子どもに対する性的暴力は介入の手もいまだに、サポートの利用も遅れぎみ、国際調査

Medエッジ 2015年6月22日

子どもに対する性的暴力の発生率をアジアやアフリカなどの発展途上国7カ国で2007年〜2013年に調査を行い、さらに、ヘルスケアや法的扶助などのサービスの利用率について調査した。
米国疾病対策センター(CDC)が発行する、モービディティ・アンド・モータリティ・ウイークリー・リポート(MMWR)で、2015年6月5日に報告された。

妊娠や性感染症のほか多くの長期に悪影響
研究グループによると、子どもに対する性的暴力は、子どもの健康な成長や生活をむしばむと説明している。子どもの頃に暴力にさらされると、単に一時的な影響にとどまらず、長期にわたって悪影響が及ぶ可能性もあると見られている。例えば、抑うつ症状、望まない妊娠、心臓血管病、糖尿病、性行為による感染症など多くの問題が関わるという。
米国疾病対策センターでは、子どもに対する性暴力に反対するキャンペーン「トゥギャザー・フォア・ガールズ(Together for Girls)」の活動の一環として、カンボジア、ハイチ、ケニア、マラウイ、スワジランド、タンザニア、ジンバブエの7カ国で、地元政府と協力し世帯調査によって13歳〜24歳の子どもと若者を対象とした、子どもに対する暴力について調査している。

25%が性的暴力の被害者に
何らかの形で子どもの頃に性的暴力を受けたという人は、多くの国で25%以上にのぼっており、健康保護サービスや児童保護サービスなど何らかのサポートを受けた人は、被害者の10%以下だった。
子どもに対する性的暴力の発生率は国によって異なっていた。スワジランドでは、女性への性的暴力が37.6%で高かった。ジンバブエでも、女性への性的暴力が32.5%と高かったが、男性への性的暴力は8.9%と低めだった。
ハイチでは、男性に対する発生率21.2%、女性に対する発生率25.7%と共に高い。
カンボジアでは、女性に対する発生率4.4%、男性に対する発生率5.6%と共に低い。

HIVなど病気の予防の観点も
性的暴力の悪影響は無数にあるにもかかわらず、被害者の多くはサポートを受けていないのが問題になる。サービスがあるということ自体を知らない、あるいはそうしたサービスが実際には利用できない、偏見により人に話せなかったなどが原因として考えられる。
性的暴力に対する予防と対応ストラテジーが必要であると、研究グループは指摘している。
HIVなどの病気の予防戦略の一環とすることが必要不可欠だと述べている。
この研究には、「思い出しバイアス」や、全面的な情報開示が不足している可能性、ストリート・チルドレンが調査に含まれていないなどの問題があることを注記している。
先進国も含め、対応は必要なのだろう。

砂糖を減らして自閉症改善!?世界トップクラスの精神分野の国際誌で報告

Medエッジ 2015年6月21日

砂糖を減らすと、自閉症の症状が軽くなる可能性が、世界トップクラスの精神分野の国際誌で報告されている。
米国疾病対策センター(CDC)の研究グループが、モレキュラー・サイカイアトリー誌で2015年6月9日に報告した。

社会を避けたり反復行動に陥ったり
自閉症は、専門的には症状が多様なので、虹のスペクトラムになぞらえて、専門的には自閉症スペクトラム障害と呼ばれる。
見られる状態としては、社会の仕組みを守ることを避けたり、反復行動に陥ったり、コミュニケーションに障害を起こしたりするというもの。
研究グループは、自閉症スペクトラム障害と診断された人の数は過去20年間で劇的に増加していると説明している。世界中の人口の2%に見られるなどとも説明されている。

食生活の変化も要因?!
複数の要因が組み合わさって起こる発達障害の一種と位置づけられている。
いくつかの遺伝子が関連していると分かっており、特定の遺伝的変異体が疾患に特有の行動と関係があると徐々に分かってきている。
そうした原因の一つとして、食生活の変化は、考えられる多くの要因の一つである可能性がある。

糖の影響を検証
研究グループは、自閉症の症状を示すネズミの症状を調べて、糖の影響を検証した。
糖が体でどのように使われているかを調べるために、糖が体で使われたときに出てくる「ジカルボニル・メチルグリオキサル」という物質について検証している。
その濃度低下が動物で自閉症の症状を軽くするか検討した。
妊娠マウスに血糖を高めるエサ、あるいは血糖を下げるエサを与えて、誕生、離乳後のその子どもにも同様なエサを与えて、離乳後の行動への影響、血液検査などを実施した。

