14年間で虐待相談6.3倍に児童相談所の体制強化急務

ビューポイント 2015年8月10日

虐待によって、年間50人以上の子供の命が奪われている。先月7月には沖縄県宮古島市で3歳女児が死亡。21歳義父が虐待の疑いで逮捕された。児童相談所がDVや児童虐待を把握しながら、実母が警察の関与を拒否していたため、対応が遅れた。
一時保護できていれば、救出できた可能性がある。これまでも児童相談所の対応の遅れや体制の不備が指摘されてきたが、一向に改善されていない。
平成25年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は73802件、11年度の約6.3倍に上る。これに対して全国の児童相談所の数は、平成11年度の約1.2倍、児童福祉司数は約2.3倍の増加に止まっている。平成26年度現在、全国の児童相談所は207カ所、2829人の児童福祉司が対応に当たっている。1人の児童福祉司が100件以上の対応案件を抱える厳しい状況だ。
7月1日、児童虐待の通報や相談を受け付ける全国共通の通報ダイヤル「189(いち早く)」の運用が始まった。24時間対応の通報体制が整ったのは一歩前進。
問題は、虐待対応できる児童福祉司を数と質ともに確保して相談体制を整備するとともに、警察との連携を強化するなど、課題は少なくない。

子ども・子育て支援効果、学童保育入所児童数100万人超

リセマム 2015年8月10日

2015年5月1日時点の学童保育入所児童数は前年比8万3,894人増の101万7,429人となり、学童保育数と入所児童数ともに激増したことが、全国学童保育連絡協議会の調査結果より明らかになった。子ども・子育て支援新制度による影響が大きいという。

都道府県別の学童保育数と入所児童数
学童保育は、学童保育関係者の切実な願いと取組みによって、1997年に児童福祉法に位置づけられ、国や自治体に一定の責任がある事業とされてきた。しかし、不十分な内容の制度であったために、公的責任や予算措置があいまいで、最低基準が作られず、市町村や各学童保育によって大きな格差があり、課題が山積していた。
2012年8月に「子ども・子育て支援法」が新しく制定され、2015年4月より学童保育は市町村が主体となって実施することになり、対象児童が6年生までの「小学生」に引き上げられた。また、「指導員の資格」と「配置基準」は国が決めた基準に従う最低基準とされた。
学童保育数は前年比3,445か所増の2万5,541か所で、学童保育の入所児童数は前年比8万3,894人増の101万7,429人と初めて100万人を超え、学童保育数と入所児童数ともにこれまでになく激増。この10年間で学童保育数は約1.6倍、入所児童数は約1.5倍に増加した。
しかし、学童保育はまだまだ不足しており、入所できない子ども(潜在的待機児童)が多数いると考えられる。母親が働く小学校低学年の子ども(末子)のうち、学童保育に入所している子どもは39.4%で、低学年に限っても「潜在的な待機児童」は40万人以上と推測される。
全国学童保育連絡協議会は毎年、共働き・ひとり親家庭などの小学生が毎日利用する「生活の場」である学童保育(放課後児童クラブ)について、実施個所数や入所児童数などの調査を行っている。今回、2015年5月1日現在の実施状況調査の結果を公表した。

なんでご飯にふりかけかけるの!親子げんかの末に包丁で娘に軽傷負わす 容疑で母親を逮捕

産経新聞 2015年8月9日

ふりかけをめぐって親子げんかになった末、高校1年の長女(15)に包丁を向けてけがをさせたとして、大阪府警河内長野署は9日、殺人未遂容疑で、大阪府河内長野市千代田台町の無職女(35)を現行犯逮捕した。「包丁を構えただけで、殺すつもりはなかった」と容疑を否認している。
同署によると、女は食事中、「ご飯にふりかけをかけないでいいでしょ」などと長女を怒ったことで口論になり、台所から包丁を持ち出した。女は「親子げんかになっている」と自ら110番。駆けつけた署員が身柄を拘束したという。
逮捕容疑は9日午後3時50分ごろ、自宅で長女の右手に包丁で軽傷を負わせたとしている。
女は今年3~6月、長女や中学3年の長男に物を投げたり、髪の毛を引っ張ったりしており、同署が虐待の可能性があるとして、3回にわたって府富田林子ども家庭センター(児童相談所)に通告していた。

