“かっこいい”から不正アクセス、“視聴者が増える”から下着姿を配信–10代の自己承認欲求の暴走

CNET Japan 2015年8月1日

他人のID・パスワードを不正に使用したり、その他の攻撃手法を用いて、アクセス権のないコンピュータ資源にアクセスすることは、「不正アクセス禁止法」で禁じられている。不正アクセス禁止法違反で逮捕されるのは、10代が最多ということをご存じだろうか。
総務省、警察庁、経済産業省発表の「不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況」(2015年3月)によると、2014年中の不正アクセス被疑者は「14~19歳」が最も多く、最年少は14歳だった。なお、不正アクセス禁止法違反で補導された14歳未満の少年も8人いたことが分かっている。
不正アクセスの動機は、全年代では「顧客データの収集等情報を不正に入手するため」が最も多く(139件)、次いで「不正に経済的利益を得るため」(86件)、 「嫌がらせや仕返しのため」(54件)、「オンラインゲームやコミュニティサイトで不正操作を行うため」(41件)の順となっている。
では、10代はなぜ不正アクセスをするのだろうか。最新の事例と動機から、10代の考えを見ていこう。

「かっこいい」から不正アクセス
2015年7月、匿名化ソフト「Tor」を使用して出版社に不正アクセスした容疑で、神奈川県の17歳の少年が逮捕された。少年は、さまざまなサイバー攻撃に関わったことやマルウェアを作成したことなどをTwitterでアピールしていた。
サイバー犯罪対策課によると、同課が押収した記録媒体からは、他人のTwitterアカウントを乗っ取り、東京都内の弁護士への殺害予告を大量にツイートさせた痕跡も残っているという。つまり動機は金銭目的などではなく、愉快犯、あるいは自分の力を誇示する示威行為だったと考えられる。
ほかにも、2013年4月には、やはり匿名化ソフト「Tor」を使って発信元を特定されにくくした上で、他人のIDやパスワードでサーバに侵入し、サイトを改ざんした神奈川県の15歳少年が、不正アクセス禁止法違反で逮捕されている。少年はハンドルネームがPC関連雑誌に掲載されるなど、ハッカーとして有名であり、動機については「(ハッキングしたら)かっこいいから」と答えている。
同年9月には、滋賀県の16歳少年が不動産会社のサーバに侵入して書類送検された。少年は「(国際的ハッカー集団)アノニマスに興味があった」ため、ハッキングの成果をアノニマスが犯行声明を出す際に利用した情報共有サイトに投稿していた。少年は不正アクセスで不動産会社社員のIDやパスワードなどを不正入手していたが、悪用した形跡はなかったという。
すべてに共通するのは、「ハッキング=かっこいい」という価値観と、「ハッキングできる能力を世間に誇示したい」という自己顕示欲だ。その他、過去に当連載で紹介したように、ドローンを飛ばして配信した少年もやはり強い自己顕示欲を持っていた。彼らは、他人に迷惑をかけることなど関係なく、周囲に自分の力を認めさせたいという自分勝手な思いから暴走してしまっているのだ。

「視聴者が増える」から女子高生が下着姿を配信
10代男子は、このように違法行為を通して自分の自己顕示欲を満たす傾向にある。それでは、10代女子はどうなのだろうか。
ニコニコ生放送やツイキャスなどの動画配信サービスが10代女子に人気だ。ところが、動画配信サービスでも問題が起きている。動画配信者は増えており、ただ女子というだけではなかなかアクセスが集まらなくなってきた。そこで10代女子たちは、動画タイトルに「JK(女子高生)」「JC(女子中学生)」「JD(女子大生)」などとつけたり、露出を匂わせる単語を入れたりしている。そうすると、主に男性からのアクセス増が見込めるというわけだ。
動画では、まるでタレントのような口ぶりで、視聴者に話しかける10代女子が目立つ。動画には、Twitterアカウントなどでログインした視聴者がコメントを投稿できるようになっており、配信者とコミュニケーションがとれる。配信動画を見ると、「可愛いね」などと言われて喜んでいる配信者をよく見かける。配信者はもっと見てほしいため、視聴者からのリクエストに対して積極的に応えるようになる。
最近の動画配信者は、顔が分からないようにマスクをつけて配信することが多い。ところが、筆者が見た女子高生2人組の配信では、最初こそマスクをつけていたものの、「マスクとってよ」「絶対可愛いでしょ」と言われているうちにマスクを外していた。マスクをとった後は、案の定「やっぱり可愛いね」と男性視聴者たちから絶賛されており、配信者も嬉しそうにしていた。
マスクを取るだけならそれほど問題はないかもしれないが、中には下着姿、入浴姿などを配信する例も多い。動画配信サービスではそのような姿での配信は禁じられており、一定期間放送ができなくなる処分などが待っている。そのうえ、動画のコピーがあちこちに保存されて、誰でも見られる状態となってしまうのだ。
これも、やはり承認欲求や自己顕示欲に起因した行為だ。彼女たちは、多くの視聴者に見てもらったり、他の配信より多くのアクセスを求めて、そのような行動に出てしまうのだ。