血糖を上げると自閉症の症状
結果として、血糖を下げるエサを与えていると、自閉症の症状を軽くすると分かった。
逆に、血糖を高めるエサを与えられていると、予測される自閉症のあらゆる症状を示していた。例えば、目的のない反復行動に陥っていたり、社会的なやり取りもうまくいかなくなったりしていた。

炎症が強くなっている
さらに今回の研究では、血糖を高めるエサを与えると、血糖を下げるエサを与えた場合と比べて、発達するときに神経細胞で出てくる「ダブルコルチン」と呼ばれる物質が極端に少なくなっていると分かった。記憶をコントロールする脳の部位で特に欠乏していた。
その上に、血糖を高めるエサを与えられると、脳にいつも存在する異物に抵抗する免疫を担う「ミクログリア」と呼ばれる細胞が増えていた。炎症に関係する遺伝子の働きが高まっていた。
自閉症の子どもに関する研究で、免疫系の活性化が示唆されていた(自閉症の原因に新事実が判明、脳の免疫を担う「ミクログリア」が関与)。新たに裏付けられたことになる。

慢性的な「痛み」の裏に自閉症と共通した仕組み、脳内麻薬をうまく働かなくしている

Medエッジ 2015年6月22日

慢性的な「痛み」の裏に自閉症と共通した仕組みがあるようだ。脳内麻薬の仕組みがうまく働かなくなり、うつや不安との関係も出てくるようで、薬の利きにくさにもつながってくるようだ。
米国カリフォルニア大学アーバイン校を中心とした研究グループが、神経科学の国際誌、ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス誌で2015年6月3日に報告した。

痛みと不安症、うつ病はどう関連する?
慢性的な痛みは、自殺の原因としては、気分の上下が病的に激しくなる双極性障害に次ぐ2番目に多い原因になるという。
米国人の4分の1は慢性的な何らかの痛みに苦しんでおり、60歳以下の年齢では持続性の病気としては最も多い形態になっている。
研究グループは、動物実験によって慢性的な痛みとうつ病、不安症を関連付けるメカニズムの解明に取り組んできた。

自閉症で注目される免疫の仕組み
動物実験によって、研究グループは痛みによる脳の炎症が「ミクログリア」と呼ばれる免疫細胞の加速度的な増殖と活性化を引き起こすと発見した。
ミクログリアとは、自閉症との関係が注目されているところだ(自閉症の原因に新事実が判明、脳の免疫を担う「ミクログリア」が関与)。
慢性的な痛みの裏に、自閉症と共通した仕組みが隠れていると見られるわけだ。

脳内麻薬を働きにくく
脳には白血球が入り込めないかわりに、ミクログリアが存在している。
自閉症の脳ではミクログリアの働きが活発になっていると、これまでの研究で知られている。
研究グループによると、脳の感じる快楽をコントロールする神経伝達物質で、脳内麻薬とも表現される「ドーパミン」の放出を制限しているのがミクログリアだ。
ミクログリアが増えることで、ドーパミンの反応が出にくくなるという問題があると見られた。

薬の有効性が回復
今回の研究では、モルヒネのような痛みを取り除く「オピオイド薬」が慢性的な痛みに有効ではない理由にも迫っている。モルヒネなどは、まさにミクログリアとも関係するドーパミンの放出を刺激する薬だ。
従来の研究によると、慢性的な痛みがあると、ドーパミンの反応をうまく引き出せないと分かっていた。
今回、ミクログリアの活性を邪魔する薬でこの障害を取り除けると確認できた。ドーパミンの反応を回復させられると確認したのだ。
研究グループはこうした慢性的な痛みに伴って、ドーパミンの反応の破たんについてさらに人でも検証するという。
慢性的な痛みをうまく取り除く方法の解明にもつながりそうだ。

子どもを脅かす!夏の怖いウイルス感染症

It Mama 2015年6月22日

夏は休みも多く、お出かけが楽しみな時期。今から旅行の計画をしているご家庭も多いのでは? でも、夏はこの時期特有のウイルスが蔓延します。突然、子どもに発熱や発疹、不調が出てしまい、楽しい旅行計画がパーなんてことも……。
そこで今日は、残念なことにならないよう、事前の対策として「夏のウイルス感染症とその予防法」についてお伝えします。
代表的なウイルス感染症3つとその対処法