職務質問から逃げた中2、はねられ重体 名古屋

朝日新聞デジタル 2015年8月10日

10日午前0時5分ごろ、名古屋市南区豊田1丁目の交差点で、警察官から自転車で逃げていた中学2年の河部吏玖(りく)さん(14)=南区明治2丁目=が、市内の男性会社員(26)が運転する乗用車にはねられた。河部さんは病院に運ばれたが全身を強く打って意識不明の重体。
愛知県警南署によると、少年たちが騒いでいると住民から110番通報があった。駆けつけた南署員が路上に集まっていた河部さんら約5人を見つけ、職務質問しようと近づいたところ、少年たちは散らばって逃走。河部さんは国道247号を渡ろうとして車にはねられたという。
南署は「少年の一刻も早い回復を祈っています。捜査が適正だったかは調査中」としている。

「医療従事者が足りない」これって本当?

nikkanCare.ism 2015年8月10日

ニュースなどでよく、「医療従事者の数が足りない」という言葉を耳にすることはありませんか?
しかしこれは本当なのでしょうか。その疑問を解くために、厚生労働省がまとめた「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」から見ていきましょう。

1,000人を2.4人の医師が見ている
平成24年のデータによると、人口10万人に対して、医師の数は237.8人である、という数字が出ています。つまり、1,000人の患者を、2~3人程度の医師で見ている、ということになります。
このような数字を聞いたとき、「医師の数が少ない!」と思ってしまうのは、無理もないことです。しかし、1,000人全員が病気にかかっており、医師の手当てや診断を必要としているか? と言われると、そうではありません。
ちなみに、歯科医師の場合はもっと少なく、人口10万人に対して80.4人となります。薬剤師の場合は、10万人に対して219.6人となっています。

医師の数は減っているか
では、人口10万人に対する医師の数は減っているのでしょうか?
これに対しては、「増え幅に違いはあるものの右肩上がり」だと言えます。歯科医師や薬剤師も同様です。
医師の数は、昭和57年に比べると1.7倍近くになっています。もっとも増加率が高い薬剤師の場合は2倍以上に、もっとも増加率が低い歯科医師の場合であっても1.6倍近くになっています。
このため、“医師不足”というのは、少々乱暴な見方だと言えるでしょう。

平均年齢と地域差
ただし、医師の平均年齢もまた、右肩上がりです。昭和57年には40歳程度だった平均年齢が、平成24年に44歳近くになっています。
また、医師の数は、地域によっても大きな違いがあります。無医村などが取り上げられるからか、「田舎には医師が少ない」と思う人もいるかもしれません。
しかし現在、10万人あたりの医師の数がもっとも少ない県は、関東圏にある埼玉県です。同じ関東圏であるにも関わらず、東京都の半分くらいしか医師がいません。
ちなみに、医師の専門ごとにみていくと、また異なる結果になります。たとえば、小児科の専門医がもっとも少ないのは茨城県、外科の専門医がもっとも少ないのは新潟県です。
だからといって医師の数の多い県や地域に住居を構えたりすることは考えなくても良いでしょうが、もしも家族が病気がちだったり大きな病気を患っているという場合は、選択肢のひとつになるのかもしれません。

