSPの手法を使ってみたところ、叱ってはいるんですが、初めてコミュニケーションが成立している感じがしたんです。

私 「パパはクレヨンを使うなら、紙に描いてほしいんだよね。紙ってどれだっけ?」
娘 「コレ」
私 「そう。じゃ、次からクレヨン使うとき、どこに描くの?」
娘 「紙」
私 「そうだよ、できるじゃん」

こんなふうに、すごく丸く収まった感じがしました。

いよいよCSP 講座開始。茅ヶ崎市では年間100人以上が受講
翌日、登庁して課長に「これ、いけると思うんです。うちでも講座を事業化しましょう」と提案しました。子育て支援は市の重点施策でもあったので、課長もすぐに賛成してくれました。虐待してしまった経験のある親御さんだけでなく、広く一般的な保護者向けに開講することにしました。例えば、保育園や小学校の先生だって、家に帰れば、自分の子どもには怒鳴ってしまうことがあるというのはよくある話ですし、虐待関係の学会に参加する人達ですら「ご自宅で自分のお子さんを怒鳴ってしまう方は?」と挙手を求めてみると、意外に多くの方が正直に手を挙げるものですから。
日本は子育ての分野の考え方がまだまだ遅れています。保育園・幼稚園・学校といったプロの現場でも、子どもとの接し方に関して明確な指針は無い場合が多く、先輩の背中を見て学んでいるといった状況なんです。
何を褒め、何を叱ればいいのかが曖昧で、ただ「子どもを叩いてはいけない」と言われても「では、何をすべき」なのかは教えられていない。プロも一般家庭もそんな状況にあるから、全方位に対して発信することに意義があるということになりました。
2010年に記者発表をして、3月1日の茅ヶ崎市の広報紙にCSP講座「怒鳴らない子育て練習講座」参加者募集の記事を載せました。大勢集まり過ぎても大変なので、「子どもを叩いてしまうことがあって、虐待へ進む心配を抱えている方を対象とする」というただし書きを付けたのですが、それでもすぐ30人集まるほどの人気ぶりでした。
年々開催数を増やし、現在では2時間×7回の講座を市役所で平日に年間12セット、市内の公立保育園6園で土曜日に年間6セット開催するまでになりました。それにより、通常講座はこれまでの累計で約500人、1年当たり約100人。2時間×1回のダイジェスト版は年に200~300人が受講しています。講座はいずれも託児付きで無料で行っています。

日本に“褒める子育て文化”を根付かせたい
私達、現在の親世代は、ぎりぎり“叱られて育てられてきた世代”ですよね。厳しく育てるほうが、子どもに向き合える立派な親だという風潮もあったと言えるでしょう。今は「子どもは叩いてはいけない」「褒めて育てなければ」という社会になってきているわけです。でも、私達自身は褒められて育てられてきていない。時には怒鳴られたり叩かれたりしながら育ってきたから、“褒める子育て”の具体的なやり方が分かっていない。それが本音ではないでしょうか?
今、私達世代が頑張って“褒める子育て文化”をつくっていけば、子ども達の代には褒める文化が根付いているのではないか。私はそう考えています。
褒める子育ての方法の一つがこのCSPです。茅ヶ崎市は「日本の子育てを変えます」と宣言して、この講座を始めました。既に神奈川県だけでも17~18、全国で約50くらいの市町村がCSPの講座を開設しています。ご興味のある方は、お住まいの町でCSPの講座があるかどうか、ぜひ調べてみてください。

虐待が原因で別居、今後やるべきことは?