①咽頭結膜熱(プール熱)
アデノウイルスが原因で起こります。プールの水を介しての感染が多いことから、プール熱とも呼ばれています。
39~40℃の高熱、のどの痛み、目の症状(充血、眼痛、目やになど)が出ます。リンパ節が腫れることもありますが、症状は1週間程度で治まります。まれに重症肺炎を合併することがあります。
感染経路はせきやくしゃみによる飛沫感染のほか、タオルなど物を介して接触感染することもあるので、プールに入った後はシャワーをしっかり浴び、特に目はしっかり洗うようにすること。また、タオルはほかの子と共有せず、洗濯物はしっかり乾かしましょう。

②手足口病
その名のとおり、口の中・手・足を中心に水泡状の発疹ができる急性のウイルス感染症です。発疹のほかに38℃以下の発熱や食欲不振、のどの痛みなどが見られますが、一般に軽症で、3~7日で治まります。感染者は5歳以下の乳幼児が大半です。重症化はまれですが、合併症として急性脳炎や心筋炎があります。
感染経路は主に飛沫感染、接触感染なので、保育園や幼稚園に通う子どもが手足口病にかかったら、ほかの園児にうつらないように長袖、長ズボンを履かせたりと可能なかぎり配慮しましょう。

③ヘルパンギーナ
突然の高熱と喉の奥に水泡ができるウイルス性疾患で、夏かぜの一種です。38℃以上の突然の発熱の後、口の中や喉の奥に水泡ができ、強い痛みも伴います。その後、2~4日で解熱し、7日程度で治ります。合併症としては、熱性けいれんや、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。
感染経路は主に飛沫感染、接触感染です。保育園や幼稚園に通う子どもは38℃以上の熱がある場合はほとんどが登園できない規定になっているかと思いますので、熱が治まるまでは家でしっかり休養させましょう。

【夏の感染症の予防法】
これら夏のウイルス感染症には、ワクチンや予防薬、特効薬はありません。なので、感染しないようにするには、まずは基本の手洗い・うがいをしっかりすることです。
夏は暑さで食欲も減りがちになりますが、バランスのとれた食事を意識して、しっかり栄養補給をし、生活リズムを整えて、ウイルスに強いからだを日頃から作ることが何より大切です。
もし夏の感染症にかかってしまったら?
熱や発疹など不調があらわれたら、まずは近くの小児科や耳鼻咽喉科へ行ってみましょう。これら夏の感染症がみるみるよくなる特効薬は存在しませんが、病院に行けば解熱剤や鼻水・せきなどを和らげてあげるお薬を処方してくれますし、中耳炎などが併発していないかなども、みてもらえます。
また、脱水症状を起こさないように、こまめに水分補給をしましょう。熱が出ていたり、のどの痛みで食欲がなくなる子も多いと思いますが、そうめん、ゼリーやプリンなど「のどごしのよいもの」を与えてあげると、子どもも食べやすいかと思います。
夏はお出かけする機会が多く、それだけ感染の機会も多くなります。しっかり感染対策をして、家族で夏を満喫したいですね。
万が一感染してしまっても、これらは子どもだったら誰でもかかりうる病気の一種です。子どもは病気を繰り返し強くなっていくもの。看病は大変ですが、「これでまた体が強くなったね!」と前向きに乗り切りましょう。

おなかの感染症、抗菌薬は4日で終わらせてよい、「スーパーバグ」の出現阻止にも貢献

Medエッジ 2015年6月23日

いわゆる「もうちょう(虫垂炎)」を含めて、おなかの感染症に対しての抗菌薬による治療期間を半分に減らし、かつ同等の効果が得られる可能性がある。

薬にさらされるほどスーパーバグの脅威
米国バージニア大学を含む研究グループがこの5月に、有力医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で報告したもの。
研究グループによると、感染菌が特定された後の、抗菌薬を使ったおなかの感染症の治療期間はガイドラインで決められた期間はない。
抗菌薬への耐性を持った菌、英語で「スーパーバグ」と呼ばれる存在の発生が問題となっており、これを最小限にすることが重要となっている。細菌は薬にさらされるほどにスーパーバグ化する恐れが高まってくる。いかに薬にさらさないかは大切だ。