女性管理職登用の「壁」-採用段階で生じる「女性活躍」の足かせとは-

ZUU online 2015年8月10日

研究員の眼
大企業に女性登用の行動計画づくりを求める(300人以下の中小企業は努力義務とする)女性活躍推進法案が、国会で審議されている。
女性管理職の登用がなかなか進まないわが国において、法により、企業が女性登用に積極的に取り組むことが促されることになる。この背景には今年の3月、国連婦人の地位委員会が「2030年までに指導的立場の女性を半分に」するという目標を掲げた影響が大きい。日本政府もこの関連文書に合意しているのである。
残念ながら男女雇用機会均等法の制定の際もそうであるが、日本は女性活躍において、つねに先進諸外国の後追いをしている状態からいまだ脱却できない。それでは企業が今後、女性登用に本気で取り組む場合、何が壁となるのであろうか。
企業で女性が管理職に到達するための前提として、まずは採用と定着の問題がある。採用されなければ女性管理職の育成は出来ないし、採用しても定着しなければ管理職には到達しない。本稿では、採用と定着、この2つのうちの採用に絞って考察したい。というのも、定着に関しては男女における大きな差が確認できなかったからである。
厚生労働省の平成25年雇用動向調査によれば、思うほどの男女差が離職率にはないことが確認できる。ここで、雇用動向調査における離職率とは「年初の常用労働者数に対する離職者数の割合」を示しているが、平成25年度雇用動向調査における一般労働者離職率(短時間勤務以外の労働者の離職率)は男女計で12.4%、うち男性が10.7%、女性が15.8%となっている。女性管理職割合が極端に少ないことをこの離職率差をメインとして語ることは難しい。
以上から、「採用」という側面に注目をして、女性を登用する企業側、そして登用される女性側から、双方の意識をみることで女性管理職登用のわが国における「足かせ」の一要因を探ってみたい。

企業から見た女性登用の課題:候補となる女性がいない
企業の経営者ならびに人事・総務・管理部門に属する2857人(延べ2743社)に対する「女性管理職を増やす上での問題として当てはまるものを選ぶ」という質問への回答の6割近くの回答者が選んだ突出した1位の理由は「候補となる従業員の不在」である。つまり、登用したくてもそもそも対象者が存在しない、というものである。
この結果は一つには、コース別人事において、企業が管理職候補である「総合職」に女性をあまり採用してこなかった歴史があるため、当然の結果といえる。
厚生労働省が問題視して毎年公表している「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」によれば、平成26年度の調査で総合職採用者の女性比率がようやく2割を超えたばかりである。
このような状況であるので、いざ女性を管理職に登用しようとしても企業に人材不足が生じてしまう。企業は今後、迅速に総合職への女性採用を増加させる必要がある。ここで、そもそも女性の総合職への応募が少ないので採用が少ないのではないか、という疑問が起こるのは当然である。
しかし、厚生労働省の発表によれば、最新情報の平成26年度採用において、総合職の男女別採用倍率を見ると、男性30倍に対し、女性は43倍となっている。同省の前回調査(平成23年度)では、男性17倍に対しなんと女性は63倍であった。
国の指導により是正が急速に進んでいるとはいえ、今後も男女の総合職の採用格差を縮小するための努力が望まれる。

採用される女性から見た女性登用の課題:楽しく働きたい
ここまでは採用する側の女性登用の問題をみてきたが、では採用される総合職候補となる女性側はどのように考えて就職したいと思っているのであろうか。以下は就職活動を控えた大学生、大学院生の就業感を調査した結果である。男女差をとることで、より女子学生が何を希望しているのかを見てみることにした。
男子学生に比べて目だって女子学生の就業感に多いのは「楽しく働きたい」であった。
男子学生は文理とも3割程度の支持率であるが、女子学生に関しては文理とも4割近くの支持を集めて、男性に比べて「個人の生活と仕事を両立させたい」に比べても高い支持を集めている。同調査によると女子学生の「楽しく働きたい」は十数年間トップの支持を集めているという。
では「楽しく働く」とは何をさしているのであろうか。これについては直接的な回答を求める質問は行われていないが、「行きたくない会社」という質問についての回答を見ると男女差は以下の通りとなっている。
理系女子は理系男子よりも、ノルマや学閥・男女差別を嫌う。そのかわり、仕事の内容の面白さや会社の経営等には男子より関心がないようである。文系女子でもやはりノルマや学閥・男女差別が嫌われるが、転勤が多いことも男子学生よりも避けられることが見て取れる。そのかわり、男子ほど給料は気にしていない。