東洋経済オンライン 2015年6月9日

【読者からの相談】
小学一年生になった娘・麻衣(仮名)と2歳半の息子がいます。夫婦不和が原因で、私が子供達に八つ当たりするようになり、暴言を吐いたり、軽く叩いたり、にらんだりしていました。
日常的に続いていたせいか、子供達は母親の私に寄り付かなくなり、父親にべったりでした。そして、ついに真面目で優しい麻衣の心が壊れてしまったのか、私といる時は普通の子なのに、父親が帰宅した途端「私、バカバカ」と自分の頭を叩いたり、大好きな弟の胸蔵を突然つかんで引きずったり、夕食時に箸を振り回したりと、見ていて酷い状態でした。
日常的に虐待されている子供の典型的な行動なので、夫は、私にすぐに実家へ戻るよう言い、同時に遠方より自分の両親を呼び寄せ、子供達の世話の手伝いをお願いしました。私も限界の中で生活していたのですが、麻衣を助けたいとの思いから、すぐに家を出ました。もう会わない方が子供達のためでしょうか。
いなくなった私の事は「お父さんとお母さんは話し合って、お母さんとは離れて暮らす事にしたよ、もう怖がらずに安心して暮らそう」と夫が麻衣に話すと、初めは泣きつつも、今はパニックや自傷もなく楽しく生活しているとのこと。子供と会えない淋しさは苦しいほど辛いですが、その報告を聞いて少しホッとしているのも事実です。虐待した親の支援やカウンセリングなど、探してみようかと思っていますが、子供達の為に、私が出来る事は何でしょうか?
藤木(仮名)

【パンプキンからのコメント】
藤木様、虐待されながら育った子供さんの多くは、「親は良い存在であってほしい」という願望が働き、「親は悪くない、自分が悪いから親から叱られるのは仕方がない」と納得しようとし、「親から捨てられたらどうしよう」という不安から、逆に親をかばい、親にしがみつく行為に出る傾向にあるのだそうです。ママといるときは普通なのに、パパが帰宅した途端、「私、バカバカ」と麻衣ちゃんが自分を責めるのは、典型的にこれらにあてはまる症状ですね。
仲の良い弟さんの胸ぐらをつかんで引きずったりするようになるなど、あのままの状態では事態はもっと、深刻になっていくことが予想されますので、とりあえず突然という形ですが、貴女と麻衣ちゃんを離して暮らすようにしたご夫君の判断は、正しかったと思います。親子の虐待問題は、虐待する方の親も何らかの被害者である場合が多く、エスカレートしやすいからです。