1週間~2週間?
研究グループによれば、一般的に医者は症状が消えるまで抗菌薬を使う。期間は1週間~2週間に及ぶ場合が多い。
最近のガイドラインでは決まった投与期間はないものの、もっと短い4日間~7日間程度でとどめるよう推奨している。多くの医者はこの短縮を行わず、長期間にわたる抗菌薬の投与を続けている。具体的には、10日間~14日間となる。
この傾向を改善するには、医者に抗菌薬の使用はどれくらいが適切であるか、信頼できる情報を提供することが重要と説明する。

2つのグループに分ける
研究グループは「腹膜炎の治療を最適化するための臨床試験(STOP-IT)」と呼ばれる研究を進めていた。
おなかの感染症にかかった米国とカナダの517人を対象として、感染菌を特定した後、半数には症状が消えてから2日間が過ぎるまで抗菌薬を投与。その他の半数には4日間だけ抗菌薬を投与した。

使用期間は減らせる
2つのグループの結果を比較したところ、互いに治療の効果は同じと判断できた。
研究グループは、おなかの感染症を起こした人の管理で最も重要なのは感染源のコントロールと解説。今回の臨床試験の結果から、手術がうまく行われると、抗菌薬の使用は短期間で済むと説いている。
日本でもおなかの感染症はさまざまある。一般の人とはいえ、知識として知っておいて良いのだろう。

高卒採用もモテモテ 2016年計画で「増やす」7ポイント増

アメーバニュース 2015年6月22日

景気回復で、高校卒の新卒採用が増えている。厚生労働省の2015年5月の労働経済動向調査(6月16日発表)によると、16年の採用計画で、高校卒業予定者を「増やす」と答えた事業所の割合は前年に比べて7ポイント増えて24%となった。
「ほぼ同じ」が2ポイント増の23%だった。「減少」は4%、「未定」は30%で、いずれも前年比で横ばいだった。
また、大学卒業予定者を「増やす」事業者は、文科系が4ポイント増の19%、理科系も4ポイント増えて22%だった。大学院卒も9ポイント増の13%、専修学校卒も8ポイント増の14%が「増やす」と答えた。いずれも、前年を上回った。学生の売り手市場の傾向が強まりそうだ。
「増加」の理由について、高卒者の場合、前年は「年齢など人員構成の適正化」が最多だったが、今年は大学院を除くすべての学卒者で「長期的に育成することが必要な期間的業務を担う人材の確保」の割合が最も多かった。大学院は「技術革新への対応・研究開発体制の充実」が最多。

PCスキルアップによるひとり親支援事業、都筑のNPOが参加者を募集 /神奈川

みんなの経済新聞ネットワーク 2015年6月23日

横浜市都筑区を中心に活動するNPO法人I Love つづき(横浜市都筑区中川1、TEL 045-306-9004)は6月から、ひとり親の在宅ワークや就職をサポートする支援事業「はまみらいネット2015」を始めた。(港北経済新聞)
同団体はこれまで、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ、マックスヴァルト研究所、富士通ワイエフシーとともに、ひとり親家庭のダブルワーク解消などを目的とした「横浜市ひとり親家庭等在宅就業支援事業(はまみらい.ネット)」を展開してきた。これは、国の「安心こども基金」(厚生労働省管轄)を活用した事業で、横浜では、横浜市こども青少年局の委託を受けた4法人が2011年から4年間に渡って進めてきた。
同事業は2014年で終了したが、今回同団体が後継事業として、日本郵便の年賀寄付金助成事業に新たに事業を申請したことで、6月から支援事業が始まった。
事業では、実習とeラーニングによる、Webサイト構築を学ぶ講座(資料代500円)やエクセル、ワードをマスターする講座(資料代500円、今秋実施予定)を用意。PC作業のスキルアップによって、在宅ワークや就職を目指す。
6月28日には、コミュニティーカフェ「シェアリーカフェ」(横浜市都筑区中川1)で交流会と事業説明会を開催(14時~16時)。応募資格は第1子が18歳以下でひとり親、自宅にインターネット接続ができるパソコン(ソフト要件あり)を所有していることなど。応募ははまみらいネットのウェブサイトから。