ネットだけで注目を集めても意味はない
男女どちらのケースでも、確かにネット界隈では注目を集め、その瞬間はいい気分を味わえるだろう。しかし、男子のケースでは、自分には前科がつき、他人には迷惑をかける。女子のケースでは、後で後悔してもそのような動画や写真は消すことができなくなってしまう。長い目で見ると、全く意味がないどころか自分を苦しめる行為だ。
10代の頃はまだ何者でもないため、自己承認欲求や自己顕示欲が暴走しがちだ。認めてもらえる喜びは何者にも代えがたく、暴走が加速してしまうことがある。10代のうちは若気の至りもあるものだが、ネット上で暴走すると人生を棒に振ることになりかねない。
政府が「ハッカー」を採用するという話がある。2015年度から、情報セキュリティ技術に長けた「ハッカー」を、サイバーテロ対策を統括する内閣サイバーセキュリティーセンター(NISC)の職員や研究員として、25人前後採用すると発表されている。セキュリティの問題はそのくらい最重要課題となっており、ハッキング能力もこのような場面なら生かせる可能性がある。
周囲の大人は子どもたちの危険な兆候をいち早く察知できるよう、普段から様子をしっかり観察すべきだろう。暴走はできるだけ早く止めてやり、能力を建設的に活用できる場に導いたり、自己顕示欲を満たす別の可能性を示してあげる必要があるのではないだろうか。

「効果100%」のエボラワクチン開発か WHO発表

朝日新聞デジタル 2015年7月31日

世界保健機関(WHO)は7月31日、カナダ政府機関などが開発したエボラ出血熱のワクチン「VSV―EBOV」の臨床試験の中間結果で「100%の効果」が確認されたことを明らかにした。エボラ出血熱対策で一大転換点となる可能性がある。この臨床試験の結果は、英医学誌ランセットに投稿された。
WHOの発表によると、臨床試験はエボラ出血熱の流行が続くギニアで行われ、患者と接触した4千人以上が参加した。
ただし、最終的な結論を得るには、さらなる臨床試験や研究が必要だという。また、大量生産の体制も整えなくてはならない。
WHOのチャン事務局長は、「効果の高いワクチンは現在および将来のエボラ出血熱の流行に対処するための、さらなるとても重要な手段になるだろう」との声明を出した。(ジュネーブ=松尾一郎)

【貧困女子】押しに弱い性格がアダに。引きずった18年、遠い人生の再スタート

Suits-woman.jp 2015年8月1日

女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、あるときまで順調な毎日を過ごしていたのに、ふとした瞬間から“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちの体験談。なぜそうなってしまったか、そしてその後の人生を追ったレポートです。
村上みどりさん(仮名)は、現在38歳。東京下町エリアにある中高一貫教育の女子高を卒業し、文京区内にある短期大学で保育士の勉強をしました。それなのに、現在年収150万円のレストランアルバイト。しかも、来月、アルバイトとして勤務したレストランが18年間の幕を下ろし閉店するのに、次の職業も決まっていないといいます。「貯金も15万円くらいしかなくって……」と、ピンクのミニボストンバッグに付いた、クマのマスコットをもてあそびながら話します。
「これは、ダッフィーっていうんですよ。モコモコしていて触っていると落ち着くんです。私、年間パスポートを持っているくらい、ディズニーリゾートが大好きで。あそこに行っている間だけが、本当に楽しいんですよね。今、こう話している間にも行きたくなってしまいました」と続けます。ところで村上さん、年収150万円でどのように生活をしているのですか?
「今は67歳の母と一緒に東京・江戸川区内の都営住宅に住んでいます。母は年金と掃除のアルバイトを合わせると、月に10万円くらい収入があり、ふたりだとなんとか生活できるんです。ここに住んで10年になりますが、最初に母が申し込み、いろんな優遇措置があって家賃は3万5千円。この家に住めていなかったら、私たちはどうなっていたか、わかりません。
家賃、光熱費、携帯代、食費、月3万円の借金の返済分を支払うと、手元には2万円くらいしか残らないんですよ。あ、借金は私の元夫が渋谷にバーをオープンした時に銀行から借りた500万円の連帯保証分です。33~35歳まで結婚していたのですが、元夫がこの家に転がり込む形で生活していたので、結婚していた実感はあまりないかも。この元夫には、お金は貸しても返してくれないし、浮気された挙句、音信不通になって。新潟県長岡市の彼の実家まで押しかけて、離婚届に判を迫りました。それで、なんとか離婚できてホッと」