世話をしてくれる義父母に感謝しよう
麻衣ちゃんにとって、引き続きパパと生活できて、世話をしてもらえる祖父母がおられたことは幸いでした。今は親が同意しなくとも、被虐待児にとってよくない状態だと児童相談所の職員が判断すれば、緊急に親子を引き離し、子どもを施設へ保護することができるそうです。施設に行ったからこそ幸せに育つケースもたくさんあるのでしょうが、環境が激変して施設で大勢の中のひとりとして世話を受けるより、これまでの家で、父親や祖父母に見守られて生活を続けられる麻衣ちゃんの周囲の環境に、まず感謝しなければいけませんね。
貴女がまずせねばならないことは、何と言っても専門家に相談し、貴女自身が治療を受けることです。児童相談所や虐待防止センター、医師、民間団体、自助組織など、いろいろあるようです。カウンセラーと貴女との相性も大切です。カウンセラーと言っても名ばかりの人もいますので、信頼できると貴女が思えるカウンセラーを、情報を集めて何度もチャレンジする覚悟で決めてくださいね。親しい友人に悩みを打ち明け、親身に聞いて貰えるようになった過程で心が癒され、立ち直ったと言う人もおられます。
貴女が虐待に走るそもそもの原因が、ご夫婦の不和にあったそうですから、貴女が立ち直るには、ご夫君の協力も欠かせませんね。不和をどのような形で決着するかが、貴女の治療と同時進行でなければいけないのか、ある程度貴女が立ち直ってからの方がいいのかも、プロのカウンセラーが、ご夫君とも連絡を取りながら判断されると思います。
麻衣ちゃんたちのために貴女が今できることは、しばらくはそっと、しておいてあげることではないでしょうか。これも専門家の助言に従うべきだと思いますが、徐々に手紙を出したりして親がちゃんと謝り、本当はとても大切に思っていることを伝えることで子供から恐怖心を取り除き、貴女が立ち直ったのを子どもが理解して安心し、心を開いてくれるという過程が大切です。
次に時々面会するように“デート”するという形もあるようです。母親から虐待された子供の多くは、それでもやっぱり母親を求めていると、施設で働く人から聞いたことがあります。いくら麻衣ちゃんたちが今、楽しく暮らしているといっても、貴女が健康で、子どもを大切にすること以上のものではありません。
この過程を疎かにして同居を急ぎ、また虐待が繰り返されるという悲しいケースを、私たちは報道で何度も知りました。是非治療に専念なさってください。専門家に相談しながら仕事に打ち込んだり、趣味に没頭することで立ち直ったというケースも聞かれます。貴女の場合でしたら、夫婦不和の原因が解決したから立ち直った、または子どもへの熱い想いでこれではいけないと思って頑張ったなど、立ち直り方もさまざまです。
私の知人の淑子さん(仮名)は、可愛い女の子3人を設け、幸せに暮らしていました。あるとき夫に愛人がいることを知り、しかも身ごもっているというのです。夫も姑も男の子を切望し、女の子ばかりを産んだ淑子さんに、「男の子を産めなかったのだから、仕方ないだろう」と居直ったそうです。そして淑子さんもまもなく身ごもりました。今度こそ男の子を産みたい一心だったそうです。この淑子さんの妊娠は、身ごもる前から嫉妬と意地と悔しさなどが入り混じったものでした。
さて愛人は男の子を産み、そのあと淑子さんには女の子が生まれました。それでも結婚できないと知った愛人と、淑子さんの夫とその母親の総意で、なんと、その男の子は淑子さんに押し付けられたのです。
淑子さんがその男の子(長男となる)と4番目の娘を可愛がれず、虐待したのはいうまでもありません。公然と「憎くてしょうがない」が彼女の口癖でした。淑子さんの両親や近所の人たちは、「子供に罪はない。この子たちを可愛がれば、それは全部自分に返ってくるから、せめていじめるな」と説得しましたが、彼女は聞き入れませんでした。上3人の娘たちは色白で聡明で、全員一流大学を卒業して教員になりましたが、4番目と男の子は事情が大きく異なります(胎教も影響するのでしょうか)。淑子さんは学費がないといって、この二人を大学にも行かせませんでした。
現在淑子さんの上3人の娘夫婦は遠方に住み、姑と夫亡きあと、ひとり住まいの淑子さん宅の近所に、この“長男”夫婦と4番目の娘の夫婦が住みます。この4番目の娘は日に何度も母親宅に来ては、なぜ自分を虐待したのかと、母親に物を投げたり暴力を振るい、自分の子にも暴力を振るうそうです(長男夫婦は寄り付きません)。被虐待経験は、自分の子へ連鎖する場合が少なくないそうですよ。

自分が変わって、お互い許し、許される関係に
最後にお節介ですが、例えば家庭のトラブルにも困難のランクが5段階あるとします。ランク5の困難にも前向きに努力し解決していく人や、ランク1にも絶対耐えられないと絶望する人それぞれです。ただ解決しようとする人に共通するのは、自分自身を変える努力をするかどうかだと思います。
その人の性格や人格、生い立ちが違うからだと思うのですが、そして貴女たちの不和の原因が分からないのに私がこのように言及するのもはばかられますが、貴女も変われるべきところは変わって、お互いに許し許されながら、ご家族にとっていちばんよい着地点が見つかりますよう、お祈りしています。
麻衣ちゃんたちと一緒に住める日に時間がかかっても、せめて麻衣ちゃんが安心して貴女と会えるようになる日が早くきますよう、専門家の助言を仰いでくださいね。

悩ましい雨の日の“おうち遊び” 身近なアレに子どもが熱中?!