考察からの示唆
企業の人事関係者のアンケート結果や厚生労働省の採用格差データから、まずは女性の総合職採用人数を早急に拡大すること、が課題であろう。しかしながら、採用される側とのミスマッチがあれば、企業側の思うような人材は集まらない。
就職活動前の大学生・大学院生の調査からは、職場におけるノルマや学閥・男女差別的な企業がより女子学生から嫌われていることが示された。
学歴・男女差別的な企業について、男子学生からよりも女子学生から、よりネガティブに評価されている点については、今後も、企業の過去の学歴・男女別採用実績をより女子学生が気にしてチェックするだろうと思われる。これに対しては、上に述べたように、まずは女性の採用枠を拡大していくことで企業の姿勢を示すのが最も説得力のある方法であろう。
ノルマについては女性であるから減らす、という性質のものではない。しかしながら、男性にはなくて女性にだけ生じるライフイベントである妊娠・出産(・育児休業)などの期間のノルマに業績や評価が影響されるような体系は、明らかに女性に不利となってしまうため、今後十分に検討する必要がある。
また、図表の補足にはなるが、文系女子学生において特に「転勤」も壁になっているようである。妊娠出産というライフイベントが想定される女性にとっては、男性では問題にならないようなノルマ制や転勤が少なからず不安を与える制度であることは否めないだろう。
急速に進む人口減少社会において、不足する労働力を補う優秀な女性人材を確保、育成するための「採用の壁」改革が必要である。このために企業経営者に残された時間はあまり長くはない、そう言えるのではないだろうか。

(1)実施時期:2015年3月23日から4月6日、回答方法:ウェブ回答、回答者数:延べ2743社2857人、対象:「日本の人事部」人事会員
(2)調査対象 2015年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生
調査機関 2013年12月1日~2014年2月28日
調査方法 WEBフォームによる回収
有効回答 9705名
天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 生活研究部

まだまだ高収益のマイクロソフトがWin10で事業モデルを大転換する理由とは

THE PAGE 2015年8月10日

マイクロソフトは、Windowsの最新版であるWindows10の配布を7月末からスタートさせました。あまり話題になっていませんが、マイクロソフトはWindows10をきっかけに、創業以来40年間続いてきた事業モデルを180度転換しようとしています。マイクロソフトは何をしようとしているのでしょうか。そしてWindows 10はどのような位置付けなのでしょうか。

まだまだ高収益のマイクロソフトがWin10で事業モデルを大転換する理由とは
マイクロソフトはソフトウェアのメーカーですから、ソフトウェアを利用者に販売するという事業モデルを基本に据えてきました。Windowsは全世界で圧倒的なシェアを持つ基本ソフト(OS)ですが、数年に一度、大幅に機能を刷新した新製品を投入し、そのたびに利用者は料金を払って購入していました。これが同社の大きな収益源となってきたわけです。
ところが近年、ネット環境の整備が進み、スマホが台頭してからは状況が一変、パッケージの売り切りというビジネスモデルが徐々に通用しなくなってきました。ソフトウェアのメーカーであるマイクロソフトも、ITサービス会社への脱皮が求められています。
Windows10はこうしたマイクロソフトの戦略展開の中核となる新製品です。これまで何回も新OSの投入は行われてきましたが、今回は根本的に状況が異なっています。1年間という期間限定ではあるものの、Windows7やWindows8の利用者は、無料でWindows10にアップグレードできます。また同社は、Windows10に関して、小規模なアップデートを随時実施するのみで、機能の大幅刷新は実施しない方針を明らかにしています。つまり、Windows10は最後のWindows製品ということになります。
マイクロソフトは、今後、これまでも堅調だった企業向けサーバー製品などを強化するとともに、消費者向けについては、サービスで収益を稼ぐやり方に転換する方針です。同社は、Windows10の発表に合わせて、クラウド上でデータを蓄積したり、業務用ソフトを月額固定料金で利用できるサービスの強化を行っており、今後はこうしたサービスが事業の主体となっていくでしょう。

同社の2015年6月期の決算は、売上高が935億8000万ドル(約11兆5000億円)、純利益は121億9300万ドル(約1兆5000億円)と増収減益でした。まだまだ高収益企業ですが、昨年度は純利益が今の2倍近くありましたから、収益力が低下していることは間違いありません。
問題はサービスで稼げるのかという部分なのですが、それほど悲観する必要はなさそうです。同社の業務用ソフト「オフィス」をクラウド経由で利用できる「オフィス365」はすでに利用者が1500万人を突破しており、この事業だけで年間2000億円の収益があります。
同社は、世界にあるパソコンのうち10億台を3年以内にWindows10に置き換えるという目標を掲げています。もしこの目標が達成され、利用者の多くがこうしたサービスに加入すれば、現在をはるかに上回る収益を上げることも可能です。すべてはWindows10の普及状況次第ということになるでしょう。