村上さんの貧困の原因は、「男性から頼まれると断れない性格」だから!?
元夫と結婚するまでは、年収が少ないながらもそこそこ貯金をし、ささやかな幸せを感じていたといいます。なんでそんな男性と結婚したんですか?
「彼はうちのレストランのお客さんで、私のことを好きになったとかで帰りに待ちぶせされたり、メールがガンガン来たりしました。そんな熱烈にアプローチされたことがなかったので、ついOKしてしまって。
中学校時代からずっと女の中にいて、男性に何か言われるとドキドキしてしまうんです。それに頼まれると断れなくて。あと、私はちょっと太ってるし美人じゃないから、こんな私のことを好きって言ってくれる人には、なんでもしたくなっちゃって。今までも、最初は向こうからアプローチしてきたのに、気がつけば私が追いかけていた……なんてことはしょっちゅうあります。彼のために興味がない野球観戦をしたり、行きたくもないパンクロックのコンサートに行ったり。ディズニーとジブリにしか興味がないのに、『攻殻機動隊』や『ゴッドファザー』の全シリーズを観たりとか。この性格せいで、保育士免許もとれなかったんです」
村上さんが20歳のとき、初めて付き合った男性にハマってしまう。朝も夜もなく彼の高円寺のアパートに入りびたり、保育士試験に全く身が入らなかったと言います。
「初めての相手ってやはり特別なんですよね。児童心理などの筆記試験、ピアノ演奏、読み聞かせなどの実技試験、勉強したことも自分の夢も吹っ飛ぶくらいの経験でした。試験よりも彼にご飯が作るほうが重要でした。友達にも注意されたけれど、恋心は制御不能でした。
というのもそれまで父親以外の男性とほぼ口をきいたことがなかったので……目を閉じても彼の顔が浮かんでいました。あそこで保育士試験に合格しなかったことが、今の不安な毎日の始まりだったような気がします。その後、その彼にフラれて、今のレストランにアルバイトに入ったのですが、そのままダラダラと18年間もバイトで過ごしてしまったのも、自分に自信がなかったからかもしれません」

取り返しのつかない時間と切り詰めた生活は人生を蝕む??