dot. 2015年6月9日

今年も梅雨の季節がやって来た。雨が続いて自宅にこもりがちになり、元気があり余っている子どもを見ながら、1日の予定に頭を悩ませるパパ・ママも多いのではないだろうか。
かくいう筆者もその一人だ。晴れていれば、公園の遊具や砂場などで、子どもに思いっきり遊ばせてあげられるが、雨だとそうはいかない。DVDを見るだけでは子どもは疲れないし、夜の寝つきも悪くなる。狭い空間に2人でじっとしていると、お互いにストレスもたまる。そこで、 “おうち遊び”の専門家に助けを求めることにした。
今回、「雨の日にお勧めのおうち遊び」を教えてもらったのは、北九州市在住で、同市や福岡市でベビーリトミック教室を主宰し、“おうち遊び専門家”を名乗る林知代さん。保育士やベビーシッターとして、保育の現場で働いてきた林さんは、身近なものを使ったおうち遊びをブログで提案したり、教室で実践したりしているのだ。
林さんに0~3歳児向けとして勧められたのは、新聞紙やチラシを使った遊び。これらは身近にあり、かつ簡単に遊びを発展させられるものとして、かなりの威力を発揮するという。
代表的なものは、次の3つ。(1)新聞紙やチラシをびりびり破る(2)細かくやぶったものを、ビニールシートやタオルケットなどに乗せ、子どもと一緒に持ち上げて紙ふぶきを降らせる(3)丸めておにぎりにする、細く切ってパスタにする、または折り紙を足して卵焼きやサラダ、果物などに見立て、紙皿やお弁当箱に入れて遠足ごっこをする。
ポイントは、子どもの“わくわく感”をかき立てることだそうだ。例えば(2)の場合、紙ふぶきを降らせる際に「いち、にの、さーん!」「わあ~!お外と同じ雨みたいだね~!」などと声をかけると、子どものテンションが上がり、親子のコミュニケーションにもなるという。
遊んだ新聞紙は、スーパーの袋などに入れてしまえば、風船やボールに早変わり。投げて遊べるし、タオルに乗せて、部屋の中を移動してお引越しごっこをすれば、お片付けにもなる。
3歳以上なら、少し難しい遊びに挑戦してみてはどうだろうか。スーパーのチラシなら、商品の写真を切り取って紙や段ボールにはれば、お店屋さんごっこができる。新聞紙でスカートなどのお洋服を作ってもよい。はさみを使える子どもなら、ひたすら紙を切るだけでも楽しめるという。
また、赤ちゃんの場合は、新聞紙を破る速さでびりびりする音を変えたり、顔の前にかざして“いないいないばあ”をしたり、新聞紙を広げてお布団にして寝転ぶだけでも、十分楽しめるという。
しかし、自宅にいると家事で手が離せないこともある。林さんは、子どもに1人で遊んでもらいたい時には、お絵かきやシールはりがおすすめだという。壁に100円ショップでも売っている大きな方眼用紙などをはり、自由にお絵かきやシールはりをさせると、ストレス解消になるそうだ。大人が壁にはった大量のマスキングテープを、子どもにはがさせるのも楽しいという。
筆者も2歳半の娘とチャレンジしてみた。新聞紙を、ひたすら一緒に破っていく。お互い無言だが、かなり飽きっぽい娘が、うっすら笑みを浮かべながら延々と破っている。こちらも思いっきり手を動かして破っていくと、びりびりという音になんだかそう快な気分になる。
ひとしきり破った後、娘はひたすらくしゃくしゃにした破片を重ね始めた。聞いてみると、「飛行機」らしい。不思議な形になった物体を手に持ち、「ぶーん、ぶーん」と得意げに振り回している。まったく理解できないが、子どもの想像力ってすごい。
最後はスーパーの袋に入れて、ボール遊び。すると、いつの間にか1時間が過ぎていた! 普段は家にいると、ついつい家事をやってしまうので、久しぶりに娘とじっくり遊んだ気がした。
子どもと家にこもる時間が長いからこそ、楽しめる遊びもある。子どもとじっくり向き合えるし、筆者の場合は、部屋の散らかり具合が目に入り、掃除へのモチベーションが上がる、という効果まで得られた。雨の日は、無理にお出掛けせずに、今しかできないおうち遊びに興じるのもよいかもしれない。

厚生労働省が年金受給のモデルを例示 想定年収高すぎるとの声

ライブドアニュース 2015年6月5日

独身は老後生活できない? 厚労省の年金モデルが非現実的
さまざまな不安が募る年金問題。厚労省のでは、夫の平均的収入(賞与を含む月額換算)が42.8万円で40年間働き、妻が専業主婦のケースをモデル世帯に、15年度に受け取る老齢厚生年金(老齢基礎年金を含む)を22万1507円だとしている。しかし、「そもそも、厚労省のモデルケース自体に無理がある」との意見がある。
社会保険労務士でAZプランニング代表の古井佐代子氏は、「女性の社会進出が進み、かつ生涯未婚率が男性で20%、女性で10%の時代に、会社員の夫とずっと専業主婦の妻、子どもが2人というモデル世帯は、現実にそぐわなくなっているのでは」と疑問を投げかける。
そこで、社会保険労務士でブレインコンサルティングオフィス代表の北村庄吾氏におひとりさま(独身)や自営業者の場合の年金額の推移を試算してもらった。
15年度に受け取る額と10年後の額をそれぞれ見ると、おひとりさま(会社員)は15万6499円→14万1160円、夫婦2人(自営業者)は13万16円→11万7272円、おひとりさま(自営業者)は6万5008円→5万8636円とそれぞれ約1割減少する。
さらに、より現実に近い収入で以下の3パターンを試算してもらった。厚労省のモデル世帯の夫の収入42.8万円が高すぎるとの意見もある。厚労省の「平成26年賃金構造基本統計調査」の平均賃金でさえそれより安いのだ。また、40年間も会社に勤める人は最近ではまれだ。試算してもらったのは、

【1】38年間会社員の夫と38年間専業主婦の同じ年の妻
【2】38年間会社員のおひとりさま男性
【3】同じくおひとりさま女性

それぞれ見ていこう。
【1】の場合は、現役時代の賃金(平均賃金)が32万9千円であるのに対し、夫婦2人分の年金額(老齢基礎年金2人分と老齢厚生年金1人分)は19万6649円(15年度の場合)。
【2】は、賃金は32万9千円で【1】と同じであるにもかかわらず、妻の老齢基礎年金がないぶん、年金額は13万1649円と夫婦世帯に比べて6万5千円少ない額に。
【3】の場合は、現役時代の賃金(平均賃金)が23万8千円と男性よりも約9万円低いこともあり、年金額は11万4987円とかなり少なめだ。
この数字をもとに、試算を行ったところ、10年後の年金額は【1】の場合で17万7374円。【3】に至っては10万3717円と、東京都の最低賃金(時給888円)で月160時間働いた賃金を3万8千円超下回るのだ。
定年間際のおひとりさま女性、吉田美枝子さん(57)は、「親世代の老後生活を見て、定年後も今の賃金と同程度の年金がもらえるなら、のんびり過ごしながら、時々は趣味のゴルフも楽しめると思っていました。でも、最近はじめて『ねんきん定期便』を見て、そんな生活は無理だとわかった。それ以前に、この年金額では、どうやって暮らせばいいのかすら、見当がつきません」と顔を曇らせる。