【貧困女子】18年間、年収140万円のレストランバイト~その2~

短大卒でありながらも、年収140万円のアルバイトとして18年間を過ごしてしまった村上みどりさん(仮名・38歳)。柔らかそうなボディーと雰囲気に、透け感ある素材の花柄ワンピースの襟はレース。ダッフィーのマスコットが付いたピンクのボストンバッグ……恋愛に夢中になってしまう、という彼女の性格を表しているようです。ところで、保育士試験を再挑戦しようと思わなかったのですか?
「もちろんバイトをしながら挑戦しようと思ったのですが、レストランのオーナーから“この日は絶対に出て”とか、“来てくれるとホントに助かるよ”とか言われると、つい目の前の仕事を優先してしまって。20代の頃は遊ぶお金も欲しかったので、レストランの後、小岩のスナックでも働いてたんですよ。そうするともうクタクタで勉強どころではないまま、あっという間に24歳になっていました。
そうなると、年齢的に保育士で公務員として採用されるのは、ほぼ不可能。同級生の話を聞いていると、民間施設での保育士の給料はホントに安かったですね。当時、26万円くらい稼いでいた私の半分くらい。朝から晩まで仕事詰めと聞いて、私にはムリと思い、保育士の道を諦めました。
たぶん、あの時の私は取り返しがつかなくなった時間を、“条件が割に合わない”ということを理由に自己正当化していたんでしょうね。ちなみに、その給料が安い民間保育施設で働いていた友人は、今は園長になってかなりの高収入を得ていると聞きました。数年前ディズニーシーで偶然会ったとき、娘二人の母親として、そして妻としても輝いていていましたね。仕事をしていて人生に自信がある女性が持つスッと伸びた背筋は、私はこれから一生手に入れることはできないんだろうな、と痛感したことを覚えています」
まだ38歳、ずっと勤務していたレストランが終わることで、人生の再スタートは切れないものなのでしょうか。
「今のところはムリですね。今更何ができるっていうんでしょうね。勉強するお金もないし、気力もありません。毎日、割安なパスタやパンを探して食べ、お米は高級品。卵やモヤシばかりを食べ、デパ地下は衝動買いするのが怖くて近寄れず……お金のことばっかり考えていると、やる気すらなくなってしまうんですよ。
それに体力も衰えてきて。38歳って疲れやすくなるし、区民の無料健康診断の検査には引っかかるし。結婚といっても恋愛して傷つくのも怖いし、新しい職場に行ったとしても人間関係で悩むのも嫌だし。レストランがなくなる来月から、不安で、不安でたまらないんです。そういう時に専業主婦をしている地元の友達親子とディズニーリゾートに行くと、すごく心が救われるんです。つかの間のリア充です(笑)」
でも、これから30年以上は生きるわけですから、何らかの仕事は探さなくてはなりません。今まで飲食店で仕事をしてきたのですから、本格的にその道に行く、というのもアリではないでしょうか……?
「飲食店の経営がリスキーなことは、元夫の姿から学びました。オープンに費用が掛かりすぎる上に、綿密にお金の計算をしないと、成功しないのがわかっているから。ずっと働いていたから、裏も表もよくわかるんですよね。大ヒットというか看板メニューを作り出し、ランチで行列になるくらい人が来ないと、家賃やバイト代は払えません。
ウチのレストランのオーナーも、18年間もやってきたのに、おそらく貯金もほとんどできてないと思いますね。家賃が安い古民家風のレストランだったのですが、修繕費がかかるし……私はものごとのマイナス面ばかり見てしまうのかもしれませんが、飲食店は儲からない、本当にそう思います。
オーナーは今のレストランを畳んだ後、埼玉の小川町にあるオーガニックレストランで働くのですが、そこに私も誘われているんです。でも私がいなくなったら、母の生活が立ちいかなくなりますから。小川町に通勤するのは不可能だし、母はひとりにできません。実は、オーナーとも何回か男女の関係があって……今年の始め、奥さんと離婚したことをきっかけにプロポーズされました。でも、彼のギャンブル好きや奥さんに対する暴力やモラハラ、人間としてのだらしなさを見ているので、もう男に人生を振り回されるのはコリゴリなので、お断りしました」
今、最終的に村上さんが今考えているのは、介護の道。
「やはり、母の役に立ちたい、という気持ちがあります。といっても、何もまだ始めていません。これから1か月、レストランで仕事をしてお店のクローズに立ち会って、その後はアルバイトをしながら食いつなぎつつ、ずっとできる仕事として、介護の分野で働ければと。
母にはさんざん心配かけましたし、心の面でも経済面でも、やっぱり母がいないと生きていけませんから。私のことを“まだ若い”と言いますけれど、それはみなさんが恵まれているからですよ。この年齢で何のスキルも人脈もなく、人と積極的に付き合う自信もない……まずはこの臆病さの克服をしなくてはいけないのかもしれませんね」

「鮮度が落ちる」と雇い止めされた「カフェ女性店員」 不当と提訴するも認められず

弁護士ドットコム 2015年7月31日

全国展開する喫茶店チェーン「カフェ・ベローチェ」の千葉県の店舗で4年11カ月の間、アルバイトとして働いてきた30代の女性が「雇い止め」を受けたのは不当だとして、店舗の運営会社に雇い止めの撤回と慰謝料を求めていた裁判で、東京地裁は7月31日、請求を棄却する判決を下した。
判決後、東京・霞ヶ関の厚生労働省記者クラブで開かれた記者会見で、女性は「若くないからもういらない、という発言はひどいと(裁判所が)言ってくれると思っていた。今回の判決で、アルバイトは何の権利もなくて、人間としても保護する意味がないんだということを突きつけられた」と涙ながらに語った。

「正社員との同一性」を否定
女性は、2008年7月から2013年6月まで、千葉市の店舗でアルバイトとして勤務していた。アルバイトの契約更新に制限はなく、3カ月ごとの更新を19回繰り返していたが、2012年3月、同社から突然、契約更新の回数を上限15回として、通算4年の勤務で契約を満了するという通達を受けた。
通達に納得できなかった女性は労働組合・首都圏青年ユニオンに加入し、「なぜ辞めなければならないのか」「ここで働き続けたい」と同社に主張し続けたが、納得できる理由が示されないまま、2013年6月に雇い止めになった。
弁護団は、女性が「時間帯責任者」として正社員の店長と同様の業務を行う中核的な役割を担ってきたことなどをあげ、「正社員の解雇と同一視すべきだ」と主張してきた。しかし、東京地裁の吉田光寿裁判官は、女性が店長の指揮命令下で「時間帯責任者」としての職責を長期間果たしてきた事実を認めたものの、正社員との同一性までは認めなかった。