家族を食中毒から守る3原則と6つのポイント

@DIME 2015年6月9日

気温と湿度が上がるこれからの季節は、食中毒の原因となる細菌が発生しやすくなる。食中毒にかかると、健康な大人でもおう吐や下痢などで苦しい思いをする。まして体力のない子供や高齢者、体の弱い人では、命にかかわることも。また、食中毒は、飲食店などの外食で発生しているだけでなく、家庭でも発生している。厚生労働省に報告された発生件数のうち、家庭での件数は約1割にとどまっているが、家庭での食中毒は、症状が軽かったりする場合もあるため、食中毒であると認識されないケースも少なくなく、実際にはもっと多く発生していると推測される。食中毒の危険は、家庭にも多く潜んでいるのだ。政府広報オンラインでも「食中毒を防ぐ『3つの原則・6つのポイント』」を紹介しているので参考にしたい。

食中毒を防ぐ3つの原則
食中毒は、食べものや調理器具に付着した細菌やウイルスが体内に入ることで発症する。食中毒を防ぐためには、原因となる細菌やウイルスを食べ物に「つけない」「増やさない」「やっつける」という3つの原則を踏まえて対策をとりたい。

◎原則1≪つけない≫洗う・分ける!
手にはさまざまな雑菌が付着している。食べ物や調理器具を扱う前、おむつ交換の後や動物に触れた後は、必ず手を洗おう。生肉や生魚など加熱が必要な食べ物と、生野菜など加熱しないで食べる物を、きちんと分ける。加熱しないで食べるものを先に調理するのもひとつの方法だ。

◎原則2≪増やさない≫低温で保存する!
細菌の多くは摂氏10度以下で増殖がゆっくりとなり、マイナス15度以下で増殖を停止する。生鮮食品やお惣菜などは、購入したら速やかに冷蔵庫へ。ただし、冷蔵庫を過信せずに、なるべく早く食べきろう。

◎原則3≪やっつける≫加熱を十分に!
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全だ。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事。調理器具も、使用後に洗剤で洗ったあとに熱湯消毒を。台所用殺菌剤も効果的だ。

食中毒を防ぐ6つのポイント
食品を購入してから、調理して食べ、保存するまでの各段階で、食中毒の原因となる細菌やウイルスを「つけない」「増やさない」 「やっつける」ための具体的な方法を紹介しよう。

1.買い物
・消費期限を確認する
・肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は最後に買う
・肉や魚などは汁が他の食品に付かないように分けてビニール袋に入れる
・寄り道をしないで、すぐに持ち帰る

2.家庭での保存
・冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する
・肉や魚はビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などがかからないようにする
・肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う
・冷蔵庫の温度は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ
・冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎない(詰めすぎると冷気の循環が悪くなる)

3.下準備
・調理の前に石けんで丁寧に手を洗う
・野菜などの食材を流水できれいに洗う(カット野菜もよく洗う)
・生肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや調理の済んだものにかからないようにする
・生肉や魚、卵を触ったら手を洗う
・包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使い分けると安全
・冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを利用し、自然解凍は避ける
・冷凍食品は使う分だけ解凍し、冷凍や解凍を繰り返さない
・使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸した後しっかり乾燥させる
・使用後の調理器具は洗った後、熱湯をかけて殺菌する(特に生肉や魚を切ったまな板や包丁)。台所用殺菌剤の使用も効果的。

4.調理
・調理の前に手を洗う
・肉や魚は十分に加熱。中心部を75℃で1分間以上加熱することが目安

5.食事
・食べる前に石けんで手を洗う
・清潔な食器を使う
・作った料理は、長時間、室温に放置しない

6.残った食品
・残った食品を扱う前にも手を洗う
・清潔な容器に保存する
・温め直すときも十分に加熱
・時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる
・ちょっとでもあやしいと思ったら食べずに捨てる

「食中毒かな?」と思ったら
お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなったりした時は、かかりつけの医師に相談しよう。おう吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応。医師の診断を受けずに、市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用しないようにし、早めに医師の診断を受けることが肝要だ。