人事部長の「人格を傷つける意図」を認めず
また女性は、雇い止めとなる前の2013年1月、同社と組合の交渉の場で、人事部長に「従業員は定期的に入れ替わって若返ったほうがいい」「うちの会社ではこれを『鮮度』と呼んでいる」などと言われ、人格を傷つけられたとして、200万円の慰謝料を請求していた。
しかし東京地裁は、人事部長が「鮮度」に関する発言をしたことは認定しつつ、「原告の人格を傷つける意図があったことを認めるに足りる証拠がない」として、不法行為責任を否定し、慰謝料請求を認めなかった。
代理人の笹山尚人弁護士は「極めて不当な、多数の誤りを含む判決だ」と厳しく批判し、「控訴して、戦っていきたい」と話した。
女性は「裁判所は、正しいことを企業に対して言ってくれると思っていたが、そうではないと分かって、すごく落胆している。『鮮度が落ちた』という言葉には、納得いかない。言ったことは認めているのに、それが悪いと認めないのはおかしいと思っているので、できるだけのことをやりたい」と語った。

自分は内向的か外向的か、もしかしたら両向型かも

ウォール・ストリート・ジャーナル 2015年7月29日

米カリフォルニア州グレンデールに住むダンス教師のエメロイ・バーナード氏(27)は、1人で考えたり、運動したり、仕事をしたりするのが好きだ。友達と夕食を共にしたり飲んだりするときは、人々の表情や身振りをじっと観察していることがある。ショッピングをしている際に知っている人に会っても、挨拶を交わすのが嫌で、知らない振りをすることが多い。
その一方で、彼は自分をフレンドリーと思っており、ジムで運動しているときや搭乗する飛行機を待っているときに、見知らない人に声を掛ける。では彼は、内向的なのか、それとも外向的なのか。彼はその両方を兼ね備えた両向型なのだ。社会心理学者や行動科学者などによれば、両向型の人は、環境に適応できる個人的、専門的な利点を持っている可能性がある。
専門家によれば、内向型か外向型かは幼少のころにはっきりし、それは生涯変わらない。外向型は活動的で、たくさんの人と交わるのが好きで、関心の的になりたがる。内向型は1人か、もしくは少人数で時間を過ごすのを好み、話す前にじっくり考える。
両向型は両方の特徴を持ち、どちらかが優勢というわけではない。そのため、バランスが取れ、大声でしゃべり続けることはなく、じっと黙っていることもない。両向型は、外向型や内向型の人より、苦もなくはっきり話したり、注意深く聞いたりできる。
自分が両向型かどうかは、どのように行動するか自問すれば分かる。気分転換をしたいと思ったとき、どうしたいのか。友達と楽しい時間を過ごしたいのか、ソファーに座ってテレビを見たいのか。集まりがあったとき、いつごろ帰りたいと思うのか。着いた途端か、それとも誰もいなくなってからか。両向型の場合は、中間を好む。例えば、仕事をした後は友達と飲むが、帰宅すれば犬と散歩することを選ぶ。
2013年6月に「心理科学」誌に掲載された両向型に関する研究論文によると、両向型の人は柔軟性があるため、セールス担当者として優秀であることが分かった。これは、340人の電話セールス担当者を対象に行った調査結果で、性格テストを受けた後3ヵ月間の売り上げを調べた。1時間当たりの成績が最も良かったのは、性格テストで両向型と判断された人だった。
ペンシルバニア大学ウォートンスクールのアダム・グラント心理学教授は、「両向型はやり過ぎもせず、足りなさ過ぎにもならない」とし、子供の教育や結婚生活で独自のスキルを持っていると評価する。同教授によれば、半分以上の人が両向型だという。彼の研究では、ほぼ3分の2が両向型で、残りの3分の1が内向的か外向的かだという。
ウェストバージニア州デイビス&エルキンズ大学心理学・福祉学部のローリー・ヘルゴー助教授は、内向型は刺激や交流を避けたがる一方、外向型は人々と交流し活動したがる。両向型は、状況に応じてどちらでも選べるという。ヘルゴー助教授は「自分が両向型であることを分かっているならば、状況を良く見て、どちらが得か見極めることができる」と話す。