「ごはんを食べる」だけでアンチエイジング? 小顔や認知症予防にも

Mocosuku Woman 2015年6月9日

6月1日はチューインガムの日というのを知っていましたか?日本チューインガム協会が平成6年に制定したのですが、ゴロ合わせでもなさそうです。
古来、平安時代にまでさかのぼり、1年中健康であるようにと、硬いお餅、栗、大根、するめ、昆布などの固いものを食べる行事を元日と6月1日に行っていたことが始まりです。
食の変化で噛むことが減ってきた現代で、もう一度噛むことの大切さを見つめなおすために、協会が制定しました。
噛むことの大切さとは、どんなものでしょうか。近年では、科学的に解明されたことが増え、加齢による反応が鈍ったり、認知症の予防なども期待されています。まずは基本的な咀嚼運動による脳と顔周辺の影響を見てみましょう。

「ごはんを食べる」と脳はどう働く?
私たちがごはんを食べる時、深く考えず、食べたいものをお箸で口に運びます。単純で何気ない行為に見えますが、脳内ではあらゆる箇所が複雑に働いているのです。

・食べたいものをえらぶ
思考、意思を司る前頭葉の前頭連合野で考えます。前頭連合野は認知症との関わりが深いことで知られています。

・お箸でつかみ、口にはこぶ
前頭葉のうしろにある運動野が、手に「お箸を動かして口にはこぶ」指令を出します。

・口が自然とひらく
目で見た情報が視覚野に伝わり、その情報から「口とお箸の距離感」を頭頂葉で認識します。
前頭葉の運動野が口に「ひらく」指令を出します。

・口に入ると自然にとじて噛む
「口に入った」ことを頭頂葉の感覚野で把握すると、前頭葉の前頭連合野が「咀嚼しよう」と判断し、運動野に指令を出します。
運動野で「お箸を口からはなす」、「咀嚼する」2つの指令を出します。
おいしさを感じるのは、側頭葉の味覚野です。

・ノドに通りそうなサイズに噛み砕いたら飲み込む
頭頂葉の感覚野で「ノドに通るサイズに噛み砕いた」と把握すると、前頭葉の前頭連合野が「飲み込もう」と判断し、運動野に指令を出します。
運動野は、飲み込むために必要な筋肉に指令を出します。

そして、咀嚼量はそのまま、記憶情報をもつ海馬や前頭連合野への、刺激の差となります。神経細胞の成長をうながし、情報のやりとりを支えるホルモンが分泌され、脳の反応スピードが早くなると、わかっています。

咀嚼運動の物理的な刺激で、脳も見た目もアンチエイジング
咀嚼運動は、運動野からの指令で口や顎まわりの4種類の筋肉が働きます。ほほの後ろ辺りにある咬筋、こめかみから耳の上にあたりの側頭筋、頬骨あたりある外側翼突筋と内側翼突筋です。
しっかり鍛えれば、二重あごやリフトアップに効果的な筋肉です。

筋肉の活動で、顔や脳の血管が刺激されるので、血液を上に向かって流す役割を果たします。
咀嚼による脳の血流量の増加は、特定の領域ですぐに表れます。特定の領域とは、運動野、感覚野、小脳、視床、島(とう)、捕捉運動野(ほそくうんどうや)で、血流量の増加で活性化すると、加齢による感覚や運動能力の衰えを抑制する可能性が、示唆されています。

パン、ゼリー、煮込み野菜やなどやわらかいものを食べる機会が多いですが、「ごはんを食べる」だけで脳も見た目も若々しくできるなら、食べるものや食事につかう時間を、もう一度考えてみても良いですね。

毎月8日はカミングデー
そして、毎月8日はカミングデーです。「1口で30回以上噛むことを意識しましょう」という「噛みんぐ30」を、厚生労働省が掲げています。
肥満防止、脳の発達、歯の病気予防などを利点としています。もちろん、歯磨きをすることも大切です。
毎日食べるごはんを噛む回数だけなら、すぐに始められそうです。まずは今日の食事から気にかけてみては。